農業用ハウス(ビニールハウス)の建設を請け負うには、建設業許可は取らなけれはいけないのでしょうか?
結論から行ってしまうと、農業用ハウス建設のためには建設業許可を取得しなければなりません。
ここでは、農業用ハウス建設のために必要な建設業許可の種類とともに、その要件についても解説をしていきます。
農業用ハウス建設に該当するのは「とび・土木・コンクリート工事」
一定規模以上の農業用ハウス建設を請け負うためには「とび・土木・コンクリート工事」の建設業許可を取得しなければなりません。
建設業許可を取得したことのない方にとっては、なんでビニールハウスを建てるのに、とぼ・土木・コンクリート工事なの?とパッと結びつかないかもしれません。
しかし、この区分の許可の対象となっている工事の種類はとても幅広く、次のような工事をすることが出来ます。
とび工事、足場仮設工事、バックネット設置工事、ひき工事、杭工事、杭打ち工事、矢板土囲工事、土工事、掘削工事、根切工事、発破工事、盛土工事、コンクリート工事、はつり工事、地盤改良工事、ウェルポイント工事、ボーリンググラフト工事、捨石工事、法面 処理工事、地すべり防止工事、種子吹付工事、駐車場の舗装工事、運動施設整備工事、テニスコート表層工事、ガードレール設置工事、道路標識工事、道路付防音壁工事、外構工事、ネットフェンス工事、ビニールハウス築造工事、小規模造成工事、電柱の地中化工事、雨水ます工事
ビニールハウス建造も、土台の築造、骨組みの組み立てという捉え方からこのカテゴリーに分類されています。
「とび・土木・コンクリート工事」の取得要件
ではここからは、「とび・土木・コンクリート工事」の取得要件についても見ていきます。
まず、一般論として建設業許可のためには次の5つの要件を満たす必要があります。
①建設業に係る経営業務の管理を適正に行う能力
②専任技術者
③誠実性
④財産要件
⑤欠格事由非該当性
この内、②専任技術者というのは、行って水準以上の技術者を営業所ごとに置かなければいけないという要件を意味するのですが、これは取得する許可の種類によって異なるので重点的に見ておきます。
なお、これは一般建設業許可と特定建設業許可で要件が異なりますので一般の方から見ていきましょう。
一般建設業許可で専任技術者になれる人
次のどれかに当てはまる必要があります。
1 有資格者
1級建設機械施工技士 |
2級建設機械施工技士 |
1級土木施工管理技士 |
2級土木施工管理技士(種別:土木・薬液注入) |
1級建築施工管理技士 |
2級建築施工管理技士(種別:躯体) |
技術士 |
地すべり防止工事士登録後、1年以上のとび土工工事の実務経験 |
基礎施工士 |
技能士 型枠施工(2級の場合、+実務経験1or3年) とび(2級の場合、+実務経験3年 コンクリート圧送施工(2級の場合、+実務経験1or3年) ウェルポイント施工(2級の場合、+実務経験1or3年、土木工事に係るもののみ) とび・とび工(2級の場合、+実務経験1年) |
基幹技能者 |
2 関連学科(土木工学又は建築学に関する学科)を卒業+3〜5年のとび土工コンクリート工事実務経験者
大学卒業+3年以上の実務経験 |
専門学校卒業(高度専門士or専門士)+3年以上の実務経験 |
高校卒業+5年以上の実務経験 |
専門学校卒業(専修学校専門課程)+5年以上の実務経験 |
3 10年以上のとび土工コンクリート工事の実務経験者
10年以上の実務経験ある。 ※その他学歴や資格は不要です。 |
4 とび土工工事実務経験8年+他の工事実務経験=12年以上
とび土工工事実務経験8年+土木工事実務経験4年以上 ※重複期間なし |
とび土工工事実務経験8年+解体工事実務経験4年以上 ※重複期間なし |
次にご紹介するのは、特定建設業許可で専任技術者になるための要件です。
イメージとしては、資格を持っているか、一般の要件+αの経験があるか、といった感じです。
特定建設業許可で専任技術者になれる人
1 有資格者
1級建設機械施工技士 |
1級土木施工管理技士 |
1級建築施工管理技士 |
技術士 |
2 一般の要件+2年以上のとび土工元請工事での指導監督的な実務経験
一般建設業許可の要件+ 元請けとして、請負金額4500万円以上のとび土木工事で、工事現場監督等、指導監督的実務経験が2年以上あること |
さて、ここまでいかがだったでしょうか?
農業用ハウス(ビニールハウス)建設には「とび・土木工事・コンクリート工事」の建設業許可が必要であることがおわかり頂けたことと思います。
また、その許可取得にあたっては満たすべき要件があります。
建設業許可取得をご検討の方はぜひ一度専門家の行政書士に相談をしてみて下さい。