補助金活用ガイド

補助金っていくらもらえるの?

補助額(もらえる金額)

補助金は「補助」とついている通り、基本的に事業者さんが支払った経費の一部を肩代わりしてくれる制度です。

たまに全額を負担してくれるような補助金も存在しますが、あくまでも補助金は「一部」だということはお忘れにならないでください。

では、「その補助してくれる金額って果たしていくらなの?」

こう疑問に思われたのではないでしょうか?

結論から申し上げますと、「補助してくれる金額は補助金によってまちまち」と言えます。

国の3大補助金と言われている「ものづくり補助金」、「IT導入補助金」、「小規模事業者持続化補助金」は補助金ごとに補助してくれる金額が当然違います。

①ものづくり補助金

ものづくり補助金は、革新的な製品開発や今のサービスの提供方法を改善させるなどの取り組みにかかる経費を補助してくれる補助金です。

この補助金の特徴は、「比較的投資規模が大きいことです。」

そのため、補助してくれる金額も大きく、一般型では最大で「1,000万円」となっています。気を付けなければいけないのは、1,000万円が誰でも受け取れるということではないということです。補助金額と並んで重要なのは「補助率」です。補助率とは、「これだけ補助金で補助しますよ!」という上限を表しています。

例えば、小規模事業者は補助率「2/3」になります。そうなると次のような投資は補助金額がこのようになります。

《ケース1》
設備投資額900万円→2/3 600万円 = 補助金額600万円

《ケース2》
設備投資額3,600万円→2/3 2,400万円 = 補助金額1,000万円

《ケース1》は投資額の2/3が600万円となりますので、その満額である「600万円」が補助金額となります。
《ケース2》は投資額の2/3が2,400万円と補助上限金額の1,000万円を超えていますので、補助上限金額の「1,000万円」までが補助金額となります。

②IT導入補助金

IT導入補助金は、会社の日々のルーティンワークをRPAなどの自動化ツールを使って負担軽減をするなどの業務効率化を目指す取り組みにかかった経費を補助する制度です。

この補助金の特徴は、「労働生産性向上」です。

そのため、他の補助金では売上を上げるような取り組みに対してかかる経費を補助してくれるようなものもありますが、IT導入補助金は「売上拡大」ということは直接的な目的ではありません。補助される対象の経費もソフトウェア費用など他の補助金に比べて対象の範囲が狭いのも特徴の一つです。

社内業務を効率化させて、スタッフの残業を防いだりして、最終的には利益率アップへ繋げるための、より働くスタッフさんのことを考えられた補助金とも言えます。

業務効率化や生産性向上を主な目的として、最終的に売上を上げるための取り組みに対して補助をする補助金ですので、他の補助金では直接的に売上拡大につながるような、WEBページといったものも対象になっていましたが、IT導入補助金は対象外になるなど、しっかりと対象になる経費を見定めることが大切です。

IT導入補助金では、補助金事務局にあらかじめ登録をされている既存のITツールを導入しなければいけません。

IT導入補助金もかかった経費の一部を補助する補助金ですので、補助率と補助上限の金額があります。

また、IT導入補助金は「A類型」、「B類型」といった社内に取り入れるソフトウェアの数などで申請できる類型が異なってきます。

(昨年のIT導入補助金ではC型という新型コロナウイルスに関する特別なものも登場しましたが、ここでは一般的なA型とB型にしぼって書かせていただいております。また、詳細はIT導入補助金の章で詳細を書いておりますので、ここでは割愛します。)

③小規模事業者持続化補助金

小規模事業者持続化補助金は、20名以下の小規模事業者(商業・サービス業は5名以下の小規模事業者)向けに売り上げを上げるときにかかる経費の一部を補助してくれる補助金です。

この補助金の特徴は、「小規模事業者の販路拡大」です。

売上を上げることは小規模事業者も当然ながら必要なことではありますが、小規模事業者が売り上げを上げていくときにかかる経費というのは、小規模事業者にとって負担でもあります。大企業のように潤沢な資金がある小規模事業者は少ないですので、新たな販路を拡大しようとしても躊躇してしまいがちです。

そのため、積極的に売り上げを上げる努力をしようという小規模事業者に対して、国がかかる経費の一部を補助してくれるものが小規模事業者持続化補助金です。

小規模事業者向けの補助金ですので、かかる経費も他の補助金に比べて少ないことが想定されており、補助される金額も50万円~100万円となっています。

補助率(自己負担の割合)

補助金という名称の通り、あくまでも補助してくれる制度であるのが補助金制度です。多くの補助金では1/2~2/3を補助してくれるようになっています。

最近では新型コロナウイルスの影響によって新たな補助金制度も出ました。コロナの影響の大きさを考えて、補助される率も3/4と大きくなっていたり、制度によってはかかった経費の100%を補助してくれるものまで登場しています。

ですが、基本的には「かかった経費の50%~60%程度」を国が補助してくれると考えておけば間違いはないでしょう。

一部しか補助されないと思われた方もいるかもしれません。ただ、通常であれば全ての経費を会社が負担しなければいけないものを国が補助してくれる補助金制度は、会社の資金繰りという側面からもとても魅力的な制

度です。つまり、少ない負担で済むということは会社からそれだけの流動資産(現金)の流出を防げたという意味でもあり、その点でも意義ある制度と言えます。

この記事の監修

さむらい行政書士法人 代表 / 小島 健太郎

行政書士/財務コンサルタント

吉野 智成(よしの ともなり)

プロフィール

大学卒業後、税理士事務所で中小企業の会計を支援。
2019年 行政書士登録、個人事務所を開設
2021年 補助金・融資部門を法人化。「株式会社Gunshi」を設立
専門分野:事業者向け補助金、融資申請支援

書籍

中小会社で活用できる「補助金」のことがわかる本』(セルバ出版)

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