日本政策金融公庫の「マル経融資」の融資審査に通るための条件とコツについて解説をしていきます。
日本政策金融公庫の「マル経融資」とは正式名称としては「小規模事業者経営改善資金」という融資制度のことです。
「マル経融資」の概要としては、運転資金や設備資金として上限2000万円まで借入することができ、低金利、無担保、保証人なしで申し込むことができる融資になります。
返済期間としても設備資金の場合で最長12年とすることが可能なので、借り手側からすると貸付条件の非常にいい融資になります。
「マル経融資」を申し込む事ができる条件としては、下記になります。
- 従業員が20名以下の法人や個人事業主であること。
- 納税(法人税・所得税・消費税・事業税・住民税)の義務を果たしていること。
- 日本政策金融公庫の融資対象業種であること。
- 商工会や商工会議所の経営指導を6ヶ月受けていること
- 直近1年以上、商工会、商工会議所の区域で事業を行っていること。
以上が「マル経融資」を申し込む際に必要なる条件です。
「マル経融資」の条件をみると、直近1年以上は、事業を営んでいないといけないので、創業融資として「マル経融資」を使用することはできないことになります。
また、「マル経融資」を受けるためには、商工会や商工会議所の経営指導を最低6か月以上受けて、商工会や商工会議所から推薦状を貰わないと申し込むことができません。
借り手の立場から言うと、通常、融資というものは、必要な際になるだけ早く実行をしてほしいものになりますので、この点が「マル経融資」のデメリットと言えるかもしれません。
では、日本政策金融公庫の「マル経融資」の融資審査を通しやすくするコツというと、
どのようなことをすればいいのか? そのポイントとしては、
① 自社の現状把握をする。
「マル経融資」を申し込む前に、もっというと商工会議所などの経営指導を受ける前に自社の経営状況の把握や見直しをするようにしましょう。
経営状況を見直すことで、隠れた問題点なども見つかるようになりますので、その点を把握したうえで、「何の目的で融資を受けるのか?」「どのように返済をしていけるのか?」などの計画を立てるようにしましょう。
②他の金融機関からの融資の返済や、税金の納付に問題がないか確認をする。
「マル経融資」の条件には、各種税金に未納があると、融資条件から外れて融資審査にとおりません。所得税や消費税、法人税、事業税など各種税金に未納や滞納がある場合には事前に納付を完了するようにしてください。
また他の金融機関に借入などがある場合、融資審査のハードルが上がることもあり得ますので、できるなら返済を終わらすか、最低でも返済遅れが無いようにしておきましょう。
③ 融資に必要な書類の事前確認は必須です。
「マル経融資」の融資申し込みに必要な基本的書類としては、
・前期、前々期の決算書と確定申告書
・決算完了後6か月以上経過している場合は直近の残高試算表
・各種税金の納税証明書
・登記事項証明書(法人の場合)
・設備資金での融資の場合は、その設備の見積書やカタログ等
が少なくとも必要になります。
以上を不足なく用意をしたうえで、更にそれ以外にも、自社をアピールすることができる資料や、決算書類も3年以上前のものから用意をして、安定性をアピールすることも大切です。
④ 商工会や商工会議所の経営指導をしっかりとうける。
「マル経融資」は商工会や商工会議所の経営指導を6か月は受けないと、商工会から推薦状がもらえず、融資を受けることができません。
その為、商工会の経営指導を受けるまえから、自社の事をしっかり把握して、改善ができる点、例えば未納状態の税金を完納するなど、自社の見直しを図り、真摯に経営指導を受ける様にしてください。
商工会の経営指導担当員が納得してくれないと、融資は受けられませんので、自社の至らない点の指摘を受けた場合は改善に努める様にしましょう。
⑤ 融資審査の際には自身をもって自社をアピールする
審査を通すうえで、自社をアピールするのは非常に重要です。基本的な必要資料以外にも自社をアピールできる資料があるのであれば積極的に提出をして、融資の目的、その融資を活用しての自社の今後の展開、返済計画など、全て問題ないことを自ら率先してアピールすることがたても大切です。
いきなり上手に話すことができないのは誰でも同じですので、何回もシミュレーションをするようにして、うまく自社アピールできるようにしましょう。
以上が日本政策金融公庫の「マル経融資」の融資を通すためのコツになります。
日本政策金融公庫の「マル経融資」は借り手側からすると、非常に好条件な貸付条件になります。融資までの時間は非常に長い融資にはありますが、商工会などの経営指導を受ける事により自社の経営状況もブラッシュアップされますので、検討するにはよい融資制度だと思います。