日本政策金融公庫の「マル経融資」はどんな融資なの? マル経融資を受けることによってデメリットはあるの?
そんな疑問をお持ちの方もみえると思いますので、日本政策金融公庫の「マル経融資」について解説をしていきます。「マル経融資」は日本政策金融公庫が扱う融資制度の1つで、正式名称は「小規模事業者経営改善資金」といいます。
「マル経融資」は日本政策金融公庫の融資制度の中でも融資条件が借り手にとって非常に好条件な融資で、低金利、無担保、保証人なしで融資を受ける事ができます。
そんな条件の良すぎる融資は逆に怪しい!デメリットがあるのではないか!?と不安になる方もいると思いますので、先にデメリットの説明をします。
日本政策金融公庫「マル経融資」のデメリット
①創業時の融資には使用できない!
日本政策金融公庫の「マル経融資」を受ける為の条件の1つに、「直近1年以上事業を営んでいること」というのがありますので、事業開始から1年未満の創業したての方は、この
「マル経融資」を利用することができないことになります。
創業時期は何かと資金調達に苦労する時期なので、創業時期に「マル経融資」を受ける対象にならないということは非常に大きなデメリットといえると思います。
②融資の実行までに時間がかかる!
日本政策金融公庫の「マル経融資」を受けるには当然に日本政策金融公庫の融資審査をうける必要があります。日本政策金融公庫の融資審査の期間自体は1ヶ月から2か月程となっており、他の融資制度と比べると、若干長めの審査期間になっています。ただ融資の実行までに時間がかかるというのは、日本政策金融公庫の審査期間のみの話ではなく、「融資を受けようと決めたときから、日本政策金融公庫に融資の申し入れをするまで」にも時間がかかるのです。
日本政策金融公庫の「マル経融資」を利用するにあたっては、「商工会議所」や「商工会」の長の推薦状が必要になります。
「商工会議所」と「商工会」というのは、簡単に言うと、地方企業を活気づけることを目的として設立した非営利団体のことです。
「商工会議所」は市の区域に設置され、「商工会」は町村の区域に設置されています。
「商工会議所」も「商工会」も会員制の組織で、会員に対して色々なサービスを提供している団体になります。
「マル経融資」に必要な推薦状も、そのサービスの1つになります。
「商工会議所」や「商工会」から融資に必要な推薦状をもらうためには、「商工会議所」「商工会」の、まずは会員になり、「商工会議所」または「商工会」から原則6か月以上の経営指導を受け、そのうえで事業を黒字化してからでないと推薦状はもらえません。
融資というものは少しでも早く受けたいというケースが多いので、ここまで時間がかかるものだとこの点は大きなデメリットと言えばデメリットになると思います。
日本政策金融公庫の「マル経融資」を受ける際のデメリットとして考えられるのは上記2点になるかと思います。
日本政策金融公庫「マル経融資」を受ける為の条件
①常時雇用する従業員の数が20名以下の法人や個人事業主であること。
②直近1年以上推薦をうけようとする商工会の区域内で事業を行っていること。
③事業内容が日本政策金融公庫の融資対象業種であること。
④各種税金の納税義務を果たしていること
⑤商工会議所や商工会の推薦状があること。
以上が日本政策金融公庫の「マル経融資」を申し込む際に必要になる条件になります。
日本政策金融公庫の「マル経融資」は、日本政策金融公庫や他の金融機関の融資と比べても、融資の条件は非常に借り手側に有利な融資制度になっています。
運転資金や設備資金の両方に活用することができ、融資限度額は2000万円で、設備資金の場合の返済期間も最長12年にすることができます。(据置期間含む)そのうえ、低金利、無担保、保証人も不要という条件で融資を受ける事ができます。
創業融資に活用できないという点や、商工会等の経営指導をうけなければならず、融資の実行まで時間がかかるという点はあるものの、条件が許されるのであれば、是非とも検討することをお勧めしたい融資制度であることは間違いありません。
メモ
以上が日本政策金融公庫の「マル経融資」のデメリットの解説になりますが、融資をご検討されるにあたって、自社のみで申し込みをされるのに少しでも不安がある方は、行政書士の様な専門家にサポートをお願いするのも1つの方法であると思います。