【中国人】オランダ渡航|シェンゲンビザの申請書類や流れを解説<
旅行などでオランダ渡航を予定している中国国籍の方の中には、
「必要なビザの種類は?」
「シェンゲンビザとは?」
「申請書類や手続きの流れは?」
といった疑問をお持ちの方も多いでしょう。
この記事では、中国国籍の方が取得できるオランダ渡航のためのシェンゲンビザについて、詳しく解説します。
ぜひ、最後までお読みください。
シェンゲンビザ(短期滞在ビザ)とは?
ここでは、シェンゲンビザの基本情報について見ていきましょう。
シェンゲン協定加盟国内に渡航する際の短期滞在ビザ
シェンゲンビザは、すべてのシェンゲン協定加盟国で利用できる共同の査証です。
ビザを取得すれば、シェンゲン加盟国へのアクセスが許可されます。
国ごとに個別のビザを申請する必要がなく、1つのビザでヨーロッパ諸国の大部分をカバーできます。
シェンゲン協定加盟国
シェンゲンビザを利用できるエリアは、シェンゲン協定の加盟国です。
協定には、現在29カ国が加盟しています。
- オランダ
- オーストリア
- ベルギー
- チェコ
- デンマーク
- エストニア
- フィンランド
- フランス
- ドイツ
- ギリシャ
- クロアチア
- ハンガリー
- イタリア
- アイスランド
- ラトビア
- リヒテンシュタイン
- リトアニア
- ルクセンブルク
- マルタ
- ノルウェー
- ポーランド
- ポルトガル
- スロバキア
- スロベニア
- スペイン
- スイス
- スウェーデン
- ブルガリア
- ルーマニア
加盟国は、欧州連合(EU)を中心に構成されています。
キプロス・アイルランドはEU加盟国ですが、シェンゲン協定の加盟国ではありません。
上記のアイスランド・リヒテンシュタイン・ノルウェー・スイスの4カ国は、欧州自由貿易連合(EFTA)です。
180日間で最大90日間、シェンゲン協定加盟国の間を行き来できる
シェンゲンビザ(Cビザ)を取得すれば、1つのビザでシェンゲン協定加盟国を自由に旅行できます。
滞在できる期間は、「180日間のうち最長90日間」です。
滞在期間の詳細については後述するので、合わせて確認してください。
中国人の方が申請できるシェンゲンビザの種類
シェンゲンビザは、目的や滞在期間に応じて、取得すべきビザの種類が異なります。
シェンゲンビザ Aビザ
Aビザは、空港通過ビザです。
Aビザを取得すると、オランダの空港から第三国への乗り継ぎができます。
ただし、オランダまたはほかのシェンゲン協定国への入国は許可されません。空港および国際線のトランジットゾーンからは出られないため、注意しましょう。
シェンゲンビザ Cビザ
Cビザは、短期滞在ビザです。
Cビザを取得すると、オランダに最長90日間滞在できます。
オランダの短期滞在ビザには、以下の2タイプがあります。
1.単一入国ビザ
1回のみ有効で、最長90日間オランダまたはシェンゲン圏内での滞在が可能です。
2.数次入国ビザ
180日間のうち最長90日間、オランダまたはシェンゲン圏内での滞在が可能です。期間は連続している必要はなく、複数回に分けて滞在できます。
シェンゲンビザ Dビザ
Dビザは、長期滞在ビザです。
Dビザを取得すると、オランダに90日以上滞在できます。
ただし、オランダでのみ有効で、ほかのシェンゲン圏内には入国できないため、注意しましょう。
シェンゲンビザ申請の条件
シェンゲンビザを申請できる国籍・条件について、以下で解説します。
シェンゲンビザが必要な国
以下の国籍のパスポートをお持ちで、オランダに滞在したい方は、シェンゲンビザが必要です。
- 中国
- アフガニスタン
- アルジェリア
- アンゴラ
- アルメニア
- アゼルバイジャン
- バーレーン
- バングラデシュ
- ベラルーシ
- ベリーズ
- ベニン
- ブータン
- ボリビア
- ボツワナ
- ブルキナファソ
- ブルンジ
- カンボジア
- 中央アフリカ共和国
- コモロ
- コンゴ
- キューバ
- コンゴ民主共和国
- ジブチ
- ドミニカ共和国
- エクアドル
- エジプト
- 赤道ギニア
- エリトリア
- エチオピア
- フィジー
- フィリピン
- ガボン
- ガンビア
- ガーナ
- ギニア
- ギニアビサウ
- ガイアナ
- ハイチ
- インド
- インドネシア
- イラク
- イラン
- コートジボワール
- ジャマイカ
- イエメン
- ヨルダン
- カボベルデ
- カメルーン
- カザフスタン
- ケニア
- キルギスタン
- クウェート
- ラオス
- レソト
- レバノン
- リベリア
- リビア
- マダガスカル
- マラウイ
- モルディブ
- マリ
- モロッコ
- モーリタニア
- モンゴル
- モザンビーク
- ミャンマー / ビルマ
- ナミビア
- ナウル
- ネパール
- ニジェール
- ナイジェリア
- 北朝鮮
- ウガンダ
- ウズベキスタン
- オマーン
- パキスタン
- パプアニューギニア
- カタール
- ロシア
- ルワンダ
- サントメプリンシペ
- サウジアラビア
- セネガル
- シエラレオネ
- ソマリア
- スリランカ
- スーダン
- スリナム
- スワジランド
- シリア
- タジキスタン
- タンザニア
- タイ
- トーゴ
- チャド
- チュニジア
- トルコ
- トルクメニスタン
- ベトナム
- ザンビア
- ジンバブエ
- 南ホラントアフリカ
- 南スーダン
シェンゲンビザの申請条件
オランダのシェンゲンビザの申請条件は、以下のとおりです。
- 有効なパスポートを保有している
- シェンゲン協定加盟国の公序良俗・国家安全保障・国際関係を脅かす存在ではない
- オランダに滞在する目的がある
- 滞在中に十分な財源がある(金額の目安:1人あたり55ユーロ / 日)
- 医療旅行保険に加入している
- 出身国または居住国に帰国する十分な理由がある
中国人のオランダ渡航におけるシェンゲンビザ申請に必要な書類
ここでは、オランダのシェンゲンビザ申請に必要な書類について見ていきましょう。
シェンゲンビザ申請に必要な書類一覧
以下は、必要書類の一覧表です。
書類 |
備考 |
---|---|
パスポート |
パスポートの要件は、以下のとおりです。 ・シェンゲン圏出国日より少なくとも3カ月の有効期限がある ・10年以内に発行されている ・空白ページが少なくとも2ページある |
有効な居住証明書 |
・パスポート ・ビザ ・滞在許可 |
写真 |
・6カ月以内に撮影されたパスポート用の写真 |
旅行証明 |
・申請者の名前の往復旅行の予約証明書 ※キャンセルが可能なフライトを予約してください。 |
申請者の収入証明 |
・銀行取引明細書 ・トラベラーズチェック ・現金 ・クレジットカード |
保証および民泊の証明 |
・申請者を招待する保証人および宿泊業者の署名 ・出生証明書や結婚証明書(家族や友人を訪問する場合) |
保証人の収入証明 |
・雇用契約書のコピー ・給与明細書 ・収入証明書 |
母国または居住国へ帰国する証明 |
・雇用契約書や雇用主の声明 ・在学証明書 ・母国または居住国の不動産を所有している証明書 |
旅行医療保険の証明 |
保険の要件は、以下のとおりです。 ・シェンゲン圏内全体で有効 ・滞在期間中のすべてをカバー ・少なくとも3万ユーロの医療費を補償 |
ビザの申請料 |
申請費用については、後述します。 |
申請書類の記入例
オランダのシェンゲンビザ申請書は、こちらからチェックできます。
記入内容は、署名の欄も含めると33項目あります。
- 姓
- 出生時の姓
- 名
- 生年月日
- 出生地
- 出生国
- 現在の国籍・出生時の国籍
- 性別
- 婚姻状況
- 未成年の申請者は、両親や法定後見人の姓名・住所・電話番号
- 公的な身分証明番号
- 旅券の種類
- 旅券番号
- 旅券の発行日
- 旅券の有効期限
- 旅券を発行した国
- 該当する方は、EU・EEA・スイス国籍の家族の姓名・生年月日・国籍・旅券番号
- 17の家族との関係性
- 申請者の住所・メールアドレス・電話番号
- 日本に在住の中国人の方は、在留資格・在留資格番号・有効期限
- 現在の職業
- 在職の方:企業名・住所・電話番号 / 学生の方:学校名・住所
- 渡航の目的
- 滞在目的に関する追加情報
- 主要の目的地
- 最初に入国する国
- 希望入国回数・入国日・出国日
- 過去のシェンゲンビザ申請時に指紋登録をした日付・ビザ番号
- 最終目的国の入国許可
- 招へい者またはホテルの名前・住所・電話番号・メールアドレス
- 招へい企業の名前・住所・電番番号・メールアドレス
- 滞在費用
- 日付とサイン
申請書を含む必要書類は、オランダ語・英語・スペイン語・フランス語のいずれかの言語で提出してください。
日本語や中国語の書類は、上記の言語に翻訳する必要があります。
申請費用
ビザの申請費用は、80ユーロです。
申請者が6歳以上12歳未満までの子供の場合は、40ユーロに減額されます。
さらに、6歳までの子供は無料です。
日本で申請する場合は、現地通貨の「円」で支払います。
ビザが拒否された場合でも、支払った料金は返金されないため、注意しましょう。
【中国人の方向け】シェンゲンビザ申請の流れ
ここでは、オランダのシェンゲンビザの申請方法について見ていきましょう。
1.必要書類を準備
オランダ渡航の予定が決定したら、ビザに必要な書類の準備を始めましょう。
必要書類・申請書については、前述した書類の一覧表と記入例を参考にしてください。
ビザ申請は、通常15日間で処理されます。
オランダ大使館は、早ければ6カ月前、遅くとも15日前までには申請をするようにアナウンスしています。
渡航の予定に間に合うように、早めに書類の準備を始めましょう。
2.加盟国の大使館や領事館で審査&面接後にビザが発給
ビザ申請は、オランダ大使館またはVFS Global(VFSグローバル)で行います。
申請の流れは、以下のとおりです。
- 大使館またはVFSグローバルの予約
- 大使館またはVFSグローバルへ来館
- 書類提出
- 生体認証の登録
- 申請料の支払い
- 審査
- ビザ発給
オランダ大使館の情報は、以下のとおりです。
施設名称 |
在東京オランダ大使館 |
---|---|
住所 |
〒105-0011 東京都港区芝公園3-6-3 |
電話番号 |
03-5776-5400 |
お問い合わせ |
フォームはこちらからアクセスできます。 |
予約 |
予約はこちらからできます。 |
オランダのビザは、「VFSグローバル」でも申請ができます。
VFSグローバルは、オランダ大使館と連携してビザ申請に関するサポート・サービスを提供している企業です。
施設名称 |
VFSグローバル(東京) |
---|---|
住所 |
〒105-0014 東京都港区芝1-4-3 SANKI芝金杉橋ビル4階 |
申請受付時間 |
月〜金:9時〜12時 / 13時〜15時 |
予約 |
予約はこちらからできます。 |
手数料 |
サービス使用料:17.2ユーロ(東京のVFSグローバルで申請する場合) |
※2024年5月20日から東京のVFSグローバルのオフィスは、移転します。
移転先の住所は、以下のとおりです。
〒104-0045
東京都中央区築地5-6-10 浜離宮パークサイドプレイス8階
シェンゲンビザを申請する際に気になる疑問を解決
ここでは、シェンゲンビザを申請する際の疑問点について解説します。
シェンゲンビザでオランダに滞在可能な日数とは?
シェンゲンビザでオランダに滞在できる日数には、以下のルールが設けられています。
滞在日数のルール:「あらゆる180日間おける最長90日」
シェンゲンビザでは、最長90日間の滞在が可能です。
ただし、ここで言う90日間とは、「180日間のうちの90日間」を指します。
例えば、180日の間にすでにシェゲン圏内に90日間滞在している場合は、シェゲン圏外に90日間滞在したあとでないと、再びシェゲン圏内に入国できません。
シェンゲンビザが発給されないケースとは?
申請内容によっては、シェンゲンビザは発給されないケースもあるため、注意が必要です。
シェンゲンビザが不許可となる例
シェンゲンビザが不許可となる例には、以下が挙げられます。
- 書類が足りない
- 申請書などの記入ミス
- 申請内容と証拠書類に説得力がない
- 申請条件に合致しない
- 虚偽の申告
不許可となる例で特に多いのは、書類の不備です。
申請の際は、入念な準備を心がけましょう。
シェンゲンビザの代行申請は原則できない
すべてのビザ申請者は、国籍に関係なく、申請書を提出する際に生体認証の登録をしなければなりません。
生体認証(写真と指紋)のデータを登録するため、大使館またはVFSグローバルには、申請者本人が訪れる必要があります。
代行申請は認められないため、注意しましょう。
書類に関する相談、または申請書の書き方などに関するアドバイスを、専門家などから受けるのは許可されています。
スムーズに書類の準備をしたい方は、行政書士などの専門家に相談するのがおすすめです。
まとめ
この記事では、中国国籍の方が取得できるオランダ渡航のためのシェンゲンビザについて解説しました。
中国人の方がオランダに旅行などで滞在するには、シェンゲンビザを取得しなければなりません。
オランダのビザは、大使館またはVFSグローバルで申請を行います。
審査で不許可となるケースもあるため、入念な準備をして申請に進みましょう。