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【シェンゲンビザ】空港トランジットビザについて解説

日本国籍を持つ方は、条件を満たすことで、ビザなしで90日間、欧州諸国に滞在できます。

また、フライトの乗り継ぎなどで空港に数時間滞在する場合も、日本国籍の方はトランジットビザは必要ありません。

 

一方、日本に在住している外国籍の方は、国籍によっては欧州諸国での短期滞在やトランジットに対して、シェンゲンビザ取得が必要となります。

 

本記事では、シェンゲンビザにおける空港トランジットビザについて、シェンゲンビザの申請方法などとあわせて解説します。

 

※申請料その他の金額の記載については、1ユーロ(€1)=165円で換算しています。

空港での乗り継ぎ(トランジット)にビザは必要?

国際線の乗り継ぎのためにある国の空港に数時間滞在する場合、その国のビザは必要となるでしょうか。

乗り継ぎ(トランジット)エリアを離れる際は空港トランジットビザが必要

「空港トランジットビザ」とは、国際線のフライト乗り継ぎのために着陸した国に滞在せずに、または着陸した空港を離れることなく、その国を通過する人のための一時的な短期ビザをいいます。

 

空港トランジットビザは、一部の国で必要となります。

空港内でも手荷物の再チェックインが必要となる場合は空港トランジットビザが必要

たとえば、長距離の国際線フライトの途中、ある国の空港で給油のために数時間滞在する場合。

搭乗客は、一度搭乗機から降りて、その空港内で待機する必要があります。

 

しかし、このような場合、給油終了後も同一のフライトに再搭乗するため、手荷物のチェックインは不要です。

 

これに対して、同一または異なる航空会社の別のフライトを乗り継ぐために空港内に滞在する場合は、手荷物の再チェックインが必要となるため、空港トランジットビザが必要です。

手荷物の受け取りや再チェックインについては搭乗の航空会社に要確認

トランジットで滞在する空港での手荷物の受け取りや、再チェックインの方法などについては、搭乗する航空会社に確認する必要があります。

日本国籍であればトランジットビザは不要

日本国籍の方の場合、外国でのトランジットビザは不要です。

 

現在、空港トランジットビザが必要な国籍には明確な国名の記載がありませんでした。

以下に、シェンゲン加盟国がビザ取得を義務付けている国を掲載しておりますので、ご確認ください。

 

地域

国籍

アジア・中東

アフガニスタン、バングラデシュ、ブータン、ミャンマー、カンボジア、中国、インド、インドネシア、ラオス、モンゴル、ネパール、パキスタン

フィリピン、スリランカ、タイ、東ティモール、ベトナム 

 

バーレーン、イラン、イラク、ヨルダン、クウェート、レバノン、オマーン 

パレスチナ、カタール、サウジアラビア、シリア、イエメン       

アフリカ

アルジェリア、アンゴラ、ベナン、ボツワナ、ブルキナファソ、ブルンジ

カメルーン、カーボベルデ、中央アフリカ共和国、チャド、コモロ、コンゴ

コートジボワール、コンゴ民主共和国、ジブチ、エジプト、赤道ギニア

エリトリア、エチオピア、ガボン、ガンビア、ガーナ、ギニア、ギニアビサウ

ケニア、レソト、リベリア、リビア、マダガスカル、マラウイ、モルディブ

マリ、モーリタニア、モロッコ、モザンビーク、ナミビア、ニジェール

ナイジェリア、ルワンダ、サントメ・プリンシペ 、セネガル、シエラレオネ

ソマリア、南アフリカ共和国、南スーダン、スーダン、スワジランド

タンザニア、トーゴ、チュニジア、ウガンダ、ザンビア、ジンバブエ

オセアニア

フィジー、パプアニューギニア、トンガ、バヌアツ、マリアナ

欧州

コソボ 

CIS諸国

アルメニア、アゼルバイジャン、カザフスタン、キルギス、ロシア

タジキスタン、トルクメニスタン、ウズベキスタン

北中米カリブ海

ベリーズ、ハイチ、ジャマイカ  

南米

ガイアナ、スリナム、エクアドル

シェンゲンビザにおけるトランジットビザ

シェンゲン圏内(シェンゲン協定加盟国31か国※)の国際空港で乗り継ぎを行う場合、空港トランジットビザが必要な国があります。

 

※2024年3月に、新たにブルガリアとルーマニアが加盟しました。

シェンゲンビザとは?

シェンゲンビザとは、1985年にルクセンブルクのシェンゲンで調印されたシェンゲン協定に基づいて発行される、EU諸国共通の短期滞在ビザです。

 

シェンゲン協定加盟国(31か国)に渡航する際は、シェンゲンビザの取得が必要です。

 

シェンゲン協定加盟国内のビザを1つ取得すれば、180日間の有効期間の間に最大90日間、加盟国間を自由に往来できます。

※ただし、入国の際は入国審査を受ける必要があります。

 

2024年現在は、日本国籍者であればシェンゲンビザを取得していなくても、90日以内の観光目的であればパスポートのみでヨーロッパへの渡航が可能です。

 

しかし、2025年に予定されているETIASの導入後は、90日以内の観光目的の滞在を希望する場合にETIASの取得が必要となります。

 

91日以上の滞在や就労、留学などを目的とする場合は、シェンゲンビザの申請が必要です。

「Aビザ」があればシェンゲン協定加盟国の空港でトランジット可能

シェンゲンビザには、タイプAビザ(空港トランジットビザ)とタイプCビザ(短期滞在ビザ)があります。

 

タイプAビザを取得すれば、シェンゲン協定加盟国のすべての空港でトランジットが可能です。

シェンゲンビザの申請方法を解説

本章では、シェンゲンビザ(タイプC)の申請方法を解説します。

1.シェンゲンビザの申請に必要な書類を準備する

まず、シェンゲンビザの申請に必要な書類を準備してください。

必要書類一覧

シェンゲンビザの申請に必要な書類は以下の通りです。詳細については、加盟国によって異なる場合があります。

1.申請書

●ビザ申請用紙

●証明写真(3.5cm×4.5cm、背景白1枚:申請用紙に貼付する)

2.パスポート・身分証の原本及びコピー

●パスポート(ビザ失効日=帰国予定日から3か月以上の有効期間と未使用のページが2ページ以上残っているもの)

●パスポートのコピー(メインページと署名のあるページ)

●在留カードとその両面のコピー(外国籍の場合:ビザ失効日=帰国予定日から3か月以上の有効期間が残っているもの)

3.訪問目的に応じた書類

【出張】

●出張先の企業・組織などからの招待状(署名、日程や活動及び会議内容などが記載されていること)

【家族・親戚・友人を訪問】

●当該加盟国在住者からの署名付き招待状(渡航者との関係、滞在理由、滞在期間中の活動などが記載されていること)

●招待した加盟国在住者との関係を証明するもの(出生証明書、写真、会話の履歴など)

●招待した加盟国在住者のパスポート(当該加盟国国籍以外の国籍の場合は在留カードのコピー)

【観光】

●旅行計画書(旅行日程、利用交通機関、訪問予定の国と都市、宿泊予定先、活動計画の詳細)

4.日本との関係(以下から1点以上)

●有効な日本国ビザ(外国籍の場合)

●雇用証明書

●在学証明書

●日本国籍の方との関係を証明する書類

●日本で不動産を所有していることを証明する書類

●日本で事業をしていることを証明する書類

5.旅行保険

●滞在予定の全期間有効な旅行保険証書の原本及びそのコピー(最低保証額€30,000[495万円])

6.資金(以下から1点以上、原本及びコピー)

●本人名義の貯金通帳(円単位)の原本とそのコピー(過去6か月分の出入金の記録)

●親や配偶者など第三者が経済的保証人となる場合:保証人による保証書(実印を押印)、その印鑑証明、保証人のパスポートのコピー及び在職証明書、関係を証明する戸籍謄本または住民票、保証人の銀行通帳原本とコピー(過去6か月分)

無職:保証人による保証書(実印押印)、その印鑑証明、保証人のパスポートのコピー及び在職証明書、関係を証明する戸籍謄本または住民票

7.申請手数料

●申請を行う加盟国の大使館ホームページ参照(日本円で支払う)

申請書類の記入例

シェンゲンビザ申請書の記入例は以下の通りです。

 

※番号は申請書記入事項の番号です。記入例はシェンゲンビザ取得が必要な日本在住の中国籍女性を想定しています。

 

申請書の記入事項

説明

記入例

1. 姓名

申請者のパスポートに記載されている姓名

LIU

2. 出生時の姓(旧姓)

上記の姓と異なる場合

 

3. 名前(ファーストネーム)

申請者のパスポート記載通り

MEILING

4. 生年月日

日・月・年の順に記入

12 MAR 1989

5. 出生地

パスポートの記載通り

SHENYANG

6. 出生国

パスポートに記載されていない場合も記入する

CHINA

7. 現在の国籍

出生時の国籍と異なる場合はその国籍も含む

CHINESE

8. 性別

 

女性

9. Civil Status

法的婚姻状況

SIngle (独身)にX印

10. 未成年の申請者の記入欄

親権者または法定後見人の氏名・住所・国籍

 

11. 身分証明番号

該当する場合

NONE

12. 旅券の種類

 

Ordinary passport(一般)にX印

13. パスポート番号

パスポート番号など

GXXXXXX

14.発行日

パスポートが発行された日

20 MAY 2021

15.有効期限

パスポートが失効する日

19 MAY 2026

16. 発行機関

パスポートの発行者

 

17. 申請者の自宅住所及び

メールアドレス・電話番号

現在の自宅住所・電話番号・連絡可能なメールアドレス

3-20-5-303, MINAMIYAWATA, ICHIKAWA CITY, CHIBA PREFECTURE, JAPAN

meilingliu@gmail.com

+81-473341111

18.他国での居住の有無

申請者の国籍と異なる国に居住している場合は居住許可証番号と有効期限を記入

YesにX印

PERMANENT RESIDENCE

RM1234567

7 APR 2028

19. 現在の職業

申請者のパスポートに記載されている職業を記入

記載が現在の職業と違う場合は現在の職業と簡単な説明を記入

OFFICE CLERK (FORMER STUDENT)

会社員(元学生)

20. 雇用主または教育機関

勤務先、在学中の学校名前・所在地、無職の場合はNONEと記入

ESPERANZA CO., LTD

3-1-1-405 MINAMIGYOTOKU, ICHIKAWA CITY, CHIBA PREFECTURE, JAPAN

21. 旅行の主な目的

該当するものにX印

Tourism(観光)にX印

22. 目的地

主な滞在国

SPAIN

23. 最初の入国加盟国

最初にシェンゲン圏に入国する国

SPAIN

24. 入国回数

滞在中に加盟国への入国と出国を希望する回数で該当するものにX印

Single entry(1回)にX印

25. 滞在期間

 

8-DAY

26. 過去3年間に発行されたシェンゲンビザの数

YesかNoにX印

の場合は発行日と有効期限を記入

NoにX印

27. 指紋採取履歴の有無

申請者が過去にシェンゲンビザ申請時に指紋を採取されたことがあるか否か

Yesの場合は日付(わかる場合)

NoにX印

28. 最終目的国の入国許可証

(取得している場合)

最終目的地が加盟国以外の場合はその国で取得したビザの番号と有効期限を記載

Issued by NONE

29. シェンゲン協定加盟国への入国予定日

 

9  AUG 2024

30. シェンゲン協定加盟国からの出国予定日

 

16 AUG 2024

31. 加盟国内の招待者

申請者を招待した人の氏名

または滞在するホテルの連絡先

HILTON MADRID AIRPORT

AVENIDA DE LA HISPANIDAD 2-4, 28042 MADRID SPAIN

TEL: +34 8557976733

32. 招聘機関名

商用などの場合、申請者を招聘した、または受け入れる予定の機関

NONE

33. 滞在費用負担者

本人(左側)スポンサー(右側)いずれの場合も該当する支払い方法にX印

by the applicant herself

(本人負担)

支払方法 Cash(現金)、

Credit cardにX印

34-35.EU加盟国、EEA加盟国、スイス国籍の家族がいる場合氏名等記入

 

NONE

37. パスポートと同一の署名

未成年の場合は親権者または法定後見人の署名

(本人署名)

申請費用

申請費用は、日本円で10,000円~15,000円程度です。

ほとんどの大使館では、現金、クレジットカード、デビットカード、為替、小切手での支払いを受け付けています。

 

ただし、事前にどの支払い方法が可能かを確認する必要があります。

2.加盟国の大使館や領事館で申請

シェンゲンビザの申請は、『加盟国の中で訪問する国の』大使館/総領事館のいずれかで行います。

 

複数の国を訪問する場合は、『主たる滞在目的がある国の』大使館/総領事館で申請してください。

 

主たる滞在目的がない場合は、『最初に訪問する国の』大使館/総領事館で申請することになります。

シェンゲンビザを申請する際の注意点

シェンゲンビザを申請する際の注意点として、以下が挙げられます。

シェンゲンビザで滞在可能な日数について

シェンゲンビザで滞在可能な日数は、「あらゆる180日の期間内で最大90日間」となっています。

 

この滞在期間は「90/180シェンゲンビザルール」と呼ばれています。

 

これは、任意の基準の日からさかのぼって180日の間に「累積で90日を超えて滞在することはできない」という意味になります。

 

たとえば、最初のシェンゲン加盟国入国が2024年4月1日、出国が4月10日だったとします。

この場合、6月29日までに残り80日間のシェンゲン加盟国滞在が可能です。

 

仮に4月10日から6月29日の間に一度も滞在しなかった場合、7月10日に再入国すれば10月7日まで最長90日間の滞在が可能になります。

 

一度の渡航で最長90日間の滞在も可能です。しかしその場合は、出国後3か月間(90日)はシェンゲン協定加盟国への入国及び滞在はできません。

 

滞在期間のカウントの方法は、EUの公式オンライン計算機などのオンラインツールを使用するのが便利です。

必要書類の不備等でビザが発給されないケースもある

シェンゲンビザの審査は書類の提出後2週間で行われます。

万が一、書類に不備があった場合、審査期間である2週間以内に大使館への提出が必要です。

 

ただし、すべての書類を提出しても、申請が却下される場合もあります。

ビザの申請は代行サービスを使うのがおすすめ

シェンゲンビザを始め、渡航国のビザの申請手続きには、かなりの時間と労力がかかります。

そこで、行政書士などの申請代行サービスの利用をおすすめします。

 

ここでは、行政書士による申請代行サービスを利用するメリットをご説明します。

ビザに関する最新情報を提供してもらえる

ビザに関する情報は変わりやすく、とても複雑です。

欧州でも2025年にETIAS導入が予定されていることから、ビザ関連の情報に大きな変化が起こることが見込まれます。

 

この点、インターネットで得られる情報は、最新情報に追いついていないことも多くあります。

 

このような問題点において、行政書士はシェンゲンビザを始め、ビザ関連の情報を詳細に把握しています。

 

ビザ申請を専門とする行政書士に相談すれば、最新の制度に沿ってアドバイスさせていただきます。

書類作成や情報収集にかかる時間を節約できる

シェンゲンビザの申請にあたっては、必要となる書類の種類が多く、収集だけでも時間と手間がかかります。

 

さらに、証明書などの取得のために、平日の昼間しか開いていない役所に出向く必要もあります。

 

また、提出書類に不備や記載事項の不一致などがあった場合は再提出を求められるため、審査にかかる時間がより長くなってしまいます。

 

ビザ申請を専門とする行政書士に依頼することで、申請者が書類収集・作成に費やす時間と労力を大幅に減らせます。

まとめ

シェンゲンビザは、一度取得すれば、期間内に複数の加盟国の往来ができる便利なビザです。

 

一方で、申請にあたっては多種多様な書類の提出が求められるほか、申請書の記載事項にも情報収集が必要な物や、ミスしやすいものが含まれています。

 

シェンゲンビザを確実に取得するためには、時間の節約や、確実な申請、情報取得やビザの獲得にも有利と考えられる専門家のサポートを受けるのがおすすめです。

 

シェンゲンビザ取得をご希望の方は、ぜひビザ申請を専門とする行政書士にご相談ください。

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