【中国人】スペイン渡航|シェンゲンビザの申請書類や流れを解説<
ビザが免除されている国籍以外の方がスペインへ渡航するには、適切なビザを取得しなければなりません。
中国人の方も、ビザが必要です。
スペインへ渡航の予定がある中国人の方の中には、
「中国籍はシェンゲンビザを取得できる?」
「取得する方法は?」
「注意するポイントは?」
といった疑問をお持ちの方も多いでしょう。
この記事では、スペイン渡航を控えた中国人のためのシェンゲンビザについて、申請書類や流れを詳しく解説します。
ぜひ、最後までお読みください。
シェンゲンビザ(短期滞在ビザ)の概要
ここでは、シェンゲンビザ(短期滞在ビザ)の概要について見ていきましょう。
シェンゲン協定加盟国内に渡航する際の短期滞在ビザ
シェンゲンビザは、1985年に調印した「シェンゲン協定」に基づき導入された査証です。
ビザを取得すれば、「シェンゲンエリア」と呼ばれる加盟国圏内の移動が自由にできます。
シェンゲン協定加盟国
2024年4月現在のシェンゲン協定には、欧州連合(EU)と欧州自由貿易連合(EFTA)の計29カ国が参加しています。
EUのシェンゲン協定加盟国は、スペインを含む以下の25カ国です。
- スペイン
- オーストリア
- ベルギー
- チェコ
- デンマーク
- エストニア
- フィンランド
- フランス
- ドイツ
- ギリシャ
- ハンガリー
- イタリア
- ラトビア
- リトアニア
- ルクセンブルク
- マルタ
- オランダ
- ポーランド
- ポルトガル
- スロバキア
- スロベニア
- スウェーデン
- クロアチア
- ブルガリア
- ルーマニア
EFTAのシェンゲン協定加盟国は、以下の4カ国です。
- アイスランド
- リヒテンシュタイン
- ノルウェー
- スイス
180日間で最大90日間、シェンゲン協定加盟国の間を行き来できる
シェンゲンビザの保有者は、シェンゲンエリアに「180日の期間のうち最大90日間」滞在できます。
期間のルールについては後述するので、合わせて確認してください。
許可されている主な活動目的は、以下のとおりです。
- 観光
- ビジネス
- 知人や家族訪問
- 治療
- 留学
- 研修
- ボランティア
- エリア内の空港を通過する
中国人の方が申請できるシェンゲンビザの種類を解説
シェンゲンビザの種類は、渡航目的や滞在期間によって、以下の3つに分類されます。
シェンゲンビザ Aビザ
Aビザは空港トランジットビザで、Aタイプとも呼ばれます。
シェンゲン圏内の国際空港エリアを通過する場合に、選択する査証です。
シェンゲンビザ Cビザ
Cビザは短期滞在ビザで、Cタイプとも呼ばれます。
「180日間のうち最大90日」、シェンゲン圏内を自由に移動・滞在できる査証です。
シェンゲンビザ Dビザ
Dビザは長期滞在ビザで、Dタイプとも呼ばれます。国によっては、ナショナルビザに分類されています。
「90日以上」、シェンゲン圏内に滞在できる査証です。
ただし、ビザが有効なのは1カ国のみのため、注意しましょう。
シェンゲンビザが申請できる条件
シェンゲンビザが必要な国籍と条件について、以下で詳しく解説します。
シェンゲンビザが必要とされる国
中国国籍の方がスペインを含むシェンゲンエリアへ渡航するには、シェンゲンビザを取得しなければなりません。
加えて、以下の国籍の方もシェンゲンビザが必要です。
- アフガニスタン
- アルジェリア
- アンゴラ
- アルメニア
- アゼルバイジャン
- バーレーン
- バングラデシュ
- ベラルーシ
- ベリーズ
- ベニン
- ブータン
- ボリビア
- ボツワナ
- ブルキナファソ
- ブルンジ
- カボベルデ
- カンボジア
- カメルーン
- 中央アフリカ共和国
- チャド
- コモロ
- コンゴ
- コートジボワール
- キューバ
- コンゴ民主共和国
- ジブチ
- ドミニカ共和国
- エクアドル
- エジプト
- 赤道ギニア
- エリトリア
- エチオピア
- フォジー
- ガボン
- ガンビア
- グルジア
- ガーナ
- ギニア
- ギニアビサウ
- ガイアナ
- ハイチ
- インド
- インドネシア
- イラン
- イラク
- ジャマイカ
- ヨルダン
- カザフスタン
- ケニア
- コソボ
- クウェート
- キルギス共和国
- ラオス
- レバノン
- レソト
- リベリア
- リビア
- マダガスカル
- マラウイ
- モルディブ
- マリ
- モーリタニア
- モンゴル
- モロッコ
- モザンビーク
- ミャンマー(ビルマ)
- ナミビア
- ナウル
- ネパール
- ニジェール
- ナイジェリア
- 北朝鮮
- 北マリアナ諸島
- オマーン
- パキスタン
- パプアニューギニア
- フィリピン
- カタール
- ロシア(外交パスポート保有者は除く)
- ルワンダ
- サントメプリンシペ
- サウジアラビア
- セネガル
- シエラレオネ
- ソマリア
- 南アフリカ(外交・サービスパスポート保有者は除く)
- スリランカ
- スーダン
- スリナム
- スワジランド
- シリア
- タジキスタン
- タンザニア
- タイ
- トーゴ
- チュニジア
- トルコ(外交・サービスパスポート保有者は除く)
- トルクメニスタン
- ウガンダ
- ウクライナ
- ウズベキスタン
- ベトナム
- イエメン
- ザンビア
- ジンバブエ
シェンゲンビザを申請するための条件
シェンゲンビザの申請条件は、以下のとおりです。
- 有効なパスポートがある(10年以内に発行され、最終出国予定日より3カ月以上の有効期限が残っている)
- 滞在中の生活をまかなえる十分な資金がある
- 海外旅行保険に加入している(すべてのシェンゲンエリアと滞在期間をカバーし、3万ユーロ以上の補償がある保険)
- 「180日間のうちの90日以内」の滞在期間である
ビザを取得できても、シェンゲンエリアへの入国が許可されるわけではありません。
スペインの入国条件を満たしていない場合は、空港で入国を拒否される可能性があるため、注意しましょう。
スペインの入国条件は、以下のとおりです。
- 許可された国境検問所から入国する
- 身分証明書・有効な渡航書類を提示する
- ビザを提示する
- 滞在の条件を満たしている
- 十分な資金を所有している
- スペインへの入国禁止の対象でない
中国人のスペイン渡航におけるシェンゲンビザ申請に必要な書類
ここでは、スペインのシェンゲンビザ申請に必要な書類について紹介します。
シェンゲンビザ申請に必要な書類一覧
スペインのシェンゲンビザ申請に必要な書類は、以下の表のとおりです。
書類 |
備考 |
---|---|
申請書 |
こちらからダウンロードできます。 申請者が未成年者の場合、両親のいずれかが署名しなければなりません。 |
写真 |
パスポートサイズのカラー写真です。 |
有効なパスポート |
原本とコピーを用意しましょう。 パスポートの要件は、以下のとおりです。 ・10年以内に発行されている ・最終出国予定日より3カ月以上の有効期限が残っている ・最低2ページ分の空白がある |
旅行医療保険 |
保険の要件は、以下のとおりです。 ・シェンゲン協定加盟国すべてで有効 ・滞在期間のすべてをカバー ・3万ユーロ以上の補償額 |
旅行目的と滞在の詳細 |
以下の書類を用意しましょう。 ・航空会社または旅行会社の予約確認書 ・日程表 ・宿泊先の予約確認書 ・招待状 |
経済的資力の証明資料 |
・銀行預金通帳のコピー |
大使館・領事館の管轄地区に居住している証明資料 |
日本にお住まいの中国人の方は、以下の書類が必要です。 ・在留カード |
申請書類の記入例
スペインの申請書は、こちらからダウンロードできます。
以下の必要項目に記入し、スペイン大使館へ提出しましょう。
- 姓
- 出生時の姓
- 名
- 生年月日
- 出生地
- 出生国
- 現在の国籍・出生時の国籍
- 性別
- 婚姻状況
- 未成年の申請者は、両親や法定後見人の姓名・住所・電話番号
- 公的な身分証明番号
- 旅券の種類
- 旅券番号
- 旅券の発行日
- 旅券の有効期限
- 旅券を発行した国
- 該当する方は、EU・EEA・スイス国籍の家族の姓名・生年月日・国籍・旅券番号
- 17の家族との関係性
- 申請者の住所・メールアドレス・電話番号
- 日本に在住の中国人の方は、在留資格・在留資格番号・有効期限
- 現在の職業
- 在職の方:企業名・住所・電話番号 / 学生の方:学校名・住所
- 渡航の目的
- 滞在目的に関する追加情報
- 主要の目的地
- 最初に入国する国
- 希望入国回数・入国日・出国日
- 過去のシェンゲンビザ申請時に指紋登録をした日付・ビザ番号
- 最終目的国の入国許可
- 招へい者またはホテルの名前・住所・電話番号・メールアドレス
- 招へい企業の名前・住所・電番番号・メールアドレス
- 滞在費用
- 日付とサイン
申請費用
スペインのシェンゲンビザの料金は、以下のとおりです。
年齢 |
料金 |
---|---|
12歳以上 |
80ユーロ |
6歳〜11歳 |
40ユーロ |
5歳以下 |
手数料は免除 |
【中国人の方向け】シェンゲンビザ申請の流れ
ここでは、スペインのシェンゲンビザ申請の流れを紹介します。
1.必要書類を準備
ビザを申請する前に、必要書類の準備をしましょう。
必要書類については、前述した【シェンゲンビザ申請に必要な書類一覧】を参考にしてください。
書類の不備や申請書の記入ミスなどがあると、追加の書類提出や個人面接を求められ、審査が長引く可能性が高まります。
さらに、場合によっては不許可となるケースもあるため、注意しましょう。
2.加盟国の大使館や領事館で審査&面接後にビザが発給
必要書類を用意したら、ビザの手続きに進みましょう。
ビザの申請は、スペイン大使館で行います。
手続きの流れは、以下のとおりです。
1.大使館へ来館
受付時間内に、大使館へ来館してください。
※予約の必要はありません。
2.書類の提出
必要書類を提出します。
3.生体認証データの登録
顔写真の撮影と指紋の採取をします。
以下の申請者は、指紋採取の免除対象者です。
- 12歳未満
- 過去59カ月以内に指紋採取をした者
4.審査
審査期間は、申請提出日の翌日から15日間です。
追加の書類や面接を要求された場合は、審査期間が45日間まで延長されるケースがあります。
5.ビザ発給
問題がなければ、上記の審査期間内でビザが発給されます。
駐日スペイン大使館の情報は、以下のとおりです。
施設名称 |
駐日スペイン大使館 |
---|---|
所在地 |
〒106-0032 東京都港区六本木1-3-29 |
電話番号 |
03-3583-8531 |
メールアドレス |
emb.toyko.visa@maec.es(ビザ関連) |
受付時間 |
月〜金:9時〜13時 |
シェンゲンビザを申請する際の注意点
ここでは、シェンゲンビザを申請する際に、注意するポイントについて見ていきましょう。
シェンゲンビザで滞在可能な日数について
滞在が可能な日数は、「あらゆる180日間における最長90日間」です。
例えば、今回のスペイン渡航の前180日の間に、ほかのシェンゲン圏内の国に80日間滞在していた場合を見ていきましょう。
180日の間に滞在できるのは最長90日間のため、今回のスペイン渡航で滞在できる期間は、『90日間-80日間=10日間』です。
上記のルールに基づくと、過去180日間でシェンゲン圏内の国での滞在が90日を超えていない場合のみ、シェンゲン加盟国に合法的に滞在できます。
必要書類の不備等でビザが発給されないケースもある
シェンゲンビザの申請自体は比較的簡単にできますが、ビザが必ず発給される保証はありません。
必要書類の不備などで、申請が不許可となるケースもあります。
以下で、不許可となる例や行政書士に依頼する方法について解説します。
シェンゲンビザが不許可となる例
以下は、シェンゲンビザが不許可となる代表的な例です。
- 書類の不備(書類の不足や記入ミスなど)
- 申請条件を満たしていない
- 虚偽の申告
スペイン大使館は申請者に対して、不足している書類の追加提出や面接などを求める場合があります。これらの指示を受けた場合は、速やかに対応しましょう。
ビザが不許可となった場合は、拒否の通知を受け取った日の翌日から1カ月以内に、大使館に再審査の控訴を提出できます。
シェンゲンビザの代行申請は原則できない
シェンゲンビザの申請は、大使館で生体認証(写真と指紋)の登録があるため、申請者本人が行う必要があります。
原則として代行申請はできませんが、行政書士などの専門家に対して、手続き方法や必要書類に関する相談は可能です。
行政書士に相談をすれば、必要書類の不備を原因とするビザの不許可を回避できます。
必要書類の作成・収集に関して不安のある方は、行政書士に相談しながら準備を進めると安心です。
まとめ
この記事では、中国人の方が取得できるスペインのシェンゲンビザについて解説しました。
シェンゲンビザは、シェンゲン加盟国圏内で利用できる査証です。
中国人の方が、スペインを含むシェンゲン加盟国圏内を訪れるには、シェンゲンビザを取得する必要があります。
申請はスペイン大使館で、申請者本人が行います。
必要書類の収集や申請書の書き方に不安のある方は、行政書士などの専門家に相談しながら準備をするのがおすすめです。