補助金活用ガイド

ものづくり補助金とは?(目的・内容・要件)

ものづくり補助金とは一旦どんなものだろう?名前を聞いたことはあるけれど、実際はどんなものなのかよくわかっていないという事業者の方も多くおみえになると思います。

 

ものづくり補助金とは一体どのようなものなのか? ものづくり補助金の目的や内容や要件について解説をしていきます。

 

まず、ものづくり補助金の正式な名前は、「ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金」という名前の補助金です。

 

ものづくり補助金は、中小企業庁の補助金政策の1つで、足腰の強い経済を構築するため、日本経済の根幹である中小企業や小規模事業者が取り組む生産性向上に資する革新的サービス開発・試作品開発・生産プロセスの改善を行う為に実施した設備投資等の経費のうち、その1部を補助金として交付するといったものになります。

 

ものづくり補助金の目的としては、生産性向上のための設備投資に対して、補助を出すことによって中小企業・小規模事業者が設備投資を積極的に行い、それにより経済活動の円滑化を図ったものであると言えます。

 

それでは具体的にものづくり補助金の内容と要件について解説をしていきます。

 

①補助対象者

中小企業者や小規模事業者の方が対象になります。具体的には、中小企業等経営強化法第2条1項に規定する中小企業者、特定営利活動法人やものづくり高度化法第2条1項に規定する中小企業者や特定非営利活動法人が対象者になります。

またものづくり補助金という名前から、製造業界でないともらえないようなイメージをもちますが、製造業以外の業種、たとえば、建設業や卸売業、サービス業、小売業、旅館業の事業者の方でも対象になります。

 

②補助対象事業

ものづくり補助金の補助対象事業には、大きくわけて2類型があります。

まず1つ目は「ものづくり技術」という類型と、2つ目は「革新的サービス」といった類型になります。

 

「ものづくり技術」は、基盤技術を活用した革新的な試作品開発、生産プロセスの改善で3から5年計画で付加価値額年率3%及び経常利益年率1%の向上を達成できる計画であることが条件になります。

 

「革新的サービス」は革新的なサービスの創出やサービス提供のプロセスの改善で3から5年計画で付加価値額年率3%及び経常利益年率1%の向上を達成できる計画であることが条件になります。

 

付加価値額というのは、簡単に言うと、事業活動を通じて生み出した新しい価値のことで、「営業利益+人件費+減価償却費」で計算をしていきます。

 

付加価値額が毎年3%向上する程度の取り組みとしては、結構革新的に儲かる仕組みでないと達成できないレベルのものであると思います。

 

また最近のものづくり補助金の対象事業となる条件に「従業員への給与支払総額が年率平均1.5%向上」ということも追加されてきています。

 

従業員の支払い給与を年間で1.5%ずつあげていくことなると、3年で4.5%、5年で7.5%なので、まずまずの昇給率になるのではないでしょうか?

 

また、「ものづくり技術」「革新的サービス」それぞれについて、「一般型」「小規模型」「企業間連携型」と派生があり、それぞれ補助金の上限や補助率の違いがあります。

 

③補助金上限・補助率

「一般型」とは、中小企業者や小規模異業者の行う革新的サービス、試作品開発、生産プロセスの改善に必要な設備投資を支援するもので、補助金の上限は1000万円で補助率は1/2になります。例えば、生産プロセスの改善に必要な設備投資を1500万年かけて行った場合、そのうちの1/2の750万円が補助の上限になります。

 

次に「小規模型」は読んで字の如く、小規模な額で中小企業が行う革新的サービス開発や生産プロセスの改善で必ずしも設備投資を必要としていません。

こちらは補助金上限が500万円で補助率は2/3になります。

 

「企業間連携型」とは、複数の中小企業が連携して行う高度なプロジェクトを支援するもので、補助金上限は2000万円、補助率は1/2になっています。

 

ものづくり補助金の類型は毎年名前が変わったり、新設され追加があったり、統合があったりします。

 

最近では、海外事業の拡大・強化を目的とした設備投資に補助金が交付される「グローバル展開型」というものがあり、補助上限は3000万円で補助率1/2の物があったり、中小企業が30社以上で集まって、ビジネスモデルを構築するという大掛かりな「ビジネスモデル構築型」には上限1億円というものまででてきています。

 

このように毎年統合、追加があるので、事前に確認をしておく必要があります。

 

④対象経費

補助の対象となる事業経費は、材料費、機械装置費、直接人件費、技術導入費、外注加工費、委託費等が対象になります。

 

また最後に、ものづくり補助金を申請するためには、自社のみではなく、認定支援機関によって事業計画の内容にお墨付きをもらわないと申請はできません。

認定支援機関とは、経営に関する専門的知識や補助金申請の事務能力が一定以上あると国から認められた機関で、身近なところだと、行政書士事務所や税理士事務所があります。

 

ものづくり補助金の(目的・内容・要件)は以上になりますが、もしものづくり補助金申請をお考えの場合、身近にある認定支援機関に相談されてはいかがでしょうか。

この記事の監修

さむらい行政書士法人 代表 / 小島 健太郎

行政書士/財務コンサルタント

吉野 智成(よしの ともなり)

プロフィール

大学卒業後、税理士事務所で中小企業の会計を支援。
2019年 行政書士登録、個人事務所を開設
2021年 補助金・融資部門を法人化。「株式会社Gunshi」を設立
専門分野:事業者向け補助金、融資申請支援

書籍

中小会社で活用できる「補助金」のことがわかる本』(セルバ出版)

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