創業する方で、日本政策金融公庫から融資を受けたいと思っておられる方は多いかと思います。このとき、審査の過程で「現地調査」をされるという話を聞いたことがあるかもしれません。
ここでは、日本政策金融公庫の融資でされる現地調査とは?という点について説明をしていきます。
日本政策金融公庫とは?
日本政策金融公庫は、100%政府が出資した金融機関であり、個人事業や中小企業の創業融資に力を入れています。そのため、他の金融機関と異なり、個人事業や中小企業であっても創業期の融資を受けやすく、担保や保証人をつけずに低金利で融資を受けられるところにも特徴がありますので、融資を検討される方も多いかと思います。
融資申請の手続の流れとしては、以下のようになります。
- 電話連絡・相談申し込み
- 初回の相談
- 必要書類の準備・提出
- 面談
- 現地調査
- 融資の決定
- 返済開始
このとき、面談の後で行われる審査が「現地調査」です。
提出した資料や面談の内容、現地調査の結果で、この人は貸した金額をきちんと返してくれる人かどうか=信用できるかどうかを判断されることになります。
通常は、現地調査の段階までくればあとは提出書類と実態に矛盾がないかどうかをチェックされて、融資が決定されるのを待つだけになりますが、この現地調査で審査に落ちてしまうこともあり、決して甘く見てはいけない審査となっています。それでは、現地調査ではどのようなことを審査されるのでしょうか?
現地調査とは?
現地調査とは、本当に提出した書類どおりの事業を行うつもりがあるかどうか、審査担当者が実際に事務所や店舗を見に来るということです。
この現地調査で、実際に事業を行う準備が整っているかどうか判断されます。
そのため、創業計画書や事業計画書をとりあえずそれらしく書いて出しておいて、事業を行うつもりが全くないような場合は融資がおりません。
現地調査は、事前に通知されて行われることもあれば、全く事前連絡なしに行われることもあるようです。
現地調査の結果、融資を受けることができなかった、というような状況にならないために、以下では審査のポイントについて見ていきます。
ポイント1.住所や事務所が提出書類どおりになっているいかどうか
提出した書類に記載した住所や事務所、店舗は必ず正しい情報を記載するようにしましょう。記載されている住所に住んでいないとか、事務所が現在の登記簿謄本に記載されている場所とは異なるような場合は、怪しまれて審査に落ちてしまうことがあります。
必ず、実態どおりの住所を提出書類に記載するようにしましょう。
この他、住所は実態どおりになっているが、事務所が全く事業を行えるような状態になっていなかったり、店舗の開業準備が全く整っていなかったりするような場合も注意が必要です。
すぐにでも事業を行うことができるような状態で申請を行うようにしましょう。
ポイント2.事業計画と矛盾がないかどうか
提出した事業計画の内容に矛盾しているところがないかどうかも注意が必要です。
例えば、若者向けのラーメン店を行いたいという事業計画を出しているときに、実際に店舗を訪れてみたら近隣に若者が集まるような施設はなく、地域としても過疎化が進んでいるような場所で住民は高齢者が多い、というようなケースは、いくら事業計画で「利益が〇〇円になる見込みです」と説明していたとしても、事業計画の信ぴょう性がないと判断されて、審査に落ちてしまうこともあります。
・創業の理由
・経営者の経歴
・商品・サービス内容
・事業の特色
・取引先
・今後の損益計画(売上・経費・利益)
これらを事前にしっかりと考えておき、事業計画と実態に矛盾がないようにしておきましょう。
いかがでしたでしょうか。日本政策金融公庫の融資でされる現地調査とは?という点について見てきました。現地調査の審査を決して甘く見ずに、開業に向けてきちんと準備が整っていることを伝えられるようにしておきましょう。
メモ
もし、日本政策金融公庫の融資の代行を専門家に依頼したいと思っているときは、まずは相談してみるとよいでしょう。代行を依頼するための費用は融資額の3~5%程度が相場ですが、自分でやる場合よりも許可可能性が高くなり、かかる時間、手間等も短縮が可能です。これらの要素を比較しながら、利用を検討してみてください。