融資を検討されている方ですと、まず周りの経営者仲間の方から「日本政策金融公庫の融資は審査が甘い」とか「審査が通りやすい」という噂を一度は耳にされた方もいると思います。
日本政策金融公庫の融資の審査は本当に甘いのか?? その点を解説していきたいと思います。
日本政策金融公庫の融資を受ける為の流れ
①必要書類の準備
②融資の申し込み(申請)
③面談
④融資審査
⑤結果通知・融資実行
この様な流れになります。
日本政策金融公庫の融資は、申し込めば必ず融資が受けられるものではありませんし、その為には、事前の書類の準備をしっかり行わないといけません。
融資の申し込みに必要な資料の中には、「事業計画書」や「創業計画書」、場合によっては「経営改善計画書」や「資金繰り表」などの資料を作成して日本政策金融公庫に融資申し込みの際に提出します。
この「事業計画書」というものは、会社を運営していくうえでの、企業方針は始め、自社の事業内容や、同業他社と比べての強み、今後の売上や利益の推移予想などを盛り込んで作成するもので、融資をうける会社のアピール文章になります。
日本政策金融公庫の融資担当者は、「事業計画書」や決算書類の内容を吟味して融資が可能かどうか、もっと言えば、「融資をしたとして、ちゃんと滞りなく返済ができる会社なのかどうか」を審査にかけるわけです。
日本政策金融公庫も金融機関の1つですから、銀行などと同じく融資をしても返済ができないような会社には融資を行うことはありません。
ですからまずは、しっかりとした「事業計画書」を準備することが肝心です。またいくらアピールをしたいからといって「実現性の薄い」計画書になると、「世間を甘くみている」とか「計画性がない」などのマイナス評価を受ける場合もありますので、その点も注意して事業計画書は作成するべきです。
また、日本政策金融公庫の融資をうけるうえでは、日本政策金融公庫の融資担当者との面談があります。この面談の際に、提出した事業計画書の内容について質問を受けたり、説明を求められることになります。その際に事業計画書の内容を頭に叩き込んでおかないと、見当外れな回答をしてしまったり、場合よっては「事業に対する本気度」に疑問を持たれたりすることもありえます。
「日本政策金融公庫の融資は通りやすい! 融資審査が甘い!」と言っている経営者の方は、実は、必要な書類の準備をしっかり行い、事業計画書をしっかりと作りこみ、その内容を頭に入れて、融資の申し込みや、その後の面談に臨まれている方が多いです。
ちゃんと事前の準備をおこなっているからこそ、「日本政策金融公庫の融資は甘い」「融資審査が通りやすい」と感じているのかもしれません。
それはあくまで、しっかり準備を行って申し込みをされた方の「私感的な感想」であって、絶対的に日本政策金融公庫の融資審査が甘いというわけではないのです!
現に、事業計画を始めとする書類や事前の準備をしっかり行わなかった方で日本政策金融公庫の融資審査に落ちる方は結構いますから!
ですから日本政策金融公庫の融資審査は甘いのか?の質問に対する答えとしては、
「準備を怠らずにしっかりと行って臨めば、審査が甘いと感じる事もあります」という回答になるかと思います。
ただ、実際には、日本政策金融公庫の融資は「甘い」と感じてしまう理由があります。
それは日本政策金融公庫の目的が関係しています。
日本政策金融公庫の目的に中には「個人事業主や中小零細企業を支える」ということは「新規産業を発掘し、育成する」という目的があります。
日本政策金融公庫の目的がそこにある以上、都市銀行や地方銀行、信用金庫などの他の金融機関と比べても、特に会社の創業時などの際には、融資を受けいれる環境が日本政策金融公庫には整っているといえます。
そのため、お金を借りやすい状態=融資審査が甘いと考えるのであれば、日本政策金融公庫の融資は、他の金融機関より審査が甘いと思えなくもないと思います。
日本政策金融公庫は、中小企業への融資に関しては、他の金融機関と比べ積極的な姿勢を取っているとは思います。
ただそれは、単に「融資審査が甘い」というわけではなく、必要な準備をして、事業の計画も立て、それを融資担当者に説明ができるような会社に対しては、日本政策金融公庫も、その熱意に打たれて、積極的融資、積極的サポートをしてくれるといったことだと思います。
以上が「日本政策金融公庫の融資審査は甘い?」についての解説になります。これまでみてきた様に「決して甘いわけではない」ということがお分かりいただけたかと思います。
メモ
まずはしっかりと融資の申し込みの準備をすることが肝心です。日本政策金融公庫の融資をうけるにあたっては行政書士のような専門家にサポートをしてもらうことも可能ですので、融資をお考えの方は専門家のサポートも検討されてみてはいかがでしょうか。