日本政策金融公庫から融資を受ける場合に、金利についてよくわからないとお困りの方も多いのではないでしょうか。なるべく金利を低くして融資を受けたいと考える事業者の方がほとんどだと思います。
今回は、日本政策金融公庫の金利についてわかりやすく解説していきたいと思います。
日本政策金融公庫の金利には、基準金利と特別利率の2種類がある
基準金利は1番高い金利となり、特別利率は低い利率で融資を受けられることになります。1番高い金利でも、民間の金融機関よりは低金利となっております。なお、融資を申し込む際に、こちらから特別利率の適用をお願いすることはできず、日本政策金融公庫側で、どの金利を適用するかが決まります。
金利を低くするための方法
金利とは、融資を受けた額にプラスして支払う金額のことになります。利息とか利率という呼び方もされます。
金利を低くするためには、担保・保証人・災害貸付の3つのポイントがあります。ひとつずつ見ていきましょう。
①担保
担保がある・なしで金利は変わってきます。もちろん担保がなくても融資を受けられることが多いですが、全体的に0.3%~0.9%ほどの違いがあります。
令和2年8月3日現在
基準金利 | 特別利率A | 特別利率B | 特別利率C | |
---|---|---|---|---|
担保なし | 2.16 ~ 2.55 |
1.76 ~ 2.15 |
1.51 ~ 1.90 |
1.26 ~ 1.65 |
担保あり | 1.21 ~ 2.20 |
0.81 ~ 1.80 |
0.56 ~ 1.55 |
0.31 ~ 1.30 |
②保証人
日本政策金融公庫では、無担保・無保証人でも融資を受けられる新創業融資制度というものがあります。保証人をつける一般貸付よりも、0.2%ほど高めに設定されておりますので、連帯保証人をつける・つけないでも金利は違ってきます。無担保・無保証人でも融資が受けられる制度ですが、担保を設定したり、連帯保証人をつけたりすることで、特別利率が適用される可能性が高くなります。
新創業融資の金利【令和2年8月3日現在】
基準金利 | 特別利率A | 特別利率B | 特別利率C |
---|---|---|---|
2.46 ~ 2.85 |
2.06 ~ 2.45 |
1.81 ~ 2.20 |
1.56 ~ 1.95 |
③災害貸付
災害貸付とは、社会的環境の変化や自然災害などの自分ではどうすることもできない要因により資金繰りが厳しくなった事業者が受けることができる融資制度となります。この際の金利は1番高い利率でも1%台となっており、他の融資制度に比べてかなり低い金利となっています。
災害貸付の金利【令和2年8月3日現在】
基準金利 | 特別利率A | 特別利率B | 特別利率C |
---|---|---|---|
1.36 ~ 1.75 |
0.96 ~ 1.35 |
0.71 ~ 1.10 |
0.46 ~ 0.85 |
特別利率とは
日本政策金融公庫には、基準金利と呼ばれる通常の金利の他に、特別利率と呼ばれる利率約11種類あります。通常の金利よりも低金利なのが、特別利率のほうになります。
この特別利率は、融資を申し込む際に、こちらから特別利率の適用をお願いすることはできず、日本政策金融公庫側で、どの金利を適用するかが決まります。
一般的に特別利率が適用されるためには、申込者の年齢や開業される業種、性別などで決まることが多く、その他にも担保の提供や連帯保証人の設定でも適用してもらえることが多いようです。
特別利率が適用されない融資もある!
一般貸付やセーフティネット貸付の場合には、どのような条件でも特別利率は適用してもらえません。どちらもほとんどの事業者が利用できる融資となっておりますが、低金利にしてもらうポイントとしては、担保の提供や代表者による連帯保証人になることなどで、とても限定されています。
いかがでしたでしょうか。今回は、日本政策金融公庫の金利についてわかりやすく解説させていただきました。通常の基準利率でも、民間の金融機関の利率より低いのが日本政策金融公庫ではありますが、連帯保証人や担保をつけることでさらに低くすることも可能となります。
メモ
もし日本政策金融公庫から融資を受けるのが難しいと感じるような場合には、行政書士等専門家のサポートを受けることで手続きを円滑に、確実に進めることができます。依頼するための費用は融資の内容により数万円~数%程度かかりますが、自分自身でする場合の時間や手間、そもそも自分自身できるのかどうか等の要素を比較しながら、利用を検討してみてください。