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【台湾人の日本国籍取得】帰化の条件と申請の流れを解説

 

台湾人が日本国籍を取得するには、「帰化」という手続きが必要です。

帰化の方法は、元の国籍がある国の法律によってそれぞれ異なります。

 

今回は、台湾人の方が日本に帰化するにあたっての条件や、帰化申請の手続きについて解説いたします。

台湾人の方が特に注意するべきポイントや、台湾独自の制度についてもお伝えします。

台湾人が日本国籍を取得するための要件

台湾人が日本国籍取得(帰化)するための条件として、以下の7つがあります。

①継続して5年以上日本に住んでいる

一つ目の条件は、「引き続き5年以上日本に在留していること」です。

 

「引き続き」とは空白期間なく住み続けているということです。

日本を出国していた期間が連続90日以上あったり、年間でおよそ合計150日以上日本を出国していた場合は「引き続き居住している」と見なされにくくなります。

 

上記の条件に当てはまる期間がある場合、それまで日本に居住していた期間はリセットされ、改めて数え直しです。

ただし、この条件は緩和されることがあり、日本で生まれた子供、日本人の養子、日本人の配偶者などの条件を満たす人は、1〜3年の在留で帰化申請をすることができます。

②20歳以上で本国法によって能力を有する

二つ目の条件は、「年齢が20歳以上(成人)で行為能力を有すること」です。

 

帰化申請は、日本と国籍国の両方で成人していないと行うことができません。

台湾の成人年齢は18歳なので、それより成人年齢が高い日本の法律が採用されます。

 

ちなみに、2022年4月1日から日本の成人年齢が18歳に引き下げられることに伴い、この要件は「18歳以上」 に変更される予定です。

「行為能力を有する」とは、本人が帰化についてしっかり理解し、正常な判断能力をもって自ら「帰化したい」という意思を示せるという意味です。

20歳以上の成人は判断能力が成熟していると考えられるため、意思表示が難しい重度の障がい者の方など以外は、成人していれば行為能力があると見なされます。

③素行が善良である

三つ目の条件は「素行が善良である」ことです。

犯罪歴や納税状況、本人の態度、社会への迷惑の有無などから、総合的に判断されます。

 

通常人と比較し、社会通念によって判断されるため、過去に小さな違反が一度でもあると絶対にNGというわけではありません。

違反の程度や回数、悪質性なども考慮されます。

④生計を営むことができる

四つ目の条件は「自分や配偶者、親族などの資産・技能によって生計を営むことができること」です。

 

簡単に言うと、自分や同じ世帯に住む人、親戚などに十分な収入や資産があり、日本で経済的に不自由せず暮らせるという意味になります。

正社員、契約社員、派遣社員など比較的安定した雇用形態で就労していることや、月々の手取り額が18万円以上、年収が250〜300万円以上あることが目安です。

 

この条件は世帯単位で考えるため、無職や学生でも親や配偶者に扶養されていれば帰化できますが、扶養している家族がいる人は上記より多めの収入が必要になります。

⑤国籍を有せず、または日本の国籍取得によって国籍を失う

五つ目の条件は「重国籍防止条件」や「国籍喪失要件」といわれるものです。

 

日本では二重国籍(多重国籍)が認められていないため、日本国籍を取得したい場合は、元の台湾の国籍を手放す必要があります。

帰化申請と同時に元の国籍を喪失すること、あるいは何らかの要因で既に国籍を失っていることが求められます。

⑥日本政府や憲法を破壊する思想を持たない

六つ目の条件は「思想要件」です。

 

具体的な法律の条文は「日本国憲法又はその下に成立した政府を暴力で破壊することを企て、若しくは主張し、又はこれを企て、若しくは主張する政党その他団体を結成し、若しくはこれに加入したことがないこと」となっています。

要約すると、暴力団やテロリスト集団に所属していたり、これから結成・加入する可能性がある人、また個人でそのような活動を行う人は日本に帰化できないということです。

 

ちなみに、この条件は本人だけではなく、家族・親族の状況もある程度影響します。

思想要件を満たしていない家族・親族と同居していたり、親しく付き合っている場合は審査が厳しくなります。

⑦日本語の読み書きができる

七つ目の条件は、「日本語の読み書きがある程度できること」です。

 

これは法律で定められているわけではありませんが、慣例的にある程度の日本語能力が求められます。

日本の小学校3〜4年生くらいの能力があれば問題ありません。

審査官が面談をして、明らかに日本語が流暢であればテストなしで通過できますが、判断が難しい場合はテストが行われることがあります。

 

また、帰化申請をする時には、なぜ日本国籍を取得するのか、日本国籍を取得してどうしたいのかということを説明する「帰化の動機書」を自筆で作成します。

 

この帰化の動機書の文章を自分で考え、書くことができる程度の能力があることも基準の一つです。

台湾人が日本国籍取得する際の流れ

ここからは、台湾人が日本国籍取得をする際の、具体的な手続きの流れについて解説していきます。

①必要書類収集と作成

帰化申請をする際には、まず必要書類を収集・作成するところから始めます。

帰化申請に使う書類は人によって異なり、場合によっては100枚以上もの書類を用意する必要があることもあります。

 

具体的な内容については、後の項目で詳しく解説します。

②法務局に申請

必要書類が揃ったら、それらを法務局に提出して帰化申請を行います。

③審査面接・書類の補完

帰化申請の審査には、必ず面接が含まれます。

書類の提出から2〜4ヶ月くらいで面接の日取りを決める電話がかかってくるので、都合のいい日にちを指定しましょう。

 

また、すでに提出した書類だけで判断ができない場合、追加の書類を求められることもあります。

求められた書類を再度収集・作成し、速やかに提出しましょう。

④許可見込み

無事に審査を通過すると、「許可見込み」が出ます。

あくまでも見込みの段階ですが、基本的に覆ることはないので、台湾の国籍を喪失して日本国籍を取得する手続きに移ります。

⑤台湾の国籍喪

国によって法律が異なりますが、台湾の場合は帰化の許可がされる前に国籍喪失手続きをする必要があります。

台湾の法律では、別の国籍を取得した時に自動的に元の国籍を喪失する仕組みにはなっていないためです。

 

台湾の大使館・領事館にあたる「台北駐日経済文化代表処」に必要書類を提出しましょう。

申請から2〜4ヶ月ほどで、「喪失国籍許可証書」が交付されます。

⑥帰化申請許可

台湾側から公布された「喪失国籍許可証書」を法務局に提出すると、正式に帰化申請が許可されます。

官報にも、氏名等が公示されます。

⑦帰化届の提出・在留カードの返納

帰化申請が許可となったあと、本籍地または居住地の役所に帰化届を提出します。

同時に、在留カードを返納します。

 

マイナンバーカードや住基カードを持っている人は、変更事項を追記欄に記載する必要があるため持参しましょう。

⑧新戸籍編製・住民票作成

帰化届を提出すると、新しい戸籍が作られ、住民票も作成されます。

 

作成が完了し、戸籍謄本などを取れるようになるのは届出から1〜2週間後ほどです。

会社に帰化した旨を届け出たり、日本人として新しいパスポートを作る際などに戸籍謄本等が必要となります。

日本国籍取得までにかかる時間は?

帰化申請から許可までにかかる期間は、1年くらいが目安といわれています。

ただし台湾人の場合、国籍喪失の手続きに2〜4ヶ月ほど必要なので、他の国の人より長くなりがちです。

台湾人の日本国籍取得に必要な書類と費用

ここでは、台湾人が日本国籍を取得するにあたって、必要な書類や費用について解説します。

帰化申請に必要な書類

台湾人が帰化申請する際に必要な書類は、主に以下のものがあります。

● 帰化許可申請書

帰化許可申請書は、帰化申請を行う旨と、名前や住所など基本情報、通称名・父母の氏名・帰化後の名前などを記載します。

法務局の窓口や法務省のホームページからダウンロードできます。

● 親族の概要を記載した書面

親族の概要には、以下について記載します。

 

・同居の親族

・配偶者(婚約者を含む)

・父母(養親を含む)

・子(養子を含む)

・兄弟姉妹

・婚約者

・配偶者の両親

 

フォーマットは法務省が用意しています。

日本在住の親族と、外国在住の親族とに用紙を分けて作成します。

● 履歴書

履歴書は、法務省が定めたフォーマットが2枚あります。

就職などに使う市販の履歴書ではなく、法務省のフォーマットを使用しましょう。

1枚目には出生から現在までの全ての住所、学歴・職歴(アルバイトを含む)・身分関係を時系列順に記載し、2枚目には出入国の履歴や技術・資格などについて記載します。

履歴書の内容を証明するため、学校の卒業証明書や在学証明書、資格証明書なども発行が必要となります。

● 帰化の動機書

帰化の動機書は、自分が帰化したい理由や帰化したあとどうしていきたいか、といった思いを説明する書類です。

法務省が用意したフォーマットに、自筆で記載します。

● 宣誓書

宣誓書は、日本国憲法と法令を守り、善良な国民となることを宣誓するという内容の書類です。

 

法務省が用意する帰化申請書類一式に含まれますが、事前に準備する必要はありません。申請受付の際に担当官の前で署名します。

● 国籍・身分関係を証明する書類

国籍・身分関係を証する書類には、以下のようなものが含まれます。

 

・国籍証明書

・戸籍抄本

・出生証明書(国籍証明書を入手できない場合のみ)

・旅券

 

国籍証明書は、自国の大使館・領事館で取得できます。

台湾の場合、日本の戸籍抄本と似たものとして「戸籍抄本」を本国から取り寄せます。

 

このとき、書類自体だけではなく、郵送されてきた封筒も必要となるため、保管しておきましょう。

● 国籍喪失に関する証明書

国籍喪失に関する証明書は、台湾国籍の場合、帰化許可見込みが出てから取得します。

台北駐日経済文化代表処に申請すると公布される「喪失国籍許可証書」を用意しましょう。

● 親族関係を証明する書類

親族関係を証明する書類とは、日本や台湾にいる親族との関係を証明するものです。

実母の出生当時の戸籍謄本、父母の婚姻当時の戸籍謄本、兄弟姉妹全員が在籍していた当時の戸籍謄本などが必要となります。

 

台湾の場合、他の国より戸籍のシステムが複雑で、膨大な台湾戸籍を取得し、それを翻訳する必要があります。

また、取得手続きが煩雑で、古いものは手書きのため解読が難解なこともあり、専門家の手を借りる必要が出てくるケースも多い書類です。

● 納税・収入を証明する書類

納税・収入を証明する書類としては、以下のものが挙げられます。

 

・源泉徴収票

・都道府県・市区長村民税の証明書又は非課税証明書

・都道府県・市区長村民税の納税証明書

・所得税の納税証明書

・所得税の確定申告の控え(決算報告書含む)

・事業税の納税証明書

・消費税の納税証明書

など

 

給与所得者、個人事業主、会社経営者などの区分により必要な書類が異なるため、専門家や法務局に問い合わせて確認しましょう。

● 出入国・在留歴を証明する書類

出入国・在留歴を証明する書類は、履歴書に書いた内容を証明・補足するために必要です。

閉鎖外国人登録現票の写し、外国人登録原票、出入国記録などを取得します。

● その他

その他、帰化に必要な書類としては、以下のようなものがあります。

 

・事業の概要を記載した書面:会社経営者の場合

・運転免許証関係:日本の運転免許証を持っている場合

・自宅付近の略図 (過去3年分の住所地全て)

・勤務先付近の略図(過去3年分の勤務先全て)

・家族・友人等と写ったスナップ写真 2〜3枚

帰化申請にかかる費用

帰化申請の手続き自体には、費用はかかりません。

ただし、申請書に添付する証明写真や、各種証明書の取得費用として、3,000〜10,000円くらいが必要です。

 

また、書類の収集・作成やアドバイスを行政書士などの専門家に依頼する場合、その報酬が発生します。

帰化申請1件あたりの費用相場は、10〜20万円ほどです。

ご夫婦やご家族一緒に帰化申請を行う場合、パック料金等で1人あたりの費用が抑えられることもあります。

台湾人が日本国籍取得する際の注意点

最後に、台湾人が日本国籍を取得する際に知っておきたい注意点を4つお伝えします。

「台湾戸籍」の収集には時間がかかる

上の項目でも触れましたが、台湾の戸籍はそのシステム上、収集に手間と時間がかかります。

 

中国などのようにシンプルな「出生証明書」「結婚証明書「親族関係証明書」といった書類がなく、必要な情報を証明するためには過去に遡って戸籍を取得する必要があるのです。

引越しや、家族の除籍履歴などが多いと、さらに複雑になります。

台湾国籍離脱のタイミングを知っておく

台湾の法律では、他の国籍を取得した際、自動的に台湾国籍を喪失する仕組みにはなっていません。

日本で帰化許可見込みの連絡を受け取ったあと、自分で台湾側に国籍離脱の手続きを行う必要があります。

 

タイミングは、帰化許可見込みが出た後、正式に帰化許可が出る前です。

担当官からも指示がありますが、自分でも知識として知っておきましょう。

帰化後に台湾国籍に戻すことがあるのか確認

台湾には、一度別の国へ帰化したあとに台湾国籍を回復させる「国籍回復」という制度があります。

国籍を変えるので大掛かりな手続きではありますが、帰化申請よりは簡略的に台湾国籍に戻ることが可能です。

 

だからといって気軽に行えるものではありませんが、日本に帰化する前に、再度台湾国籍に戻すことはあるのかどうか、事前に確認しておきましょう。

帰化申請は専門家への依頼が確実

帰化申請は、自分で行うこともできる手続きです。

しかし、ここまでもお伝えしたように、台湾独自の戸籍システムにより、過去の戸籍の取得や翻訳は専門知識がないと難しいことがあります。

 

また、他の書類の準備についても、専門家のサポートを受けた方が安心です。

確実かつスムーズに帰化申請をしたい場合には、行政書士などの専門家への依頼をおすすめします。

まとめ

台湾人が日本国籍を取得するためには、帰化申請が必要です。

帰化の条件は他の外国人と同じですが、台湾の法律や戸籍システムのために、書類の準備や手続き方法が他の国からの帰化よりもやや複雑になっています。

 

自分で帰化申請を行うことも不可能ではありませんが、台湾からの帰化の場合、行政書士などの専門家へ依頼するのが特におすすめです。

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