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駐禁は帰化申請にどのくらい影響がある?
駐車禁止違反(駐禁)違反を取られると、帰化申請に影響が出るということを聞いたことがある人も多いと思います。
では、実際に駐禁はどの程度の影響があるのでしょうか。
1 駐禁違反はなぜ帰化に影響するのか?
駐車禁止違反をしてしまうと、なぜ帰化に影響するのかというと、帰化の要件に関係しているからです。
帰化の要件は以下の通りです。
①引き続き5年以上日本に住所を有すること(居住要件)
・「引き続き」とは
3ヶ月以上日本から出国した場合や、年間で累計100日以上日本から出国していた場合には、「引き続き」の要件を満たさない可能性があります。出張や出産などの出国理由であっても考慮されないこともあります。
・「5年以上」には、就労要件も含まれます。
5年のうち、直近3年以上、就労ビザで在留していることが必要です。
ただし、上記要件が緩件される場合あります。以下に当てはまるものがあれば、居住要件を満たします。
(1)日本で生まれた者で、引き続き3年以上、日本に住所もしくは居所を有し、または、その父もしくは母(養父母を除く)が日本で生まれた者
(2)10年以上の居住者であれば、1年の就労期間で構いません。
(3)日本人と結婚している外国人であれば、次の2つのいずれかの要件を満たせば、大丈夫です。配偶者が働いていれば、就労期間も要りません。
(ア)引き続き3年以上、日本に住所または居所を有し、かつ、現に日本に住所を有する者
→結婚前から、日本に引き続き3年以上住んでおり、その後に日本人と結婚した場合は、結婚した時点で要件を満たします。
(イ)婚姻の日から3年を経過し、かつ、引き続き1年以上日本に住所を有する者
→外国で婚姻生活を2年送り、その後に日本で1年以上引き続いて居住していれば、要件を満たします。
② 20歳以上で本国法によって行為能力を有すること(能力要件)
20歳以上で、母国の法律に拠っても成人であることが必要です。
ただし、未成年の子が『両親と一緒』に帰化申請する場合には、20歳未満でも帰化申請は可能です。また、日本人と結婚している外国人にはこの要件は関係ありません。
③ 素行が善良であること(素行要件)
犯罪に関与していない、納税義務を果たしている、交通違反を犯していないなどです。
④ 自己又配偶者等で生計を営むことができること(生計要件)
会社を経営している方は、会社の経営状態も見られます。
⑤ 国籍を有せず、又は日本の国籍の取得によって、その国籍を失うべきこと(喪失条件)
⑥ 日本国憲法施行の日以後において、日本国憲法又はその下に成立した政府を暴力で破壊することを企て、若しくは主張し、又はこれを企て、若しくは主張する政党その他の団体を結成し、若しくはこれに加入したことがないこと(思想条件)
その他
日本の小学校3~4年生レベルの読み書きができるくらいのレベルが求められます。
このように、駐禁違反は③の「素行が善良であること(素行要件)」に引っかかってしまいます。
2 駐禁違反をしてしまったら、帰化はできない?
ついうっかりして、1回ぐらい駐車禁止違反をとられてしまった日本人も多いでしょう。
そうすると、駐車禁止違反を1回でもしてしまったからといって、「素行が悪い」ということにはなりません。
しかし、何回も違反をしてしまうのは、悪質で「素行が善良」とはいえないでしょう。
したがって、駐車禁止違反に関しては、比較的軽微な違反なので、帰化申請においては、その違反回数が問題とされます。
明確な基準ありませんが、具体的な目安としては、軽微な交通違反は2年に2回、5年に5回程度と思っておいた方が良いでしょう(在日韓国・朝鮮人の場合は。
5年に6回してしまったからといって、直ちに帰化ができないというわけではありませんが、交通違反で不許可になるリスクはあるでしょう。
したがって、このように多少違反回数が多い場合は、帰化申請時期をずらすという方法もありますので、まずは帰化専門の行政書士に相談されることをおすすめします。
なお、タクシー運転手やトラック運転手など、職業柄運転する機会が多い場合は、交通違反をしてしまう機会も多くなってしまいます。
ただ、運転の機会が多いからといって、交通違反に関して大目に見てくれるということはないと思っておいた方が良いでしょう。
3 駐禁違反などの交通違反の証明方法
運転経歴に関する証明書を帰化申請のときに一緒に提出します。その運転経歴証明書には4種類あるのですが、交通違反歴を確認するには「運転記録証明書」を取得する必要があります。
運転歴が5年未満であっても、帰化申請のために「過去5年分の運転記録証明書」を取得しましょう。
4 まとめ
軽微な交通違反は、気を付けていないとついうっかりしてしまいがちです。帰化申請前ならば、申請時期を遅らせることによって対処できますが、申請中には取り返しがつかなくなるので普段以上に気を付けてください。
今の状態で帰化できるのか不安な方は、行政書士に相談することをおすすめします。
この記事の監修者
プロフィール
2009年4月 行政書士個人事務所を開業
2012年8月 個人事務所を行政書士法人化し「さむらい行政書士法人」を設立
専門分野
外国人VISA・在留資格、外国人雇用・経営管理、永住・帰化申請
入管業務を専門とし、年間1000件以上の相談に対応