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外国人の帰化申請、日本国籍の取得支援


帰化申請に必要な“必要書類の収集”は、大変なのでしょうか?

多くの方が帰化申請手続きで、つまづいてしまう必要書類の収集はどのくらい大変な手続きになるのでしょうか。

まずはポイントをしっかりつかみましょう!

普段の生活では、本国書類や納税証明書、登記事項証明書、戸籍謄本などが必要になることはなかなかありません。 銀行でローンを組む時くらいでしょうか。しかし、帰化申請で必要な書類は、ペラ1枚を集めればよいというわけにはいきません。

まずは、どのくらいの通数の必要書類を取得しなければいけないのかを分かりやすく以下に示したいと思います。

揃える書類は、主に職業、家族関係、資産、国籍によって個々人で異なります。

市役所・区役所で取得する書類

□住民税の納税証明書(同居の家族分も必要)直近1年分 
※納税証明書は毎年6月に直近年度のものが取得できるようになりますが、6月前後に申請時期がかぶる方は2年分必要になることがあります。
□住民税の課税証明書(同居の家族分も必要・子供を除く)直近1年分 
住民税に未納があると帰化は許可になりませんので、未納がある方は必ず支払いをしてから納税証明書を取得してください。

【本人、配偶者が非課税(働いていない)の場合】 

□非課税証明書
※役所に申告していないと非課税証明書自体が出ないので申告が必要になります。
収入が無かったり、収入が低い場合は税金が課税されませんので、課税されていないことの証明として非課税証明書が必要になります。

□住民票
※省略事項なしの住民票を取得してください。

□住民票の除票
※2012年7月以降に引越しした人は引っ越しした分すべて

【配偶者または婚約者、子が日本人の場合】

□戸籍謄本
※戸籍謄本は本籍地のある役所に請求します。現住所と本籍地が違うことがあるので要注意です。
□除籍謄本・改正原戸籍
※戸籍謄本に婚姻日の記載がない場合は除籍謄本や改正原戸籍でさかのぼります。
□戸籍の附票
日本人の配偶者がいて結婚期間が相当に長い場合は、同居歴を見るため求められることがあります。

【両親の一方が日本人の場合】

□戸籍謄本
※戸籍謄本に両親の結婚の記載がない場合は除籍謄本や改正原戸籍でさかのぼります。

【両親、兄弟姉妹の中で帰化した者がいる場合】

□帰化した記載のある戸籍謄本 
※現在の戸籍謄本では帰化した記載がない場合、特に結婚・死亡や転籍がある場合は『除籍謄本』や『改正原戸籍』を取得していき、帰化した記載のある時期まで遡ることが必要です。

【本人、兄弟姉妹が日本で生まれている場合】

□出生届の記載事項証明書  
※請求先は出生届を出した市区町村役場です。

【両親が日本で結婚している場合】

□婚姻届の記載事項証明書  
※請求先は両親が婚姻届を出した市区町村役場です。
※外国籍同士の結婚の場合に必要です。日本人と外国籍の結婚では取得できません。

【本人が外国籍の方と離婚したことがある場合】

□離婚届の記載事項証明書  
□請求先は離婚届を出した市区町村役場です。
※海外で離婚届をした場合は不要です。
※裁判離婚の場合は確定証明書のついた審判書または判決書の謄本も必要です。
※日本人と離婚したことがある場合は元配偶者の戸籍謄本を取得します。

【外国籍同士の両親が離婚したことがある場合】

□離婚届の記載事項証明書  
※請求先は両親が離婚届をした市区町村役場です。
※海外で離婚届をした場合は不要です。
※両親が日本人と外国籍の場合は離婚届の記載事項証明書が取得できません。日本人親の戸籍謄本を取得しますが、再婚や転籍などしている場合は外国籍親の記載がないので、除籍謄本を取って実親の記載がある時期までさかのぼります。

【両親、配偶者、子が日本で死亡している場合】

□死亡届の記載事項証明書  

※請求先は死亡届を出した市区町村役場です。

法務局で取得する書類

【マンション、土地、建物を所有している場合】 

□建物の登記事項証明書
□土地の登記事項証明書
これらは、本人だけでなく、同居の家族が所有している場合も必要です。居住用、投資用関係なく不動産を所有している場合は必要になります。

【法人経営者の場合】

□法人の登記事項証明書

会社を経営している場合(同居の親族のうちの誰かが会社を経営している場合でも必要)に必要な証明書です。

税務署・都税事務所・県税事務所・市税事務所で取得する書類

【給与所得者(会社員)で確定申告している方】

※2ヶ所以上の勤務先から給与をもらっている場合や、副業や不動産投資をしている方
□個人の所得税の納税証明書(その1、その2)

【法人経営者の場合】 

※経営する法人が複数の場合はそれぞれの法人分が必要です。
※代表取締役以外にも役員に入っている場合は必要です。
※同居の家族が法人経営者の場合も必要です。
□法人税納税証明書(その1、その2)直近3年分
□消費税納税証明書  直近3年分 (課税対象:前々年の売上1000万超える場合要)
□事業税納税証明書 直近3年分 (課税対象:年290万以上で必要)
□法人都・県・市・民税納税証明書 直近1年分
□経営者個人の所得税納税証明書(その1、その2)直近3年分

消費税と事業税の納税証明書はそもそも売上の問題で課税対象となっていない場合は不要になります。

【個人事業主の場合】 

※同居の家族が個人事業主の場合も必要
□所得税納税証明書(その1、その2)直近3年分
□消費税納税証明書 直近3年分(課税対象:前々年の売上1000万超える場合要)
□事業税納税証明書 直近3年分(課税対象:年290万以上で必要)

消費税と事業税は課税対象となっていない場合は証明書は不要になります。

年金の証明書類

【会社員の方】

厚生年金に加入していない場合に国民年金を支払っている場合
□年金定期便を捨てずに持っていた場合は年金定期便でも可
※年金定期便は毎年1回誕生日の月に自宅に届きます。
□年金を払っていなかった場合は1年分を払った年金保険料領収書のコピー
□国民年金保険料納付確認(申請)書 ※年金定期便も領収書も紛失した場合

【法人経営者の場合】

□厚生年金保険料領収書のコピー
※厚生年金保険料の領収書を紛失してしまった場合は、【社会保険料納入確認(申請)書】を年金事務所に提出して証明書を取ります。

※厚生年金に加入していなかった場合
□厚生年金加入届の控えコピー(加入後)
厚生年金の加入前の期間は、国民年金の支払義務がありますので、直近1年分の国民年金納付領収書を提出します。

勤務先からもらう書類

□源泉徴収票(原本)直近1年分
※直近1年度内に転職している場合は前職分の源泉徴収票も必要です。

□在勤及び給与証明書
※申請月の前月分が必要です。
※法人経営者、個人事業主も自己証明で必要です。

自動車安全運転センターへ請求

【運転免許証を持っている場合】 

□運転記録証明書(過去5年分)
※最寄りの警察署で運転記録証明書の申請用紙をもらい、郵便局で手数料を払い込み申請すると、約2週間で自宅に届きます。

【免許を失効したことがある方、取り消されたことがある方】

□運転免許経歴証明書

コピーする書類

※コピーする書類は、申請時に原本の提示が必要です。原本は返却されます。
□在留カードのコピー(表・裏)
□最終学歴の卒業証書のコピー
※卒業証書がない場合は出身校から卒業証明書を取得
□運転免許証のコピー
□パスポートのコピー
※表紙、顔写真のページ、ハンコがあるページ全部
※現在所持しているパスポートと失効したパスポートも必要

【何か公的資格を持っている場合】

医師、歯科医師、薬剤師、看護師、教員、美容師、建築士、調理師などの資格証明書のコピー

【賃貸物件に住んでいる場合】 

□不動産賃貸借契約書の全部のページコピー

【2カ所以上のところから給与をもらっている人や確定申告をしている給与所得者】 

□確定申告書の控えのコピー(受付印があるもの)

【次は会社経営者・自営業者についてのみ必要です】

□営業許可証のコピー(許認可が必要なビジネスを行っている方)
□役員・自営業者個人としての確定申告書控え(受付印あるもの)のコピー 直近1年分
□法人の確定申告書控え(受付印あるもの)のコピー 直近1年分
□源泉所得税の納付書(支払済み)のコピー(支払済み) 直近1年分
※納付の特例を受けている場合は2枚分、毎月払っている場合は12枚分のコピーです。
□源泉徴収簿(本人にかかるもののみで可)のコピー

【過去3期の中で法人税などを修正申告したことがある場合】 

□修正申告書控え(受付印あるもの)のコピー

 

スピード写真または写真屋で

□証明写真(5センチ×5センチ)2枚
□スナップ写真(両親や兄弟姉妹、友人と写っているもの)別々の種類で3枚程度

韓国籍の方が必要な本国書類

韓国籍の方は本国書類を韓国領事館で取得できます。すべての書類は日本語翻訳と翻訳者の記名・押印が必要です。本国に戸籍がない方は本国証明書類は取得できません。

(本人の)
□基本証明書
□家族関係証明書
□婚姻関係証明書
□入養関係証明書
□親養子入養関係証明書
□除籍謄本

(父の)
□家族関係証明書

(母の)
□家族関係証明書

(父か母どちらか一方の)
□婚姻関係証明書

家族関係が複雑な場合は、電算化される前の除籍謄本を取得することを法務局から求められることもあります。以前の情報が必要な場合は「手書き」の除籍謄本を取得しなければならないケースも発生するのでご注意ください。

中国籍の方

中国の「公証処」で取得します。日本の公証役場にあたる機関です。すべての書類は日本語翻訳と翻訳者の記名・押印が必要です。

(本人の)
□出生公証書
※日本生まれの場合は出ません。日本の役所で出生届の記載事項証明書を取得します。
□親族関係公証書 ※自分の家族(両親・兄弟姉妹・子が記載されているもの)
※日本生まれの場合は出ません。華僑総会で取得できます。

【結婚している場合】 

□結婚公証書
※中国人同士の結婚で、日本の中国大使館で手続きした場合は中国本土で取れませんので中国大使館で取得します。
※日本人と中国人の結婚で、日本で最初に結婚した場合は中国大使館では取得できません。中国本土で取得します。

【本人が離婚している場合】

□離婚公証書

【養子縁組している場合】

□養子公証書
(両親の)
□結婚公証書

【両親が離婚している場合】

□離婚公証書

【親や子が死亡している場合】

□死亡公証書

□国籍証書

韓国、中国以外の外国人の方が必要な一般的な本国書類

各国によって具体的な証明書は異なります。
□出生証明書(本人)
□婚姻証明書(本人・両親)
□離婚証明書(本人・両親)
□親族関係証明書 ※この書類がない場合は両親・兄弟姉妹・子全員の出生証明書
□国籍証明書
□死亡証明書(両親・兄弟姉妹)

法務省個人情報保護係から取得する書類

次の2つの書類は法務局から必須として求められている書類ではありませんが、閉鎖外国人登録原票には在留カードに変更になる前の日本での居住歴が記載されており申請書作成の上で大変参考になります。また出入国記録は、海外出国・入国が多い場合にパスポートのハンコではよくわからない場合に参考になります。過去の様々な情報が詰まっており、実務的には申請前に取っておくべき書類と言えます。法務局では申請者がこの書類を提出していない場合、職権でこの2つの書類を取得して審査しているようです。

□閉鎖外国人登録原票
□出入(帰)国記録     

いかがでしょうか?

たしかに多いことはわかったと思いますが、おそらく、イメージしづらいと思いますので、サンプル写真でご覧いただくと下記のようになります。


分かりやすいように隣にティッシュボックスを置いてみました。

帰化申請をするためにはこんなにも多くの書類を揃えなければならないんですか?!

そうなんです。当事務所では、年間300件以上の帰化のご相談をいただいておりますが、一般的な場合であっても、申請に必要となる書類の枚数は100枚以上になります。在日韓国人の場合は200枚を超える場合もよくあります。さらに会社経営者であれば300枚を超えてくることは普通です。

書類が多ければ多いほど、行政書士など帰化申請のプロに依頼しないと全く進まないケースも見受けられます。

そうです。一般の方であっても、けっこう多い枚数になってしまうものなんです。

確かに手間がかかりそうだ・・・

そう感じる方も多いのではないでしょうか。

でも、最近じゃ公務員は親切だし、近くの役所に行けば役所の人が親切に全部を取り揃えてくれるんじゃないの!?

残念ですが・・・

帰化申請をする法務局国籍課はいうほど親切ではありません。

では、納税証明書や住民票や戸籍謄本は簡単に集められるのでは??

これも残念ですが・・・

●納税証明書は1月1日に住所を置いていた役所でなければ、取得できません!

●住民票除票は、前に住んでいた市区町村の役所でなければ、取得できません!

●婚姻届、離婚届、出生届の記載事項証明は届出した役所でなければ、取得できません!

●戸籍謄本は、“本籍”を置いている役所でなければ、取得できません!

確かに、役所に出向いて窓口の方に聞けば、丁寧に教えてもらうことができます。

しかしそれは、1度も引っ越ししていなかったり、本籍を異動させていなかった場合の話です。

現実的には郵送のやり取りをせずに、1か所の役所で全ての書類が揃ってしまう方は1人もいません。

ご自身で書類をあつめようとされる場合、
①取得した戸籍謄本・除籍謄本・住民票除票・納税証明書から次に請求するべき役所を読み取って郵送で請求するか、
②もしくは交通費をかけて役所に訪問して取得するか、
③委任状で近くに住む親族に依頼して進めるか、

などを選択しなければなりません。

国家資格者に代行してもらう場合は、行政書士に依頼する事になります。

必要書類の取り寄せには、難しさもあります。

書類をさかのぼっていくと、どこの役所に請求するべきかわからないことがあります。

例えば、古いものでは「○○郡○○村」など・・・またよくあるものでは「さいたま市」ではなく「浦和市」など・

「どこだ?」と、言いたくなってしまう住所が出てきたりします。

そうです。2000年以降、全国的に市町村の合併がさかんに行われていましたので、今では存在しない市区町村が記載されているなんて事も往々にしてあるものです。このような作業や郵送のやり取りを繰り返して、必要書類を集めていくことになります。

最近は、特に個人情報の取り扱いが厳しいため、兄弟姉妹の書類を取るためには、兄弟姉妹であることを証明するための証明書を提出しなければ兄弟姉妹の書類を発行してくれません。

必要書類を取得するために、遠方の役所に訪問しなくても郵送で請求することも可能です。この場合は、定額小為替が必要になります。

戸籍謄本を地方の役所に請求する場合、郵送と定額小為替が必要です。

郵送で請求するにしても、請求書の記入方法に不備があったり、証明書発行料として必要な定額小為替の料金に不足があったりすると、問い合わせの電話や何度も郵送でのやり取りが必要になってしまい、2度手間、3度手間になってしまいかねません。

ちなみに、定額小為替は郵便局でなくては購入することができません。

 

また、役所によっては郵送での受け付け方法を明確に市役所や区役所のホームページに記載していないところも多いものですから、もうちょっと分かりやすい案内を用意してくれよ!と一般の方がイライラしてしまうのも分かる気がします。

 

書式を調べて必要事項を記載して、規定の料金を調べて郵送で手続きをするという事自体が難しい場合もありますし、仕事で時間が取れないかといって放置しておくわけにはいきませんので、帰化専門の行政書士に依頼するのもひとつの手ではないでしょうか?

 この記事の監修者

さむらい行政書士法人 代表 / 小島 健太郎

さむらい行政書士法人
公式サイト https://samurai-law.com

代表行政書士

小島 健太郎(こじま けんたろう)

 

プロフィール

2009年4月 行政書士個人事務所を開業
2012年8月 個人事務所を行政書士法人化し「さむらい行政書士法人」を設立

専門分野

外国人VISA・在留資格、外国人雇用・経営管理、永住・帰化申請
入管業務を専門とし、年間1000件以上の相談に対応

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