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イギリス配偶者ビザが却下される理由と対応策を解説

 

イギリス国籍やイギリスに永住権がある方のパートナーが、経済力や語学力を満たしていることが証明できると、一定の期間、イギリスに在留できるようになります。

 

その際に発給されるビザを『配偶者ビザ』といいますが、その取得の要件は非常に厳しいとされています。

イギリスで配偶者ビザを取得するのは難しい?

イギリスでは「結婚したから」といって、イギリス国籍を持たない配偶者に対し、簡単に配偶者ビザが発給されるわけではありません。

配偶者ビザを申請するための条件が細かく定められています。

イギリスの配偶者ビザ取得は年々厳しくなっている

イギリスにおけるビザの取得は、年々その条件が厳しさを増しています。

この背景には、

  • イギリスへの移民の増加
  • 移民にともなう不法滞在者の流入

の2つがあります。

イギリスへの移民者は増加の一途をたどっている

イギリスでは、2023年の移民純増数が745,000人と、過去最多を記録しています。

 

イギリスのEU離脱の理由のひとつは移民の過剰流入の抑制でした。

しかし、離脱後も移民が増え続けているといった現状があります。

この要因としては、『イギリスの英語が公用語である』という点が大きいとされています。

 

このような状況を踏まえ、イギリス政府では「現在の移民純増数が多すぎる」とし、イギリス人労働者や公共サービスを守るという名目のもと、移民を減らすための措置を講じています。

配偶者ビザ以外のビザの要件も厳格化されている

イギリスにおけるビザ取得の厳格化は、移民流入数の抑制が目的であることから、さまざまなビザで、発給の要件が厳格化される計画が発表されています。

 

そのほか、あらゆるビザや制度において、以下のような対策が行われています。

変更されたビザ要件

  • 扶養家族が同時にイギリスに入国することを禁止
  • 年収要件の引き上げる
  • 2024年1月より、博士課程などを除く学生ビザにおいて扶養家族の帯同を禁止

ヘルス&ケアビザ

(医療や介護職の移民労働者向けのビザ)

  • 扶養家族の帯同許可が打ち切り

技能労働者ビザ

  • 申請者に求められる最低年収が現行の26,200ポンドから38,700ポンドへ引き上げ
  • 労働者不足の職種を対象とした年収要件の緩和措置を廃止

留学生が大学や大学院を卒業後も2~3年間イギリスにとどまることを許可されていた制度

  • 「悪用を防ぐ」ためとし、政府の移民政策顧問に対し、見直しが迫られている

 

これらの措置により、30万人規模での移民削減を見込んでおり、これまで受け入れられていた移民について、今後はビザを取得できなくなる傾向にあります。

配偶者ビザ申請時に求められる高い条件

上記のような制度改正により、ほかのビザ同様、取得のハードルが年々高くなっているイギリスの配偶者ビザ。

現状の各種条件は、以下のように設定されています。

申請の条件

  • スポンサーと結婚していること
  • 2年以上同棲していること
  • 交際期間が6か月以上であること

スポンサーの条件

  • 18歳以上であること
  • (イギリスで婚姻が認められるのは18歳以上と定められているため)
  • 配偶者との関係がイギリス当局によって認められていること
  • 結婚またはシビルパートナーシップがイギリスにおいて認められていること

収入および貯金の条件

  • 年収の場合:18,600ポンド以上あること
    (※帯同する子についてもビザを申請する場合には、その人数によって金額が加算されます)
  • 貯蓄の場合:6か月間にわたって62,500ポンドを下回らないこと

英語力の条件

CEFRのレベルがA1レベル以上であること

 

※なお、収入の条件については、以下のような変動予定になっています。

  • 2012年7月以来、配偶者ビザの最低年収額が18,600ポンド→2023年秋より、2倍以上である38,700ポンドへ引き上げと発表(近年の移民数増加が主な理由)
  • ただし、この大幅な引き上げは識者からも大きな反論があり、その後段階的におこなわれると訂正
  • そのため、2024年春からは基準額が29,000ポンドとなり、38,700ポンドへ引き上げられるのは2025年初頭を予定

配偶者ビザが却下される?

ビザの審査基準が年々厳しくなっているイギリスでは、配偶者ビザについても、一定の割合で「不許可」となることが珍しくありません。

配偶者ビザが却下される理由

イギリスの配偶者ビザの申請が却下されるのは、個々の事情によって異なりますが、おおむね以下のようなケースが考えられます。

申請条件を満たしていない

申請条件を満たしていない場合、イギリスにおける配偶者ビザ申請が却下される決定的な理由になります。

申請書類に不備がある

申請条件を満たしていたとしても、書類上のさまざまな不備から、配偶者ビザの申請が却下されることがあります。

 

その一例として、

  • パートナーとの関係性を証明する書類が不十分
  • 給料証明書類が不足している
  • 銀行の残高証明書に不備がある

といったことが挙げられます。

偽装結婚を疑われている

一概にはいえませんが、以下のような場合、結婚についての信ぴょう性が担保できず、偽装結婚を疑われると、配偶者ビザが却下される可能性があります。

  • 離婚歴が多い
  • 配偶者の収入が少ない
  • 夫婦の年齢差が大きい
  • 交際期間が短いあるいは結婚までに会った回数が少ない

 

このうち、特に「離婚歴」については、複数回あると偽装結婚を疑われます。

さらに、年齢差が大きい場合も、偽装結婚を疑われかねません。

また、収入が少ない場合には、安定した結婚生活が困難と判断されます。

 

このほか、交際期間が3か月以内、あるいは1~2回程度しかあったことがない、といった場合にも偽装結婚とみなされ、配偶者ビザが却下されることがあります。

配偶者ビザが却下された例

配偶者ビザが却下される要因としては、上記のような理由が挙げられますが、そのほかにも以下のような事例がみられます。

例1)長期間イギリスを離れていた

イギリスにおける配偶者ビザはいったん取得できたとしても、仕事などの事情により長期にわたってイギリスを離れていると、延長の申請が却下されることがあります。

 

こうした場合、あらためて配偶者ビザの申請をしなければなりません。

延長の申請に加え、新たなビザの申請費用も発生するため、高額な申請費用と時間が必要となります。

例2)not straightforward (単純ではない、複雑な申請)に分類されてしまう

配偶者ビザの申請において被る不利益は、申請が却下されることばかりではありません。

書類の不備などにより、「not straightforward (単純ではない、複雑な申請)」に分類されることもあります。

 

こうした場合、通常は60営業日程度で結果の出るはずだった審査が、120営業日までに変更されてしまいます。

さらに、この間は審査に関する情報も少ないため、結果がいつ出るかもわからないまま待ち続けなければならないという事態に陥ることがあります。

配偶者ビザが却下された時の対処方法

では、イギリスのビザ取得が厳格化されるなかにあって、申請が却下されてしまった場合には、どのように対処したらよいのでしょうか。

1.再申請(re-apply)する

ビザの申請の際、厳密にその内容がチェックされるイギリスにおいて、以下のような申請は、容赦なく却下されてしまいます。

  • 申請ガイダンスの内容を十分に理解しないまま、書類を準備している
  • 提出書類にわずかでも間違いがある

 

ただし、これらの場合は、ビザ申請が却下された際の通知書面の理由に、修正箇所が記載されています。

この場合は、ビザの条件はクリアしているという証明になるため、以下のような方法で再申請(re-apply)すれば、申請が受理され、ビザが発給できる可能性があります。

  • 新しく書類を作成、そろえ直す
  • 問題個所をすべて確実に修正する

2.不服の申し立てをする

書類に不備がなくても、さまざまな理由から配偶者ビザは却下されることがあります。こうした結果に納得できないのであれば、ホームオフィスの判断に対し、不服である旨を申し立てることが可能です。

なお、申し立ては

  • 必要書類を準備して書類のみの審査を行う
  • 法廷で争う

上記のどちらかを選択します。

 

このうち法廷で争うことを選択した場合には、以下のような流れになります。

  1. 裁判所から出廷日に関する詳細が通知される
  2. 法廷にはビザの審査をおこなうホームオフィス側と申請者側の双方が出頭
  3. 各自で事情を説明し、その後に審査が行われる

特に家族関連のビザである配偶者ビザは、事情が複雑なケースも少なくないため、こうしたアピールに踏み切ることで、より結果が得られることがあります。

 

ただし、従来無料だったアピールは、一部の例外を除き、現在は有料化され、以下のような条件となっています。

  • 書面手続きが80ポンド(1人あたり)
  • 口頭での申し立てに140ポンド
  • 支払いは本人または代理人によるカードのみ有効
  • 現金、小切手などは一切受けられない

 

さらに、ビザのカテゴリーによってはアピールの権利を認めない新たな法律案が成立するなど細かい制度変更がおこなわれている点には注意が必要です。

配偶者ビザ申請が却下されないためには?

ビザ取得が厳しさを増しているイギリスでは、配偶者ビザも含め、確実に取得できるという確証は得られないのが現状です。

 

しかしながら、正確かつ最新の情報を入手し、十分な準備を怠らないことで、ビザ取得の可能性を高めることはできます。

ビザの申請に必要な書類を確実に用意する

ビザが却下された場合、その理由に納得がいかないのであれば、不服を申し立てることもできます。

 

しかし、そのリスクをあらかじめ減らすためには、事前の書類の提出段階で不備がないようにすることは重要です。

収入証明や銀行の残高証明の準備を怠らない

収入証明や残高証明は、金銭面を証明する大事な書類です。

 

万が一、準備不足や不備が起こると、ビザ却下の大きな要因にむすびついてしまいます。

 

例えば、収入を証明する給料明細がオンラインからダウンロードするタイプの場合、以下の対応を事前にしておかなければなりません。

  • 支払いを受ける会社からのレターが必要
  • 雇用形態や給料を証明してもらう書類を受け取る必要がある

 

また、銀行の残高証明書では、以下の点に注意してください。

  • 申請の際にオリジナルあるいは銀行からの正式なスタンプが押されたもの
  • 残高証明のページの一部が抜けているものは却下の原因となりうる
  • スタンプが片面にしか押されていないものは却下の原因となりうる

偽装などを防ぐため、金融関連の資料は非常に厳しく取り締まっていることから、申請の却下の理由となりうるため、書類のミスがないように注意しましょう。

二人の関係性を証明するための書類は多めに準備する

イギリスの配偶者ビザ申請では、オンラインでパートナーとの関係性を証明する書類を提出できます。

そこで、以下のようにすることで、ビザ取得が有利になる可能性があります。

  • 書類はより多く提出する
  • 二人の関係性を証明する書類において、以下の書類を提出する
    1.結婚証明書(すでに結婚の事実がある場合でも有効)
    2.出生届
    3.二人の出会いから現在までを写真
    4.二人の関係性を説明書きや表でまとめたものを作成する

このようにして、関係性が偽造でないことを証明する対策を講じるとよいでしょう。

必要書類のカテゴリーを知っておく

イギリスの配偶者ビザの申請は、添付書類の提出までをオンラインフォームでおこなうことができます。

ただし、指紋等の生体認証情報(バイオメトリクス)の登録には、東京もしくは大阪のビザセンターへの来訪が必要です。

 

その際、必要書類にはそれぞれカテゴリーが用意されているため、正しいカテゴリーに分類し、アップロードすることがスムーズな審査につながります。

 

なおカテゴリーは以下のように分類されています。

  • Accommodation: Permanent/Temporary(住居の証明)
  • Educational evidence(英語力の証明)
  • Financial evidence(経済証明)
  • Additional documents(追加書類)
    ※パスポートスキャン、移民用の健康保険料の番号、翻訳証明、換算レートなど
  • Consent letters and proof of relationship(同意書や結婚証明)
  • Employment evidence(雇用の証明)
  • Sponsor Evidence(スポンサーの証明)
  • Tuberculosis(TB)Certificate(結核証明書)

行政書士などの専門家に依頼する

行政書士は、主に以下のような業務に携わっています。

  • 依頼者に代わり、官公庁へ提出する書類を作成
  • 役所へ書類提出
  • ビザ申請に関する業務全般

 

中でも、出入国管理に関する一定の研修を受けた「申請取次者」 の資格を取得していれば、さまざまな書類の作成や提出を代行できます。

 

ビザ申請に関する負担を軽減するばかりでなく、申請が却下されることを防ぐことにもつながるでしょう。

 

そのうえで、さらに、次のようなメリットも期待できます。

ビザの最新情報に詳しいため、あらゆる対策ができる

ご自身で配偶者ビザの申請をおこなう場合、必ずといっていいほど疑問点が発生します。

近年の世界情勢やイギリスの事情などにより、以下のとおり、年々ビザ申請が難しくなっています。

  • ビザ制度の変更が繰り返されていること
  • 申請書類が増えていること
  • 申請難易度が上がったこと
  • 移民問題などからイギリスのビザ申請情報が錯綜している

 

そこで、最新情報を把握し、その対策を熟知した行政書士にビザの申請を依頼することで、ビザの取得に向けた、さまざまな対策が講じやすくなります。

書類の不備やミスを確実に防ぎ、スムーズに申請できる

イギリスにおける配偶者ビザの申請では必要な書類の作成でも、記入方法について疑問が生じることがあります。

こうした箇所を適当に記入してしまうと、最悪の場合、申請の却下につながるおそれがあります。

 

このような書類の不備やミスを防ぐには、行政書士に申請を依頼することが、ひとつの有効な手段となります。

申請のための情報収集や書類作成の労力や時間を節約できる

イギリスにおける、配偶者ビザの申請に必要な書類の数は膨大です。

これらについて、すべて自ら情報を収集し書類を作成するには、大変な労力と時間が必要となります。

 

その点、配偶者ビザについて熟知した行政書士に依頼すれば、それらの時間と費用を節約できます。

まとめ

配偶者ビザはイギリス国籍や永住権を持たない者がイギリスでイギリス人のパートナーと一緒に暮らすためには必要不可欠です。

 

しかしながら、

  • 移民問題で審査が年々厳しくなっている
  • 提出する書類や理由書、審査ポイント、書類の整合性などは申請者の個々の事情によって異なる
  • 収入や預貯金については、金額の大小はもちろん、「安定した暮らし」ができるかどうかが問われる
  • 入念な準備が必要な書類もあり、書類のささいなミスも申請の却下につながる

このように、非常に難易度が高い審査になります。

 

申請が却下された場合、再提出なども必要となることから、時間と気持ちに余裕を持って申請しなければなりません。

 

こうした点から、イギリスで配偶者ビザの申請をするのであれば、ときには行政書士など、専門家の手を借りて手続きを進めるのもひとつの方法といえるでしょう。

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