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【イギリス配偶者ビザ】収入や貯金の条件|ビザ申請の費用を解説

世界銀行の統計によれば、全世界の移民は増加し続けており、このうち4割ほどは家族結合によるものであるという調査結果があります。
しかし、市民権者や永住者の家族資格で在留資格を取得するには各国で制度が異なり、所定の手続きに基づいてビザを申請し、承認を受けなければなりません。
これはイギリスについても同様で、独自の制度が設けられています。
イギリスの配偶者ビザの概要
イギリス国籍者あるいは永住権者の配偶者が外国籍の場合、取得すべきビザは配偶者ビザとなります。
なお、この配偶者ビザは、イギリスにおいて家族と一緒に6か月以上暮らす場合に必要なファミリービザのひとつです。
ファミリービザのカテゴリー
ではまず、配偶者ビザも含まれるファミリービザとはどのようなものなのか、みていきましょう。
イギリスに在留する外国人は、英国移民局の定める規定を満たすことで、家族と共に移住するために申請できるようになります。
これによって取得できるのが、ファミリービザです。
ファミリービザは、以下のような各種カテゴリーにわかれています。
子供
イギリスで永住権を持っていたり、一定期間の居住を許可されている場合、その子についてはこのカテゴリーで滞在が許可されます。
ただし、
- 両親共にイギリスに滞在している
- 母子(父子)家庭
- 両親が学生としてイギリスに滞在している
など、さまざまなケースが考えられるため、申請にあたっては個々に確認が必要です。
扶養家族
65歳以上の両親や祖父母、あるいは親類とイギリスで滞在を希望する場合は、このカテゴリーでビザを申請します。
なお、イギリス国籍や永住権を持つ両親や祖父母、親戚であれば、永住権の申請も可能となることがあります。
ただし、そのためには収入や居住地の審査を受けなければなりません。
配偶者
配偶者についても、ファミリービザの中のひとつのカテゴリーとして区分されています。
ビザ申請者のパートナーがイギリスでの居住許可を保持している場合に申請可能です。
配偶者ビザとは
ファミリービザのカテゴリーを踏まえ、ここからは配偶者ビザについてより詳しくみていきます。
配偶者ビザは、イギリス人、あるいはイギリス人でない場合でも欧州経済領域(EEA)国籍者以外で永住権を保持している者の配偶者が、イギリスに滞在するために取得するビザです。
このビザを取得することで、イギリス永住者や市民権者と同様に医療保険の給付を受けられます。
しかしながら、現在のイギリスでは、偽装結婚(sham marriage)が社会問題化しています。
たとえ正常な婚姻関係にあっても、その真正性を証明できない限り、承認が受けられません。
そのため、配偶者ビザは十分な証拠の提示が求められます。
また、ビザ申請の際には4つの区分で審査がおこなわれます。
ゼネラル
ビザ取得における一般的な審査で、イギリス国内外を問わず犯罪歴や移住や入国履歴に不正がないかといったものです。
リレーションシップ
婚姻関係が偽造でないことを証明するための審査です。
ファイナンシャル
生活保護などを受けることなく、自立した生活が可能であることも審査の対象となります。
ランゲージ
イギリスにおける生活において、必要となる基本的な英語力についての審査です。
手段としては
- 英語力テストの受験
- 英語圏の大学で与えられた学位で証明する
といった方法がありますが、詳しくは条件の項目で触れていきます。
なお、これらの審査を通過すると、
- 国外から配偶者ビザを申請した場合であれば33か月間
- イギリス国内で申請した場合には30か月間
の滞在が認められるビザが発給されます。
配偶者ビザ取得後にできること
配偶者ビザは「イギリスでの在留期間を長期化できる」という点で、他のビザよりも有利です。また、ビザとして許容範囲が広いのも特徴です。
就労が可能
配偶者ビザを取得すれば、イギリス国内で自由に就労できます。
ただし、就労の際にはイギリスの税金や社会保険制度に従う必要があります。
また、公的医療制度である国民保健サービス(NHS)へも加入しなければなりません。これにより、一定の費用を支払うことで医療サービスが受けられます。
なお、就労の際には雇用主から雇用証明書や給与明細などをもらっておくとよいでしょう。ビザの延長申請や永住権の申請に必要となる可能性があります。
就学が可能
配偶者ビザであれば、イギリス国内で就学することも可能です。
ただし、イギリス国籍や永住権を持つ学生よりも、高額な授業料を支払わなければならないケースもあるため、注意しなければなりません。
これは、授業料がほかの留学生と同様の扱いになることもあるためです。
永住権も申請できる
配偶者ビザを取得し、結婚あるいはパートナー生活が5年以上(2012年7月以前にビザを取得している場合は2年)継続した場合には、永住権を申請できます。
ただし、永住権の取得には、
- イギリスについての知識について問われるLife in the UKテストでの合格
- 配偶者ビザ申請の際よりもレベルの高い英語力についての証明
などが求められます。
さらに、
- 2年以上イギリスを離れる
- 生活の基盤がイギリスにない
などと判断された場合には、一度取得した権利を失うことがある点にも注意が必要です。
イギリスにおける配偶者ビザの各種条件
イギリスの配偶者ビザが取得できるのは、夫あるいは妻である配偶者のスポンサー(身元引受人)がイギリスに居住していることが大前提となります。
このほかにも、イギリスにおける配偶者ビザにはさまざまな条件が設定されています。
配偶者ビザが申請できるスポンサーの条件
まず、配偶者ビザのスポンサーに対しては、主に以下のような要件が定められています。
- 18歳以上であること
(イギリスで婚姻が認められるのは18歳以上と定められているため) - 配偶者との関係がイギリス当局によって認められていること
- 結婚またはシビルパートナーシップがイギリスにおいて認められていること
- 年間18,600ポンド以上の収入があること
配偶者ビザを申請するための条件
次に、申請の際には以下のような条件があります。
スポンサーと結婚していること
配偶者ビザの場合、申請の条件として結婚していることが大前提となります。
これを証明するには、結婚証明書が必要です。
なお、証明書は公的なものでなければなりません。
このほかにも、
- スポンサーとの関係を証明する写真
- 通信記録
などを提出することで、実際に結婚していることを示します。
2年以上同棲していること
事実婚でも取得が認められるイギリスの配偶者ビザ。
同棲は必須ではありませんが、その期間がおおよそ2年以上に及ぶと、配偶者ビザ取得にあたって有利な要素となります。
また、共同住宅の契約書や請求書、写真といった共同生活の証拠を提出することで同棲の事実を示します。
交際期間が6か月以上であること
配偶者ビザの取得において、交際期間についての明確な規定がありません。
しかし、短期間で結婚に至る場合、その経緯と信ぴょう性が厳しく審査されます。
そのため、交際期間の目安として6か月以上あることがポイントとなります。
配偶者ビザを申請するための収入や貯金の条件
イギリスにおける配偶者ビザの取得において、その可否をもっとも大きく左右するのは財務要件で、年収あるいは貯蓄の条件が以下のように定められています。
収入や貯蓄の条件
ここでの年収とは上記のスポンサーの要件です。
年収の場合:18,600ポンド以上あること
ただし、イギリス国外での労働収入は反映できません。
また、子供がイギリス国籍でない場合は下記が追加となります。
- 第1子:3,800ポンド
- 第2子以降:1人につきプラス2,400ポンド
一方で、貯蓄の場合は以下になります。
- 貯蓄の場合:夫婦合計で62500ポンド以上
なお、子供がイギリス国籍でない場合はさらに条件が厳しくなります。
- 第1子:72,000ポンド
- 第2子:78,000ポンド
収入や貯金を証明する必要もある
自営業や雇用によって収入を得ている場合には、実際に6か月以上継続して収入を受け取っている事実を証明する必要もあります。
これは貯蓄についても同様で、『18,600ポンド以上』という年収と同等の貯蓄額を示さなくてはなりません。
具体的には、『夫婦の持つ銀行の各口座の預金額の合計が、6か月間にわたって62,500ポンドを下回らないこと』が目安となります。
労働収入のほかにも収入とみなされるもの
なお、配偶者ビザの申請の際に収入を証明する場合、イギリス国内での労働収入のほかに、以下のようなものもあわせて収入とみなすことができます。
- 年金収入
- 不動産賃貸料や配当金など労働以外の収入
収入の証明となる書類
ビザ申請時の収入の証明は書類の提出によっておこないます。このとき証明書類として認められるものは以下のとおりです。
- 夫婦の収入を示す銀行取引明細書
- 過去6か月分の給与明細
- 雇用主からの日付・見出しつきのレター
なお、レターでは以下の項目が確認できなければなりません。
- 雇用されている事実
- 雇用先での役職
- 働いている期間
- 契約の種類(長期か期限付きかなど)
- 給与が支払われてからどのくらいの期間が経過しているか
- 給与明細が正式なものであること
英語力についての条件
イギリスの配偶者ビザの申請では、英語力についても条件が設けられています。その条件とは、『定められたレベル以上の英語力を保持していることの証明』です。
基準となるのはCommon European Framework of Reference for Languages(CEFR)です。CEFRは、英語をはじめとした外国語の習熟度や運用能力を測る国際的な指標で、大学入試認定の英語検定試験のスコア比較などにも用いられています。
配偶者ビザにおいて求められるCEFRのレベル
配偶者ビザの取得において求められるCEFRのレベルは、ListeningとSpeakingの2技能においてA1レベル以上です。
A1レベルはCEFRでも、もっとも基礎的なレベルで、「初学者」とみなされます。
具体的には、最低限の英単語や日常表現は理解できるものの、会話に時間がかかるレベルです。
延長申請を念頭においておく必要がある
配偶者ビザの初回申請の際にはCEFRのレベルは基礎的なレベルでかまいません。
しかし、延長申請を経て、最終的に永住権まで申請をする場合は、最終的にB1レベル以上を証明する必要があります。
このB1レベルとは、ビジネスシーンやアカデミックな場で活躍するには不十分ではあるものの、基礎的な英語力を身につけているレベルです。
また、延長申請時には、永住権申請のステップとしての意味合いでA2レベルの証明が義務づけされています。
なお、A2レベルは日常会話で求められる基礎的な知識や、コミュニケーションスキルを身につけているレベルです。
他の方法で英語力を証明するには
CEFR以外でも、イギリスの配偶者ビザの申請において、英語力を証明する方法としては、
- Home Office認定のテストを受験する
(イギリスの出入国管理やセキュリティ、治安などにかかわる政策を所管している) - 学位を証明する
などのいくつかの方法があります。
ただし、いずれの方法も条件が厳密に定められているため、見極めには細心の注意が必要です。
ビザ申請にかかる費用
イギリスの配偶者ビザを申請すると、一定の費用がかかります。
また、申請においても
- イギリス国内で申請する場合
- 国外で申請する場合
では費用が異なります。
申請時には申請費用以外にも、
- Immigration Health Surcharge(IHS):イギリス国内の公共医療サービスの利用
- National Health Service(NHS):公的な医療保険サービス
これらの費用が必要です。
この費用は、非EEA国籍者がビザ申請時に支払わなければなりません。
イギリス国外から申請する際にかかる費用
- 配偶者ビザ申請費用:1,523ポンド
- IHS、NHS費用:1,872ポンド
【合計:3,395ポンドとなります。】
イギリス国内で申請する際にかかる費用
- 配偶者ビザ申請費用:1,033ポンド
- IHS、NHS費用:1,560ポンド
【合計:2,593ポンドとなります。】
イギリスの配偶者ビザにおける注意点
ここまで、イギリスの配偶者ビザやその条件などについてみてきましたが、そのほかにも注意しなければならない点があります。
各種手続きはできるだけ夫婦連名にしておく
イギリスの配偶者ビザは、取得後の30か月あるいは33か月後には、更新が必要となります。
そこで、銀行口座の開設や各種料金の契約は、できるだけ夫婦連名にしておくとよいでしょう。
また、こうした信頼性の高い企業や施設からの郵便は処分せず保管しておくようにします。
そうすることで、ビザ更新の際に夫婦関係が証明しやすくなります。
配偶者ビザの申請は厳格化の傾向にある
現在、配偶者ビザを含むファミリービザの新たな規定として、「イギリス市民が外国籍の配偶者と国内で居住する場合には、最終的に最低3,8700ポンドの年収があることを課す」とイギリス内務省から発表がなされています。
2024年については、ひとまず最低2万9000ポンドにとどめると修正されましたが、最終的には最低3,8700ポンドに引き上げられることが予想されます。
これは年間移民数が67万人超という、イギリスの大量の移民流入問題への対処のためです。
結果的には、配偶者ビザの取得のハードルが高くなることにつながっています。
ビザの条件は複雑で変わりやすいため、代行の依頼もおすすめ
配偶者ビザを含め、イギリスにおけるビザの取得では、制度変更が頻繁におこなわれていることもあり、複雑で手間もかかります。
そこで、今後のビザの取得をスムーズにするため、申請手続きに精通した行政書士に代行を依頼するのもひとつの方法です。
代行依頼することで、以下のようなメリットが生まれます。
- 専門的な知識と経験による支援が得られる:行政書士はビザ申請のプロセスに精通しているため、自ら申請をおこなうよりもスムーズに進められます。
- 最新の情報を把握できる:行政書士であれば常に最新の情報を把握しているため、頻繁に変わるビザ申請の要件や手続きに対応できます。
- 書類作成の支援を受けられる:多くの書類が必要となるビザの申請ではこれらを正確に準備するのは大きな労力がともないますが、行政書士の支援によって負担を軽減できます。
- 時間を節約できる:複雑で時間がかかるプロセスを行政書士が代行することでそのほかの重要な事項に時間を割くことができます。
ただし、行政書士への依頼によって、
- 必ずしもビザが取得できるわけではない
- 依頼には費用が発生する(取得できなかった際は返還してくれる行政書士もいます)
といった点には注意が必要です。
まとめ
イギリスの配偶者ビザは、イギリス国籍や永住権を持たないパートナーがイギリスでスポンサーと暮らすために欠かせないビザです。
しかし、収入や貯金の条件が厳しく、費用も高額です。
最近では、制度変更も激しく、要件が厳しくなっているのが実情です。
また、申請にあたっては多くの書類が必要となり、手続きが煩雑な点にも注意しなければなりません。
そのため、ビザ申請の際は時には専門家の手を借りるなどし、十分な準備のうえ計画を進める必要があるといえます。






