ビザ専門行政書士が解説!イギリス Child Student visa(児童学生ビザ)の取得方法と成功のポイント
イギリスは世界トップクラスの教育水準を誇り、留学先として根強い人気があります。
特に小・中等教育の段階からイギリスの学校に通うことで、英語力の習得はもちろん、グローバルな視点や多様な文化を身につけやすい環境が整っています。
しかし、イギリス留学を実現するためには、渡航目的や年齢に応じた適切なビザを取得する必要があります。
本コラムでは、イギリスの児童学生ビザ(Child Student visa) にフォーカスして、その概要や取得手続き、現地生活に関するポイントなどを詳しく解説いたします。
ビザ専門の行政書士としての視点から、成功の鍵となる情報を網羅的にご紹介しますので、ぜひ参考にしていただき、安心してお子様の留学を始められるよう準備を進めていただければ幸いです。
1.イギリス児童学生ビザ(Child Student visa)とは
1-1.ビザの概要と対象年齢
イギリス児童学生ビザ(Child Student visa)は、4歳以上17歳未満 の方が対象となる学生ビザの一種です。イギリスで基礎教育を受けることを目的として発行されるビザであり、以前は「Tier 4(Child)」と呼ばれていたカテゴリーに相当します。
このビザを取得することで、お子様はイギリス国内の学校に正式に在籍し、合法的に滞在しながら学習することが可能となります。
特にボーディングスクール(寄宿学校) へ入学される方が多く取得するビザですが、適切にスポンサーライセンスを持つ教育機関であれば、さまざまな学校への入学に対応できます。
1-2.学生ビザ(Student visa)との違い
イギリス留学には、大きく分けて大人向けの学生ビザ(Student visa) と児童学生ビザ(Child Student visa) の2つが存在します。
- Student visa:通常16歳以上の方が対象。大学やカレッジ、語学学校などでの学習が主な目的。
- Child Student visa:4?17歳の未成年が対象。基本的には義務教育段階の学習を目的とし、一定の条件下で認可を受けた教育機関へ入学可能。
年齢や学習内容によって、どちらのビザを申請するべきかが変わりますので、お子様の年齢や渡航目的、入学先の学校の種類などを総合的に検討して決定します。
1-3.児童学生ビザが必要となる具体的なケース
- イギリスのボーディングスクールに入学を希望する場合
- イギリス国内の中学校や語学対応プログラム付きの小学校へ通う場合
- 4歳以上で、保護者の同伴なしに海外の教育機関で学習させたい場合
これらに該当する場合は、Child Student visaが基本的に必要となります。入学先がスポンサーライセンス(後述)を所持していることが大前提となるため、学校選びの段階でビザに対応できるかどうかを確認しておきましょう。
2.イギリスの教育制度と学校選び
2-1.イギリスの小・中等教育システムの特徴
イギリスの教育は、日本とは異なる学年区切りやカリキュラムが特徴です。大まかには以下の段階に分かれます。
1. Primary School(小学校相当):一般的に4?11歳頃まで
2. Secondary School(中・高校相当):11?16歳頃(GCSE受験まで)
3. Sixth Form(日本でいう高2・高3相当):16?18歳頃(A-levelsなどの試験に向けた準備)
イギリスでは義務教育が16歳までと定められており、その後は大学進学を目指すための準備教育(Sixth Form)に進む流れが一般的です。特にボーディングスクールでは、小学校・中学校段階から生徒が寄宿舎で生活を共にしながら学び、規律や共同生活に必要なスキルを身につけることが多いのが特徴です。
2-2.ボーディングスクールや私立校、公立校の違い
イギリスには多種多様な学校がありますが、大きく分けるとボーディングスクール、私立校、公立校 に分類されます。
1. ボーディングスクール(寄宿学校)
- 学校敷地内に寄宿舎があり、授業から生活まで一貫してサポート
- 留学生受け入れ体制が整っているケースが多い
- 学費や寮費は高めだが、手厚い教育環境と国際色豊かな学校生活が魅力
2. 私立校(Independent School)
- 寄宿施設を持たないケースも多い
- 教育水準が高く、独自のカリキュラムを組む学校もある
- 留学生向けプログラムを提供している場合は、ホストファミリー滞在が必要
3. 公立校(State School)
- 学費は基本的に無料(留学生の場合は別途費用が発生することも)
- 留学生受け入れに積極的でない学校も多いため、選択肢は限られがち
- 受け入れ人数枠や英語力の要件などが厳しい場合がある
イギリス留学を考える際には、学校の種類だけでなく、学習内容やサポート体制、地域の治安や環境などを総合的に検討すると良いでしょう。
2-3.学校選びで注意すべきポイント
- 教育方針や校風:リベラルな雰囲気の学校もあれば、伝統的な校風の学校もあります。お子様の性格や希望に合った学校を選ぶことが大切です。
- 留学生サポート:英語が母国語でない生徒に対するサポート制度、ESL(English as a Second Language)クラスの充実度などを確認しましょう。
- 地域性・治安:大都市は便利ですが生活費が高めです。地方は落ち着いた環境が魅力ですが交通の便を考慮する必要があります。
- 費用:学費に加えて、寄宿費や食費、ユニフォームや遠足などの追加費用がかかる場合があります。事前に合計費用を試算しましょう。
3.児童学生ビザの申請条件と必要書類
3-1.入学許可証(CAS)の取得方法
イギリスで学生ビザを申請するには、CAS(Confirmation of Acceptance for Studies) と呼ばれる入学許可証が不可欠です。これは、スポンサーライセンスを保持している学校から発行される書類で、学生が正式に受け入れられることを証明するものです。
学校選びが完了したら入学手続きを行い、受け入れ先からCASを取得しましょう。CASには有効期限が設定されていますので、受領後は早めにビザ申請の準備を進める必要があります。
3-2.保証人や親権者の同意書が必要となる場合
児童学生ビザでは、申請者が未成年であることから、保証人や親権者の同意書 が必要となる場合があります。特に以下のような場合には、書類の準備が求められます。
- 4~15歳の学生が単身で渡航する場合
- 親権者がイギリスに一緒に滞在しない場合
イギリスに滞在中の監護責任や生活面でのサポート体制を明確にするため、スポンサーとなる学校やホームステイ先の情報なども含めて、適切な書類を揃える必要があります。
3-3.資金証明や滞在先の確保など、具体的な要件
イギリス政府は、留学生が現地での学費や生活費を十分にまかなえるかどうかを重視します。そのため、銀行残高証明書や預金通帳の写し などの資金証明書類が求められます。
目安となる金額は、学費や生活費によって異なりますが、通常は最低9か月分の滞在費(地域や学校により異なる)に相当する額を示す必要があります。
また、どこに滞在するのか(学校の寄宿舎か、ホームステイか)も明確にしておく必要があります。
寄宿舎があるボーディングスクールに通う場合は学校側が手配しますが、そうでない場合は、親族宅やホストファミリーの手配書類が必要となる場合があります。
4.ビザ申請手続きの流れとスケジュール
4-1.オンライン申請の進め方とアカウント登録のコツ
イギリスのビザ申請は、原則としてオンラインで行います。まずは英国内務省(Home Office)の公式サイトでアカウントを作成し、必要事項を入力します。入力内容には以下のような項目があります。
- 個人情報(氏名、生年月日、国籍など)
- パスポート情報
- 滞在先情報(住所や連絡先など)
- 入学先の情報(CASナンバー、学校名、住所、電話番号など)
- 資金証明に関する詳細(保有資金額、口座情報など)
入力を終えたら、申請料や医療サーチャージ(IHS:Immigration Health Surcharge)を支払います。支払いが完了すると、申請書類のダウンロードや予約手続きに進むことができます。
4-2.生体認証(指紋採取・写真撮影)や必要な健康診断・TBテスト
オンライン申請が完了したら、次にビザ・申請センター(Visa Application Centre)での生体認証(指紋採取や顔写真撮影)の予約を行います。日本国内の場合、東京や大阪など特定の都市に申請センターが設置されています。
また、滞在期間が6か月を超える場合、結核検査(TBテスト)の証明書が必要となるケースがあります。日本は結核リスクが高くはない国とされていますが、現行ルールでは他国への旅行歴などによって受検が求められる場合もありますので、最新情報を確認しておきましょう。
4-3.ビザ発給までの標準的な期間と余裕を持った計画の重要性
通常、児童学生ビザの審査には3~4週間程度 かかるとされていますが、申請数が多い時期や書類不備がある場合には、さらに時間がかかる可能性があります。
また、審査が遅れたり追加書類の要求があったりすると、想定以上にスケジュールが延びることもあります。
学校の入学時期に間に合わないと大きな問題に発展するため、余裕を持って少なくとも2?3か月前 から申請準備を開始することを強くおすすめいたします。
5.申請時の注意点と落とし穴
5-1.書類不備や虚偽申告によるリスク
ビザ申請は非常に厳格に審査されます。書類不備や不正確な情報(虚偽申告)が発覚した場合、以下のリスクが考えられます。
- 審査の大幅な遅延
- ビザ却下
- 将来的な再申請への悪影響(過去の不正申告履歴として記録される)
特に、資金証明や親権者の同意、CASの内容などに不備があると、審査官の疑いを招きやすいため、書類の整合性・正確性を入念にチェックする必要があります。
5-2.スポンサーライセンスを持つ学校への入学が前提
イギリス政府は、留学生を受け入れる教育機関に対してスポンサーライセンス の取得を義務付けています。このライセンスを持っていない学校に通うためのビザは基本的に発行されません。
学校選びをする際には、必ず「当校はスポンサーライセンスを保持しています」と明示されているか、学校のウェブサイトやパンフレット、直接の問い合わせを通じて確認しましょう。
5-3.親子留学を検討する場合の追加手続き
中には、お子様の留学に合わせて親御様もイギリスに滞在を希望されるケースがあります。
しかし、イギリスではアメリカやオーストラリアのように親子留学制度が充実しているとは言いがたく、保護者ビザ(Parent of a Child Student visa) が利用できる条件は限定的です。
- お子様が12歳以下であること
- 寄宿学校ではなく、デイスクール(通学制学校)に通うこと
- 親御様自身の資金証明、滞在先の証明
など、追加要件を満たす必要があります。条件外の場合は、通常の短期渡航ビザや観光ビザで断続的にイギリスを訪問する方法をとるケースも少なくありません。
6.イギリス渡航後の生活と留意点
6-1.到着後に行うべき手続き(BRPの受け取りなど)
渡航後には、BRP(Biometric Residence Permit) と呼ばれる在留許可カードの受け取りが必要です。これは、イギリス国内に滞在する外国人が携帯する身分証明書であり、ビザ審査が通った後に指定された郵便局などで受け取ります。
BRPには在留資格やビザの有効期限、就学先の情報などが記載されているため、紛失しないように注意しましょう。また、到着後2週間以内に受け取りを行わないとビザが取り消される可能性があるため、速やかに手続きすることが大切です。
6-2.学校生活・寮生活での注意点
●規律とルール:ボーディングスクールや私立校には独自の規律や校則があります。遅刻や外出管理、禁止事項などが厳格に運用される場合がありますので、入学前に確認しておくと安心です。
●言語サポート:英語力が不足している場合、初期の授業理解や友人関係に苦労することがあります。サポート体制が整っている学校を選んだり、事前にオンライン英語学習を進めたりするとスムーズです。
●健康管理:医務室や近隣の医療機関の体制をチェックし、保険加入状況を確認しておきましょう。緊急時の対応方法を把握しておくことが重要です。
6-3.ビザ期限の更新・延長手続きと進学時の対応
児童学生ビザは通常、お子様の就学期間に合わせて発行されますが、次の学年に進級する際や学校を変更する場合には、ビザの更新・延長手続き が必要となる場合があります。
また、義務教育段階を終え、16歳以上になった際にはStudent visa(大人向け学生ビザ)への切り替え を検討することもあります。
学校スタッフやビザ専門家から適切なアドバイスを受け、更新・切り替えのタイミングを逃さないようスケジュールをしっかり管理することが大切です。
7.ビザ専門家(行政書士)に相談するメリット
7-1.最新のビザ要件や法改正への対応
イギリスの移民法やビザ制度は、年々改正が行われており、最新情報を常にキャッチアップしておく必要があります。
ビザ専門の行政書士や移民法専門家は、こうした法改正に迅速に対応し、申請者にとって最適な手続きを提案できます。
7-2.書類作成の効率化と審査落ちリスクの回避
ビザ申請では提出書類が多岐にわたり、少しの不備でも審査落ちのリスクがあります。専門家に相談することで、不備のない書類を効率的に作成し、審査落ちのリスクを大幅に低減できます。
特に初めて留学ビザを申請する方にとっては、専門家のサポートが心強い味方となるでしょう。
7-3.家族のサポートや親権者に関する手続きへの専門的アドバイス
児童学生ビザの場合は、お子様と親御様が別々に暮らす期間が生じることや、親御様が一時的に渡航する場合の追加手続きなど、家族全体のサポートが必要となる場合が多々あります。
専門家であれば、親権者の同意書の作成方法 や保護者ビザ に関する情報など、家族の状況に応じたアドバイスを提供できます。
8.まとめ:安心してイギリス留学を始めるために
イギリスでの児童学生ビザ(Child Student visa)は、4歳から17歳未満のお子様が対象であり、グローバルな教育環境を早い段階から経験する絶好の機会を提供します。しかし、ビザ申請には入学許可証(CAS)の取得や資金証明、親権者の同意書など、さまざまな要件をクリアする必要があります。
学校選びにおいても、ボーディングスクールや私立校、公立校など多くの選択肢があり、教育方針やサポート体制、地域性や費用などを慎重に検討する必要があります。さらに、申請手続きの流れやスケジュールを把握しないまま進めてしまうと、入学時期に間に合わないリスクが生じることもあるため、計画性を持った準備が求められます。
ポイントを振り返ると、以下の点が重要です。
1. イギリスの児童学生ビザは4歳から17歳未満が対象
2. 入学先はスポンサーライセンスを持つ教育機関であること
3. CAS(入学許可証)の取得後、オンライン申請や生体認証を行う
4. 資金証明や親権者の同意書など必要書類を揃える
5. 申請~結果取得までに最低でも3?4週間は見込む
6. 渡航後はBRP受け取りや学校生活への適応が必要
7. ビザ更新・延長や進学時には再申請または切り替えが必要
お子様の留学は、将来のキャリアや国際感覚を育む上で非常に大きな投資です。
スムーズに留学生活をスタートさせるためにも、ビザ申請で不安な点がある場合は、早めに専門家に相談する ことをおすすめします。
プロのサポートを受けることで、書類不備によるリスクを減らし、お子様の学習環境をベストな形で整えられるでしょう。
本コラムでご紹介した情報が、皆様のイギリス留学の成功に少しでもお役立ちできれば幸いです。お子様の新たな環境での成長が実り多いものとなりますよう、心より願っております。





