就労ビザで働く外国人は住宅ローンを組める?融資を受けやすくする方法についても解説
新築物件を建てたり、中古物件を購入したりする上で、多くの人が借りる住宅ローン。日本に滞在する外国人の中には、就労ビザ取得者でも住宅ローンの融資を受けられるのか気になる方も多いのではないでしょうか。
今回は、就労ビザで働く外国人が住宅ローンを組めるのかという疑問にお答えした上で、外国人が住宅ローンを組みにくい理由について紹介します。
加えて、外国人が住宅ローン融資を受けるための基本条件や、融資が受けやすくなる4つの方法も解説するので、ぜひ参考にしてください。
就労ビザで働く外国人は住宅ローンを組めるのか
結論からいうと、就労ビザで働く外国人であっても住宅ローンは組めます。ただし、基本的に外国人が住宅ローンを組む場合は、多くの銀行が永住権取得者を対象として融資を実施している点に留意が必要です。
そのため、就労ビザ取得者として住宅ローンの融資を受けるとなると、まず融資を受けられる銀行の選択肢がメガバンクや大手銀行などに限定されます。加えて、永住権の取得者が住宅ローンの融資を受ける場合と比べて、返済年数や金利などの条件が厳しいケースが多い点も考慮しておきましょう。
上記を踏まえると、就労ビザ取得者でも住宅ローンは組めますが、基本的には永住権取得者を対象としているのが実状といえます。
就労ビザで働く外国人が住宅ローンを組みにくい理由
なぜ就労ビザで働く外国人が住宅ローンを組みづらいかというと、以下の理由が挙げられます。
・帰国する可能性がある
・契約内容を理解できない可能性がある
まず、「技術・人文知識・国際業務」や「企業内転勤」など就労ビザの多くは、在留期間が最長5年と規定されているため、就労ビザの更新・変更ができなかった場合、外国人はそのまま帰国しなければなりません。
しかし、住宅ローンは30年ほど借入れることが一般的なため、仮に就労ビザの更新・変更ができなかった場合は、銀行側が融資金を回収できない恐れがあるのです。
また、外国人の日本語の理解度によっては、契約内容を正確に把握できない可能性もあります。住宅ローンは基本的に数千万円ほどの融資を受ける重要な契約のため、将来的なトラブル回避のためにも、審査が通常よりも厳しくなりやすいのです。
外国人が住宅ローン融資を受けられる基本条件
外国人が住宅ローン融資を受けるには、主に以下の基本条件を満たしておく必要があります。
・永住権取得者である
・就労ビザを有している(一部の金融機関で融資を受けられる)
・日本語能力がある(※)
・25歳以上65歳以下である(※)
・完済時年齢が75歳以下である(※)
・正社員の実務経験が1~3年以上ある(※)
・会社経営者、もしくは個人事業主として2~3年以上の実績がある(※)
・団体信用生命保険へ加入できる
・日本人、もしくは永住者の連帯保証人を立てられる
・世帯年収が400~600万円以上である(※)
・融資金額は、年収の5~7倍となる
・返済期限までに完済見込みがある
・3割前後の自己資金を用意できる
・本人、もしくは家族の居住用不動産である
※金融機関によって違いがある
上記の通り、住宅ローンを受けるのは基本的に永住権取得者を対象とし、借入時の年齢や連帯保証人の有無などが重要なポイントとなります。また、日本語能力や世帯年収の目安などは金融機関によって基準が異なるため、詳細は住宅ローンの窓口担当者へ問い合わせてみましょう。
就労ビザで働く外国人が住宅ローン融資を受けやすくする方法
ここからは、就労ビザで働く外国人が住宅ローンの融資を受けやすくなる4つの方法を紹介します。
永住権を取得する
永住権を取得することで在留期間が無期限となるため、住宅ローンの審査でも有利になるでしょう。永住権を取得するには、主に以下の要件を満たしておく必要があります。
1.素行が善良であること
2.独立の生計を営むに足りる資産又は技能を有すること
3.永住が日本国の利益に合すると認められること
参考:出入国在留管理庁「永住許可に関するガイドライン(令和元年5月31日改定)」
まずポイントとなるのは、法律を犯さず社会的に善良である生活を送っていることです。また、世帯として安定的な生活を送るだけの十分な収入があるかという点も、永住権の取得には重要です。
例えば申請者本人の収入が低い場合であっても、配偶者の収入が高く、世帯収入が安定していればこの条件を満たせます。
加えて、日本国の利益になると認定されることも不可欠です。例を挙げると、「罰金・懲役の対象になっていない」「税金を滞納していない」「感染症に罹患していない」などの項目をクリアしておかなければなりません。
永住権の詳細については、こちらもご参照ください。
一定以上の収入・自己資金を確保する
就労ビザで働く外国人の場合、一定以上の収入や自己資金を確保することで審査が有利になる可能性があります。理由として、一定以上の収入があれば、月々の住宅ローンを返済する安定性を客観的に証明でき、銀行が融資するリスクを減らせるためです。
また、自己資金を多く用意することでローン総額を抑えられ、返済期間を短縮することも可能です。銀行側としても融資金を回収できる見込みが立てやすいため、審査で優遇されるケースがあります。
住宅ローン融資を受けられる銀行か母国の銀行を利用する
住宅ローンを融資する銀行の大半は永住権取得者を対象としているため、就労ビザの取得者でも融資を受けられる銀行を探すことで借入れが可能となります。また、場合によっては、母国の銀行が日本へ支店を出しているので、利用を検討するとよいでしょう。
母国の銀行支店であれば、契約内容をしっかりと理解でき、審査に通りやすくなります。ただし、金利は日本ではなく、母国のものが適用されるケースがあるため要注意です。
日本籍の配偶者を保証人にする
日本籍の配偶者を保証人に立てることで、住宅ローンの融資を受けられるケースがあります。銀行によっては、外国人が帰化して日本籍を取得した場合でも問題ないというところもあります。
とはいえ、日本籍の配偶者を保証人にすることで融資が受けられるのは、あくまで一部の銀行に限られているため、事前にチェックしておくことが大切です。
まとめ
就労ビザで働く外国人でも住宅ローンを組める可能性はありますが、適用金利や審査は永住権取得者に比べて厳しい恐れがあります。また、融資を受けられるのは一部の銀行に限られる上、それぞれの銀行が掲げる基準をクリアしなければならない点は留意しておきましょう。
就労ビザの更新・変更や、永住権の取得に向けて相談したいという方は、さむらい行政書士法人へお任せください。永住権を取得すれば、住宅ローン融資が受けられやすくなるので、前向きに検討するのがおすすめです。
万一、申請が不許可になった場合でも返金保障が付いているので安心です。住宅ローン融資をスムーズに受けたいという外国の方は、ぜひ無料相談よりお問い合わせください。
この記事の監修者
プロフィール
2009年4月 行政書士個人事務所を開業
2012年8月 個人事務所を行政書士法人化し「さむらい行政書士法人」を設立
専門分野
外国人VISA・在留資格、外国人雇用・経営管理、永住・帰化申請
入管業務を専門とし、年間1000件以上の相談に対応
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