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前科・前歴・逮捕歴がある場合のオーストラリア入国ビザ|ETA(ETAS)について

オーストラリアへ渡航する際は、ビザの取得が必要です。

 

過去に前科・前歴・逮捕歴がある経歴で、ビザを申請したい方の中には、

 

「前科や逮捕歴はビザ取得に影響する?」

「犯罪歴がある場合のビザ申請方法は?」

「申請の注意点は?」

 

といった疑問や不安をお持ちの方も多いでしょう。

 

この記事では、前科・前歴・逮捕歴がある場合のオーストラリアの入国ビザについて詳しく解説します。

 

ぜひ、最後までお読みください。

オーストラリアへの渡航における前科・前歴・逮捕歴の影響

ここでは、オーストラリアへの渡航における、前科・前歴・逮捕歴の影響について見ていきましょう。

オーストラリアは犯罪歴に厳しい?

過去に犯罪歴がある場合、オーストラリアのビザ取得の難易度は非常に高くなることから、慎重に準備する必要があります。

 

以下で詳しく解説します。

オーストラリアは世界各国の中でも入国審査が厳しい国

外国へ入国するには、現地の空港で入国審査を受けなければなりません。

 

入国審査の厳しさは、国によって異なります。

各国の審査官は、自国の法律を基に入国してくる人物が「入国にふさわしいか」を慎重に判断します。

 

世界各国の中でも、オーストラリアは非常に入国審査が厳しい国です。

特に、『検閲に厳しい国』として知られています。

ビザ取得にかかわる犯罪歴の定義と

オーストラリアのビザ取得にかかわる犯罪歴は、以下のように定義されています。

 

「刑の長さ・刑の内容にかかわらず、有罪判決の言い渡しを受けたことがある場合は犯罪歴があるとみなされる」

 

ここで言う刑の内容とは、以下のとおりです。

  • 罰金
  • 懲役
  • 禁錮
  • 服役
  • 収監
  • 執行猶予

 

したがって、有罪判決を受けている場合、ビザ申請の際に「犯罪歴あり」と申告しなければなりません。

申請時に「犯罪歴あり」にする必要のある犯罪

犯罪歴がある場合、ビザの申請時に「犯罪歴あり」と申告しなければなりません。

 

虚偽の申告をした場合、ビザは拒否されます。

さらに、入国禁止の対象となるため、注意しましょう。

 

申請時に「犯罪歴あり」と申告する必要のある犯罪には、以下の種類が挙げられます。

  • 刑期が12カ月以上の犯罪
  • 殺人・過失致死・誘拐・暴行など他者に重大な危害を与えた犯罪
  • 放火・強盗・盗難・詐欺・盗品の受け取りなど他社の財産をはく奪した犯罪
  • 脱税・贈収賄・偽証など政府当局に対し損害を与えた犯罪
  • DV(家庭内暴力)・性犯罪
  • 薬物犯罪
  • 交通違反・飲酒運転

 

上記は、あくまでも参考例です。

犯罪の種類の詳細については、個別にオーストラリア大使館に問い合わせて、判断が必要です。

前科がある場合は短期の滞在においてもビザ申請が必要

短期の滞在(3カ月以内)を予定している方は、通常ETAを申請するのが一般的です。

しかし、前科がある場合、短期滞在においてもビザの申請をしなければなりません。

 

以下で詳しく解説します。

前科があるとETA(ETAS)申請は却下される

前科がある場合、ETAの申請は却下される可能性が高いです。

特に、重大な犯罪歴がある場合、ETAの申請は認められません。

 

ETAの申請条件には、犯罪歴の有無があります。

犯罪歴のある方は、対象国のパスポートを保有している場合でも、ETAは対象外です。

 

オーストラリアへ渡航する際は、訪問ビザ(サブクラス600)などの適切なビザを申請してください。

軽微な犯罪の場合はETA申請が承認される場合もある

交通違反などの軽微な犯罪の場合、ETAの申請が承認されるケースもあります。

 

ただし、必ず承認される保証はありません。

 

オーストラリア内務省は、申請者個々の事案について、慎重に審査を行います。

審査の結果は、担当の審査官の判断による部分が大きく、当然ながら却下される可能性もあります。

 

軽微な犯罪であっても、確実な渡航のためにはETAではなくビザの申請をする方がいいでしょう。

前科・前歴・逮捕歴がある場合のビザ申請について

ここでは、前科・前歴・逮捕歴がある場合のビザ申請について見ていきましょう。

ビザ申請の流れ

ETAを取得できない場合、訪問ビザ(サブクラス600)を申請するのが一般的です。

 

以下は、訪問ビザ(サブクラス600)の申請の流れです。ほかのビザも、基本的には同じ流れで申請をします。

1.ImmiAccountの登録

オーストラリア内務省のImmiAccountにアクセスし、アカウントの登録をします。

2.オンライン申請書の作成

ImmiAccountにログインし、サブクラス600の申請ページを選択します。

 

オンラインの申請書に、必要事項を入力してください。

申請書の内容はすべて英語表記です。記入の間違いなどがないように、注意しましょう。

3.必要書類のアップロード

申請フォームの指示に従い、書類をアップロードします。

必要書類については後述するので、合わせて確認してください。

4.ビザ申請料の支払い

ビザ申請料の支払いをします。

申請料は、以下のとおりです。

  • オーストラリア国外から申請する場合:190AUD
  • オーストラリア国内から申請する場合:475ADU
5.健康診断の受診

申請者によっては、健康診断を受ける必要があります。

健康診断の確認方法は、以下のとおりです。

  1. ImmAccountで「View heallth examinations」のリンクを選択
  2. 健康診断が必要な場合:「Organise health examinations」と表示
  3. 健康診断が必要でない場合:表示なし
6.審査

申請の処理にかかる期間は、申請者によって異なります。

目安は1カ月程ですが、前科・前歴・逮捕歴がある場合は審査に時間を要する可能性が高いため、注意しましょう。

 

申請の処理時間の目安は、「Visa processing times guide」を使用してチェックできます。

7.ビザ発行

申請の結果は、審査の終了後にメールで通知されます。

問題がなければビザが発行され、申請のプロセスは完了です。

前科・前歴・逮捕歴がある場合のビザ申請で必要な書類

前科・前歴・逮捕歴がある場合の必要書類は、以下のとおりです。

通常のビザ取得で必要な書類

  • 申請書(オンライン)
  • 身元確認書類(パスポート・在留カードなど)
  • 十分な資金があると証明する書類(通帳・給与明細書・税収記録など)
  • 滞在中の旅行計画書
  • オーストラリア在住の親族・友人からの招待状(親族・友人を訪問する場合)
  • オーストラリアへの渡航が業務上必要であると証明する書類(訪問先企業・団体からの招待状など)
  • 学歴・資格を証明する書類(卒業証明書・資格証明書など)
  • 居住国・自国との強いつながりを証明する書類(帰国後も同じ職場で働く意志があると記したレター・在学証明書・居住国に親近者がいる証明書・居住国で所有する資産の証明書など)

 

75歳以上の方は、以下の書類も必要です。

  • 滞在中に有効な民間健康保険または旅行保険の加入証明書
  • 滞在中の医療医・入院費をカバーできるだけの資金証明

追加で必要となる書類

前科・前歴・逮捕歴がある場合、追加資料として以下の書類が求められるケースがあります。

  • 犯罪経歴証明書(警察証明書)
  • 性格評価のための個人情報(フォーム80)
  • 正確に関する声明(フォーム1563)
  • 善行を証明する雇用主からのレター
  • 兵役記録・除隊書類などの軍事証明書(軍隊に12カ月以上従軍した場合)
  • 更生プログラムの完了証
  • 精神科医やソーシャルワーカーからの意見書

犯罪経歴証明書

『犯罪経歴証明書(警察証明書)』は、警察署が発行する「犯罪歴の有無」が記載されている証明書で、各都道府県の警察本部が発行します。

 

お住まいの地域(住所登録)によって、発行場所が以下のように異なります。

  • 東京都の方:警視庁
  • そのほかの地域の方:警察本部

 

手続きは申請者本人が行う必要があるため、注意しましょう。

 

手続きに必要な書類は、以下のとおりです。

  • 有効なパスポート
  • 犯罪経歴証明書の必要性を確認できる書類(オーストラリア内務省からの要請書など)
  • 氏名と住所が確認できる書類(住民票の写し・運転免許証など)

 

『犯罪経歴証明書(警察証明書)』は、手続きから発行までに2週間ほどかかります。スケジュールにゆとりを持って、手続きをしましょう。

重大な罪を犯した前科がある場合は入国が難しい

重大な罪を犯した前科がある場合、入国は難しいとされています。

 

犯罪の重さの判断基準について、以下で詳しく見ていきましょう。

犯罪の重さの判断基準について

犯罪の重さの判断基準の1つに、オーストラリアの移民法501条に定められている「Character test」があります。

 

「Character test」の概要は、以下のとおりです。

  1. 重大な犯罪歴がある
  2. 入国管理の勾留から逃亡して、有罪判決を受けた
  3. 犯罪組織との関係を疑う合理的な理由がある
  4. 密輸・人身売買・大量虐殺・戦争犯罪・拷問や奴隷など人道に反する罪・国際的に重大な懸念を及ぼす犯罪との関係を疑う合理的な理由がある
  5. オーストラリア社会に危険を及ぼす恐れがある
  6. 子供に対する性犯罪で有罪判決を受けた・起訴された
  7. DV(家庭内暴力)で有罪判決を受けた・起訴された
  8. 国際警察からオーストラリアへのリスクを通知された人物である

上記の内容に1つでも該当する方は、ビザ申請において不利に働きます。

申請の際は、入念な準備が必要です。

 

ここで言う「重大な犯罪歴」とは、オーストラリアの移民法501条で以下のように定義されています。

  • 死刑または終身刑の判決を受けた
  • 1つまたは複数の罪名での判決で、懲役期間が合計12カ月以上ある
  • 精神の不健全を理由として無罪となり、施設・機関に勾留されている
  • 裁判所により弁護するにふさわしくない犯罪と判断されたが、罪を犯したと認定され、施設・機関に収容されている

DV(家庭内暴力)や性犯罪について

オーストラリア政府はDV(家庭内暴力)や性犯罪について、非常に厳しい見方をしています。

 

DV(家庭内暴力)や性犯罪は「非常に深刻な侵害行為」とみなされることから、ビザの種類に関係なく、取得のハードルは非常に高いです。

 

DV(家庭内暴力)については、犯罪の深刻さを判断する基準として、以下の点も考慮されます。

  • 暴力行為の頻度
  • 反省し、更生したかどうか
  • 被害者や子供への影響について理解しているか
  • DV(家庭内暴力)の要因を解決する努力をしているか
  • 再犯したかどうか

交通違反や飲酒運転について

軽微な交通違反や飲酒運転などは、ETAの申請における犯罪歴には該当しないとされています。

 

ただし、悪質な交通違反や複数回の飲酒運転で逮捕歴がある方は、ETAの対象外となる可能性が高いため、注意しましょう。

 

軽微な交通違反などの軽犯罪であれば、ETAの申請はできます。

しかし、実際の審査では移民管理局の審査官の裁量による部分が大きいため、許可がおりるかは未知数です。

 

訪問ビザ(サブクラス600)など、ほかのビザ申請についても検討しましょう。

オーストラリア入国におけるビザ取得の注意点

ここでは、ビザ取得の注意点について見ていきましょう。

英語以外の文書には、正規の翻訳会社による英訳の添付が必須

ビザ申請で提出する書類は、すべて英文でなければなりません。

 

英語以外で作成された書類は、正規の翻訳会社または翻訳者による英訳を添付する必要があります。

 

翻訳会社・翻訳者の要件は、以下のとおりです。

  • 正規の翻訳会社・翻訳家である
  • 英訳には翻訳会社の社用箋を用いる、もしくは社印・証明を付記する
  • 翻訳会社・翻訳家の連絡先を記載する
  • 翻訳者は申請者とは関係ない第三者であり、同じ住居に住んでいない人物である

虚偽の申請をしてはならない

ビザ申請で虚偽の申告が明らかになった場合、当然ながらビザは拒否されます。

 

入国時に税関で虚偽の申告をした場合も、その場でビザが失効し、入国を拒否されます。

さらに、特別な理由がない限り、その後3年間にわたって新しいビザの発給も停止されるため、注意しましょう。

 

犯罪歴のある方のビザ申請で、重要なのは以下の3点です。

  1. すべての質問に正直に答える
  2. すべての犯罪歴について正直に申告する
  3. 要求されたすべての情報・書類を提出する

 

虚偽の申請は、今後のオーストラリアへの入国をさらに難しくするため、絶対に避けましょう。

渡航までの日程にゆとりのあるスケジュールを組んでおく

過去に前科・前歴・逮捕歴があるケースでは、通常のビザ申請よりも時間がかかるとされています。

 

通常の訪問ビザの場合は、遅くとも1カ月程度で審査が完了します。

 

しかし、犯罪歴がある場合、3カ月以上かかるケースもあるため、想像以上に時間がかかると想定しておきましょう。

 

加えて、ビザ申請に必要な書類の準備にかかる時間も考慮しなければなりません。

犯罪経歴証明書や翻訳など、発行までに時間を要する書類もあります。

 

準備や審査にかかる時間などを踏まえて、渡航までの日程にゆとりのあるスケジュールを組みましょう。

 

申請に関して不明点がある方・申請の流れに不安がある方は、行政書士などの専門家に依頼するのがおすすめです。

オーストラリアのビザ申請は厳格なため、できるだけ専門家に依頼しよう

オーストラリアでは、2022年〜2023年の移民数が過去最多の51万に到達したと言われています。急激に移民が増えた影響で、家賃の高騰やホームレスの増加など、社会問題も生じています。

 

移民問題を解消するために、『オーストラリアは留学生と低技能労働者のビザ規制を厳格化する』と明示しました。

 

この変化から、オーストラリア政府側は自国の移民制度が「崩壊した」と認識しており、今後の2年間で移民受け入れ数の半減を目指している状況です。

 

このように、今後はさらに厳しいビザの審査が予想されます。

犯罪歴がある方のビザ取得は、さらにハードルが上がるでしょう。

 

オーストラリアのビザは、自力での申請も可能です。

しかし、犯罪歴があると、取得するのは非常に難しいと言えます。

 

取得率を上げるためにも、行政書士などの専門家に相談・依頼をするのがおすすめです。

まとめ

この記事では、前科・前歴・逮捕歴がある場合のオーストラリアの入国ビザについて解説しました。

 

犯罪歴がある場合、基本的にETAの申請はできません。

オーストラリアを訪れる際は、訪問ビザなど別の適切なビザを申請しましょう。

 

犯罪歴のある方は、申請の際に「犯罪経歴証明書」の提出も求められます。

 

さらに、通常の審査よりも時間がかかるとされています。

スケジュールにゆとりを持って、手続きを行いましょう。

 

前科・前歴・逮捕歴がある場合のビザ申請は、非常に難しいです。

 

申請に不安のある方は、行政書士などの専門家に相談・依頼するのをおすすめします。

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