オーストラリアの配偶者ビザ(パートナービザ)が却下される理由と対応策を解説
オーストラリアの配偶者ビザ(パートナービザ)の申請をしたい方の中には、
「却下される理由は?」
「却下されたときの対処法は?」
「却下されないための対策は?」
といった疑問をお持ちの方も多いでしょう。
この記事では、オーストラリアの配偶者ビザ(パートナービザ)が却下される理由と対応策について詳しく解説します。
ぜひ、最後までお読みください。
オーストラリアの配偶者ビザを取得するのは難しい?
ここでは、配偶者ビザ(パートナービザ)の条件と証拠書類について見ていきましょう。
配偶者ビザ取得に求められる条件について
配偶者ビザでは、以下の人物に条件が設定されています。
- 申請者本人
- スポンサー(配偶者やパートナー)
上記で挙げた人物の双方が、条件を満たさなければなりません。
それぞれの条件について、以下で解説します。
配偶者ビザを申請するための条件
配偶者ビザの申請条件は、以下のとおりです。
- 過去にビザ申請が拒否されていない
- 申請時にオーストラリア国外にいる(サブクラス300・309)
- 申請時にオーストラリア国内にいる(サブクラス820)
- スポンサーがいる
- 18歳以上
- 関係要件を満たす
- 健康要件を満たす
- ビザの性格要件を満たす
スポンサーとなるための条件
配偶者ビザを申請するには、スポンサーが必要です。
スポンサーは、申請者の配偶者またはパートナーがなります。
スポンサーの条件は、以下のとおりです。
- オーストラリア国籍者または永住権保有者
- ニュージーランド国籍者または永住権保有者
- 国内外で犯罪歴がない
- スポンサーになれる回数は生涯で2度のみ
- 過去にスポンサー経験がある場合、1度目の関係解消から5年以上経過している
2人の関係を証明できなければ却下される可能性がある
配偶者ビザの申請では、『2人の関係を証明できるか』が重要なポイントです。
2人の関係を証明するための証拠書類とは
2人の関係を証明するための証拠書類は、以下の3種類に分類されます。
1.申請者と配偶者・パートナーとの関係を証明する書類
- 交際歴をまとめた資料
- 結婚証明書
- 12カ月以上事実上の関係にあったと証明する資料(事実婚の場合)
2.関係を裏付ける証拠
- 財政書類(住宅などの共同ローン書類・共同銀行口座の明細書・家計の請求書など)
- 居住環境・家事などを共有している証拠
- フォーム888(こちら):証人からの陳述書
- 旅行など一緒に出かけた証拠
- 共通の友達がいる証拠
- お互いの家族状況や個人的な詳細を知っている証拠
3.以前の関係(以前に離婚・死別・別居などの経験がある場合)
- 離婚書類
- 死亡証明書
- 別居書類
扶養家族も一緒に申請する場合は、上記に加えて扶養家族との関係を証明する書類が必要になるため、注意しましょう。
配偶者ビザ申請に備えて、証拠書類をそろえておこう
将来的な配偶者ビザの申請に備えて、お付き合いをしている段階から証拠書類を集めておくのをおすすめします。
ここでいう「証拠」とは、上記で挙げた2人の関係を証明する資料や書類です。
例えば、交際歴をまとめた資料などは、お付き合いをしてる段階から準備ができます。
交際歴をまとめた資料には、以下の内容を含めて作成しましょう。
- いつ・どこで・どのようにして初めて出会ったのか
- 関係がどのようにして発展したか
- 同居・婚約・結婚した経緯
- 一緒に居た記録
- 離れて過ごした時間について
- 2人の関係における重要な出来事
- 将来の計画
上記以外にも、以下のような書類も捨てずに保管しておきましょう。
- 2人宛てに届いた招待状
- 一緒に旅行をした航空券・ホテルの予約確認書
- 共同名義の賃貸契約書
- 共同名義の電気やガスなどの請求書・領収書
- 付き合ってから今までの2人で写っている写真
配偶者ビザが却下される理由とは
ここでは、配偶者ビザが却下される理由について見ていきましょう。
配偶者ビザが却下される理由
配偶者ビザが却下される理由として多いのは、以下の3パターンです。
申請条件を満たしていない
申請条件を満たしていない場合、ビザは却下されます。
ビザを申請するには、大前提として、申請条件を満たさなければなりません。
配偶者ビザの場合は、申請者自身の条件も重要ですが、スポンサーになる方(配偶者やパートナー)の条件にも注意しましょう。
例えば、条件を満たしていない方をスポンサーにしてしまうと、ビザは却下されます。
スポンサーの条件については、前述した【スポンサーとなるための条件】の項目を参考にしてください。
申請書類に不備がある
申請書類に不備がある場合、追加での書類提出を求められるケースが多いですが、申請自体が却下される可能性もあります。
特に、2人の関係を証明する証拠資料が不十分だと、ビザは却下される可能性が高いです。
さらに、提出した書類の情報に矛盾がある場合も、ビザは却下されます。
例えば、申請書で記載した内容(住所や旅行の日付など)と証拠資料の内容が違うケースなどが挙げられます。
証拠書類は多めに用意するのをおすすめしますが、書類内容に相違がないように注意しましょう。
偽装結婚を疑われている
申請内容から偽装結婚を疑われると、ビザは却下されます。
偽装結婚を疑われる代表的な理由は、以下の2つです。
1.【交際期間が短い】
交際期間が短いと、ビザ目当ての偽装結婚を疑われるため、注意しましょう。
例えば、1〜2カ月の期間しか交際していないカップルと、数年の交際期間があるカップルとでは、審査での印象は大きく異なります。
交際期間が長い方が、ビザ申請での本気度は伝わりやすいです。
2.【2人の関係の証拠資料が少ない】
証拠資料が少ないと、偽装結婚を疑われます。
例えば、2人で写っている写真などが少ないケースが挙げられます。
写真が少ないからといって、同じ日に撮影した写真を用意すると、「ビザ申請のために慌てて撮影したのでは?」と疑われる可能性が高いです。
写真は、別日に撮ったものを複数枚用意しましょう。
実際にオーストラリアの配偶者ビザが却下された例
以下で、実際に配偶者ビザが却下された事例を紹介します。
例1)2人の関係性を証明する証拠が足りない
却下されるケースで多いのは、2人の関係性を証明する証拠が不十分な場合です。
配偶者ビザの審査では、『2人の関係が本物であると証明できるか』が最も重要なポイントです。
証拠資料の数は、多い方が審査では有利に働きます。
将来的に配偶者ビザの申請を考えている方は、お付き合いをしている段階から資料を集め始めましょう。
例2)引っ越しをした
申請内容や証拠書類に一貫性がないと判断されると、ビザは却下されます。
例えば、申請後に引っ越しをして、却下されてしまうケースが多いです。
引っ越しをした場合、申請内容とつじつまが合わなくなってしまうため、新しい住所を移民局に伝えなければなりません。
申告を怠ると、ビザは却下されるため、注意しましょう。
オーストラリア配偶者ビザが却下されたときの対処法
ここでは、配偶者ビザが却下されたときの対処法について見ていきましょう。
異議申し立てをする
却下された場合の対処法として、裁判所に異議申し立てをする方法があります。
ビザ申請の結果が出たあとに裁判所へ異議申し立てをする
ビザが却下された場合、以下の内容とともに通知が届きます。
- 拒否された理由
- 決定を見直す権利があるかどうか
拒否された理由や内容に納得がいかない場合、行政控訴裁判所(AdministrativeAppealsTribubal:AAT)に異議申し立ての裁判を起こせます。
※ATTの詳細については、こちらから確認しましょう。
異議申し立てを行えるのは、以下に該当する方です。
- オーストラリア国内でビザの申請をした
- オーストラリア国内にスポンサーがいる
加えて、却下の通知に「決定を見なす権利がない」という旨の記載がある場合は、異議申し立ては行えないため、注意しましょう。
裁判所へ異議申し立てをする際の手続き方法
異議申し立ては、AATのオンライン上(こちら)で行います。
オンラインで申請をしない場合は、申請フォームなどの必要書類を用意して、直接ATTへ提出してください。
異議申し立てが認められると、ビザの申請は移民局に差し戻され、ほとんどのケースでビザは発給されます。
異議申し立ては、裁判上の手続きです。
手続きに関して不安のある方は、移民ビザなどの専門的な知識を持つ、弁護士に相談・依頼するのをおすすめします。
裁判所へ異議申し立てする際の注意点
注意点は、以下のとおりです。
- 異議申し立てが可能な期間が決まっている
異議申し立てができる期間は、却下の通知が届いてから21日以内です。
却下の通知には、異議申し立てができる期限が記載されているので、確認しましょう。
- 費用がかかる
異議申し立ての申請料は、3,374ドルです。
経済的に深刻な困難が生じると判断された場合は、申請料の50%が減額されるケースもあります。
異議申し立てが認められた場合、支払った申請料の50%は返金されます。
- やり取りはすべて英語
異議申し立ての申請でのやり取りは、すべて英語で行われます。
英語力に不安のある方は、翻訳・通訳サービスなどを利用しましょう。
配偶者ビザの申請が却下されないためには?
オーストラリアのビザは、配偶者ビザに限らず、申請すれば確実に取得できるものではありません。
取得率を上げるには、入念な準備が必要です。
自力での申請によるミスを回避するために、行政書士などの専門家に依頼するのもおすすめです。
ビザの申請のために必要な書類を確実に用意する
ビザの申請では、必要書類を確実に用意することが取得率のアップにつながります。
配偶者ビザでは、特に以下のポイントに注意して書類の準備をしましょう。
収入証明や銀行の残高証明の不備に注意!
配偶者ビザでは、共同の財政書類も提出しなければなりません。
審査では、「経済面でも生活を共有している」と証明できるかが重要なポイントです。
例えば、以下の書類を用意しましょう。
- 共同名義の銀行口座
- 共同名義の光熱費の請求書(ガス・電気など)
- 共同名義の賃貸借契約書
- 共同名義のローン書類
- 共同名義の家計(生活費など)の請求書
二人の関係性を証明する証拠書類は多めに準備しておく
配偶者ビザの申請で最も重要なのは、『2人の関係がうそではないと証明すること』です。
2人の関係性を証明する証拠書類が少ないと、審査で却下される可能性が高まります。
取得率を上げるためにも、証拠書類は多めに準備しましょう。
行政書士などの専門家に依頼する
取得率を上げる方法として、行政書士などの専門家に依頼するのもおすすめです。
ビザの最新情報に詳しいため、あらゆる対策ができる
オーストラリアのビザの制度は、頻繁に更新されます。
さらに、インターネットで得られる個人の体験談や情報は、古かったり、間違っていたりする可能性もあります。
自力ですべての情報を正しく収集するのは、大変な作業です。
行政書士に依頼すれば、ビザの最新情報にも詳しいため、あらゆる対策を準備できます。
書類の不備やミスを確実に防ぎ、スムーズに申請できる
ビザの申請は自力でも行えますが、書類の不備などで却下される可能性もあります。
行政書士に依頼すれば、書類の不備やミスを防げるので、スムーズな申請が可能です。
申請におけるミスがなければ、結果として取得率も上がります。
申請のための情報収集や書類作成の時間を節約できる
ビザの申請は、情報収集や書類作成など、想像以上に時間と手間がかかります。
行政書士に依頼すれば、ビザ申請の面倒な準備を代行してくれるので、時間の節約につながります。
忙しくて準備に時間を取れない方は、行政書士による代行申請という方法もおすすめです。
まとめ
この記事では、オーストラリアの配偶者ビザ(パートナービザ)が却下される理由と対応策について解説しました。
配偶者ビザの審査は厳しく、却下されるケースも珍しくありません。
却下される理由として多いのは、2人の関係を証明する証拠が少ないケースです。関係を証明できなければ、ビザ目当ての偽装結婚を疑われます。
配偶者ビザを取得するには、『2人の関係を証明できるか』が非常に重要なポイントです。
自力での申請も可能ですが、想像以上に時間も労力もかかります。
スムーズに申請したい方は、行政書士などの専門家に依頼するのがおすすめです。