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オーストラリアで学生ビザから就労ビザに切り替える|申請方法・必要書類を解説

オーストラリアの魅力は、豊かな自然とトライフレンドリーな人々だけではありません。教育環境の良好さも知られており、多くの国際学生がこの国で学び成長するために留学します。学生ビザを持つ留学生にとって、オーストラリアでの生活は充実したものとなります。

 

「せっかく留学したのなら、この美しい国でより長く過ごし、経験を積みたい」と思いますよね。

 

本記事では、学生ビザから就労ビザ(ワーキングホリデービザを含む)へ切り替える方法を詳しく解説します。申請方法から必要書類まで、具体的な手順を追っていきます。

オーストラリアの学生ビザについて

オーストラリアの教育機関に留学する学生が取得しなければならない「学生ビザ」について、詳しく見ていきましょう。期間、就労条件、取得のための必要条件など、幅広く解説します。

学生ビザの概要

オーストラリアの学生ビザは、特定の期間、特定の教育機関で学習するためのビザです。

言い換えると、ビザを取得するためには、就学の期間と学校などの教育機関を特定する必要があります。

学生ビザの期間

学生ビザの有効期間は、学校の学期またはコースの長さによります。通常、コース開始日の1か月前からコース終了日の2か月後までの期間が許可されます。

学生ビザで通える学校とは

学生ビザで通えるのは、以下の種類の教育機関です。

  • 大学
  • 専門学校
  • 職業教育訓練機関(Vocational Education and Training institution、VET)
  • 英語学習センター(English Language Centre)など

オーストラリアでの就労も可能

学生ビザを持つ学生は、次の条件の下で就労することが認められています。

  • 学期中は2週間あたり40時間まで就労可能
  • 学期外は働く時間に制限はない

扶養家族の就労も許可される

学生ビザの持ち主の配偶者もまた、2週間あたり40時間までパートタイムで働くことが認められています。

学生ビザでオーストラリアに滞在する条件

学生ビザでオーストラリアに滞在するためには、一定の条件を満たす必要があります。

学生ビザ取得に必要な英語力の条件

現在のところ、日本人が学生ビザを申請する際には、特定のレベルの英語力が求められていません。

しかし、一般的には、留学生に対してIELTS5〜6レベルの英語力が求められることが多いようです。

 

そのため、日本人が学生ビザを申請する際にも、今後は同様の英語力が求められる可能性があると予測されます。

学生ビザ取得の条件

学生ビザを取得するには、以下の条件を満たす必要があります。

  • 出席率を80%以上に保つ
  • 成績が一定の基準を満たす
  • オーストラリア国内での犯罪行為がない
  • 持続可能な経済状況(生計を立てていくための十分な資金があること)を証明する

オーストラリアの学生ビザの滞在期間を延ばす2つの方法

オーストラリアでの留学期間を延ばしたい場合、以下の2つの方法があります。

  1. 学生ビザの滞在期間を延長する方法
  2. ビザを別の種類に切り替える方法

1.学生ビザの滞在期間を延長する

オーストラリアの学生ビザの滞在期間を延長するためには、新たな学生ビザを申請する手続きが必要となります。

現在のビザの延長をするのではなく、新しいビザを取得することで、オーストラリアでの留学期間を全体として延ばすことが可能となるのです。

 

ただし、この延長の申請は、現在の学生ビザの有効期間中に行う必要があります。

学生ビザはどれくらいの期間まで延長できる?

学生ビザを延長できる期間は、申請者が新たに学習する予定のコースの長さによります。

そのため、申請するコースの期間に応じて、留学期間を延ばすことが可能です。

期間の延長申請にかかる費用

延長申請には手数料が発生します。

この費用は変動する可能性があるため、最新の情報はオーストラリア移民局(Department of Home Affairs)のウェブサイトで確認してください。

 

2024年3月現在のオーストラリアの学生ビザの申請費用は通常710豪ドルです。

 

ただし、オーストラリア国内でビザの申請を2回以上行った場合には、追加で700豪ドルの継続ビザ申請費用が必要になることがあります。

学生ビザは複数回延長できる?

学生ビザの延長は基本的に複数回可能ですが、「就学目的ではなく滞在目的である」とみなされるリスクがあります。このため、規定はなくとも『必ずしも何度でも無制限に更新できるとは限らない』ので注意が必要です。

 

具体的なケースでは、専門家や行政書士に相談することをおすすめします。

2.学生ビザを別のビザに切り替える

学生ビザの有効期間を超えてオーストラリアに滞在するためのもう1つの選択肢は、別のビザ種類に切り替えることです。

学生ビザから別のビザに切り替える

以下のようなビザに切り替えることが可能です。

  • ワーキングホリデービザ
  • 卒業生ビザ(Temporary Graduate visa、サブクラス 485)
  • スキル・インディペンデントビザ(Skilled Independent visa、サブクラス 189)
  • スキル・ノミネイテッドビザ(Skilled Nominated visa、サブクラス 190)

 

詳細は後続の章で説明します。

別のビザへ切り替える時の注意点

別のビザへ切り替える際には、以下の点に注意が必要です。

  • オーストラリア移民局(Department of Home Affairs)の指導に従い、正確な手続きを行うこと
  • 新しいビザの要件と条件を完全に理解し、満たしていること
  • ビザの切り替えに時間がかかるため、期間内に申請すること
  • 切り替え後のビザの就労条件や滞在条件を理解すること

 

以上がオーストラリアの学生ビザの滞在期間を延ばす、2つの主な方法となります。

 

ただし、このプロセスは複雑で、一般的なアドバイスだけでは十分でない場合があります。だからこそ、具体的なビザ申請や滞在延長の手続きに進む前に、専門家に相談することを強くおすすめします。

最新の情報は、常にオーストラリア移民局(Department of Home Affairs)のウェブサイトまたは教育機関から得られます。

滞在期間が延ばせるオーストラリアのビザについて

オーストラリアのビザには、滞在期間が延ばせるものと、延ばせないものとがあります。

このセクションでは、滞在期間を延ばせるビザについて詳しく説明します。

滞在期間を延長できるオーストラリアのビザ一覧

オーストラリアのビザのうち、滞在期間を延長できるものを次の表にまとめました。

また、延長は認められないが、ほかのビザに切り替えられるものも、あわせてご紹介していきます。

ビザの種類

延長可能か

切り替え可能か

学生ビザ (サブクラス 500)

ワーキングホリデービザ

卒業生ビザ (サブクラス 485)

×

卒業生ビザ(Temporary Graduate Visa)(サブクラス485)について

卒業生ビザは、オーストラリアでの学習を完了した留学生国が、オーストラリアでの就労経験を得るために利用します。

卒業生ビザ(Graduate Work stream)とは?

このストリームは、対象とされる職業に関連したコースを修了した留学生向けです。ビザの有効期限は通常18か月間です。

卒業生ビザ(Post-Study Work stream)とは?

このストリームは、オーストラリアの教育機関で高度な学位を取得した留学生向けです。ビザの有効期限はコースの種類により2~4年間です。

オーストラリアの就労ビザについて

オーストラリアには、さまざまな種類の就労ビザがあり、それぞれのビザは特定の条件下で申請できます。

就労ビザの概要

オーストラリアの各種就労ビザについて、その概要を表にまとめました。

滞在期間やそのほかの特徴も示しているので、参照してください。

ビザ

概要や滞在期間、特徴など

スキル・インディペンデントビザ(サブクラス 189)

·特定のスキルを持つ労働者向け

·永住ビザ

·雇用主・家族の保証や州・地方政府の指定が不要

スキル・ノミネイテッドビザ(サブクラス 190)

· 特定のスキルを持つ労働者向け

· 永住ビザ

· 州や地方政府の指定が必要

一時的労働力不足ビザ(サブクラス482)

· 一時的な労働者不足を補うためのビザ

· 短期ストリーム最長2年、中長期ストリーム最長4年

· スキルに基づいた一時的なビザで、雇用主の保証が必要

雇用主推薦スキーム(サブクラス186)

· オーストラリアの雇用主が推薦する専門職向け

· 永住ビザ

· 雇用主による推薦が必要

ワーキングホリデービザ(サブクラス417)

· 働きながら休暇を過ごすビザ

· 初回1年(特定の条件を満たすとさらに1〜2年延長可能)

· 年齢は18歳から30歳で、特定の条件を満たすと最大2回延長可能

1回目のワーホリビザ切り替えは、オーストラリア国外から申請する必要がある

学生ビザからワーキングホリデービザへ切り替える場合、1回目の申請は、オーストラリア国外から申請する必要があります。

オーストラリア国内からは申請できないので、注意が必要です。

就労ビザのスポンサーとなってもらえる雇用主を見つける方法もある

学生ビザを保持している間に、卒業後の就労を見据えて雇用主を探せます。

 

特に、語学学校などに通う学生で、卒業生ビザ(サブクラス485)の申請資格がない場合、在学中に働いていた職場が就労ビザのスポンサーとなってもらえる雇用主を探すのも、1つの方法となるでしょう。

 

一時的労働力不足ビザ(サブクラス482)などのスポンサービザは、オーストラリアの雇用主が海外の労働者をスポンサーとして雇用するものです。このようなビザでは、雇用者(スポンサー)がビザ申請者を推薦し、その推薦をもとに移民局(Department of Home Affairs)がビザ発給の可否を決定します。

就労ビザの申請方法と流れを解説

オーストラリアで仕事をするためには、適正な就労ビザの取得が求められます。

  • オーストラリア国外に居住している人
  • すでにオーストラリアに居住している人

どちらであっても、オーストラリアで就労する際には、そのためのビザが必要となります。

 

本記事では

  • 卒業生ビザ(サブクラス485)
  • ワーキングホリデービザ(サブクラス417)

上記の申請方法と必要な書類について詳しく解説します。

卒業生ビザの申請方法

オーストラリアの卒業生ビザは、オーストラリアの教育機関で学位を取得した留学生を対象にしています。このビザを取得すると、学位を生かしてオーストラリアでの就労経験を積む機会が持てます。

 

以下、申請ステップを解説します。

1. インターネット申請の準備

まず、オーストラリア移民局(Department of Home Affairs)のウェブサイトにアクセスし、必要なアカウントを作成します。

ログイン後、適切なビザ(卒業生ビザ)を選択し、指示に従って詳細な情報をオンラインフォームに記入します。

2. 英語能力の証明

ビザ申請には一定の英語能力が要求されます。IELTS、TOEFL、PTE、CAE等の英語力テストを受け、ビザ申請に必要なスコアを取得しておくことが重要です。

 

IELTSを例にすると、6.0から6.5のスコアが必要です。

3. 必要な資格、教育経験、職歴などの証明

申請者は、自分がビザを取得する上で必要な特定のスキルや資格、教育経験等を持っていることを証明する必要があります 。これらの能力や経験を証明する書類として、学位証明書や職務経歴書、資格証明書などが考えられます。

4. オンラインフォームの提出と申請料の支払い

オンラインフォームの入力が終了したら送信します。その際には、ビザ申請料も一緒にオンラインで支払うことが必要です。

卒業生ビザの申請に必要な書類

卒業生ビザ申請をする際、以下の書類の準備が必要です。

  • パスポートのコピー
  • 出生証明書のコピー
  • 卒業証明書のコピー
  • 英語能力の証明 (IELTS、TOEFL、CAE等のスコア)
  • オーストラリアの保険の証明
  • オーストラリア在住の証明書

ワーキングホリデービザの申請方法

オーストラリアのワーキングホリデービザは、主に休暇を楽しみつつ、一部の時間を労働で過ごすことを目的とした青年向けのビザです。

 

このセクションでは、すでにオーストラリア国内で学生ビザを取得している人が、ワーキングホリデービザに切り替えるための申請方法について詳しく説明します。

1. ビザ変更の要件確認

ワーキングホリデービザに切り替える前に、ビザの要件を満たしていることを確認します。次のような要件が必要です。

  • 年齢は18歳から30歳(一部の国では35歳まで)
  • 申請時に有効なパスポートを持っていること
  • 国籍国がオーストラリアとワーキングホリデー協定を結んでいること など

2. オンライン申請

オーストラリア移民局(Department of Home Affairs)のウェブサイトで、ワーキングホリデービザの申請を始めます。

入力項目には、

  • 個人情報
  • 英語力
  • 健康状態
  • 過去の犯罪経歴

などがあります。

3. 必要書類の準備と提出

申請者は、指定された書類をデジタル化してウェブサイト上で提出します。

必要な書類には

  • パスポート
  • 出生証明書
  • 犯罪経歴証明書

などがあります。

4. 申請料の支払いと申請の完了

オンラインでビザ申請料を支払い、申請を完了します。

ワーキングホリデービザの申請に必要な書類

ワーキングホリデービザの申請にあたっては、以下のような書類の提出が必要となります。準備に時間がかかるものもあるので、早めに集めておくことをおすすめします。

ワーキングホリデー1回目の申請に必要な書類

ワーキングホリデー1回目の申請では以下の書類が必要となります。

  1. 有効なパスポート
  2. 身分証明書または出生証明書
  3. 証明写真
  4. 残高証明(通常5,000豪ドル)
  5. 場合により、健康診断の証明

ワーキングホリデー2回目の申請に必要な書類

ワーキングホリデー2回目の申請では以下の書類が必要となります。

  1. 初回ワーキングホリデービザ発給時の書類
  2. オーストラリア内で3か月以上特定の業界で働いた証明
  3. 場合により、健康診断の証明

 

これらの書類は、オーストラリア移民局(Department of Home Affairs)のオンライン申請の際に添付します。公式ウェブサイトで異なる情報が記載されている場合、ウェブサイトの情報を優先してください。

まとめ

本記事では、オーストラリア国内で学生ビザから就労ビザへ切り替える方法を解説しました。

それぞれの就労ビザの申請方法・必要書類を詳しく解説し、申請プロセスを進めるための役に立つガイドを提供しました。

 

重要なポイントは、以下になります。

  • 適正な就労ビザの取得がオーストラリアでの合法的な就労に必要であること
  • ビザ申請の際は変わりやすいため、確実に最新の情報をチェックすること
  • 所有するスキルや資格を適切に示す証明書を準備すること

 

これらのガイドラインに従って、学生から就労者への移行をスムーズに進められます。

また、具体的な手続きについては、必要に応じて専門家に相談することが重要となります。これらに注意して、自身のキャリアプランを実現していきましょう。

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