オーストラリアのビザを取得|必要書類や申請方法について
オーストラリアには、目的に応じてさまざまな種類のビザがあります。
オーストラリアのビザの申請をする方の中には、
「ビザの種類は?」
「必要書類は?」
「申請方法は?」
といった疑問をお持ちの方も多いでしょう。
この記事では、オーストラリアのビザの必要書類と申請方法について詳しく解説します。
ぜひ、最後までお読みください。
オーストラリアのビザについて
ここでは、オーストラリアのビザの種類について見ていきましょう。
オーストラリアに渡航するには|ETAもしくはビザが必要
オーストラリアに渡航するには、ETAもしくは目的に応じたビザが必要です。
ETA(電子渡航許可)とは?
ETA(ElectronicTravelAuthority)とは、電子渡航許可システムです。
対象国の国籍の方は、3カ月以内の観光・家族訪問・商用などの目的でオーストラリアへ渡航する場合、ETAの申請ができます。
ETA申請の対象者
ETAを申請できるのは、以下の対象国の有効なパスポートを保有している方です。
アンドラ |
オーストリア |
ベルギー |
ブルネイ |
カナダ |
デンマーク |
フィンランド |
フランス |
ドイツ |
ギリシャ |
香港 |
アイスランド |
アイルランド |
イタリア |
日本 |
リヒテンシュタイン |
ルクセンブルク |
マレーシア |
マルタ |
モナコ |
ノルウェー |
ポルトガル |
サンマリノ共和国 |
シンガポール |
韓国 |
スペイン |
スウェーデン |
スイス |
台湾 |
オランダ |
イギリス |
イギリス(BNO) |
アメリカ |
バチカン |
ー |
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ETA申請の条件
- ETA対象国のパスポートを保有している
- 一時的な滞在である
- ビザに付随する条件・滞在期間(最長3カ月)に従う
- 健康要件を満たしている
- 犯罪歴がない
- 出張による市場調査・交渉・セミナー参加などのビジネス活動は可能だが、現地での就労はできない
- 3カ月以内の就学は可能だが、オーストラリアでの主な目的が就学の場合は学生ビザが必要
ETA申請で滞在可能な日数
滞在が可能な期間は、1回の入国で最長3カ月です。
ETAの有効期限は、12カ月またはパスポートの有効期限のいずれか短い方です。
有効期限内であれば、何度でも出国・再入国ができます。
ビザの種類
以下は、オーストラリアの代表的なビザの種類です。
ビザカテゴリー |
サブクラス |
発給対象者 |
---|---|---|
訪問ビザ |
600 |
|
ワーキングホリデー |
417 |
|
学生ビザ |
500 |
|
就労ビザ |
400・403 408・482 など |
|
パートナービザ |
309・100 |
|
ビザによって条件や必要書類が異なる
ビザの種類によって、条件や必要書類は異なります。
申請予定のビザの詳細を入念に確認してから、手続きに進みましょう。
各ビザの条件・必要書類・申請方法などは、次項で詳しく解説します。
1.訪問ビザの条件や必要書類について
ここでは、訪問ビザであるサブクラス600について見ていきましょう。
訪問ビザの申請条件
訪問ビザの対象者と申請条件は、以下のとおりです。
訪問ビザの対象者
- 観光者
- ビジネス訪問者
- 家族・友人の訪問者
- 3カ月以上(12カ月以内)の滞在を予定している者
- eVisitorまたはETASの対象国以外のパスポートを持っており、上記の対象者と同じ目的で渡航する者
訪問ビザの申請条件
- 健康要件を満たしている
- 滞在中の生活をまかなえるだけの十分な資金がある
- 一時的な滞在である
- ビザに付随する条件・滞在期間に従う
- 出張による市場調査・交渉・セミナー参加などのビジネス活動は可能だが、現地での就労はできない
- 3カ月以内の就学は可能だが、オーストラリアでの主な目的が就学の場合は学生ビザが必要
訪問ビザでの滞在可能期間
滞在期間は、3カ月間・6カ月間・12カ月間のいずれかです。
必ず希望の期間を取得できるわけではないため、注意しましょう。
オーストラリア国内から申請をする場合は、最長12カ月の滞在期間が与えられます。
商用目的の場合の滞在期間は、最長3カ月です。
訪問ビザの申請方法
申請の流れは、以下のとおりです。
- ImmiAccountの登録
- オンライン申請書の作成
- 必要書類のアップロード
- ビザ申請料の支払い
- 健康診断の受診(必要な方のみ)
- 審査
- ビザ発行
訪問ビザ申請時の必要書類
必要書類は、以下のとおりです。
- 申請書(オンライン)
- 身元確認書類(パスポート・在留カードなど)
- 十分な資金があると証明する書類(通帳・給与明細書・税収記録など)
- 滞在中の旅行計画書
- オーストラリア在住の親族・友人からの招待状(親族・友人を訪問する場合)
- オーストラリアへの渡航が業務上必要であると証明する書類(訪問先企業・団体からの招待状など)
- 学歴・資格を証明する書類(卒業証明書・資格証明書など)
- 居住国・自国との強いつながりを証明する書類(帰国後も同じ職場で働く意志があると記したレター・在学証明書・居住国に親近者がいる証明書・居住国で所有する資産の証明書など)
75歳以上の方は、以下の書類も必要です。
- 滞在中に有効な民間健康保険または旅行保険の加入証明書
- 滞在中の医療医・入院費をカバーできるだけの資金証明
2.ワーキングホリデービザの条件や必要書類について
ここでは、ワーキングホリデービザについて見ていきましょう。
ワーキングホリデービザの申請条件
ワーキングホリデービザの対象者と申請条件は、以下のとおりです。
ワーキングホリデービザの対象者
- オーストラリアで費用を稼ぎながら休暇を過ごす者
- 対象国の国民で有効なパスポートを保有している18歳〜30歳の者
ワーキングホリデービザの申請条件
- 対象国の国民で有効なパスポートを保有している
- 18歳〜30歳(国籍によっては35歳まで)
- 以前にサブクラス417・462のビザで入国していない
- 十分な資金がある
- 健康要件を満たしている
- 扶養している子供を同伴しない
- 同じ雇用主の下で働けるのは6カ月間
- 就学できる期間は最長4カ月(17週間)
ワーキングホリデービザでの滞在可能期間
滞在期間は、最長12カ月です。
ワーキングホリデービザ自体は、期間の延長ができません。
12カ月を超えて引き続き滞在したい場合は、別の新しいビザを申請しましょう。
ワーキングホリデーで滞在中に、プログラムで指定されている仕事に少なくとも3カ月間従事していれば、セカンドワーキングホリデービザへの切り替えが可能です。
さらに、セカンドワーキングホリデーで滞在中に、プログラムで指定されている仕事に少なくとも6カ月間従事していれば、サードワーキングホリデービザへの切り替えもできます。
セカンド・サードの滞在期間は、どちらも12カ月です。
最初のワーキングホリデービザ→セカンド→サードと切り替えれば、最長3年間ワーキングホリデーができます。
ワーキングホリデービザの申請方法
申請の流れは、以下のとおりです。
- ImmiAccountの登録
- オンライン申請書の作成
- ビザ申請料の支払い
- 健康診断の受診(必要な方のみ)
- 審査
- ビザ発行
ワーキングホリデービザ申請時の必要書類
必要書類は、以下のとおりです。
- 申請書(オンライン)
- パスポート
- クレジットカード
- メールアドレス
3.学生ビザの条件や必要書類について
ここでは、学生ビザについて見ていきましょう。
学生ビザの申請条件
学生ビザの対象者と申請条件は、以下のとおりです。
学生ビザの対象者
- オーストラリアの教育機関で就学する者
学生ビザの申請条件
- 一定の年齢である(6歳以上)
- 学習コースに登録し、就学の証拠(入学確認書:CoEなど)を提出する
- 18歳未満の場合は福利厚生を手配する
- 英語の要件を満たす
- 適切な健康保険に加入している
- 滞在中の生活をまかなえるだけの十分な資金がある
- 留学を終えたら、帰国する意思がある
- 健康要件を満たす
- オーストラリアの価値観に関する声明に署名する
- 就労は2週間あたり48時間まで(修士号・博士号コースの方は48時間以上もOK)
学生ビザでの滞在可能期間
滞在期間は、最長5年です。
ただし、実際の期間は就学するコースの種類と長さによって決まります。
滞在期間の目安は、以下の表を参考にしてください。
コースの長さ |
滞在日数 |
---|---|
10カ月以上(オーストラリアの学年度である11月〜12月の終わりにコースが終了する場合) |
通常、翌年の3月15日までの滞在期間が付与される |
10カ月以上(1月〜10月まで) |
通常、コースより2カ月長い滞在期間が付与される |
10カ月未満 |
通常、コースより1カ月長い滞在期間が付与される |
学生ビザの申請方法
申請の流れは、以下のとおりです。
- ImmiAccountの登録
- オンライン申請書の作成
- 必要書類のアップロード
- ビザ申請料の支払い
- 健康診断の受診(必要な方のみ)
- 審査
- ビザ発行
学生ビザ申請時の必要書類
必要書類は、以下のとおりです。
- 申請書(オンライン)
- パスポート
- 入学許可証(CoE)
- 十分な資金があると証明する書類(通帳・奨学金の証明書など)
- 海外学生健康保険(OSHC)
- GenuineTemporaryEntrant:GTE(留学の理由書)
- 英語力の証明書(必要な場合)
- 滞在先およびWelfareArrangementsの証明書(18歳未満の場合)
4.就労ビザの条件や必要書類について
ここでは、就労ビザについて見ていきましょう。
就労ビザの種類
オーストラリアの就労ビザには、多くの種類があります。
本記事では、4つの就労ビザを紹介します。
1.TemporaryWork(ShortStaySpecialist)visa:サブクラス400
サブクラス400は、高度に専門化された職種に就ける短期の就労ビザです。
家族の帯同も認められています。
ただし、家族の方は語学研修プログラムに参加するなどを除き、オーストラリアでの就労や就学は許可されていません。
2.TemporaryWork(InternationalRelations)visa:サブクラス403
サブクラス403は、国際関係(外交など)の職種に就ける就労ビザです。
目的に応じて、以下の5つのストリームに分類されます。
条件や滞在期間はストリームによって異なるため、注意しましょう。
1.GovernmentAgreementstream
オーストラリア政府と他国政府との二国間協定に基づくビザです。
2.ForeignGovernmentAgencystream
外国政府機関の代表として働けるビザです。さらに、外国政府に雇用された外国語教師としても働けます。
3.DomesticWorker(DiplomaticorConsular)stream
サブクラス995を保有している家庭で、フルタイムの家事労働に従事できるビザです。
4.PrivilegesandImmunitiesstream
国際駐在員の方向けのビザです。
5.PacificAustraliaLaborMobilitystream
PMLM制度に参加する方向けのビザです。
3.TemporaryActivityvisa:サブクラス408
サブクラス408は、特定の種類の仕事・活動が行える就労ビザです。
例えば、以下のような活動が挙げられます。
条件や滞在期間は職種によって異なるため、注意しましょう。
- オーストラリア政府公認のイベント
- 承認された特別なプログラム(青少年交換・学校の語学アシスタント・ギャップイヤースクールボランティアなど)
- 宗教活動
- 研究活動
- 社会的・文化的活動の参加(スポーツイベントなど)
- スポーツ活動
- エンターテインメント活動
- スーパーヨットの乗組員
- 職員交換
- 役員向けの家事労働
4.TemporarySkillShortagevisa:サブクラス482
サブクラス482は、雇用主が求めるスキルを有した労働者に与えられる就労ビザです。
目的に応じて、以下の4つのストリームに分類されます。
1.Short-termstream
労働力が不足している職種に関するスキルを持った方が対象です。
通常は最長2年間の滞在期間ですが、国際貿易義務(ITO)が適応される場合は最長4年間滞在できます。
2.Medium-termstream
労働力が不足している職種に関するスキルを持った方が対象です。
3.Labouragreementstream
労働協定を締結している雇用主によって指名された労働者が対象です。
4.Subsequententrant
サブクラス457またはTSSビザを保有している家族が対象です。
就労ビザの申請条件
就労ビザの対象者と申請条件は、以下のとおりです。
就労ビザの対象者
- オーストラリアで就労する者
就労ビザの申請条件
就労ビザの種類によって、条件は異なります。申請前に、取得予定のビザの詳細を確認しましょう。
以下は、就労ビザの代表的な申請条件です。
- 雇用主がStandardBusinessSponsorである
- 移民局の定める職業リストに掲載されている職種である
- 英語の要件を満たす
- 健康要件を満たす
- 犯罪歴がない
- 職歴・資格などがある
就労ビザでの滞在可能期間
就労ビザの種類によって、滞在期間は異なります。
上記で紹介した就労ビザの滞在期間は、以下の表のとおりです。
ビザの種類 |
滞在期間 |
---|---|
TemporaryWork(ShortStaySpecialist)visa |
最長6カ月 |
TemporaryWork(InternationalRelations)visa |
12カ月〜4年(ストリームごとに異なる) |
TemporaryActivityvisa |
3カ月〜4年(職種によって異なる) |
TemporarySkillShortagevisa |
最長4年 |
就労ビザの申請方法
申請の流れは、以下のとおりです。
- ImmiAccountの登録
- オンライン申請書の作成
- 必要書類のアップロード
- 家族の申請(家族も帯同する場合)
- ビザ申請料の支払い
- 健康診断の受診(必要な方のみ)
- 審査
- ビザ発行
就労ビザ申請時の必要書類
必要書類は、以下のとおりです。
- 申請書(オンライン)
- パスポート
- 雇用契約書
- 資格・ライセンスなどの証明書
- 十分な資金があると証明する書類
- パートナー・扶養家族の身分証明書
- 健康診断書
- 犯罪歴証明書
書類の準備は行政書士に依頼しよう
オーストラリアのビザは種類が多く、制度も複雑です。ビザのカテゴリーだけではなく、サブクラスやコースによっても、条件や必要書類は異なります。自力で複雑なビザの仕組みを理解して、準備を進めるのは大変な労力がかかります。
オンライン申請書の入力ミスや必要書類の不備などがあると、ビザの発給が遅れるだけではなく、審査で不許可となる可能性もあります。
以下に当てはまる方は、行政書士などの専門家にビザ申請の相談・依頼をするのがおすすめです。
- ミスを回避して、ビザの取得率を上げたい方
- どのビザを取得すればいいかわからない方
- 要件や必要書類がわからない方
- 忙しくて申請の準備ができない方
まとめ
この記事では、オーストラリアのビザの必要書類と申請方法について解説しました。
オーストラリアへ渡航するには、ETAや目的に応じたビザが必要です。
ビザの種類によって、条件や必要書類は異なります。ビザを取得するには、ビザの種類や制度を正しく理解するのが重要なポイントです。
確実に取得したい方は、行政書士などの専門家に依頼するのをおすすめします。