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オーストラリア配偶者ビザ(パートナービザ)申請条件や必要書類、申請の際の注意点を解説

日本のパスポート保持者やETA(電子渡航許可)取得者であれば、観光や知人、家族への訪問、出張、業務などによる3か月以内の訪問であれば、ETA申請によって入国することが可能です。

 

しかし、そのほかの理由でオーストラリアに入国するすべての渡航者は、ビザを所持していなければなりません。また、申請するビザの種類は滞在日数やパスポート、そして渡航目的によって異なります。

 

そのビザの種類のひとつとして、長期的にオーストラリアに滞在できる配偶者ビザ(通称パートナービザ)があります。

オーストラリア人との国際結婚における配偶者ビザ(パートナービザ)申請について

配偶者ビザ(パートナービザ)は、オーストラリア市民や永住者と結婚、婚約関係にある人が対象となります。ただし、オーストラリアではパートナーの定義が広いため、結婚のほか、ディファクト(事実婚)や同性愛カップルの同性婚も含まれます。

配偶者ビザ(パートナービザ)とはどんなビザ?

配偶者ビザ(パートナービザ)はオンショア(Onshore)パートナービザに820と801、オフショア(Offshore)パートナービザに309と100といったように、それぞれ2種類のサブクラスがあります。

また、オーストラリア市民や永住者と婚約関係にある場合については、婚約者ビザを取得することもできます。

オンショアパートナービザ(サブクラス820/801)

オーストラリア国内からの申請が認められるパートナービザ(配偶者ビザ)です。

  • 最初のステップである一時滞在ビザは820
  • 発給後申請できる永住ビザは801

 

国内からの申請が条件ではあるものの、発給待ちの期間は有料で必要な手続きをおこなうことで、いったんオーストラリアを出国し、ふたたび入国することも可能です。

オフショアパートナービザ(サブクラス309/100)

オーストラリア国外から申請するパートナービザ(配偶者ビザ)で、309発給後にオーストラリアに入国が可能となり、国内で一時的な同居が認められるようになります。

また、2年後にはオーストラリアで永住できる100の申請が可能です。

婚約者ビザ(サブクラス300)

オーストラリア国外に居住中で、オーストラリア市民や永住権保有者と結婚予定がある場合に申請できるビザです。同ビザを取得すると、9~15か月のオーストラリア滞在が認められます。

なお、指定された期間の満了後はオンショアパートナービザ(サブクラス820/801)を申請しなければなりません。

配偶者ビザがあるとできること

オーストラリアのパートナービザ(配偶者ビザ)では、一時滞在ビザが発給された時点で次のことが可能になります。

  • オーストラリアにおける就学
  • オーストラリアにおける就労
  • オーストラリアにおける国民健康保険、メディケアへの加入
  • オーストラリアにおける自宅や土地購入のためのローン契約
  • オーストラリアにおける起業

申請は2段階

オンショアパートナービザ、オフショアパートナービザは最初の段階としてまず暫定的に発給される一時滞在ビザ(820/309)によって婚姻関係を証明します。

そして、2年後に次の段階として改めて審査がおこなわれ、永住権が認められるビザ(801/100)が発給されます。

このため、最初の段階は移民局が申請者について『配偶者ビザを取得する資格があるかどうか』の査定です。

 

そして、2年間の期間を設け、次の段階で『申請者とスポンサーの関係が真実であり、永続的かどうか』が判断されます。

なお、2年後の永住権の要請については、移民局よりその旨が書面で通知されます。

配偶者ビザが申請できる条件

配偶者ビザ(パートナービザ)の対象者は、すでに触れているように以下が必須条件です。

  • オーストラリアの市民権や永住権保持者、またはオーストラリアに永住を許可されたニュージーランド国民とパートナー関係であること

 

また、申請者のパートナーはスポンサーと呼ばれます。

そのうえで、申請者・スポンサーにはそれぞれに個別の申請条件があります。

申請者の申請条件

パートナービザ(配偶者ビザ)の申請は恋愛関係が事実上偽りなく、かつ継続していることを証明できなければなりません。そして、以下のようにお互いの関係性についても証明が求められます。

  • 家計をお互いで分担しているかどうか
  • お互いの関係性が社会的に受け入れられているものか
  • お互いの関係性がそれぞれにとって精神的な支えになっているかどうか
  • お互いに家事を分担しているか

 

また、取得条件は主に次のように定められています。

  • 法的に結婚しているかあるいはディファクトの状態にあること
  • 12ヶ月以上同棲期間があること(ディファクトの場合)
  • ふたりの関係が真面目かつ継続的であること
  • 配偶者がスポンサーとして認可されたオーストラリア国籍保持者、あるいは永住者であること
  • 健康状態ならびに人物評価において問題がないこと

スポンサーの申請条件

スポンサーは、パートナービザ(配偶者ビザ)申請においてはビザ申請者のパートナーであるとともにビザ発給の協力者です。

そして、スポンサーになるうえで、以下のような条件が定められています。

  • 18歳以上であること
  • パートナーと結婚、あるいはディファクト、または将来結婚を前提としているパートナーがいること
  • 移民局の規定するスポンサーの条件を満たしていること
  • 移民局の依頼により必要な場合には保証金(AssuranceofSupport)を用意できること

 

ただし、一生のうちに、2名以上のスポンサーとなることはできません。

また、過去にスポンサーとなった事実がある場合、5年以内は2度目の申請ができなくなります。

 

このほかにも、スポンサーとなるパートナーが離婚調停中であるといった場合などには、パートナービザ(配偶者ビザ)申請の際、カップル登録できない可能性があります。

婚約者ビザの申請条件

婚約者ビザはオーストラリアに永住を許可されたニュージーランド国民の婚約者について、海外からのみ申請が許可されます。また、条件は以下のとおりです。

  • 18歳以上であること
  • スポンサーと結婚のうえ、真実で継続的な結婚生活を送る意思があること
  • オーストラリアの法律にもとづく結婚の資格があること
  • 虚偽の関係や商業仲介によって知り合った関係でないこと
  • 健康かつ公益に反せず、ビザを取得できる特別条件を満たしていること

ディファクト(事実婚)について

オーストラリアにおいて、結婚以外でも配偶者ビザ(パートナービザ)の対象となる『ディファクト』というものがあります。

『ディファクト』とはいわゆる事実婚のことであり、同棲など夫婦同然の関係ではあるものの、法的には結婚していない内縁関係のカップルを指します。

 

なお、カップルのどちらかひとりがニューサウスウェールズ州在住であれば、出生・死亡・婚姻登録事務所(RegistrarofBirths,DeathsandMarriages)に申請し、証明書を発行してもらうことで、条件となる同棲期間12か月を満たしていなくても、パートナービザ(配偶者ビザ)の申請が可能です。

 

ただし、以下のような注意点があります。

カップルのどちらかひとりあるいはふたりが以前に結婚し離婚していない場合には「パートナーの同意がない」などの『離婚が成立していない理由』を示さなければなりません。

 

しかしながら、「結婚がすでに過去のものである」という旨の宣誓書を結婚相手から得られれば、離婚が成立していない理由として有効である場合もあります。

オーストラリアの配偶者ビザ(パートナービザ)申請の手順と期間、書類について

ここからは、オーストラリアの配偶者ビザ(パートナービザ)申請の流れと取得にかかる期間、また必要となる書類についてみていきます。

オーストラリアの配偶者ビザ(パートナービザ)を申請する流れについて

オーストラリアにおいてビザを申請する場合は、その準備としてImmiAccountの開設が必要です。

ImmiAccountとは、オーストラリア移民局のオンライン申請システムです。

ETA(ElectronicTravelAuthority:電子入国許可)と移民申請の手続きをしている場合を除き、パートナービザ(配偶者ビザ)を含むすべてのビザ申請で必要となります。

 

また、ImmiAccountの開設により、申請中の入力内容の保存、申請後の処理状況の確認、基本情報の変更、申請料の支払いなど、これらすべてがオンライン上で可能になります。

1.政府指定申請フォームを作成する

ImmiAccountを開設したら、パートナービザ(配偶者ビザ)を申請する政府指定申請フォームを作成します。

こちらは以下のようなものになります。

  • パートナービザ(配偶者ビザ)を申請する際に提出するフォーム
  • ボリュームは数十ページにのぼる

 

このフォームの質問項目に以下のようなものがあります。

  • 申請者に関する情報
  • パートナーに関する情報
  • ふたりの関係に関する情報
  • ふたりをサポートする証人に関する情報
  • その他の質疑応答

 

また、注意点として、このフォームへの記載内容はこのあとに提出する各種書類と内容が一致している必要があります。

記入した内容が異なると、ビザの申請が却下される可能性もあるため、十分注意して作成しなければなりません。

2.書類をアップロードする

政府指定申請フォームの作成後は必要書類をPDF形式でアップロードします。

このときアップロードできるのは、以下になります。

  • 100ファイルまで
  • 各ファイルサイズは5MBまで

 

なお必要書類については別途詳しく説明していきます。

3.ビザ申請料金を支払う

必要書類のアップロードが済んだら、ビザ申請料金を支払います。

2021年時点では、申請料金はオンショア・オフショアともに7850豪ドル(AUD)となっています。

 

また、このとき、取引参照番号TRN(TransactionReferenceNumber:照会番号)も忘れず控えておきます。

4.ビザ申請後に必要となる書類を提出する

オーストラリアのパートナービザ(配偶者ビザ)の申請にあたっては、申請時とは別に、申請後にも提出が必要となる書類があります。

これら必要書類についてもこのあと詳しく紹介します。

5.審査結果が通知される

手続きと書類提出がすべて完了すると、後日ビザ申請の審査結果が通知されます。

そして、次のいずれかの内容が記載されています。

  • ビザが取得できた場合
    ビザ適用開始日となるビザの取得日、および該当する場合にはビザ適用に関する条件
  • ビザが却下された場合
    ビザ申請が却下された主な理由と再申請についての権利

パートナービザ(配偶者ビザ)の申請にかかる期間

パートナービザ(配偶者ビザ)は申請から審査結果の通知まで、通常は少なくとも12か月以上期間を要します。

また、それぞれのビザの目安はおおむね以下のようになっています。

オンショアパートナービザ

オフショアパートナービザ

パートナービザ(配偶者ビザ)取得に必要となる書類

次にオーストラリアのパートナービザ(配偶者ビザ)取得における必要書類をそれぞれの準備段階ごとにみていきます。

パートナービザ(配偶者ビザ)取得で必要となる書類

パートナービザ(配偶者ビザ)の申請時には以下のような書類が必要となります。

  • 戸籍謄本
  • パスポートの顔写真、個人情報、パスポート発行日および有効期限が記載されたページのコピー
  • パスポート用と同サイズの証明写真
  • 結婚証明書あるいは離婚証明書(※該当する場合のみ必要)
  • 外国人登録証明書あるいは在留カード(※日本国籍でない場合)
  • パートナーとの出会いからビザ申請時までの経緯と、将来の計画が記載された書類
  • 住宅や自動車、大型家電製品といった主要な資産についての共同ローンにかかわる書類(※共同名義の場合に限られる)
  • 共同名義の銀行口座の記録(※共同名義の場合に限られる)
  • 共同名義の家賃や生活費、水道光熱費などの支払いが証明できる書類
  • ビザ申請者の出生からビザ申請にいたるまでの経歴書
  • ふたりの関係を証明する専用の申告書
  • ふたりの共同生活が証明できる書類

パートナービザ(配偶者ビザ)の申請後に必要となる書類

申請後に必要となる書類については以下のようなものがあります。

  • ビザ申請者についての犯罪証明書

過去10年間で1年以上滞在したすべての国や地域でおかした犯罪がある場合、すべてが対象となります。

  • ビザ申請者の健康診断書

医師による診断書で、かつ半年以内の受診した際のものでなければなりません。

2年後の永住権取得の際に必要となる書類

2年後には以下のような書類を移民局に提出することで、申請者とスポンサーの関係が真実かつ継続的だと査定されると、永住権が認められるビザが発給されます。

  • オーストラリアの警察証明(NationalPoliceCheck)
  • 友人・親類からの宣誓供述書
  • 申請者とスポンサーの関係が真実であり継続すると宣誓した宣誓書
  • 申請時点で居住している家や過去に居住していた家の共有権の証明書あるいは共同名義のフラット、ユニットの賃貸契約書、家賃のレシートまたはそのコピー
  • 共同名義の家賃や生活費、水道光熱費などの支払いが証明できる書類
  • 共同名義で居住する住所に送られた両者宛の手紙類のコピー
  • 共同で購入した物品の証明、あるいは、そのレシートなど
  • 共同名義の銀行口座の記録(※共同名義の場合に限られる)
  • 団体やグループの共同メンバーシップのほか、スポーツや文化、社会的活動などにふたりで参加していることが証明できる書類
  • ふたりが写った写真(ふたりが付き合っている期間が証明できるもの)
  • 何らかの事情によりふたりが離れて暮らした期間がある場合、その間に連絡を取り合っていたことを証明できる電話料金や手紙などのコピー

婚約者ビザの場合に必要となる書類

婚約者ビザ取得については以下のような書類が必要です。

  • パスポートや出生証明書など申請者およびスポンサーの身元が証明できる書類
  • 正式な結婚立会人の立ち会いのもと予定されている結婚式の通知
  • ふたりの結婚にいたるまでの経緯や家族関係、またその他共同の活動について説明した陳述書
  • らかの事情によりふたりが離れて暮らした期間がある場合、その間に連絡を取り合っていたことを証明できる電話料金や手紙などのコピー
  • ふたりのうちどちらかが以前に結婚していた場合、その結婚が法的に終結し、再婚に支障がないことが証明できる書類。
  • ふたりのどちらかが以前に配偶者を亡くしている場合、その配偶者の死亡証明書
  • ふたりの友人や親類による宣誓供述書

パートナービザ(配偶者ビザ)申請手続きにおける注意点

オーストラリアのパートナービザ(配偶者ビザ)については発給までに、比較的時間を要し手続きも煩雑です。

このため、申請の際には注意点を把握したうえ、確実に取得できるような手段を講じなければなりません。

申請時に注意すること

実際にパートナービザ(配偶者ビザ)を申請する際には、以下のような点について注意する必要があります。

ビザ申請のルールは頻繁に変更される

オーストラリアのパートナービザ(配偶者ビザ)はこれまでに幾度もルールの変更が噂されています。しかし、それが具体的にいつ変更になるかはオーストラリア政府から明言されません。

 

このように、ビザの取得では唐突かつ頻繁にそのルールが変更されることがあります。そこで、常に最新の情報を入手しておくことが大切です。

在日オーストラリア大使館および在大阪オーストラリア総領事館ではビザに関する情報やサービスを提供していない

ビザのオンライン申請が可能になったことにより、現在、日本在住者を対象としたビザの審査処理は、韓国・ソウルのオーストラリア内務省オフィスでおこなわれています。

 

このため、在日オーストラリア大使館および在大阪オーストラリア総領事館では、ビザに関する情報やサービスを提供していないため、注意が必要です。

日本国内にはオーストラリアのビザ発給にともなう生体認証データ採取施設が設置されていない

日本は現在、オーストラリアの生体認証(バイオメトリクス)データ採取プログラム対象国とはなっていません。

これにともない、オーストラリアの生体認証データ採取施設も日本には設置されていません。

 

ただし、日本国内でビザ取得の際に生体認証データ採取の要請を受けた場合には、

  • オンライン申請により日本に在留している旨を説明する文面
  • それを示す在留カードやパスポートの出入国証印

などの証拠を添付し、指定された期間内にアップロードしなければなりません。

 

なお、アップロードされた情報については、審査担当官がこれを検証します。

必要書類はすべて英訳されていなければならない

オーストラリアのパートナービザ(配偶者ビザ)の申請の際、必要な書類はすべて英訳されていなければなりません。

このため、書類が英語以外の場合には、オーストラリア国内から申請する場合にはNAATI(オーストラリア翻訳・通訳資格認定機関)公認の翻訳者、日本国内からであれば民間の翻訳会社に翻訳を依頼する必要があります。

配偶者ビザ申請手続きの代行も検討しましょう

必要書類作成や手続きなどをみても、パートナービザ(配偶者ビザ)の申請は複雑でわかりにくい部分があります。

このため、不安がある場合には、エージェントや弁護士、行政書士といった専門家に依頼するのもひとつの方法です。

 

ただし、その場合にはメリットとデメリットについて十分理解したうえで依頼に進みましょう。

パートナービザ(配偶者ビザ)の申請の代行を依頼するメリット

パートナービザ(配偶者ビザ)の申請の代行を依頼するメリットとしては、主に以下のような点が考えられます。

  • ルール(法律の変更)にも迅速に対応できる
  • 的確なチェックにより申請のミスがなくなる
  • 申請時の精神的な負担を軽減できる
  • ビザ取得に関する情報収集の時間と手間を省ける

パートナービザ(配偶者ビザ)の申請の代行を依頼するデメリット

デメリットとしては以下のような点が挙げられます。

  • 費用が高額(申請費用以外にも追加出費が発生する)
  • 信頼できる専門家を探すには手間がかかる

確実にビザを取得するには専門家に依頼すべき

上記のように、配偶者ビザ申請手続きの代行を専門家に依頼する場合には、メリットだけでなくデメリットもあります。

しかし、ビザ申請では個々のケースでの状況が異なり、適切な情報が入手できないこともあります。

 

その点、専門家に依頼すれば

  • 個々のケースに合わせた情報を提供してもらえる
  • 最新のビザ情報やノウハウを持ち合わせている
  • 特殊な資料や不足した資料などを補い、ビザ取得に有利な状況になる可能性がある

 

特に、特殊な状況を抱えているといった場合には、確実にビザを取得するためには、適切なアドバイスをくれる専門家に依頼すべきといえるでしょう。

まとめ

オーストラリアは比較的移民に寛大な政策がとられ、優秀な人材を歓迎する気風のある国です。

このため、移民法は常に改正されているものの、変更時には時間的猶予やそれをカバーするルールが設けられていることが少なくありません。

 

そこで、パートナービザ(配偶者ビザ)に関しても、こうした点を的確に把握し、ときには専門家の手を借りるなどして取得を目指すとよいでしょう。

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