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オーストラリアで就労ビザを申請!必要書類や料金を紹介

「オーストラリア就労ビザの申請基準が厳しくなっていて、年収基準も日本円で700万円近くまで上がったという話をXで知ったんですが、自分の年収だとぎりぎりです。これはどの時点の基準ですか?」

 

このように、オーストラリアで働きたい方にとって、

  • 厳しくなっているといわれる就労ビザを取れるのか
  • 申請要件をクリアするにはどうすればよいか

など、気になることが多いのではないでしょうか。

 

そこで本記事では、オーストラリアの就労ビザの種類、ビザ申請に必要な書類や申請料金、申請手続きの流れなどを解説します。

 

なお、本記事では申請費用などの金額表記につき、1オーストラリアドル(AUD)=98円で換算しています。

オーストラリアで働きたい!

オーストラリアは観光・留学やワーホリで根強い人気があります。過密な日本の大都市に比べて沿岸部の都市は広々としていて、気候も温暖で過ごしやすく、総じて治安も良いといえます。そのため、オーストラリアで職を得て永住したいと考える方も多いと思います。

 

それでは、オーストラリアで働くためには、どのようなビザを取得すればよいでしょうか。

就労ビザがないと働けない?

安定した収入を得るには、スポンサー企業を見つけて就労ビザを取得するのが最善策といえます。

 

一方で、就労ビザがなくても、アルバイトやフリーランスで働けます。

学生ビザでは「2週間で48時間以下」の就労が認められています。また、ワーホリビザでは同一の雇用主のもとで、1年あたり最長6か月のフルタイム就労が可能です。

オーストラリアの就労ビザの取得は難しくなっている!

もともと移民国家であるオーストラリア政府は、かつては「移民しやすい」といわれていました。

 

しかし、特にコロナ禍以降、オーストラリアの就労ビザの取得は厳しくなっています。

国内の失業率が高くなり、外国人労働者を制限する政策に変わった

コロナ収束後に1年間で50万人を超える移民が流入した影響などで失業率が上がったことから、最近のオーストラリア政府は移民を抑制する政策をとっています。

 

就労ビザの最低年収要件がAUD70,000(686万円)に引き上げられたのも、その例です。

 

移民が就ける職業は、あくまで国内で人材不足のものに限られています。

 

一般的に、日本人が取得できるビザとされる「雇用主指定(TSSビザ)」の申請要件として、「職業リスト」に該当する職業であることが求められています。

 

この「職業リスト」には、現在のオーストラリア国内で人材が不足している職業が載せられています。

 

従って、オーストラリアで就労ビザを取得するには、以下の内容をすべてクリアしていることが原則です。

  • 職業リストに含まれる職業の仕事であること
  • スポンサー企業を見つけること
  • 700万円近い年収要件をクリアしていること

 

一方で、コロナ禍で減少した熟練労働者を確保しようとする動きもあります。

 

2023年7月より、雇用主指定(TSS)ビザ(サブクラス482)保有者の永住権申請要件が緩和されたのがその例です。

オーストラリアでの就労ビザは6種類ある

オーストラリアで就労可能なビザは、正規の就労ビザを含めて以下の6種類あります。

  • 学生ビザ
  • ワーホリビザ
  • 短期就労スペシャリストビザ
  • 短期就労外交ビザ
  • 短期活動ビザ
  • 雇用主指定(TemporarySkillShortage:TSS)ビザ

 

次章で、就労ビザについてご説明します。

オーストラリアの就労ビザについて

オーストラリアでは、フルタイム就労ビザのほか、一定の制限のもと学生ビザやワーホリビザでも就労が認められています。

 

以下、オーストラリアで就労可能なビザについてご説明します。

オーストラリアの就労ビザ一覧

オーストラリア就労ビザのカテゴリ、申請要件、滞在可能な期間、申請費用は以下の表の通りです。

ビザの種類

申請要件

滞在可能な期間

申請費用

学生ビザ

(サブクラス500)

  • オーストラリア国内の語学学校、高校、TAFE(公立専門学校)、大学、大学院などに3か月以上通う目的

最大5年

※就労は2週間あたり48時間まで可能

AUD710

(69,580円)

ワーホリビザ

(サブクラス417)

  • 申請時点で18歳~30歳であること(申請後に30歳になっていてもよい)

1年(最大12か月まで延長可能)

※就労時間に制限はないが、同一の雇用主の下での就労は6か月以内

AUD640

(62,720円)

短期就労スペシャリストビザ

(サブクラス400)

  • 特定の目的または高度に専門的な職務を行う目的があること
  • 文化的・社会的な特定のイベントに参加する場合は、給与ではなく現地企業や団体から賞金や渡航費・手当等が発生すること

原則3か月

AUD405

(39,690円)

短期就労外交ビザ

(サブクラス403)

  • 外交関連の短期労働を目的とすること

ビザ発給通知で指定された期間

AUD355

(34,790円)

短期活動ビザ

(サブクラス408)

  • 技術職、スポーツ活動、フルタイム宗教活動家、海外エクゼクティブの使用人、芸能関係者のいずれかに該当すること

最大4年

AUD405

(39,690円)

雇用主指定ビザ

(TSSビザ)

(サブクラス482)

  • 雇用主に対するスポンサーシップ審査、ポジションノミネーション審査、申請者の書類審査すべてクリアすること
  • 申請スキルに関連する2年以上の職務経験
  • IELTS5.0以上(中期:各項目5.0以上、短期:同4.5以上)の英語力
  • 中期の場合:保有スキルが職業リストMediumLongTermStrategicList(中長期戦略リスト)に該当すること
  • 短期の場合:保有スキルがShortTermSkilledOccupationList(短期熟練職業リスト)に該当すること
  • 短期の場合:一時的入場要件の宣言が必要

短期:原則2年

中期:4年

短期AUD1,455

(14万2,540円)

中期AUD3,035

(29万7,430円)

就労ビザは永住ビザに変更できる?

2023年7月1日より、オーストラリア就労ビザのうち、雇用主指定中期就労ビザ(サブクラス482)を取得している場合は、2年間就労した上で雇用主の同意が得られれば、永住ビザ(サブクラス186)の申請が可能になりました。

 

また、正規の就労ビザとは異なりますが、ワーホリビザや学生ビザでオーストラリアに滞在する方が永住ビザを取得する方法として、以下の3つがあります。

  • GraduationVisa(卒業ビザ)のGraduateWorkStream(専門学校2年:GWS)カテゴリを取得して、2年間の滞在中に(就労可能なビザで)1年間働いた時点で永住ビザを申請する
  • ワーホリビザ、学生ビザまたはGWSで滞在中にスポンサーを探し、4年~5年の就労ビザを取得してから3年働いた時点で永住ビザ申請する
  • 上記のいずれかの途中で、結婚相手またはパートナーが見つかれば、永住権の申請可能

英語力はどれくらい必要?

就労ビザのうち、英語能力の要件を明確に定めているのは、雇用主指定中期就労ビザ(サブクラス482)です。

 

サブクラス482の短期(滞在期間2年)では、必要書類の中に「IELTSオーバーオール5.0以上及び、IELTSのリーディング・ライティング・リスニング・スピーキングの各項目で4.5以上」の英語能力を証明する書類が含まれます。

 

同カテゴリの中期(滞在期間4年)では、IELTSオーバーオール5.0以上、各項目で5.0以上となっています。

 

ただし、同カテゴリでも、駐在員として就労する場合は、年収がAUD96,400(944万7,200円)以上あれば英語力証明書類提出が免除されます。

 

そのほかのカテゴリでは、申請の際に英語能力証明書の提出は求められていません。

就労ビザの申請の流れ

本章では、オーストラリア就労ビザの申請の流れを説明します。

就労ビザの申請手順

就労ビザの申請は以下の手順で行います。

手順

説明

1.申請サイトで申請手続きする

  • オーストラリア政府のビザ申請サイトImmiAccountに申請事項を入力して、必要書類をアップロードする

※アップロード可能なフォーマットは、5MBまでのPDFやWord、JPGを含む画像ファイルに限られます。圧縮ソフトなどを使用したファイルはアップロードできません。

※申請の途中で入力内容を保存したり、入力事項の追加・修正、書類の追加などができます。

2.ビザ申請料金を支払う

  • 支払に使用できるクレジットカード:

   アメリカンエクスプレス・DinersClub、JCB、  マスターカード、ユニオンペイ、VISA

3.受付の連絡

ImmiAccountに登録したメールアドレス宛に受付通知が来る

4.許可・不許可の通知

同一のアドレス宛に許可または不許可の通知が来る

【許可の場合】:ビザ交付番号、発効日、ビザ条件が通知される

【不許可の場合】:不許可の理由が伝えられる

ビザ申請に必要な書類

就労ビザ申請に必要な書類は、以下の通りです。ビザの種類によっては、ほかの書類が必要になる場合もあります。

必須の書類

すべてのカテゴリの申請で必要となる書類は、以下の通りです。

  • パスポートのコピー
  • 現地企業との雇用契約書及び雇用に関連する書類
  • 滞在資金の証明ができる書類(銀行取引明細書など)
  • 家族を同伴する場合はパートナー、扶養家族の身分証明書

ビザの種類や申請内容によって必要になる書類

ビザの種類や、申請書の記載内容によって、以下の書類の提出が求められることがあります。

  • 警視庁またはオーストラリア連邦警察が発行する犯罪経歴証明書
  • 健康診断の結果(オーストラリア大使館指定の病院で受診する)
  • 申請補助の依頼(登録済みの代理店、弁護士など)
  • 家族を同伴する場合は家族関係を証明する書類(婚姻証明書、家族関係登録証明書など)

 

健康診断について、最新の指定病院の情報はオーストラリア移民局の公式ページで確認できます。※2024年3月現在、札幌・東京・大阪・神戸の計6か所の病院が指定されています。

ビザ申請にかかる費用の目安

就労ビザの申請費用として、申請時にImmiAccountで支払う手数料のほかに、書類の翻訳料、証明書発行手数料、健康診断費用(必要とされた場合)などがかかります。

 

翻訳料金は、目安として1文書あたり5,000円程度です。

 

健康診断費用については、東京の聖母病院の場合は短期ビザ・11歳以上で19,800円となっています。

ただし、病院により金額が異なるため、念のため確認しましょう。

就労ビザ申請時に気を付けたいポイント

就労ビザ申請時には、以下の点に気を付けてください。

日本語の書類は公的な翻訳サービスを使って英訳する必要がある

ビザの申請書類は、すべて英文で作成する必要があります。

 

日本国内で発行された書類の多くは日本語で作成されています。従って、申請書類として提出するためには英語訳を添付しなければなりません。

 

英語に自信のある方でも、ご自身で行った翻訳は通常認められないことから、プロの翻訳サービスに依頼する必要があります。

就労ビザの申請準備や申請書類は確実に行おう

就労ビザの申請書類に不備や記載漏れがあると、修正や追加書類の提出を求められるか、そのままビザが不許可になってしまいます。

 

申請書類に不足や記載漏れ、英語訳添付漏れがないように、提出書類は形式・内容とも確実なものにしましょう。

申請には時間がかかる

ビザ申請にあたっては、さまざまな書類を集める必要があり、手続き自体に時間がかかります。また、審査にも時間を要します。

 

就労ビザの場合、申請書類に不備がない場合でも、申請から結果通知まで4週間程度かかることがあります。

 

ビザの申請には、余裕を持ったスケジュールを組むようにしましょう。

ImmiAccountは頻繁にチェックしよう

ビザ申請後、移民局から下記の修正指示などのメールが届くことがあります。メールが迷惑メールフォルダに入らないように設定しておいてください。

 

何らかの理由でメールが届かないことがあっても、同内容の通知がImmiAccount上で確認できます。

 

ビザが発給されるまでは、定期的にImmiAccountにログインして状況を確認しましょう。

必要書類の漏れやミスがあるとビザが却下される

必要書類の記載漏れや誤記載、文書間の記載事項の不一致などがあると、ビザが不許可になってしまいます。

 

場合によっては、修正や追加書類の提出を求められることがあります。

修正や追加書類提出を行う場合、原文が日本語であれば修正箇所や追加書類にも英語訳を添付しなければなりません。

 

また、不許可になった場合は、通知で不許可の理由が伝えられます。再申請は可能ですが、不許可になった件の申請費用は返還されません。

申請後に申請事項の誤りに気づいた場合は修正依頼が可能

申請後に記載事項などの誤りに気づいた場合、オーストラリア移民局に修正依頼ができます。

 

修正依頼の方法は、修正箇所によって異なりますが、以下のいずれかによります。

  • ImmiAccountで規定のフォームに入力して提出する
  • 登録アドレスから担当者にメールで連絡する

 

なお、ビザが許可された場合でも、申請内容の誤りに気づいたときは、速やかに修正依頼を行ってください。

 

なぜなら、最終的な入国許可の判断は入国審査官が行うため、申請内容に誤りがあると、入国許可が下りない可能性もありますので、ご注意ください。

その後の永住権申請で不利になることも!

また、書類に不備や記載漏れがあると、再審査でビザが発給されたとしても、その後に永住権申請した場合に審査で不利になる可能性があります。

 

将来的な永住権の申請においても影響を及ぼす可能性があることから、初回の申請・書類提出の時点で気を付けておくことが重要です。

家族は同伴できるが家族の就労・就学はできない

就労ビザの申請者は、家族やパートナーを同伴して渡航できます。

 

家族やパートナーを同伴する場合は、同行する人数分の必要書類を用意して申請してください。

 

ただし、就労ビザ申請書に記載された家族やパートナーについては、オーストラリア国内で就労や就学が認められていません。

 

家族やパートナーがオーストラリアでの就労や就学を希望する場合は、それぞれの方が別途に申請を行ってください。

行政書士などの専門家にビザ申請代行を依頼するのもおすすめ

就労ビザの申請に際しては、申請者本人が提出書類を準備する必要があるほか、カテゴリによっては雇用主の方でも書類作成・提出が求められています。

 

申請者側が不足・記載ミスなどなく書類を揃えると同時に、雇用主側と連絡をとる必要が生じることもあります。

 

申請手続きにかなりの時間や労力がかかることから、行政書士などの専門家にビザ申請代行を依頼するのもおすすめです。

頻繁に変更があるビザの最新情報に詳しい

ビザに関する情報は変わりやすく、とても複雑です。

その時期の国際情勢や、政府の移民政策、経済政策によって、頻繁に法改正や制度変更、運用などにも変更が行われます。

 

オーストラリア就労ビザに関しても、最近では年収要件や申請手数料が引き上げられています。

そのほか、学生ビザ関連においても、英語力の要件も厳しくなっています。

 

この点、インターネットで得られる情報は、最新の法改正に追いついていないことも多くあります。

 

このような問題点において、行政書士は渡航国のビザ関連の情報を詳細に把握しています。

 

ビザ申請を専門とする行政書士に相談すれば、最新の制度に沿ってアドバイスさせていただきます。

書類の不備やミスを確実に防げる

提出書類に不備や記載ミスがあると、そのままビザ申請が却下される可能性があります。

 

修正や追加提出を求められることもあり、この場合は、指示に従って修正書類や追加書類の提出を行えば再審査してくれます。

 

しかし、修正作業や追加書類の収集にも時間がかかるうえ、審査をやり直しになるため、審査期間がさらに長くなってしまいます。

 

また、修正や追加提出を求められた書類が日本語で作成されている場合は、修正部分や追加書類の英語訳を添付する必要も生じます。

 

ビザ申請を専門とする行政書士に依頼することで、書類の不備やミス、それによって生じる時間や労力、費用の増加などを予防できます。

申請のための情報集めや書類作成の時間を節約できる

就労ビザの申請にあたっては、必要となる書類の種類が多く、収集だけでも時間と手間がかかります。

 

さらに、平日の昼間しか開いていない役所に出向く必要もあります。就労ビザ申請者の多くが社会人であることから、その都度仕事の休みをとらなければなりません。

 

また、提出書類に不備があった場合は、書類の修正や追加が必要になるので、審査にかかる時間がより長くなってしまいます。

 

ビザ申請を専門とする行政書士に依頼することで、申請者が書類収集・作成に費やす時間と労力を大幅に減らせます。

まとめ

現在、オーストラリアでは移民抑制策によって、就労ビザの要件が厳格化しています。

一方で、コロナ禍の影響で熟練労働者が不足していることから、専門性の高い職業に就いている外国人に対しては、永住権申請要件が緩和されるなど、ハードルを下げる動きもみられます。

 

「長期的にオーストラリアで英語力と技能を身につけながら、永住を目指したい」という方には、

  • 比較的取得が容易なワーホリビザ→就労ビザでの就労→永住ビザを申請する

という方法もあります。

 

就労ビザを確実に取得するためには、時間の節約や、確実な申請、情報取得やビザの獲得にも有利と考えられる専門家のサポートを受けるのがおすすめです。

 

オーストラリアでの就労ビザ取得をご希望の方は、ぜひビザ申請を専門とする行政書士にご相談ください。

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