創業融資

飲食店開業での創業融資の受け方

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飲食店開業にはどのくらいの資金が必要となるでしょうか。

規模や業態によっても当然変わってきますが、平均的には1000万~1500万円の費用がかかります。

自己資金だけで開業資金の1000万円を用意しなければいけないというのは、多くの人にとって簡単なことではないでしょう。

そこで、ここでは飲食店開業での創業融資の受け方について解説します。

1 飲食店開業での創業融資の受け方の種類

飲食店開業をしてから軌道に乗せるまでには、およそ6割の飲食店が半年以上かかっています。したがって、創業融資を受けることは、安心して資金繰りをさせるためにも、とても重要です。

では、飲食店開業での創業融資を受けるにはどのような方法があるでしょうか。

資金調達方法を「融資」に絞って見てみると、以下の方法があります。

①日本政策金融公庫からの融資制度を利用する方法

日本政策金融公庫からの創業融資制度としては、次の2パターンがあります。どちらの制度も無担保・無保証で利用可能なので、創業融資として多くの方が利用しています。

(1)新創業融資制度

この制度は、新しく事業を始める方や、税務申告を2期終えていない方が、新事業開始のため、または事業開始後に必要になる設備資金や運転資金として無担保・無保証で融資を受けられる制度です。

(2)中小企業経営力強化資金

この制度は、創業したばかりの飲食店だけでなく、既存の飲食店も利用できる制度ですが、新創業融資制度のような自己資金に関する要件はなく、代わりに認定支援機関のサポートを受けている、という要件が必要になります。

②地方銀行や信用金庫の制度融資を利用する方法

事業規模にも拠りますが、飲食店がメガバンクから創業融資を受けるには、とてもハードルが高い傾向にあります。

そこで、地方銀行や信用金庫から融資を受ける方法があります。地方銀行・信用金庫によっては、スタートアップローンなど創業融資を積極的に行っているので、そのようなプランを利用するのもおすすめです。

では、創業融資を受ける方法として人気である日本政策金融公庫の融資制度について詳しく見てみましょう。

2 日本政策金融公庫からの融資制度「新創業融資制度」

日本政策金融公庫は他の金融機関に比べて利率が低く無担保・無保証という好条件で融資をしてくれるので、創業する多くの方が利用しています。

そして、創業融資の一つとして人気があるのが、先ほど紹介した日本政策金融公庫の「新創業融資制度」です。

この新創業融資制度は、その名の通り創業時又は創業間もない方が対象です。

具体的には、次のすべての要件に該当する方が対象となります。

①新たに事業を始める方または事業開始後税務申告を2期終えていない方

②新たに事業を始める方、または事業開始後税務申告を1期終えていない方は、創業時において創業資金総額の10分の1以上の自己資金(事業に使用される予定の資金)を確認できる方

ただし、「現在お勤めの企業と同じ業種の事業を始める方」、「産業競争力強化法に定める認定特定創業支援等事業を受けて事業を始める方」等に該当する場合は、本要件を満たすものとされています。

以上、新創業融資制度が受けられる要件を確認しましたが、実務的には、さらに絞られており、自己資金に関しては、創業資金総額の3分の1程度なければ融資は通りにくい傾向があります。

また、この制度による融資限度額は3,000万円(うち運転資金1,500万円)なので、一般的な飲食店開業資金としては充分ですが、実際の貸し出し金額の平均はというと、300万円ほどとなっています。

さらに、支店で決裁が出来る上限額は1000万円ですので、1000万円以上の融資を受ける必要がある場合には本店決裁となり、より審査が厳しくなることも念頭に置いておく必要があります。

3 日本政策金融公庫からの融資制度「中小企業経営力強化資金」

新創業融資制度と同様によく利用されているこの「中小企業経営力強化資金」は、融資上限額が7,200万円(うち運転資金4,800万円)と新創業融資制度に比べ高く、利率も約1%低いことがメリットです。

ただし、認定支援機関を通す必要があるため報酬が発生してしまうことや、事業計画の進捗報告が必要になることなどがデメリットといえるでしょう。

この制度を利用できる方は、次の①または②に該当する方です。

①次のすべてに該当する方

・経営革新または異分野の中小企業と連携した新事業分野の開拓等により市場の創出・開拓(新規開業を行う場合を含む)を行おうとする方

・自ら事業計画の策定を行い、中小企業等経営強化法に定める認定経営革新等支援機関による指導および助言を受けている方

②次のすべてに該当する方

・「中小企業の会計に関する基本要領」または「中小企業の会計に関する指針」を適用している方または適用する予定である方

・事業計画書を策定する方

この制度も、実務的には実際の限度額は2000万円程度と考えておきましょう。

4 まとめ

いかがでしょうか。飲食店開業での創業融資にはいくつか種類があり、創業計画書の作成も必要になってきます。融資の利率やスピードなどを考慮して適切な融資を受けるようにしましょう。

この記事の監修

さむらい行政書士法人 代表 / 小島 健太郎

行政書士/財務コンサルタント

吉野 智成(よしの ともなり)

プロフィール

大学卒業後、税理士事務所で中小企業の会計を支援。
2019年 行政書士登録、個人事務所を開設
2021年 補助金・融資部門を法人化。「株式会社Gunshi」を設立
専門分野:事業者向け補助金、融資申請支援

書籍

中小会社で活用できる「補助金」のことがわかる本』(セルバ出版)

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