日本政策金融公庫から創業融資を受ける際には、融資の申し込みの際に、「創業計画書」を一緒に提出しなくてはいけません。
創業融資とは、読んで字のとおり、「会社を起業するにあたり必要な起業資金」を融資する制度になります。
日本政策金融公庫の創業融資を申し込む場合には、「創業計画書」の提出が必要になります。以下に「創業計画書」の書き方について解説をしていきます。
日本政策金融公庫をはじめとする金融機関から融資を受けようとする場合、融資の申し込みにあたっては、会社の成績表ともいえる決算書を一緒に提出するのが一般的です。
融資をする側である日本政策金融公庫側からすると、会社の経営状況や、今後の事業の見通しなどを決算書から判断します。そのため会社の決算書は融資審査の重要書類になります。
しかしながら、創業したばかりの会社は決算を迎えていないため、当然決算書類を融資の申し込みの際に提出することができません。そうなると日本政策金融公庫は何を審査の基準にするかというと「創業計画書」に融資審査を行う事になります。
「創業計画書」は簡単にいうと、自社の事業が今後順調に進んで、問題なく借りた融資の金額を返済できる力があるということを日本政策金融公庫側にアピールする物になります。
ではどの様な点に気をつけて「創業計画書」を作成するかみていきましょう。
書き方ポイント① 日本政策金融公庫側の立場になって考えてみる
日本政策金融公庫というものは、新規産業を生み出して、育成することを業務の柱にしています。これは、他の金融機関より更に創業時の会社に寄り添う姿勢があるということです。
言い方を変えれば、日本政策金融公庫側も「できれば融資してあげたい」と考えているということです。融資にあたっては日本政策金融公庫の担当者と面談を行う必要があるのですが、担当者が、将来性の見込める新しい会社に融資をして、きちっと融資額の回収することができれば、日本政策金融公庫の担当者としても金融マン冥利に尽きるというものです。
その反面、融資した金額が回収できないとなると、大変な事になりますから、融資担当者に
安心して融資をしてもらえるような説得力のある内容で作成をしないといけません。
また、なるだけ客観的に自社をみつめて作成することをお勧めします。計画書だからといって実現不可能な内容を盛り込んでしまっては、間違いなく突っ込まれてしまい、その突っ込みに対応できないと計画性がないとの判断を受けてしまうこともあります。
決して大風呂敷を広げる必要なないのです。実現可能な範囲でできるだけ客観的に考え、日本政策金融公庫側からの指摘に対しては明確に回答できる内容にしましょう。
書き方ポイント② オリジナルの創業計画書を作る為に書式も自社で作成する
日本政策金融公庫のHPには、創業計画書の雛形がダウンロードできるようになっています。ただこの雛形は、一度見て頂くと分かる通り、記入スペースが非常に小さく、自社をアピールする文章を書くことができません。
自社の情報やアピールポイントは非常に重要な項目になりますので、日本政策金融公庫のHPにある雛形はあくまで参考として活用し、自社オリジナルの雛形を作成して使用する方がよいと思います。
書き方ポイント③ 創業計画書を補足する資料は必ずつける
創業計画書には自社の概要や、事業内容などとともに、きちんと返済ができることを立証しないといけません。そのため、その証明として「資金繰表」を一緒に提出して、日本政策金融公庫の担当者に安心してもらうことが必要です。
また「市場調査の報告書」や「損益計算書」などをつけることも融資を受ける際に効果的です。「市場調査の報告書」とは自社の業界における立ち位置はどうなのか? 簡単いうと同業他社と比べて、自社の優位な点はなにかを市場調査の結果を元に、日本政策金融公庫の担当者にアピールするものになります。
また「損益計算書」は、仮に事業をした場合に、毎月いくらの売上になって、いくらの経費がかかり、利益はどれくらいになるのかをまとめた表になります。決算書がない以上あくまで予測になりますが、どれくらいの規模の売上や利益になるのかを予測して、日本政策金融公庫に伝える事で、「創業計画書」自体の説得力が増します。
他にも創業計画書の内容を補足するような資料、例えば写真やカタログなども用意することが望ましいです。
書き方ポイント④ 作成した創業計画書は、自分で説明できるようにしておく
融資にあたっては担当者との面接があります。その際に作成した創業計画について自分で説明できるようにしたり、担当者からの質問には答えられるようにしておくことが重要です。そのため、あまり飛躍した内容ではなく、実現性のある内容で事業計画書を作成し、自分の頭の中に内容を整理しておく必要があります。
以上が日本政策金融公庫から希望満額融資を受けるための創業計画書の書き方のポイントになります。