中小企業で資金繰りに困っている方やコロナ禍において手元のキャッシュを増やしておきたいという方は多いと思います。
今回は中小企業が受けることのできる商工中金の融資についてご説明します。
事業主が借りられる金融機関は?
事業主が設備資金や運転資金を借りる方法はいくつかありますが、金利が高いカードローン等を除けば、つぎのような方法があります。
①日本政策金融公庫
②商工中金
③保証協会を利用
④プロパー融資
日本政策金融公庫と商工中金はどちらも政府が出資する政府系の金融機関で、中小企業者に対し、融資を行ってくれます。
また、保証協会を利用した融資やプロパー融資は、民間の金融機関から融資を受ける方法で、信用金庫などから融資を受けます。
(保証協会を利用する場合は保証協会の審査もあります。)
こうしたいくつかある融資のうち、日本政策金融公庫や信用金庫等からは融資を受けたことはあるけれど、商工中金はよくわからないという方も意外と多いです。
日本政策金融公庫と商工中金との違い
日本政策金融公庫と商工中金はどちらも政府系の金融機関です。
ですが、商工中金は日本政策金融公庫とはちがって100%政府出資ではなく、また融資を受けられる事業者も異なります。
日本政策金融公庫は実績が全くないような創業間もない事業主でも融資を受けることができます。
そのため、創業融資を受けたいという場合は、まだ売り上げがそれほど多くないというような場合にも融資を受けることができるので、事業を始めたばかりの個人事業主の方や小規模事業者にお勧めです。
一方、商工中金はある程度実績のある中小企業を対象に融資をしており、まだ事業を始めたばかりで売り上げもそれほど大きくないというような方では融資を受けることができません。
商工中金で融資を受けられる目安は年商1億円以上
商工中金から融資を受けられるようになるのは、年商1億円以上ある中小企業者です。
ですから、年商が1億未満の事業者の方は、まずは日本政策金融公庫や保証協会を利用した融資を受けて、実績を積んでから商工中金の融資に申し込むようにしましょう。
ただ、順調に業績が上がっていて、今期1億円以上になりそうということであれば、前期で年商が1億円を超えていなかった場合も商工中金から融資を受けられる可能性があります。
商工中金で融資を受けるメリット
商工中金で融資を受けるメリットは、利息が低いということです。
日本政策金融公庫や保証協会を利用した融資よりも基準が厳しく、事業規模が大きくなければ融資を受けにくい商工中金ですが、信用金庫等からのプロパー融資やローン会社からの借り入れよりも利息が低く設定されており、その点事業者にとって大きなメリットになります。
また、政府系金融機関であることから、コロナショックのような特別な状況下において経営が厳しくなったとき等に柔軟に対応してもらえることもメリットと言えます。