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商工中金についてわかりやすく解説!

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商工中金という言葉を聞いたことがあるけど、具体的にどんな業務をおこなっているのかよくわからないという方も多いのではないでしょうか?資金繰りでよく耳にするけど商工会議所とは違うのか、などなど疑問がある方もいらっしゃると思います。

 

今回は商工中金についてわかりやすく解説していきたいと思います。

 

商工中金とは

商工中金とは略称であり、正式名称は「株式会社商工組合中央金庫」といいます。名前からもわかるとおり、株式会社になります。ただし、完全に民間の株式会社ではなく、政府との共同出資をして設立された株式会社になります。

政府系の金融機関としては、日本政策金融公庫とこの株式会社商工組合中央金庫(略して商工中金)の2つがあげられますね。

 

商工中金が日本政策金融公庫と違うのは、預入業務もおこなっており、通帳やキャッシュカードも発行されます。いわば、普通の銀行と同じ業務をおこなっていますので、民間の都市銀行や地方銀行と遜色はありません。民間の金融機関と違うのは、危機対応の融資制度が利用できるところです。台風や地震などの災害で経営に支障をきたしてしまった中小企業に運転資金を融資するという制度が利用できるのです。

 

商工中金ときいて、商工会議所を思い浮かべる人も多いと思います。もちろん商工中金と商工会議所は情報交換などで連携しておりますし、活動目的も地域社会の発展のための活動ということで似ています。ただ、商工会議所が直接融資をするというサービスはありませんので、商工中金との違いになりますね。

 

商工中金を利用するメリット・デメリット

商工中金では融資を受けることができ、1番のメリットは金利が低いことがあげられます。年利で1%台となっており、民間の金融機関に比べれば破格の金利になっています。また、政府の出資も入っていますので、危機対応融資として自然災害などで経営に支障きたした際に利用できる点もメリットとなります。

 

一方デメリットですが、商工中金から融資を受ける際には株主になっているか、株主の構成員になっていなければ融資を受けられません。商工中金の融資制度としては、組合貸と構成員貸の2種類の方法しかありません。

 

組合貸とは、商工中金の株主に対して融資制度を利用できるものであります。構成員貸とは、利用したい事業者が所属する団体が株主である場合に利用できるものになります。

所属する団体が株主かどうかですが、下記のような団体になります。

  • 協同組合、協同小組合、共済協同組合、共済協同小組合、火災共済協同組合、信用協同組合など
  • 協業組合、商工組合、工業組合、商業組合、商工組合連合会など
  • 商店街振興組合、商店街振興組合連合会、生活衛生同業組合、生活衛生同業小組合、生活衛生同業組合連合会など
  • 酒造組合、酒造組合連合会、酒販組合、酒販組合連合会、酒販組合中央会など
  • 海運組合、海運組合連合会、輸出組合、輸入組合など
  • 市街地再開発組合など

 

商工中金の過去の不祥事

商工中金の不祥事ということで、2017年の10月にニュースで大きく報道された不正融資になります。商工中金のほぼ全支店が関与して、職員813人が処分されました。

内容としては、実際には融資の対象にならない赤字である企業や事業者にも、破格の低金利で融資を持ち掛けて不正融資を実行していったものになります。

 

この不正融資が発覚した直後では、商工中金では融資の審査はすごく厳しくなり、超優良企業しか融資がとおらないんじゃないかといわれるほどでした。

現在は、政府系の金融機関ではありますが、一般の民間企業並みの審査になっております。

 

 

いかがでしたでしょうか。今回は商工中金についてわかりやすく解説させていただきました。政府からの出資が入っておりますが、完全民間金融機関とそれほどかわりはありません。創業融資などを考えている場合には、商工中金ではなく日本政策金融公庫のほうが融資がとおりやすいでしょう。

 

 

メモ

経営を続けてきて、会社のステージがあがってきたという際には活用できる可能性が高いです。少しでも商工中金のことを理解して、資金繰りの際には活用できるようにしておくと良いものと思います。もし、商工中金を活用したいけど難しいと感じるような場合には、行政書士等専門家のサポートを受けることで手続きを円滑に、確実に進めることができます。依頼するための費用は内容により数%程度かかりますが、自分自身でする場合の時間や手間、そもそも自分自身できるのかどうか等の要素を比較しながら、利用を検討してみてください。

 

 

この記事の監修

さむらい行政書士法人 代表 / 小島 健太郎

行政書士/財務コンサルタント

吉野 智成(よしの ともなり)

プロフィール

大学卒業後、税理士事務所で中小企業の会計を支援。
2019年 行政書士登録、個人事務所を開設
2021年 補助金・融資部門を法人化。「株式会社Gunshi」を設立
専門分野:事業者向け補助金、融資申請支援

書籍

中小会社で活用できる「補助金」のことがわかる本』(セルバ出版)

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