日本政策金融公庫は、創業間もない企業の向けに「創業融資」制度を持っています。創業融資のなかでも「新創業融資」というものは活用されている事業者の方も多いです。
日本政策金融公庫の返済金利は何%くらいなのか?審査は簡単なのか?疑問をお持ちの方もいるかと思いますので、解説をしていきます。
日本政策金融公庫の新創業融資制度は、創業期の資金繰りが苦しい時に強い味方になってくれる融資制度です。
融資を受ける対象者も、新たに事業を始める方か、既に事業を開始されている方でも2期目の申告を終えていない人が対象になります。
融資資金の目的も運転資金、設備資金の両方に活用でき、融資限度額も3000万円となっています。また原則無担保で保証人も不要になっています。
日本政策金融公庫は新創業融資以外の創業融資制度もあり、新創業融資だけみても非常に条件がよい融資であるとういことが言えるとおもいます。それでは日本政策金融公庫の創業融資の金利はどれくらいになるかというと、実は融資制度によっても違いますし、融資を受ける事業者の条件によって変動があります。
新創業融資の金利
例えば、新創業融資制度を活用する創業2期以内の事業者の場合の年間金利は、基準利率で2.46%から2.85%です。
新創業融資制度は原則無担保、保証人不要ですので、上記の金利になります。ただし、原則無担保であるだけで、担保を出す場合の基準利率は1.21%から2.20%まで下げる事ができたりします。
新創業融資以外の創業融資の基準利率は2.16%から2.55%になります。
上記はあくまで基準利率のため、それ以外にも、日本政策金融公庫の内部基準による特別利率が設定されており、その基準を満たすと、更に低金利で融資を受ける事も可能になります。
この様に、低金利の融資を受ける事ができる日本政策金融公庫の創業融資ですが、融資審査はどうなのか? 簡単なのか? その点についても解説していきます。
創業融資の審査は簡単?
まず日本政策金融公庫の融資を受ける為の流れとしては、
日本政策金融公庫の融資を受ける為の流れ
- 必要書類の準備
- 融資の申し込み(申請)
- 面談
- 融資審査
- 結果通知・融資実行
この様な流れになります。
日本政策金融公庫の融資は、申し込めば必ず融資が受けられるものではありませんし、その為には、事前の書類の準備をしっかり行わないといけません。
融資の申し込みに必要な資料として「創業計画書」などの資料を作成して日本政策金融公庫に融資申し込みの際に提出します。
この「事業計画書」というものは、会社を運営していくうえでの、企業方針は始め、自社の事業内容や、同業他社と比べての強み、今後の売上や利益の推移予想などを盛り込んで作成するもので、融資をうける会社のアピール文章になります。
日本政策金融公庫の融資担当者は、「事業計画書」や決算書類の内容を吟味して融資が可能かどうか、もっと言えば、「融資をしたとして、ちゃんと滞りなく返済ができる会社なのかどうか」を審査にかけるわけです。
日本政策金融公庫も金融機関の1つですから、銀行などと同じく融資をしても返済ができないような会社には融資を行うことはありません。
ですからまずは、しっかりとした「計画書」を準備することが肝心です。またいくらアピールをしたいからといって「実現性の薄い」計画書になると、「世間を甘くみている」とか「計画性がない」などのマイナス評価を受ける場合もありますので、その点も注意して計画書は作成するべきです。
また、日本政策金融公庫の融資をうけるうえでは、日本政策金融公庫の融資担当者との面談があります。この面談の際に、提出した計画書の内容について質問を受けたり、説明を求められることになります。その際に計画書の内容を頭に叩き込んでおかないと、見当外れな回答をしてしまったり、場合よっては「事業に対する本気度」に疑問を持たれたりすることもありえます。
「日本政策金融公庫の融資は通りやすい! 融資審査は簡単!」と言っている経営者の方は、実は、必要な書類の準備をしっかり行い、計画書をしっかりと作りこみ、その内容を頭に入れて、融資の申し込みや、その後の面談に臨まれている方が多いです。
ちゃんと事前の準備をおこなっているからこそ、「日本政策金融公庫の融資は簡単」「融資審査が通りやすい」と感じているのかもしれません。
それはあくまで、しっかり準備を行って申し込みをされた方の「私感的な感想」であって、絶対的に日本政策金融公庫の融資審査が簡単で甘いというわけではないのです!
事業計画書を始めとする書類や事前の準備をしっかり行わなかった方で日本政策金融公庫の融資審査が通らず、融資を受ける事ができない事業者の方もおみえになります。
ですから日本政策金融公庫の融資審査は簡単?甘いの?の質問に対する答えとしては、
「準備を怠らずにしっかりと行って臨めば、審査が甘いと感じる事もあります」という回答になるかと思います。
メモ
日本政策金融公庫に融資を申し込む際には、行政書士の様な専門家にサポートを受ける事もできます。ご自身で融資を申し込むのに不安を感じている方は早めに専門家に相談をしてみることをお勧めいたします。