日本政策金融公庫からの融資を受ける時には、必ずしも税理士のサポートを受けなくてはいけないのか? 税理士に依頼をするべき?
そんな疑問を持たれている方もおみえになるとは思いますが、必ずしも税理士にサポートしてもらう必要はないとはいえます。ここで誤解のないように言っておきますが、「必ずしも税理士のサポートを受ける必要はない」と言っているだけで、「税理士のサポートを受けてはいけない」と言っているわけではないので、その点を誤解しないでくださいね。
一般的に、税理士は、所得税や法人税、相続税などの税務のスペシャリストであるということは間違いありません。毎年の決算期に税務署に提出する決算書などの作成も税理士の仕事になりますから税務や会計に関しては税理士が一番詳しい専門家であると思います。
ただ「税務・会計」と「融資サポート」は全く異なる業務なのです。
「日本政策金融公庫からの融資」を受けるにあたっては、確かに個人、もしくは自社の社員のみで資料を作成して融資申請するよりは、融資に詳しい専門家にサポートを依頼して進める方がスムーズに準備ができますし、融資審査が通る可能性もあがると思います。
ただ、そのサポートを受ける専門家が必ずしも税理士が適切かというと、そうとは言えない場合もあるということです。
日本政策金融公庫の融資を受けるにあたっては、日本政策金融公庫に対して、「創業計画書」や「事業計画書」「決算書」などの資料を作成して、日本政策金融公庫に融資の申請とともに提出しなければいけません。
日本政策金融公庫に融資の申請には、日本政策金融公庫の担当者との面談なども行う必要があります。
また、融資の申請をしたからと言って、必ず申請した希望通りの金額が融資される保証はなく、場合によっては希望融資額を大きく下回る金額しか融資されなかったり、場合によっては融資そのものが認められない事があります。
この様に融資を申請する前には、事前準備をしっかり行う様にする必要があります。当然、融資に関してはご自身で行うより、専門家のサポートを受けた方が安心・確実ではあります。
当然その専門家の中には税理士も候補に入りますが、「税務」と「融資サポート」は違う業務です。税務ができるからといって全ての税理士が「融資サポート」に強いというわけではありません。税理士の先生で税務会計以外に融資サポートも積極的に行っている先生は税理士全体の2~3割くらいという感じです。
専門家に融資のサポートを依頼するメリットを考えた場合
①日本政策金融公庫の審査を通る可能性があがる。
「事業計画書」や「創業計画書」を専門家が第三者的な目でみることにより、融資を受けたい人が自身で見るよりも客観的確実性のある資料を作ることができ、資料の説得力があがり、融資審査に通りやすくなる。
②良い条件で融資を受けられるようになる可能性があがる。
日本政策金融公庫も金融機関の1つです。当然融資申請者の返済能力が高いか、低いかを判断して信用のある人にはよい条件、例えば低金利で長く融資するなど、借りる側にとって有利な条件で融資を受けることができる可能性があがります。
当然、融資サポートを行う専門家はそのノウハウを蓄積していますので、日本政策金融公庫からの信用力も高まると思われます。
③書類の作成や手続きの代行をしてもらえる。
日本政策金融公庫からの融資を受ける為には、様々な書類を用意したり、作成したりなくてはいけません。融資を希望する人が全て一人で行おうとしても、できないとは言いませんが、
本来の会社の業務が疎かになる可能性があります。
自分は本来の自分の業務に専念して、面倒な書類作成や手続き業務などは専門家にまかせる方が効率的な進め方であると思います。
日本政策金融公庫からの融資を受けるためのサポートを専門家に任せる場合のメリットとしてはもっとあるかもしれませんが、少なくとも上記3点は大きなメリットであると思います。
では、具体的にどのような専門家に任せればいいのか?
それは「融資サポート業務に強い専門家」を選ぶことです!
誰が融資サポートに強いか判断がつかない!と思われる方も多いとおもいますので、ずばり言うと「認定支援機関」として認定されている専門家に任せるのが一番よいです。
「認定支援機関」とは、融資に関する専門知識や実務経験が一定レベル以上の専門家に国が認定する公的な支援機関の事をいいます。公認会計士や弁護士、税理士、中小企業診断士、行政書士等の専門家が認定されています。
繰り返しになりますが、融資のサポートには融資サポートに強い専門家に任せるのが最善な方法であると思います。その1つの目安が「認定支援機関」に認定されているかどうかが基準になります。税理士にも、融資サポート業務を専門として、認定支援機関に認定されている税理士もいれば、融資サポート業務を全く取り扱っていない税理士もいます。
逆に税理士でなくても、例えば認定支援機関に認定されている行政書士や中小企業診断士の先生もいます。
いずれにせよ融資を検討されている場合は、専門家のサポートは受けた方がスムーズであると思います。