マル経融資とは、正式には小規模事業者経営改善基金といい、商工会議所や商工会の推薦を受けた小規模事業者が無担保・無保証人で受けることができる融資のことです。
マル経融資は商工会議所等の推薦が必要になるため、必ず商工会議所等を通じて申込をする必要があります。
マル経融資は小規模事業者をバックアップする融資制度
マル経融資とは正式には「小規模事業者経営改善資金融資制度」といい、商工会議所等で経営指導を受けた方に対して、無担保・無保証人で融資を行う制度のことです。
マル経融資は政府系金融機関である日本政策金融公庫が実施する融資制度であることから、営利は目的としておらず、小規模事業者の経営を応援するための融資制度です。
商工会議所や商工会等で経営指導を受けることで、無担保・無保証人で利息も比較的安く融資を受けることができます。
【融資条件】
資金の使いみち | 運転資金 | 設備資金 |
融資限度額 | 2000万円 | |
返済期間 (うち据置期間) |
7年以内 (1年以内) |
10年以内 (2年以内) |
利率 | 特別利率F(令和2年8月3日現在 年利1.21%) | |
保証人 | 不要 | |
担保 | 不要 | |
その他 | 商工会議所会頭、商工会会長等の推薦が必要 |
融資までの流れ
①商工会に加入する
マル経融資を受けるためには、商工会議所から推薦を受けなければなりません。
まずは融資を受ける1年以上前に商工会へ加入しておかなければなりません。
②申込、経営指導
マル経融資を受けるための申し込みは商工会議所を通じで行います。
融資の利用条件となる経営指導も受けなければなりません。
③商工会議所からの推薦
原則6か月以上の経営指導を受けて経営改善に取り組み、商工会議所から推薦をもらいます。
④審査結果の通知
⑤融資契約
⑥融資実行
マル経融資の必要書類
【法人の場合】
マル経融資は小規模事業者を対象としておりますが、条件に該当していれば法人であっても融資を受けることが可能です。
法人の場合には次のような書類が必要になります。
- 前期・前々期の決算書と確定申告書
- 決算後6か月以上経過の場合は最近の残高試算表
- 法人税・事業税・法人住民税の領収書又は納税証明書
- 商業登記簿謄本(履歴事項全部証明書)
- 設備資金の申し込みの場合は見積書やカタログ
【個人事業者の場合】
- 前年・前々年分の決算書(または収支内訳書)および確定申告書
- 所得税・事業税・住民税の領収書又は納税証明書
- 設備資金の申込みの場合は見積書・カタログ等
また、マル経融資の申込には次のような書類も必要です。
- 事業概要申告書
- 個人情報の利用に関する同意書
- 事業計画書(1500万以上の場合)
その他、不動産登記簿謄本(全部事項証明書)や固定資産評価証明書、賃貸借契約書、許認可業務の許認可書のコピー等も必要になることがあります。
商工会議所の担当者に気に入られる必要がある!?
マル経融資を受けるためには、商工会議所の推薦状が必要です。推薦を受けるためには、原則6ケ月以上の経営指導を受ける必要があります。
ただ、この経営指導を受ければ必ず推薦がもらえるというわけではありません。
マル経融資を利用しようと考えている場合は、日頃から商工会議所を訪れ、経営指導員と良好な関係を築いておくことが得策です。
いかがでしたでしょうか。融資条件からみて、マル経融資は小規模事業者にとってとても利用しやすくメリットの多い融資制度です。
ただし、マル経融資を受けるためには、申告書や条件に合致していることを示すための納税証明書等の書類を収集するだけでなく、商工会議所からの推薦が必要になります。
マル経融資を受けたいと思っている方はまず、商工会議所へ行ってみると良いでしょう。
メモ
また、マル経融資のことでわからない点がある場合や、資金調達についてのお悩みがあれば、融資に強い専門家に相談してみるのも良いと思います。