日本政策金融公庫

日本政策金融公庫は借り換えできるか?

無料診断

無料診断

他の金融機関で借りていたお金を日本政策金融公庫で借り換えをしたいとお考えの方は多いのではないでしょうか?

 

資金繰りに困っていてなんとか借り換えをしたいとお困りの方もいらっしゃると思います。今回は、日本政策金融公庫は借り換えできるか?という疑問にお答えをしていきたいと思います。

 

結論から言いますと、日本政策金融公庫で借り換えはできません。なぜかといいますと、日本政策金融公庫は日本国のお金で運営をされておりますので、民間企業の経営を圧迫してはいけないというタブーがあるのです。

 

たとえば、国お金で運営している日本政策金融公庫が、民間の金融機関などより低い金利で借り換えをしてしまうと、民間の金融機関は圧倒的に不利な状態で競争させられてしまいます。そのため、国が民間の企業経営を圧迫することはタブーとされているのです。

 

1、追加融資や新規融資を検討しよう!

日本政策金融公庫で借り換えはできませんので、すでに日本政策金融公庫から借り入れがある場合には、「追加融資」を検討し、借り入れがないなら「新規融資」を検討してみましょう。

 

ただし、日本政策金融公庫から追加の融資や新規の融資を仮に受けれたとしましても、その受けれたお金を別の金融機関から借りているお金の返済に充てることは絶対にやめてください。これをしていることが日本政策金融公庫に発覚した場合には一括返済を求められてしまう可能性があるのです。

 

そもそも日本政策金融公庫からの融資というのは、事業資金として融資を実行されます。自分自身のビジネスを発展させるための資金として運用し、そこから利益が出て返済に回す、というのが本来のお金の回し方になります。それを、他の金融機関から借りたお金が返せないから他のところから新たに借りたお金を返済に回すというのは、そもそも自分自身の事業が破綻している証拠になります。したがって、日本政策金融公庫から追加で融資や新規の融資を受けれたとしても、絶対に他の金融機関の返済に充てるのはやめましょう!

 

2、追加融資にオススメの3つの制度

日本政策金融公庫から追加で融資を受けるのにおすすめの制度が下記になります。以下の制度は、担保や保証人が不要で融資を受けられ、対象とする範囲も広いので、多くの事業者が利用できる可能性が高い制度となります。

  1. マル経融資
  2. 新創業融資
  3. 中小企業経営力強化資金制度

 

それぞれの利用条件を見ていきましょう。

 

①マル経融資

マル経融資とは、創業してから1年以上経過していて、商工会議所などで原則6ヶ月以上経営指導を受けた人が対象となります。無担保・無保証で借りられる日本政策金融公庫の制度になります。

 

利用条件は以下のすべてを満たす方になります。

 

・従業員20人以下(宿泊業と娯楽業を除く商業・サービス業は5人以下)の法人・個人事業主の人

・商工会議所の経営・金融指導を受けて事業改善に取り組んでいる人

・最近1年以上、同一会議所の地区内で事業を行っている人

・商工業者であり、日本政策金融公庫の融資対象業種を営んでいる人

・税金(所得税、法人税、事業税、住民税)を完納している人

 

 

②新創業融資

新創業融資とは、その名のとおり、創業して間もない事業者が利用できる制度になります。事業開始してから2期までの方も対象となります。もちろんこれも無担保・無保証で借りられる日本政策金融公庫の制度になります。

 

利用条件は以下のすべてを満たす方になります。

 

・新たに事業を始める、または事業開始後、税務申告が2期以内の方

・事業の成長にかけて雇用を生む可能性があること

※なお、本制度の貸付金残高が1,000万円以内(今回のご融資分も含みます。)の方については、本要件を満たすものとします。

・自己資金が、必要としている資金の10分の1以上もっていることを確認できる方

※ただし、「現在お勤めの企業と同じ業種の事業を始める方」、「産業競争力強化法に定める認定特定創業支援等事業を受けて事業を始める方」等に該当する場合は、本要件を満たすものとします。

 

 

③中小企業経営力強化資金制度

中小企業経営力強化資金制度とは、新規事業分野の開拓をおこなっている事業者等が利用できる制度になります。

 

利用条件は下記になります。

 

次のⅠまたはⅡに該当する方

 

Ⅰ、次のすべてに該当する方

・経営革新または異分野の中小企業と連携した新事業分野の開拓等により市場の創出・開拓(新規開業を行う場合を含む)を行おうとする方

 

・自ら事業計画の策定を行い、中小企業等経営強化法に定める認定経営革新等支援機関による指導および助言を受けている方

 

Ⅱ、次のすべてに該当する方

・「中小企業の会計に関する基本要領」または「中小企業の会計に関する指針」を適用している方または適用する予定である方

 

・事業計画書を策定する方

 

 

3、公庫融資借換特例制度ってなに?

日本政策金融公庫では借り換えができないとお答えをしましたが、特例として借り換えができる制度があるのです。それが、公庫融資借換特例制度と呼ばれるものになります。

 

これは、社会的環境の変化や自然災害などの自分ではどうすることもできない要因に限り、特例的に借り換えができるものになります。たとえば、どういうものかといいますと下記のような災害によって資金繰りが困窮している事業者が対象となります。

 

・新型コロナウイルス感染症

・台風19号

・豪雨

・熊本地震

・東日本大震災

 

 

ただし、この公庫融資借換特例制度で借り換えができるのは、日本政策金融公庫からの借り入れ分のみとなります。他の金融機関から融資を受けている分はできませんので、注意してください。

 

 

いかがでしたでしょうか。今回は、日本政策金融公庫は借り換えできるか?という疑問にお答えさせていただきました。他の民間の金融機関から借りた分に関しては、日本政策金融公庫で借り換えはできませんが、すでに日本政策金融公庫から借りている分に関して言えば、社会的環境の変化や自然災害などの自分ではどうすることもできない要因に限り、特例的に借り換えができる場合があるのです。

 

 

メモ

資金繰り厳しく、なにか良い方法がないかとお探しの場合には、行政書士等専門家のサポートを受けることで手続きを円滑に、確実に進めることができます。依頼するための費用は資金調達の内容によりある程度かかりますが、自分自身でする場合の時間や手間、そもそも自分自身できるのかどうか等の要素を比較しながら、利用を検討してみてください。

 

この記事の監修

さむらい行政書士法人 代表 / 小島 健太郎

行政書士/財務コンサルタント

吉野 智成(よしの ともなり)

プロフィール

大学卒業後、税理士事務所で中小企業の会計を支援。
2019年 行政書士登録、個人事務所を開設
2021年 補助金・融資部門を法人化。「株式会社Gunshi」を設立
専門分野:事業者向け補助金、融資申請支援

書籍

中小会社で活用できる「補助金」のことがわかる本』(セルバ出版)

無料診断

無料診断

-日本政策金融公庫

© 2024 経営者のための『日本政策金融公庫の活用ガイド』融資・資金繰りインフォメーション