日本政策金融公庫

日本政策金融公庫の国民生活事業と中小企業事業の違いとは?

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日本政策金融公庫には「国民生活事業」「中小企業事業」「農林水産事業」の3つがあります。

「農林水産事業」はこの名前からも推察できるとおり、農家の方や水産業を営んでいる方向けの融資を含めた経営支援事業のことです。

 

では「国民生活事業」と「中小企業事業」とは一体どのようなものなのでしょうか?日本政策金融公庫の「国民生活事業」と「中小企業事業」の違いを含めて解説していきます。

 

国民生活事業の内容

 

①小規模事業者向けの小口融資

「国民生活事業」のメイン業務になるのが、この小口融資になります。

融資の対象としては、個人事業主や規模の小さい法人経営者の方をメインとしています。

新しく事業を始められる方向けの「新創業融資制度」も「国民生活事業」の扱う融資になります。

 

②セーフティネットとしての機能

こちらも融資の分野になりますが、事業を継続していくと、災害や取引先の影響で

資金繰りが悪化して経営状況がピンチになった際、支援をしてくれるものになります。

 

③海外展開のビジネス支援

海外展開を考えている小規模事業者向けの支援サービスになります。

 

④事業承継や事業再生の支援

跡取り問題も含む事業承継や、事業再生の相談にも応じています。

 

「国民政策事業」では、他にも子供の教育ローンの相談や融資、商工会議所などどと連携した経営アドバイスの事業なども行っています。

 

中小企業事業の内容

 

①中小企業向けの融資

こちらは主に中堅規模の会社を対象にした融資になります。

 

②経営課題の解決

定期的な打ち合わせ等を重ねて、企業診断をして、経営課題の抽出と、その課題に対する対策の考案などのサポートを行います。

 

他にも「国民生活事業」と同様に、セーフティネットとの機能や、海外展開の支援事業等も手がけています。

 

以上が「国民生活事業」と「中小企業事業」の主な事業内容になります。

 

 

次に日本政策金融公庫の「国民生活事業」と「中小企業事業」で何が違うのか?

2つの事業の違いについて説明を致します。

 

「国民生活事業」と「中小企業事業」の違いを一言でいうと、「対象となる事業者の規模の大小と、融資をする金額の多い少ない」の違いと言えます。

 

例えば、「国民生活事業」の対象になるのは、個人事業主や従業員が10名に満たない小さな法人が対象になり、融資額の平均価格は700万円程になります。

 

それに対して、「中小企業事業」の対象になるのは、比較的大きな、中堅規模の会社が多く、融資額の平均価格としては、約1億円程の価格になります。

 

また、融資の返済期限に関しても「国民生活事業」の融資の返済期限が、5年から10年が上限であるのに対して、「中小企業事業」の融資の返済期限は上限20年となります。

担保に関しても違いがあり、「国民生活事業」の融資は、原則無担保での融資が受けれるのに対して、「中小企業事業」は融資の際に原則担保を用意する必要があります。

 

このように、「国民生活事業」と「中小企業事業」は同じような事業をしていても、その対象になる会社や、融資額の規模において大きな違いがあります。

 

日本政策金融公庫の目的は、日本経済の発展に寄与し、支える事にあります。それを実務的な話を交えて言い換えると、「創業時のサポートから、会社を軌道に乗せ、経営していく際の様々な課題や問題の解決まで主に融資などを通してサポートをしてくれる」ということになると思います。

 

では、自分の会社は「国民生活事業」に協力を求めるのか? それとも「中小企業事業」に協力を求めれないいのかの判断はどうすればいいのか?

 

そう思われた場合、まずは自分の会社の規模や状況を把握してみてください。

 

例えば、自分がこれから会社を始めたいという場合や、起業したばかりで、これから会社の事業を軌道にのせていきたいとお考えの方には「国民生活事業」への相談が向いていると思います。特に「新創業融資」制度は創業期の企業の多くが活用されています。

逆に、比較的大きな規模の企業の方で、自社の事業をもっと拡大成長させたいと思っている方は、「中小企業事業」へ融資相談をされるのがよいと思います。

 

最近では、新型コロナウイルスが世界中で猛威を振るっていて、その影響で、経営に大打撃を受けて危機に瀕している企業も多くあります。

日本政策金融公庫の「国民生活事業」「中小企業事業」でも新型コロナウイルスが影響で経営状況が悪化されている企業向けにセーフティネット貸付融資の対応もしています。

通常の融資よりも融資額の上限もあがっていますので、活用の検討をされた方がよいとおもいます。

 

この記事の監修

さむらい行政書士法人 代表 / 小島 健太郎

行政書士/財務コンサルタント

吉野 智成(よしの ともなり)

プロフィール

大学卒業後、税理士事務所で中小企業の会計を支援。
2019年 行政書士登録、個人事務所を開設
2021年 補助金・融資部門を法人化。「株式会社Gunshi」を設立
専門分野:事業者向け補助金、融資申請支援

書籍

中小会社で活用できる「補助金」のことがわかる本』(セルバ出版)

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