みなさんは、日本政策金融公庫という言葉を聞いたことがあるでしょうか?
コロナウイルスによる業況悪化に対する特別貸付を行うなど、ニュースで聞いたことがある方もいらっしゃるのではないかと思います。
ここでは、日本政策金融公庫とはどういう機関なのかについてわかりやすく解説していきます。
日本公庫は、民間の金融機関を補う政府系金融機関
日本政策金融公庫とは、2008年10月に国民生活金融公庫、中小企業金融公庫などの4つの機関が統合され、新しく作られた政府全額出資の政府系金融機関です。略称では「日本公庫」と呼ばれます。
日本政策金融公庫に統合される前の4機関のうち、中小企業が付き合いの深い攻府系金融機関としては、「国民生活金融公庫」と「中小企業金融公庫」の2の公庫がありました。現在これらの公庫はそれぞれ、日本政策金融公陣の「国民生活事業」、「中小企業事業」として引き継がれています。
日本政策金融公庫は、民間の金融機関、つまり銀行等から融資を受けることが難しい、中小企業や零細企業、またはこれから起業する方への融資を積権的に行っています。スタンスとしては、銀行等の民間の金融機関の補完的な役割を担うという感じです。
このように、中小企業や零細企業など、民間の銀行等で融資を受けにくい事業者が日本政策金融公庫に融資をお願いする傾向にあるため、中小企業の多くが日本政策金融公庫との付さ合いを持っています。
そして、会社の規模が大きくなったり、日本政策金融公庫からの融資の実績を積むことで、 日本政策金融公庫からの融資の割合は低くなり、代わって信用金庫や地元の銀行がメインバンクになっていきます。
日本政策金融公庫は低金利
前述のとおり、日本政策金融公庫の中で中小企業に馴染みが深いのは、
「国民生活金融公庫」
「中小企業金融公庫」
の2つです。
これらに共通して言えることは、銀行の金利に比べて金利が低かったり、固定金利であるということです。
それぞれ説明をしておくと、日本政策金融公庫国民生活事業は、民間での融資獲得が難しい中小企業や創業から間もない企業の中でも、小規模の企業が利用する公庫です。企業規模のイメージとしては、売上規模がだいたい5億円程度までといった具合です。
その分、融資金額の規模も、次に紹介する「中小企業事業」に比べると少額になっています。しかし、民間では融資を受けられないところを国民生活金融公庫で融資をしてもらえるだけでなく、信用保証協会や保証会社による保証の付いていない、いわゆるプロパー融資の銀行金利に比べると、日本政策金融公庫の金利の方が安いというメリットもあります。
その他のメリットとしても、 「新創業融資制度」や「マル経融資」など、無担保・無保証人で借りられる制度があり、小規模の企業にとって多くのメリットがあると言えます。
次に、中小企業事業について説明をしていきます。
中小企業事業は、名前の通りではありますが、国民生活事業と比較すると、取引をする企業の規模が大きくなります。規模のイメージとしては、年商がおおむね5億円以上です。
中小企業事業も国民生活事業と同じく、固定金利を選択できる、金利が低い、というメリットがあります。更に、中小企業事業の特徴としては、優良企業に対しての金利がかなり低く、民間の金融機関である銀行では取り扱えないような低金利で融資を受けることが可能です。
その他にも、中小企業事業での融資の審査が厳しく、企業の規模がある程度大きかったり、財務内容が良好でないと融資を受けるたことが出来ません。
つまり、逆に言うと中小企業事業から融資を受けられている企業は、つまり厳しい審査を通過した企業という泊が付き、今後の融資の審査にあたっても信用できる企業としてプラスに働く傾向にあります。
この他、日本政策金融公庫には、農林水産事業というもう一つの柱の事業があったり、国民生活事業の中にも教育ローンなどの一国民に対する業務もありますが、中小企業や零細企業に対する融資という範囲で捉えると、
まず、民間の金融機関で融資をしてもらうことが難しいような企業に対しても融資を行う、補完的な役割をもっているのが、「日本政策金融公庫」です。
そして、「日本政策金融公庫」の中にも、中小・零細企業に対する融資を行う事業として、「国民生活事業」と「中小企業事業」があり、それぞれ、概ね5億円の売上規模を境に、付き合いをする事業を選ぶことになります。
また、メリットとしては低金利であったり、固定金利を選択できたりする他、中小企業事業で融資の審査をクリアすることは企業の信用度アップという意味でもメリットがあります。
さて、ここまでいかがだったでしょうか?
中小企業が付き合う日本政策金融公庫のイメージがつかめれば幸いです。