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日本政策金融公庫での一括返済の手順とデメリット

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日本政策金融公庫から融資を受けたけど、事業が順調なので一括返済をしたいと考える方は多いのではないでしょうか?ただ、その際の手順や一括返済のデメリットについてよくわからないとお困りの方もいらっしゃると思います。

 

今回は、日本政策金融公庫での一括返済の手順とデメリットについてお話しをしていきたいと思います。

 

結論としては、日本政策金融公庫の中小企業事業から融資を受けている場合には一括返済はできませんが、国民生活事業から融資を受けている場合には、融資担当者と相談のうえで一括返済することが可能です。

 

デメリットとしては、やはり一括返済をすることは、融資を決定した日本政策金融公庫側からすると利益が減りますので良い印象は持たれません。ただし、違約金等のペナルティはないことが多いようです。

 

再度融資を受ける際には、一括返済をした事業者という形で審査を受けることになりますので、まったく同じ条件で一括返済をしていない事業者に比べると不利に扱われる可能性はあるでしょう。審査は人間がしていますので、印象の良し悪しは影響を及ぼす可能性が高いですね。

 

一括返済とは

一括返済とは、決められた返済計画によらずに、借りたお金を早めにすべて返してしまおう、というものになります。繰上償還と呼ばれるものでもあります。

 

お金を貸した側は、利息が売り上げとなっていますので、この一括返済をされると、売り上げが減るというものです。民間の金融機関では一括返済をすることで違約金が発生するケースもありますが、日本政策金融公庫ではそういったことはないようです。

 

ただし、やはり日本政策金融公庫も政府のお金で運営されているとはいえ株式会社なので売り上げを上げなければなりませんので、売り上げが減る行為については、消極的です。

 

一括返済を認めていない?

日本政策金融公庫には、国民生活事業と中小企業事業があります。このうち、国民生活事業では一括返済は可能ですが、中小企業事業では一括返済はできません。

 

日本政策金融公庫の「国民生活事業」と「中小企業事業」で何が違うのでしょうか。「国民生活事業」と「中小企業事業」の違いを一言でいうと、「対象となる事業者の規模の大小と、融資をする金額の多い少ない」の違いと言えます。

 

例えば、「国民生活事業」の対象になるのは、個人事業主や従業員が10名に満たない小さな法人が対象になり、融資額の平均価格は700万円程になります。

 

それに対して、「中小企業事業」の対象になるのは、比較的大きな、中堅規模の会社が多く、融資額の平均価格としては、約1億円の価格になります。

 

また、融資の返済期限に関しても「国民生活事業」の融資の返済期限が、5年から10年が上限であるのに対して、「中小企業事業」の融資の返済期限は上限20年となります。

 

担保に関しても違いがあり、「国民生活事業」の融資は、原則無担保での融資が受けれるのに対して、「中小企業事業」は融資の際に原則担保を用意する必要があります。

 

融資した金額が大きければ大きいほど、一括返済された時のリスクは大きいものになりますので、中小企業事業では一括返済は禁止されているんですね。

 

一括返済の手順

日本政策金融公庫の国民生活事業から融資受けている場合で、一括返済をしたいと考えた場合には、融資担当者に電話で相談しましょう。日本政策金融公庫側が承諾すれば、一括返済する日にちを決めて、その日にちに振り込みで一括返済をすることになる場合が多いようです。

 

ただ、融資担当者に一括返済を相談した際に、一括返済はできればやめてほしい旨をいわれます。もし一括返済をどうしてもしたい場合でしたら、その理由を丁寧に説明して理解をしてもらうようにしましょう。

 

 

いかがでしたでしょうか。今回は、日本政策金融公庫での一括返済の手順とデメリットについてお話しさせていただきました。日本政策金融公庫の中小企業事業で融資を受けている場合は一括返済できませんが、国民生活事業から受けている場合は一括返済が可能となります。ただ、やはり融資担当者からは良い印象は持たれませんし、大原則である約束を破ることになります。さらに手元のキャッシュがなくなりますので、よく見極めて判断することが大切になると思います。

 

 

メモ

もし資金繰りに難しいと感じるような場合には、行政書士等専門家のサポートを受けることで手続きを円滑に、確実に進めることができます。依頼するための資金繰りの内容により数万円~数%程度かかりますが、自分自身でする場合の時間や手間、そもそも自分自身できるのかどうか等の要素を比較しながら、利用を検討してみてください。

 

この記事の監修

さむらい行政書士法人 代表 / 小島 健太郎

行政書士/財務コンサルタント

吉野 智成(よしの ともなり)

プロフィール

大学卒業後、税理士事務所で中小企業の会計を支援。
2019年 行政書士登録、個人事務所を開設
2021年 補助金・融資部門を法人化。「株式会社Gunshi」を設立
専門分野:事業者向け補助金、融資申請支援

書籍

中小会社で活用できる「補助金」のことがわかる本』(セルバ出版)

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