信用保証協会を利用した場合にはどんなメリットがあって、どんなデメリットがあるのかよくわからないという事業者は多いのではないでしょうか?
また、信用保証協会が返済を肩代わりしてくれたらご自身の返済は免除されるという間違った理解をしている方もいらっしゃいます。今回は、信用保証協会を使って融資を受けるメリットとデメリットについてお話しをしていきたいと思います。
信用保証協会を使うメリット
信用保証協会のメリットは何といっても金融機関側からの融資が受けやすいことになります。つまり金融機関側の融資ハードルを下げられることですね。
もうひとつは、信用保証協会の保証が付けられると、融資の金利を下げてくれる金融機関もありますので、より低金利での融資が受けられるということです。
信用保証協会を使うデメリット
信用保証協会のデメリットは、下記の2つになります。
- 審査期間が長い
- 信用保証料が発生する
具体的に見ていきましょう。
審査期間が長い
信用保証協会に申し込みをした場合、審査期間は最短でも1ヶ月弱になります。しかも、通常信用保証協会の審査というのは、融資を申し込んだ金融機関の審査が終わった後に信用保証協会の審査が始まります。金融機関側の審査でも最短でも約1ヶ月弱かかりますので、2つをあわせると最短で2ヶ月弱、3ヶ月は見といたほうが良いでしょう。
信用保証料が発生する
信用保証協会が保証してくれた融資に対して、毎年信用保証料がかかります。金額は、保証されている額や種類、信用力によって異なりますが、だいたい融資された金額の0.5~2.0%の範囲が多いです。
たとえば、融資された額が1000万円で、信用保証料が1.0%だった場合を考えてみましょう。
この場合の信用保証料は、1000万×0.01=10万円となります。この金額を毎年信用保証協会に支払う必要があるのです。
融資の額が増えると、信用保証料もあがりますので、時と場合によってはこの信用保証料が結構な負担となることがありえます。
もし万が一、事業者が信用保証協会の保証付き融資を返済することができない場合には、信用保証協会が事業者のかわりに金融機関側に返済をしてくれます。
ただし、ここで勘違いをしてはいけないのが、信用保証協会が金融機関に返済をしてくれたからといって、その後は事業者が返済をしなくて良いというわけではありません。これは多くの事業者の方が勘違いをされている方が非常に多いようですが、信用保証協会は事業者の代わりに一時的に返済をしてくれただけであり、事業者は、今度は信用保証協会に対して返済をしていかなければなりません。返済をする相手が金融機関から信用保証協会に代わっただけである、ということは勘違いをしないで正確に理解しておきましょう。
重要なのは融資の依頼先を見極めること
融資を受ける場合には、ご自身が経営する会社の成長に合わせて融資してくれる先を選ぶ必要があります。創業したばかりということであれば、日本政策金融公庫での創業融資制度、会社が安定してきたという段階であれば、信用保証協会の保証つき融資、そして最後に銀行側が全責任とリスクを背負って融資をしてくれるプロパー融資(銀行単独融資)となります。これらがわかっておらず、創業したばかりのときに、いきなり銀行にプロパー融資を申し込んだところで通ることはまずありません。ご自身の会社のステージに合わせて融資先を決めていくことが重要になりますので、融資先をきちんと見極めて、信用保証協会もうまく利用して資金繰りをしていきましょう。
メモ
いかがでしたでしょうか。今回は、信用保証協会を使って融資を受けるメリットとデメリットについてお話しさせていただきました。担保力や信用力が乏しい中小差零細企業の連帯保証人となってくれるありがたい公的機関ですが、間違った理解をせずにうまく利用して事業活動を安定・成長させていくことに繋げていきましょう。もし、信用保証協会の保証付き融資制度がよくわからない、難しいと感じるような場合には、行政書士等専門家のサポートを受けることで手続きを円滑に、確実に進めることができます。依頼するための費用は契約書の内容により数%程度かかりますが、自分自身でする場合の時間や手間、そもそも自分自身できるのかどうか等の要素を比較しながら、利用を検討してみてください。