外国人の事業者の方が、資金調達のために金融機関から融資を受けたいと思ったとき、信用保証協会は日本人と同じように利用できるのでしょうか?
ここでは、外国人が信用保証協会で融資を受ける方法について説明をしていきます。
信用保証協会とは?
信用保証協会は、中小企業・小規模事業者の金融円滑化のために設立された公的機関です。
事業者の方が金融機関から資金調達をしたいと考えたとき、信用保証協会の「信用保証」をつけることにより、融資がおりやすくなります。
事業者は金融機関から融資を受ける際、信用保証協会に保証の申し込みをして保証人になってもらい、仮に事業者が返済できなくなった場合は信用保証協会が事業者に代わって金融機関に返済を行うという仕組みです。
これに対し、事業を行う方が信用保証協会を通さずに金融機関から直接お金を借りることを「プロパー融資」といいます。
創業時に融資を受けたいと思ったときは、実績も証明できず倒産のリスクがあるため基本的に金融機関からのプロパー融資は受けられません。信用保証協会の保証を付けて融資を申し込むことになります。
外国人が申し込む際の注意点
外国人だから信用保証協会を利用できないということはありませんが、以下の点には注意が必要です。
1.在留資格に制限がある
外国人の方が日本で生活をしていくには、活動内容に合った在留資格が必要になります。
そこで、事業活動を行っていこうとする外国人が融資を受けたいと思ったときは、当然それを行うことができる在留資格を有していなければなりません。
具体的には、以下の在留資格です。
① 永住者・特別永住者
② 日本人の配偶者等、永住者の配偶者等
③ 定住者
④ 経営・管理
⑤ 高度専門職1号ハ
⑥ 高度専門職2号
これら以外の在留資格の外国人は、そもそも日本において事業活動を行うことが認められていないため、信用保証協会の保証を申し込むことができません。
2.在留期間の期限内に返済する
上記の在留資格を持っている外国人の方でも、融資の期間は在留期限内に返済してくださいとされることが多いです。
例えば、1年の在留期限の方が5年の返済期間で融資を申し込みたいと思ったときは、事業の安定・継続性や在留資格の更新可能性についても厳しく審査されることになり、ハードルが高くなります。
このような場合は専門家へ相談した方が良いでしょう。
融資を受けるまでの流れ
信用保証協会を通じて融資を申し込むと、信用保証協会と金融機関それぞれで、以下のような審査が行われます。
① 相談の申し込み
② 初回の相談
③ 必要書類の準備・提出
④ 面談
これらの審査過程を経て、問題がないと認められると融資が決定されます。審査期間は、3~4か月程度です。
融資を受けるための必要書類は?
このうち、③の必要書類には、以下のようなものが挙げられます。
・借入の申込書
・事業計画書
・見積書(設備資金の融資を受ける場合)
・履歴事項全部証明書または登記簿謄本(法人の場合)
・本人確認書類(在留カード・パスポート等)
・通帳コピー
・許可証 ※許認可が必要な場合
・印鑑証明書
・源泉徴収票、確定申告書
ただし、これらの必要書類を集めて提出しさえすればどなたでも融資を受けられるわけではありません。
特に外国人の方は、事業計画書がしっかりと実行可能な現実的な内容で作られているか注意が必要です。計画そのものがきちんと準備できている方であっても、日本語で説得性のある資料を用意できなければ審査に落ちてしまいます。
また、面談のときにうまく説明することができなかったことを理由に、審査に落ちてしまうこともあり得ます。この意味で、質問されている事項を理解する程度の日本語能力は必要といえます。
日本語が堪能であれば審査においてプラスの要素になり得ますが、外国人の方が事業を行っていく上で日本語能力はあまり重要でないという説明が十分にできれば、日本語が堪能でないことのみを理由に審査に落ちることはないでしょう(海外企業との取引のみ、社内に通訳がいる等)。
いかがでしたでしょうか。
外国人の方で融資について不安や悩みがある方は、専門家へのご相談をおすすめします。
メモ
弊社では初回の無料相談を行っておりますので、まずはご相談ください。融資経験の豊富な行政書士がヒアリングを行わせていただきます。これから融資にどうやって取り組めばいいのか、今後の懸念事項や対策等、気になる点はどうぞお気軽にご相談ください。