セーフティネット保証5号とは、全国的に業況が悪化している業種の中小企業者を支援するための制度です。
今回はセーフティネット保証5号とはなにかについてご説明します。
セーフティネット保証とは?
セーフティネット保証とは、今経営や返済に困っている中小企業者が資金調達をできるようにするための制度です。
セーフティネット保証をうけると、信用保証協会が保証人になってくれ、また既に融資を受けていても、別枠で追加融資を受けられます。
メリット① 遅延金を免れる
セーフティネット保証を受けると、信用保証協会が保証人になってくれ、現在ある借入の返済ができなくなってしまった時に、代わりに一括して返済をしてくれます。
万が一返済が遅れてしまうと遅延金を科されることになりますので、信用保証協会に返済してもらうことで、多額の遅延金を免れることができます。
セーフティネット保証を受けたからと言って借金がチャラになるわけではありませんので、その後信用保証協会に返済していく必要はありますが、支払いが滞って利息が膨れ上がってしまうのを防ぐことができます。
また、銀行等からの融資金利に比べて、信用保証協会に支払う金利は低いので、その点においてもメリットがあります。
メリット② 別枠で融資を受けられる
もし、既に信用保証協会による信用保証を既に受けているとしても、セーフティネット保証を受ければ、別枠で融資を受けることができます。
中小企業者が金融機関から事業資金を借りる場合、保証人をつける必要でてきますが、信用保証協会が保証人となってくれます。
その際の保証限度額は2億8000万円までですが、セーフティネット保証によって別枠で保証を受けることができるようになります。
そのため、現在の借入とは別枠で追加の融資を受けることができるようになります。
コロナ禍で対象になるのは4号と5号!
セーフティネット保証には、その目的(事情)に応じて1号から8号まであります。
その内容は次の通りです。
1号:連鎖倒産防止
2号:取引先企業のリストラ等の事業活動の制限
3号:突発的災害(事故等)
4号:突発的災害(自然災害等)
5号:全国的に業況の悪化している業種
6号:取引金融機関の破綻
7号:金融機関の経営の相当程度の合理化に伴う金融取引の調整
8号:金融機関の整理回収機構に対する貸付債権の譲渡
新型コロナに関連するセーフティネット保証は4号と5号です。
セーフティネット保証5号の内容
①保証限度額
セーフティネット保証5号では、一般保証とは別枠で、無担保保証8千万円、最大で2億8千万円の保証を受けることができます。
※4号と併用可能ですが、同じ枠になります。
②保証割合
セーフティネット保証5号では、借入の80%まで保証してもらえます。
③保証料
セーフティネット保証で保証を受けるためには、保証料を払わなければいけません。
保証料は、保証協会所定の料率(0.7%~1.0%)になります。
対象となる業種は?
セーフティネット保証5号は業況が悪化している業種に属する事業者のための制度です。
その業種は、中小企業庁の公式ホームページに随時掲載されています。
セーフティネット保証5号を受けるためには、この指定業種に該当することが前提です。
令和2年5月1日から令和3年1月31日の指定業種は下記URLから確認できます。
https://www.chusho.meti.go.jp/kinyu/2020/200501_1_5gou.pdf
自分が行っている事業が指定業種に該当するかどうかは、いかの手順によって調べることができます。
1、日本標準産業分類において、該当する業種を特定する。
↓
2、該当業種が属する細分類番号を特定する。
↓
3、指定業種リストに細分類番号があるかどうかを確認する。
対象となる事業者は?
セーフティネット保証5号の対象となる事業者は、指定業種に該当し、次のどちらかの条件を満たす中小企業者です。
①最近3か月間の売上高等が前年同期比5%以上減少の中小企業者
②製品等原価の追20%を占める原油等の仕入れ価格が20%以上上昇しているにもかかわらず、製品等の価格に転嫁できていない中小企業者
これらの条件を満たしているかどうかは、市町村長に認定をしてもらう必要があります。
個人事業主やフリーランスも対象になる場合もあります。
メモ
いかがでしたでしょうか。
新型コロナウイルス影響でこのままでは事業の継続が難しくなっているという事業者でも、セーフティネット保証5号を利用することで、この苦境を乗り切ることができる可能性があります。
資金繰りに困っていて、自分の場合はセーフティネット保証5号を受けることができるのだろうか等と悩んでいる方は、まずは専門家に相談してみると良いでしょう。