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ビザに必要な書類を徹底解説|事業計画書のテンプレート例とシリアルアントレプレナー・フランチャイズ投資事例を紹介
はじめに
アメリカで投資事業を行う際に利用される代表的なビザのひとつがE2ビザ(条約投資家ビザ)です。日本はアメリカとの間に通商航海条約を締結しているため、日本国籍の投資家や起業家もE2ビザを申請可能です。
しかし、申請するためには投資計画や事業内容を具体的に示す必要があり、必要書類も多岐にわたります。本記事では、「E2ビザ 必要書類」を中心に、事業計画書のテンプレート例や、複数の事業を渡り歩くシリアルアントレプレナーやフランチャイズ投資などの実例も紹介しながら、実務で役立つ情報を詳しく解説します。
1. E2ビザとは?基本概要のおさらい
E2ビザは、アメリカと通商航海条約(Treaty of Friendship, Commerce and Navigationなど)を締結している国の国民が、米国内で実質的な投資事業を運営する目的で申請できる非移民ビザです。日本国籍者も対象となり、以下のような特徴があります。
- 投資額の明確な下限はない
- ただし、事業運営に十分な金額が投下されている必要がある。
- 申請者が経営権または管理権を有している
- 株式や持分を過半数以上保有、もしくは経営判断に強い影響力を持つ立場であること。
- 非移民ビザである
- 永住権(グリーンカード)目的ではなく、投資による一時的滞在という建前。
- ビザ有効期間は最長5年(国籍により異なる)
- 1回の入国で通常2年の滞在許可が付与され、更新を繰り返せる。
E2ビザとよく比較されるのがE1ビザ(貿易家ビザ)ですが、E1ビザは貿易(Trade)が主体であるのに対し、E2ビザは投資が主体という大きな違いがあります。
2. E2ビザ申請のために揃える主要書類一覧
E2ビザを申請するにあたっては、一般的な非移民ビザ用の書類に加え、投資実績や事業内容を証明する資料が求められます。ここでは、主な書類を整理してみましょう。
2.1. 基本書類(非移民ビザ共通)
- DS-160フォーム
- オンライン申請が必須。入力後に生成される**確認ページ(Confirmation Page)**を面接当日に持参。
- パスポート
- 有効期限が十分残っているか確認(ビザ発給・貼付のため)。
- 証明写真
- 大使館指定のサイズ(通常2×2インチ)、背景色は白が一般的。
- ビザ申請料(MRV Fee)など支払い証明
- 領収書を用意しておくと安心。
2.2. 投資証明に関する書類
- 資金トレース資料
- 過去数年分の銀行取引明細、給与明細、贈与契約書、不動産売却証明など
- 投資資金の合法性を示すのが目的。
- 投資契約や購入契約の控え
- 既存事業買収やフランチャイズ契約の場合は必須。
- ローン利用時の書類
- 借入条件や担保設定を示す契約書。投資家自身がリスクを負っていることを示す必要あり。
2.3. 事業計画書・事業実態を示す書類
- 事業計画書(ビジネスプラン)
- 後述のテンプレート例を活用して詳細をまとめる。
- 法人設立書類・登記簿謄本
- LLCやCorporationの場合はArticles of Organization/Inc.などを英訳付きで提出。
- 財務諸表(既存事業の場合)
- 過去数年の売上高や利益、雇用状況など。
- 組織図や役職を示す文書
- 申請者が経営・管理に直接関わる立場であることを強調。
3. 事業計画書のテンプレート例
E2ビザの審査官を納得させるには、具体的・現実的な事業計画書が欠かせません。以下、標準的なテンプレート例を示します。
- 表紙・概要
- 事業名、会社名、代表者名、連絡先
- ひと目で内容を把握できる要約
- 会社・事業概要
- 事業形態(LLC、Corporation、Sole Proprietorshipなど)
- 設立年月日、所在地、従業員数(予定も含む)
- 市場分析・競合調査
- 業界動向、ターゲット顧客、主要競合他社、差別化戦略
- 競合比較表や市場規模データを図表化するとわかりやすい
- マーケティング・営業戦略
- 広告媒体、販売チャネル、提携パートナーなど
- オンラインマーケティング(SNS、SEO)など具体策があると◎
- 組織構造と経営体制
- 組織図(オーナー、マネージャー、スタッフの配置)
- 投資家(申請者)の役職と責任範囲
- 財務計画・資金繰り表
- 3~5年分の損益計画(売上・利益予測)
- 主要な支出項目(家賃、人件費、在庫、広告費など)
- キャッシュフロー予測、資金不足への対応策
- リスク分析と対策
- 為替リスク、経済情勢リスク、競合進出リスクなど
- 保険契約の有無や緊急時の対応
- 追加資料・参考文献
- 市場レポート、契約書の抜粋、写真・図表
ポイント:数字や根拠資料をできるだけ明確に提示し、客観的に見ても妥当だと思われる計画を組むことが重要です。
4. シリアルアントレプレナーの事例
シリアルアントレプレナーとは、事業を立ち上げては成功させ、次々に新しい事業へ乗り換える起業家のことです。E2ビザでも、こうした連続起業・投資のパターンは見受けられます。
- 初回E2ビザ:小規模のITサービス会社を起業し、2~3年で軌道に乗せる。
- 次の投資:ビザ更新・再申請時に新規事業(飲食店や別のITプロダクト)へ追加投資。
- ポイント:過去の成功事例を示し、投資家としての経験・実績を審査官に強くアピールできる。
注意: シリアルアントレプレナーの場合でも、各時点で行う投資が「実質的でリスクを伴う」ことを示す必要があります。過去の事業実績だけではなく、新しい投資計画にも具体的な資金使途や収益見込みを示しましょう。
5. フランチャイズ投資の事例
近年、フランチャイズを利用してE2ビザを申請するケースも増えています。飲食チェーンや学習塾、宅配ビジネスなど、既存ブランドの仕組みを活用できるメリットがあります。
- フランチャイズ契約書:本部との契約内容を明示し、ロイヤリティや広告費負担などの項目を確認
- FDD(Franchise Disclosure Document):米国フランチャイズ事業では法的に開示義務がある書類。これによりビジネスの収益構造や本部の支援体制を説明
- 事業計画書への反映:フランチャイズ本部のブランド力・マーケティング手法を活かし、売上予測を立てやすい
- リスク:ロイヤリティ負担が利益を圧迫しないか、独自性が少ないため競合店との差別化が難しい場合もある
フランチャイズ投資は、**「本部の実績+投資家の経営力」**を合わせて審査官に示すため、書類面でも比較的整えやすいというメリットがあります。一方で、投資家自身がどの程度リスクを負っているかを明確にしないと、否認される可能性もあるので注意が必要です。
6. E2ビザ申請で不足しがちな書類例と補完対策
E2ビザ申請では、多岐にわたる書類を用意する必要があるため、以下のような不足がち書類に注意しましょう。
- 資金トレースの具体性が足りない
- 口座残高だけを提出し、どのように蓄積された資金かが示されない
- 審査官が疑念を抱きやすいので、給与明細・不動産売却契約書などをしっかり提出
- サービス提供実績・契約書の欠如
- ITコンサル・デザイン・学習塾など形のないサービス業の場合、実績を示す請求書や契約書が不足しがち
- 見積書やメールのやり取りも参考資料として提出可能
- 市場調査・売上予測の根拠が弱い
- 「1年後には年商10万ドルを目指します」と書いても、具体的根拠がないと説得力が欠ける
- フランチャイズの場合は、FDDや本部の実績を引用してデータを補完
補完対策
- RFE(追加書類要求)が来る前に、全方位から根拠資料を提出
- 英訳を徹底:契約書、納税証明書、銀行証明などは英語訳を付ける
- **専門家(移民弁護士や会計士)**に書類をレビューしてもらう
7. 面接対策・実務チェックリスト
在外米国大使館での面接では、投資家本人が自分の事業内容や計画をきちんと説明できるかがポイントです。
- 翻訳(英訳)の正確さ
- 全書類に英語訳を付ける。専門用語の誤訳を避ける
- 最新の財務状況・銀行残高を用意
- 面接直前に大きな資金移動があれば、理由を説明できるように
- 想定質問
- 「なぜこの事業に投資するのか?」
- 「どのように資金を用意したのか?」
- 「雇用は何名予定? どのように拡大する?」
- 「投資が失敗したらどうする?」
- 「本国に帰る予定はあるか?」(非移民ビザであるため)
8. E2ビザ取得後の継続・更新に必要な書類
E2ビザは非移民ビザのため、期限がきたら更新手続きを行う必要があります。更新時にも、事業が継続的に実施されており、利益を生み、経営者として日常的に関わっている事実を示すことが重要です。
- 定期的な財務諸表・税務申告書
- 売上高や利益の推移を説明。特に拡大している場合はプラス材料
- 追加投資や新規事業立ち上げ時の証明
- 再投資計画や関連事業の買収などがあれば、その契約書類
- 家族帯同(E2 Dependent)
- 配偶者や未成年の子どもを一緒に更新する場合も、各自の身分証明や在学証明などが必要
- 帰国意思の確認
- 原則、E2ビザは「滞在が一時的」であるため、ビザ保持者の意向が永住目的に変わっていないかを問われる
9. まとめ:E2ビザに必要な書類をしっかり揃えてアメリカ事業を成功に導こう
E2ビザ申請を成功させるには、資金トレースと事業計画書を中心に、すべての書類を一貫性のある形で準備することが肝要です。また、シリアルアントレプレナーとして複数事業を立ち上げる場合や、フランチャイズ投資のケースでも、基本的な書類の整え方と事業の説得力が問われる点は変わりません。
- 資金トレース:投資額の合法性と出所を明確に。給与や売却、不動産処分、贈与などの証拠資料を十分に用意
- 事業計画書:テンプレートを使いつつ、市場調査・売上予測に具体的根拠を盛り込み、経営権・利益の実現可能性を提示
- 事業形態や投資額は多様:小規模でもサービスやITなどで収益が期待できれば可。フランチャイズ契約や複数事業への投資も検討可能
- 更新・維持:定期的に財務諸表や税務申告を行い、事業が継続していることを証明すれば長期滞在も見込める
不安がある場合は、移民弁護士やビザに詳しい行政書士を活用することで、書類のミスや追加書類要求を最小限に抑えられます。審査要件は時々アップデートされるため、最新情報の確認も欠かさないようにしましょう。
免責事項
本記事は一般的な情報提供を目的とし、特定の事案に対する法的アドバイスを行うものではありません。E2ビザを含む移民法は変更される可能性があるため、最新の情報はUSCIS公式サイトや在外米国大使館、専門家の助言などで常に確認してください。この記事の内容を基に生じたいかなる損害に対しても、当サイトおよび筆者は一切の責任を負いかねます。あらかじめご了承ください。
プロフィール
2009年4月 行政書士個人事務所を開業
2012年8月 個人事務所を行政書士法人化し「さむらい行政書士法人」を設立
専門分野
外国人VISA・在留資格、外国人雇用・経営管理、永住・帰化申請
入管業務を専門とし、年間1000件以上の相談に対応






