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E1ビザの条件を徹底解説|貿易実績の証明から更新・家族帯同まで詳しく解説

はじめに

日本企業や個人事業主がアメリカとの間で貿易を行う際に活用できるビザの一つが、**E1ビザ(条約貿易家ビザ)**です。日本はアメリカとの間に通商航海条約を締結しているため、一定の要件を満たせばE1ビザを取得して渡米し、現地で貿易関連の活動を行うことができます。しかし、申請には「日米間の貿易実績」や「ビザ申請者の役職・業務内容」が大きく関わるため、準備不足だと却下される可能性も否定できません。

本記事では、「E1ビザ 条件」を中心に、E1ビザ申請で不足しがちな書類例具体的な審査事例を深掘りしながら、取得後の更新手続き家族帯同の条件など、実務で役立つ情報を詳しくご紹介します。日本とアメリカをつなぐ貿易ビジネスを検討している方は、ぜひ参考にしてみてください。

1. E1ビザとは?基本概要のおさらい

1.1. E1ビザの概要

E1ビザは、アメリカ合衆国が通商航海条約(Treaty of Commerce and Navigation)を締結している国の市民を対象とした非移民ビザです。対象国の市民が、自国と米国の間で「実質的かつ継続的な国際貿易」を行う場合に申請可能で、日本国籍者もその対象に含まれます。

  • **投資ビザ(E2)**との違い:E2は投資が主眼である一方、E1はあくまで「貿易(Trade)」が焦点。
  • 貿易とは、物品だけでなく、サービスや技術、ソフトウェアなど無形財も含む広範な概念。

1.2. 非移民ビザである点

E1ビザは非移民ビザであり、永住する目的ではなく「特定の貿易活動」を行うためにアメリカに滞在するビザです。したがって、最終的な移住(永住権の取得)を希望する場合は、別途グリーンカード申請手続きを検討する必要があります。

2. E1ビザ申請に必要な主な条件

2.1. 条約国籍要件

E1ビザの最初の条件は「アメリカと通商航海条約を結んでいる国の国籍を有すること」。日本は該当国の一つなので、日本国籍者は申し込む資格があります。

2.2. 日米間の貿易が「実質的かつ継続的」であること

申請企業または個人事業主の主要な貿易活動が「日米間」であることが必須。具体的には、

  • 取引額や取引頻度が十分な水準(単発取引ではなく複数の契約や納品がある)
  • 取引先が1社だけでなく複数存在し、継続的に需要がある
  • 全体の取引量の過半数以上(通常50%以上)が日米間で行われている

この「過半数以上」の要件を満たせないと、E1ビザではなく別のビザ(L1やE2など)の検討が必要になる場合があります。

2.3. 申請者の役職・業務内容が貿易に不可欠

E1ビザは貿易に直接関与する経営者、管理職、専門職などに対して発給されます。単純労働で貿易に直接関与しない立場だと、審査官から「本当にE1ビザが必要なのか?」と疑われる場合があるので、役職や具体的業務内容を明確にすることがポイントです。

3.「実質的かつ継続的な貿易」とは?具体例で解説

E1ビザ審査で最も重要視されるのが、この「実質的かつ継続的な貿易」です。

  • 実質的:取引金額・取引件数が明確かつビジネスとして成り立っている。
  • 継続的:単発の取引にとどまらず、将来も取引が続く見込みがある。

3.1. 取引金額と頻度

例えば、年商数百万円程度の小規模取引でも、複数の得意先と定期的に取引を行い、成長が見込める事業形態であればE1ビザが認められる可能性があります。一方、一度だけ大口取引があっただけで、その後の取引が見込めない場合は「継続性」に疑問を持たれる恐れがあります。

3.2. 複数取引先との契約書・売上実績

審査官にとっては、実際にどれだけ契約が成立し、売上が上がっているのかが最も説得力のある指標です。

  • 契約書・請求書(Invoice)や輸出入通関書類、入金記録などを揃える
  • 複数のクライアントやパートナーと継続的契約があることを示す

3.3. サービス取引(無形財)も対象に含まれる

貿易というと物品の輸出入をイメージしがちですが、コンサルティングやITサービスなどの無形財もE1ビザの対象となります。たとえば、日本のコンサル企業がアメリカ企業にサービスを提供し、その対価を受け取っているケースなども該当します。

4.企業規模・個人事業主の場合の違い

E1ビザは、大企業だけでなく中小企業や個人事業主でも申請可能です。ただし、書類の内容や用意する資料は若干異なります。

4.1. 企業がE1を申請するケース

  • 会社登記・法人登記簿謄本(日本または米国など)
  • 財務諸表・納税証明書:売上や税金支払い状況を明示
  • 輸出入契約書、取引先一覧、輸送書類、請求書など
  • 組織図や従業員リスト:申請者(E1ビザ取得希望者)の役職・職務内容を示す文書

4.2. 個人事業主の場合

  • 開業届・個人事業のライセンス
  • 確定申告書・納税証明書:事業として成立しているかを証明
  • 通関実績や支払い履歴:継続的な貿易取引があることを示す
  • 将来の契約予定書類(もし実績が少ない場合は、契約見込みや見積書を提出することも)

5. E1ビザ申請で不足しがちな書類例

ここでは、実務上よく見受けられる「書類不足や不備」のパターンを挙げてみます。

1.財務書類の翻訳が不十分
  • 日本語の納税証明書や決算報告書をそのまま提出し、英訳がついていないケース。
  • 専門用語の誤訳により内容を審査官が理解できない。
2.契約書や請求書など“証拠書類”の提出が少ない
  • 取引先があると言っても、証明できる書類がほとんどない状態。
  • 特にサービス取引の場合、契約内容を詳細に示した契約書が欠かせない。
3.会社登記や登記簿謄本の最新データを用意していない
  • 企業形態や社名変更があったにもかかわらず、古い書類しか用意していない。
  • 最新の法人登記を英訳付きで用意することが望ましい。
4.事業計画書が曖昧・将来の継続性が示されていない
  • 実績はあるが今後の拡大戦略や継続性が示されず、単発取引とみなされてしまう。

6. 具体的な審査事例の深掘り

6.1. 大手メーカー子会社の例

日本の大手メーカーの子会社が米国企業へ定期的に部品を輸出し、同時に米国から原材料を逆輸入するケース。

  • 取引金額が大きく、取引先も複数
  • 定期契約が数年単位で結ばれている
    このような場合は、審査官も「継続的な日米貿易」と判断しやすく、E1ビザが比較的取りやすいと考えられます。

6.2. 新興スタートアップの例

日本で立ち上げたITスタートアップが米国のクライアントにソフトウェアサービスを提供するケース。

  • まだ売上高は小規模だが、複数のクライアントと契約
  • 将来的に追加契約が見込まれる計画書が提出されている
    審査官は「現時点での売上」だけでなく、「将来の継続的取引」も含めて総合的に判断するため、計画書や契約書草案が審査を後押しすることがあります。

6.3. 個人事業主が輸入販売を行う例

日本在住の個人事業主が、米国産雑貨を輸入して国内で販売しているケース。

  • 取引先が1社だけだと単発取引と見なされるリスクがある
  • 複数サプライヤーや複数小売店との取引を証明できると、継続的な貿易と評価される

7. E1ビザ取得後の維持・更新条件

7.1. ビザの有効期間と滞在可能期間

E1ビザは通常最長5年のビザ有効期限が付与されます。ただし、入国時に認められる滞在期間は1回につき最長2年とされることが多く、滞在期限が近づいたらI-94を確認し、延長手続きを検討します。

7.2. 更新時に再度「貿易実績・継続性」を証明

ビザを更新する際は、初回申請と同様に日米間貿易が今も継続的かつ大部分を占めることを改めて証明する必要があります。

  • 最新の財務諸表、売上報告、契約更新書類など
  • 更新時点での会社組織や契約先の変化にも注意

7.3. 帰国意思・非移民ビザとしての前提

E1ビザは非移民ビザです。審査官は「永住目的でないか」をチェックするため、場合によっては帰国意思を示す書類(日本に財産や家族がいる証拠)を求めることがあります。

8. 家族帯同(E1 Dependent)の条件

E1ビザ保有者の配偶者未成年の子どもは、E1 Dependentとして滞在できます。家族帯同の際に注意すべきポイントは以下の通りです。

1.婚姻証明書・出生証明書

  • 日本の場合は**戸籍謄本(英訳付き)**で家族関係を証明する

2.配偶者の就労許可(E1 Spouse)

  • 近年の規定変更により、E1ビザ配偶者は就労許可(EAD)を取得することで米国内で働ける

3.子どもの就学・滞在期限

  • 子どもは学校に通うことが可能。滞在期限は保有者と同じか、それに準ずる期間が付与される

9. 実務でよくある注意点とFAQ

9.1. E1ビザとE2ビザの判断基準

  • E1ビザ:貿易がメイン。日米間の輸出入やサービス取引に焦点
  • E2ビザ:投資がメイン。米国内に一定額を投資し、その事業運営を行う
    自社・自営業がどちらに該当するかを見極めることが重要です。

9.2. 新規事業で取引実績が少ない場合の対策

  • 契約締結予定の証拠書類(LOIやMOU、Draft Contractなど)を提出
  • 事業計画書を作成し、今後の売上予測やマーケティング戦略を示す
  • 可能であれば、すでに完了している少額の取引でも証拠として示す

9.3. 米国内ステータス延長時の手続き

E1ビザで渡米した後、ビザ期限内でも米国内でステータス延長(I-129申請)を行うことができます。延長申請にも再度貿易実績や雇用関係の継続性を示す書類が求められます。

9.4. 面接や英語力はどの程度必要?

在外米国大使館の面接では、貿易内容の詳細を英語で問われる可能性もあり、最低限のビジネス英語ができれば円滑です。書類準備は英語が原則なので、翻訳や英語での要約書をしっかり作成しましょう。

10.まとめ:E1ビザの条件を満たし、日米間の貿易をスムーズに実現しよう

E1ビザ(条約貿易家ビザ)は、日米間で実質的かつ継続的な貿易を行う個人・企業向けの非移民ビザです。以下のポイントをしっかり押さえれば、審査をクリアしやすくなります。

1.日米間取引が大部分を占めることを証明
  • 取引金額や頻度、複数の契約書・請求書・輸送書類を用意
2.実質的かつ継続的な貿易活動
  • 現在の実績だけでなく、将来契約や計画書を通じて拡大見込みを示す
3.翻訳と書類の正確性
  • 登記簿や納税証明などを英訳し、専門用語の誤訳を防ぐ
  • 最新版の書類を揃え、期限切れや不備がないよう管理
4.更新時や家族帯同にも対応
  • 更新時も貿易実績を再度提出、配偶者や子どもはE1 Dependent申請を行う

もし自社や個人の事業形態がE2ビザ(投資)なのかE1ビザ(貿易)なのか判断がつかない場合は、移民弁護士やビザ専門行政書士に相談すると良いでしょう。書類不足を防ぎ、最新ルールを踏まえた申請計画を立てることが、スムーズなビザ取得への近道です。

免責事項

本記事は一般的な情報提供を目的としており、特定の法的アドバイスを提供するものではありません。アメリカ移民法や大使館の運用方針は随時変更される可能性があるため、最新の情報を必ず確認してください。申請内容や個別事情によって求められる書類が異なる場合もありますので、実際の申請については専門家にご相談いただくことを推奨します。記事内の情報を使用した結果生じたいかなる損害についても、当サイトおよび筆者は一切の責任を負いかねますのでご了承ください。

 この記事の監修者

さむらい行政書士法人 代表 / 小島 健太郎

さむらい行政書士法人
公式サイト https://samurai-law.com

代表行政書士

小島 健太郎(こじま けんたろう)

 

プロフィール

2009年4月 行政書士個人事務所を開業
2012年8月 個人事務所を行政書士法人化し「さむらい行政書士法人」を設立

専門分野

外国人VISA・在留資格、外国人雇用・経営管理、永住・帰化申請
入管業務を専門とし、年間1000件以上の相談に対応

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