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老親扶養ビザ(特定活動)は年収いくらで呼び寄せられる?条件や期間は?

日本で生活する外国人の方にとって、母国にいる老齢の親は心配事の1つに挙げられます。

親と一緒に日本で生活したいと考える外国人の方の中には、

 

「老親扶養ビザとは?」

「年収の基準はある?」

「要件はある?」

 

といった疑問をお持ちの方も多いでしょう。

 

この記事では、老親扶養ビザについて詳しく紹介します。

さらに、基準となる年収や要件についても解説します。

 

ぜひ、最後までお読みください。

老親扶養ビザ(特定活動)とは?

ここでは、特定活動における老親扶養ビザについて見ていきましょう。

高齢の親を日本に呼び寄せるための告示外ビザ

老親扶養ビザとは、老齢の親を日本に呼び寄せるための在留資格「特定活動」における告示外の査証です。

 

「特定活動」とは、ほかの在留資格に当てはまらない活動を行う外国人に対して、法務大臣が個々に指定する在留資格です。

 

特定活動は、活動内容によって大きく以下の3種類に分類されます。

 

●1. 出入国管理および難民認定法に規定されている特定活動

●2. 告示特定活動

●3. 告示外特定活動

 

老親扶養を目的とする活動は、告示外に該当します。

告示外は、法務大臣が外国人の特別な事情を考慮して、個々に在留を認める査証です。

老親扶養ビザの取得条件

許可を得るには、最低でも以下の条件をクリアしなければなりません。

ただし、以下のすべての条件を満たしても、発給される保証はないため、注意しましょう。

1.親の年齢が70歳以上であること

親の年齢は、70歳以上であることが望ましいです。

 

70歳という数字は、明確に規定されているわけではありません。

しかし、年齢が若いと、発給される確率は低いと言えます。

 

70歳のボーダーラインに当てはまらないケースとしては、深刻な病気や障害があるなどの事情が求められます。

2.親の健康状態

発給されるには、親が1人で住むには困難な病気や障害を抱えている必要があります。

例えば、深刻な障害(寝たきりなど)や重度の認知症などです。

 

さらに、具体的な病名や障害の重さを証明しなければなりません。

自己申告ではなく、医師の診断書などで細かく内容を説明できるように準備しましょう。

 

健康な方は「家族のサポートが必要ない」と判断されるため、発給される確率は極めて低いと言えます。

3.他の親族の有無

親をサポートできるほかの親族が、本国にいないと示さなければなりません。

例えば、一人っ子で兄弟姉妹がおらず、親が一人暮らしをしているなどの事情が必要です。

 

本国にほかの親族がいるなどのケースは、わざわざ親を日本に呼び寄せる必要がないと判断されやすいです。

ほかの親族がいる場合は、その人が親をサポートできる状況にないと示さなければなりません。

4.扶養者の年収と資力

扶養者(子ども)は、扶養できるだけの経済力がなければなりません。

 

親を受け入れる子どもは、安定した収入や資産を証明する必要があります。

さらに、親の生活費だけではなく、治療費なども負担しなければなりません。

 

経済力に関しては、明確な基準は規定されていないので、判断が難しいです。

 

収入の目安については後述するので、ぜひ参考にしてください。

5.扶養する環境

扶養者(子ども)は、扶養する環境を整えなければなりません。

 

ここで言う「環境」とは、親をサポートする体制や住環境などが挙げられます。

 

扶養が条件としてあるので、基本的には同居が求められます。

加えて、同居する家の広さや間取りも考慮しなければなりません。

 

親を介護できる人が家に居るか、同居できるだけの家の広さはあるかなどは、審査で厳しくチェックされます。

老親扶養ビザの許可について

「特定活動」は『老親扶養』を目的とした場合、なかなか発給されないのが現状です。

 

以下で、発給率について解説します。

許可率の公開はしていない

入管では、老親扶養ビザに関するデータなどを公表していません。

 

告示外の特定活動ビザは、法務大臣が外国人の事情を個別に判断して発給します。

特に老親扶養を目的とする場合は、より慎重に発給の可否が判断されます。

 

老親扶養ビザは、発給されるケースが少なく、正確なデータもないのが特徴です。

 

一方、家族を対象とした配偶者ビザなどは、許可率が9割を超えています。

ただし、配偶者ビザの対象者に親は含まれないため、注意しましょう。

入管法上には「老親扶養ビザ」はない

入管法上には、「老親扶養ビザ」という査証はありません。

 

日本の在留資格は、活動内容に応じて種類が設定されます。

例えば、留学なら留学ビザ、就労なら就労ビザのように、目的に合った査証を取得する流れです。

 

しかし、日本には老親扶養を目的とした専用の査証はありません。

取得するには、特定活動ビザの告示外で申請をする必要があります。

 

告示外は、申請するのに特別な事情が必要です。

誰でも気軽に申請ができるタイプの査証ではないため、注意しましょう。

特例のため、許可が下りるのは非常に難しいビザ

老親扶養ビザは、特例措置のような位置付けの査証です。

よっぽどの事情がない限り、発給されない査証のため、注意しましょう。

日本の医療制度や健康保険の観点から厳しくなっている

老親扶養ビザは取得が難しい査証ですが、特に近年ではより厳しくなっているのが現状です。

厳しさの要因として、日本の医療制度や健康保険の問題が挙げられます。

 

日本の医療費は、少子高齢化の影響もあり、年々増加しています。

社会保障費の問題は、近年の日本では深刻な問題です。

 

老親扶養ビザを取得すると、外国人の方でも国民健康保険に加入ができるので、3割負担で日本の医療を利用できます。

 

日本の充実した医療制度を利用できることから、コロナ禍以降に申請数は増加しました。

さらに、日本の医療制度を利用する目的で、虚偽の申告も発生しています。

 

仮に、このまま老齢の外国人を積極的に受け入れると、医療費はより増えていくでしょう。

深刻な財政難から、政府は老親扶養ビザによる受け入れに対して消極的な姿勢をとっています。

 

加えて、実子などとは異なり、「親は扶養対象にはならない」と捉えられています。

扶養が前提条件にある老親扶養ビザは、特殊なケースであり、審査も厳しいのが特徴です。

就労ビザなどの一時的なビザでは許可が下りにくい

扶養者である子どもの就労ビザによっては、許可がおりにくいケースがあります。

明確なデータは公表されていないため、査証ごとの許可率は把握できません。

 

扶養者には経済力が求められるので、一時的な査証などの場合は、不許可となる可能性が高いと言えます。

 

基本的には、どの就労ビザであっても、親を呼び寄せるのは難しいです。

例外として、高度専門職ビザでは、優遇措置の1つとして『親の帯同』を認めています。

 

高度専門職ビザにおける親の帯同の要件は、以下のとおりです。

  • ● 親子で同居する
  • ● 世帯年収800万円以上
  • ● 高度専門職または配偶者の7歳未満の子どもの養育を行う、もしくは妊娠中の高度専門職または配偶者のサポートをする
  • ● 帯同できるのは夫婦どちらかの親のみ

年収を満たしている必要性はあるのか?

老親扶養ビザは、子どもが親を扶養しなければなりません。

扶養をするには、ある程度の経済力が必要です。

 

以下で、年収の目安について解説します。

年収の目安

入管法で、明確な年収の基準は規定されていません。

 

目安としては、最低でも年収500万〜600万円は必要です。

ただし、昨今の物価高を考慮すると、年収600万円以上あった方が審査は有利に進みます。

 

高度専門職ビザで認められる親の帯同では、世帯年収800万円以上が要件として規定されています。

 

物価高などを考慮すると、高度専門職ビザと同等かそれ以上の年収は必要と考えておくのがよいでしょう。

 

加えて、年収以外にも預貯金や不動産などの資産の有無も審査の対象です。

招へい者が扶養できることが前提なので、重要な要件である可能性が高い

老親扶養ビザは、招へい者(子ども)が親を扶養できることが前提の査証です。

 

具体的な年収や資産の額については規定されていませんが、審査において重要な要素の1つである可能性が高いです。

 

審査では、年収・預貯金・不動産・そのほかの資産などが総合的に判断されます。

年収の目安(600万円以上)を超えていても、発給される保証はないため、注意しましょう。

老親扶養ビザの取得方法と取得までの期間

ここでは、手続きの手順について見ていきましょう。

申請方法

手続きの流れは、以下のとおりです。

 

●1. 親の来日

老親扶養ビザは新規で申請することができないため、まずは短期滞在ビザなどで親が来日する必要があります。

 

●2. 手続きの準備

提出する書類の作成や収集をします。

準備には時間がかかるので、計画的に進めましょう。

 

●3. 手続き

お住まいの地域を管轄する出入国在留間局にて、在留資格変更許可申請を行います。

 

●4. 事前審査

老親扶養ビザでは、申請を受け付けるかどうかの事前審査があります。

事前審査を通過できない場合は、申請自体を受け付けてもらえないため、注意しましょう。

 

●5. 審査

事前審査を通過したら本申請に進み、提出書類を基に審査が行われます。

処理期間については後述するので、ぜひ参考にしてください。

 

●6. 結果の通知

申請内容に問題がなければ、変更が許可されます。

審査と準備にかかる期間

以下で、審査と準備にかかる期間について解説します。

審査期間

変更許可申請の標準処理期間は、1カ月〜2カ月です。

 

ただし、申請内容や状況によって、処理期間は前後します。

想定以上に時間を要するケースもあるので、時間に余裕を持って手続きを行いましょう。

あらかじめ短期滞在での呼び寄せをしておく必要がある

老親扶養ビザを申請するには、先に親を日本に呼び寄せておく必要があります。

 

査証免除国の国籍の方は、来日するのにビザは不要です。

ビザが必要な国籍の方は、短期滞在ビザなどを取得して来日してください。

 

短期滞在ビザの申請処理は、1週間程かかります。

 

加えて、手続きの準備などにかかる時間も考慮しなければなりません。

来日するまでに、1カ月程度はかかると想定して、計画的に準備を進めましょう。

提出書類

申請者本人(親)に関する書類は、以下のとおりです。

 

  • ● 在留資格変更許可申請書

申請書は、出入国在留管理庁のホームページからダウンロードできるほか、各地方出入国在留管理局にも用意されています。

 

  • ● 写真

上記の申請書に貼り付けて提出します。

規格を満たした写真を使用しない場合、撮り直しを指示されるので、注意しましょう。

 

  • ● パスポート

手続き時に窓口で提示します。

 

  • ● 申請理由書

日本で一緒に暮らす理由を説明した文書です。

 

  • ● 親子関係を示す資料

子どもとの親子関係を示す、以下の書類を用意しましょう。

  • ● 子どもの出生証明書
  • ● 家族関係証明書

 

  • ● 健康状態に関する資料

現在の健康状態を示す、以下の書類を用意しましょう。

● 医師の診断書

● 通院・入院・投薬などに関する明細書

  • ● 医療関係の各種資料

治療先となる医療機関の詳細がわかる資料などを用意しましょう。

すでに受診している場合は、医師の診断書を提出します。

  • ● 母国での資産状況を示す資料

資産状況がわかる資料を用意しましょう。

 

  • ● 扶養可能な親族の有無を示す資料

日本にいる子ども以外で、母国に扶養できる家族がいないと証明できる資料を用意しましょう。

  • ● 家族関係を説明する資料

ほかの家族がいる場合は、扶養ができない理由を説明できる資料を用意しましょう。

 

扶養者(子ども)に関する書類は、以下のとおりです。

  • ● パスポート・在留カード

コピーを提出します。

 

  • ● 身元保証書

扶養者(子ども)が身元保証人になるのが一般的です。

 

  • ● 在職証明書

夫婦の場合は、生計維持者の方の証明書を提出します。

2人分の証明書を提出してもOKです。

 

  • ● 戸籍謄本

夫婦のどちらかが日本人の場合は、提出してください。

どちらも外国人の場合は、婚姻証明書を提出します。

 

  • ● 住民票の写し

世帯全員の記載があるものを用意しましょう。

マイナンバーの部分は省略します。

 

  • ● 住民税の課税証明書および納税証明書

直近1年分の証明書を用意しましょう。

 

  • ● 預貯金を示す資料

通帳のコピーや残高証明書などです。

 

  • ● 住居に関する資料

以下の資料を用意しましょう。

● 不動産謄本

● 賃貸借契約書のコピー

● 住居の間取り図

 

  • ● 交流関係を示す資料

親と子どもの交流を示す、以下の資料を用意しましょう。

● 通話記録

● スナップ写真

● 手紙

申請費用とかかる諸費用

手続きにかかる費用は、以下の表のとおりです。

申請の種類

手数料

在留資格変更許可申請

6,000円

(オンライン申請は5,500円)

短期滞在ビザ

・一次有効ビザ:約3,000円

・数次有効ビザ:約6,000円

 

変更許可申請は、許可された場合に手数料が発生します。

手数料は、こちら(https://www.moj.go.jp/isa/content/930002833.pdf)の納付書を利用して、収入印紙で支払いましょう。

 

申請手数料のほかに、各種書類の発行手数料や航空券代などがかかります。

老親扶養ビザの取得を有利にするには?

ここでは、手続きを有利に進めるためのポイントについて見ていきましょう。

申請を有利にするには「理由書」が重要

老親扶養ビザの申請では、「理由書」の内容が非常に重要です。

書く内容によっては、審査の結果を左右するため、入念に作成しましょう。

 

感情論ではなく、合理的に説明することを意識して作成するのがポイントです。

 

例えば、「本国に親をサポートする親族がいない、かつ重い病気や障害がある」といった理由を合理的に説明しましょう。

 

「親孝行のために親を呼び寄せたい」といった内容は、信ぴょう性や説得力に欠けると判断されます。

感情論による理由書は、不許可となるリスクが高まるため、注意しましょう。

申請における注意点

以下のポイントに注意して、手続きを進めましょう。

「再申請は通らないもの」と考えておく

1度目の申請で不許可となった場合でも、再申請が可能です。

ただし、再申請の審査は、1度目のときよりも厳格に行われます。

 

再申請をするには、不許可となった原因を正しく把握しなければなりません。

入管法などの専門的な知識が必要なケースが多く、自力での再申請は難しいです。

 

再申請を検討している方は、行政書士などのビザの専門家に相談・依頼をしましょう。

できるだけ専門の行政書士に依頼する

老親扶養ビザは、めったに発給されない査証です。

特例措置的な査証のため、人道的な特別な事情が認められない限り、発給されません。

 

審査も非常に厳しく、自力で申請するのは難しいです。

 

少しでも許可率を上げたい方は、行政書士などの専門家に相談・依頼するのをおすすめします。

まとめ

この記事では、在留資格「特定活動」における老親扶養ビザについて解説しました。

 

老親扶養ビザは審査が厳しいのが特徴で、めったに発給されない査証です。

 

親を扶養することが前提条件としてあるので、子どもには経済力が求められます。

明確な基準がなく、自力で年収額の目安などを判断するのは難しいと言えます。

 

申請をお考えの方は、行政書士などの専門家に相談・依頼するのがおすすめです。

 この記事の監修者

さむらい行政書士法人 代表 / 小島 健太郎

さむらい行政書士法人
公式サイト https://samurai-law.com

代表行政書士

小島 健太郎(こじま けんたろう)

 

プロフィール

2009年4月 行政書士個人事務所を開業
2012年8月 個人事務所を行政書士法人化し「さむらい行政書士法人」を設立

専門分野

外国人VISA・在留資格、外国人雇用・経営管理、永住・帰化申請
入管業務を専門とし、年間1000件以上の相談に対応

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