卒業後も就職活動するための「特定活動ビザ」と「推薦状」について解説
日本の大学などを卒業した留学生で、就職活動をしたい方の中には、
「卒業後の就職活動で必要なビザの種類は?」
「必要書類は?」
「推薦状とは?」
といった疑問をお持ちの方も多いでしょう。
この記事では、卒業後に就職活動をするための特定活動ビザについて詳しく解説します。
さらに、必要となる推薦状についても解説します。
ぜひ、最後までお読みください。
特定活動ビザとは
ここでは、特定活動ビザの概要について確認しましょう。
在留資格に該当しない外国人が取得するビザ
特定活動ビザとは、在留資格の活動に該当しない外国人が対象の査証です。
活動の範囲は、法務大臣が個々の外国人に対して指定します。
特定活動ビザの基本情報
在留資格「特定活動」は、以下の3タイプに分類されます。
● 出入国管理および難民認定法に規定される特定活動
専門的な研究や情報処理機関で働く外国人と、その家族のための査証です。
以下の3タイプに分類されます。
- ●1. 特定研究活動
- ●2. 特定情報処理活動
- ●3. 特定研究等家族滞在活動および特定情報処理家族滞在活動
● 告示特定活動
法務大臣が告示によって指定した活動ができる査証です。
目的に応じて、以下の54タイプに分類されます。
現在、以下の11・14・15・48・49は削除されているので、全部で49タイプあります。
- ●1. 外交官・領事館の家事使用人
- ●2. 高度専門職・経営者などの家事使用人
- ●3. 台湾日本関係協会の在日事務所職員とその家族
- ●4. 駐日パレスチナ総代表部の職員とその家族
- ●5. ワーキングホリデー
- ●6. アマチュアスポーツ選手
- ●7. 前述した6.の扶養を受ける配偶者または子ども
- ●8. 外国人弁護士
- ●9. インターンシップ
- ●10. イギリス人のボランティア
- ●11. 現在は削除
- ●12. 短期でのインターンシップを行う外国の大学の学生
- ●13. 国際文化交流を行う外国の大学の学生
- ●14. 現在は削除
- ●15. 現在は削除
- ●16. インドネシア人看護研修生
- ●17. インドネシア人介護研修生
- ●18. 前述した16.の家族
- ●19. 前述した17.の家族
- ●20. フィリピン人看護研修生
- ●21. フィリピン人介護研修生(就労あり)
- ●22. フィリピン人介護研修生(就労なし)
- ●23. 前述した20.の家族
- ●24. 前述した21.の家族
- ●25. 日本の病院で入院・医療を受ける
- ●26. 前述した25.の日常生活の世話をする同伴者
- ●27. ベトナム人看護研修生
- ●28. ベトナム人介護研修生(就労あり)
- ●29. ベトナム人介護研修生(就労なし)
- ●30. 前述した27.の家族
- ●31. 前述した28.の家族
- ●32. 建設労働者
- ●33. 高度専門職の配偶者の就労
- ●34. 高度専門職または配偶者の親
- ●35. 造船労働者
- ●36. 研究者・教育者・研究や教育に関する経営者
- ●37. 情報技術処理者
- ●38. 前述した36.または37.の扶養を受ける配偶者または子ども
- ●39. 前述した36.または37.の者または配偶者の親
- ●40. 観光・保養
- ●41. 前述した40.の家族
- ●42. 製造業に従事する者
- ●43. 日系4世
- ●44. 外国人起業家
- ●45. 前述した44.の扶養を受ける配偶者または子ども
- ●46. 日本の大学または大学院を卒業し、N1の日本語能力を有する者
- ●47. 前述した46.の扶養を受ける配偶者または子ども
- ●48. 現在は削除
- ●49. 現在は削除
- ●50. スキーインストラクター
- ●51. 未来創造人材(J-Find)
- ●52. 前述した51.の扶養を受ける配偶者または子ども
- ●53. デジタルノマド人材
- ●54. 前述した53.の扶養を受ける配偶者または子ども
● 告示外特定活動
ほかの在留資格や上記の告示特定活動に該当しない活動で、法務大臣が個々に許可をする査証です。
例えば、以下のような活動をするケースに該当します。
- ●1. 卒業後も就職活動を続ける
- ●2. 在留資格の更新が不許可となったときの出国準備
- ●3. 高齢の親を日本に呼び寄せる
在留期間について
在留期間は5年・3年・1年・6カ月・3カ月、もしくは法務大臣が個々に指定する期間です。
付与される期間は、特定活動のタイプによって異なります。
本記事で紹介する「継続就職活動」は、6カ月です。
更新も可能ですが、更新できる回数は1回のみのため、注意しましょう。
卒業後も就職活動を続けることができる
卒業後も就職活動を続けるには、在留資格「留学」から「特定活動(継続就職活動)」に変更します。
特定活動ビザの継続就職活動は、告示外特定活動に分類される査証です。
内定先の企業でインターンシップを行うことも可能
継続就職活動は、内定先の企業でインターンシップにも参加できます。
インターンシップで報酬を受ける予定がある方は、勤務時間に応じて、以下の資格外活動許可を取得しなければなりません。
- ● 勤務時間が1週間28時間以内:包括許可
- ● 勤務時間が1週間28時間を超える:個別許可
報酬を受けないインターンシップのケースでは、資格外活動許可は不要です。
資格外活動許可を受ければ就労することができる
資格外活動許可を得れば、1週間28時間以内のアルバイトなども可能です。
ただし、規定の時間をオーバーして働くと、ビザの更新や変更の審査で不許可となる可能性が高まります。
勤務時間をオーバーしないように、十分に注意しましょう。
継続就職活動は、原則として就労が認められていません。
働きたい場合は、必ず資格外活動許可を取得してください。
特定活動ビザの申請に必要な書類
ここでは、就職活動を続けるための特定活動ビザの手続きで提出する書類を確認しましょう。
必要書類一覧
卒業した教育機関によって用意する書類が異なるため、注意しましょう。
共通する書類は、以下のとおりです。
- ● 在留資格変更許可申請書
- ● 写真
- ● パスポートおよび在留カード
手続き時に窓口で提示します。
- ● 申請者の滞在中のすべての経費の支弁能力を示す文書
申請者以外の方が経費をまかなう場合は、その方の経済力を示す文書およびその方が支弁するに至った経緯を説明する文書を用意しましょう。
- ● 直前まで在籍していた教育機関による推薦状
推薦状については後述するので、ぜひ参考にしてください。
- ● 継続して就職活動を行っていると示す資料
日本の大学(短期大学・大学院を含む)を卒業した方は、以下の書類も用意しましょう。
- ● 直前まで在籍していた大学の卒業証書の写し、または卒業証明書
日本の専修学校専門課程において、専門士の称号を取得して卒業した方は、以下の書類も用意しましょう。
- ● 直前まで在籍していた専修学校の発行する専門士の称号の証明書
- ● 直前まで在籍していた専修学校の卒業証書の写し、または卒業証明書および成績証明書
- ● 専門課程における修得内容の詳細を明らかにする資料
海外の大学または大学院を卒業後、一定の要件を満たした日本の日本語教育機関を卒業した方は、以下の書類も用意しましょう。
- ● 直前まで在籍していた日本語教育機関の卒業証書(修了証書)の写し、または卒業証明書(修了証明書)
- ● 直前まで在籍していた日本語教育機関が発行する出席状況の証明書
- ● 海外の大学または大学院を卒業して、学士以上の学位を取得していると示す文書
海外の大学・大学院の卒業証書の写し、または卒業証明書などを用意しましょう。
- ● 直前まで在籍していた日本語教育機関と定期的に面談を行い、就職活動に関する情報提供を受ける旨の確認書
- ● 直前まで在籍していた日本語教育機関が一定の要件を満たしていると確認できる資料
特定活動ビザの推薦状について
就職活動を続けるための特定活動ビザの手続きには、推薦状の提出が必須条件です。
卒業した学校からの推薦状が必要となる
「特定活動(継続就職活動)」の手続きには、卒業した学校からの推薦状が求められます。
推薦状は、直前まで在籍していた学校に作成してもらわなければなりません。
作成方法は学校によって異なるため、卒業した学校の学生課や就職課などの担当窓口で確認しましょう。
特定活動ビザの推薦状がもらえないのはなぜですか?
推薦状がもらえないケースには、以下のような例が挙げられます。
- ● 成績が悪い
- ● 出席率が低い
- ● 資格外活動許可の勤務時間をオーバーする
推薦状の発行基準は、学校によって異なります。
心配な方は、在籍している学校の担当部署に問い合わせましょう。
推薦状の記載項目
推薦状は、就職活動を続けるにあたって、以下の2つの項目について適当な者であると推薦する文書です。
- ●1. 許可される範囲内で資格外活動を行う
- ●2. そのほかの日本国法令を遵守する
推薦状の記載項目は、以下のとおりです。
- ● 作成した日付
- ● 申請者の氏名、国籍と地域、住居地、生年月日
- ● 推薦者(学校名)
特定活動ビザの取得難易度は高め
ここでは、特定活動ビザの取得の難易度について見ていきましょう。
特定活動ビザは制度が細かく、不許可になりやすい
特定活動ビザは、活動内容によって細かくタイプが分類されるため、制度が複雑です。
取得するタイプによって、対象者・要件・提出書類なども異なります。
自力での手続きも可能ですが、書類の不足などで不許可になるリスクもあります。
許可率を上げたい方は、行政書士などの専門家のサポートを受けるのがおすすめです。
ビザ申請の経験が豊富な行政書士に相談しよう
特定活動ビザを取得したい方は、ビザ申請の経験が豊富な行政書士に相談しましょう。
行政書士のサポートを受ければ、正確な情報を基に、適切な手続きが行えます。
手続きにおけるミスを回避できるので、不許可となるリスクも減らせます。
まとめ
この記事では、卒業後に就職活動をするための特定活動ビザについて紹介しました。
日本に留学している外国人の方は、特定活動ビザの継続就職活動を取得すれば、卒業後も日本で就職活動が行えます。
手続きをするためには、卒業した学校からの推薦状が必要です。
特定活動ビザは制度が複雑なため、審査を通過する難易度は高いと言えます。
手続きをお考えの方は、行政書士などの専門家のサポートを受けるのがおすすめです。
プロフィール
2009年4月 行政書士個人事務所を開業
2012年8月 個人事務所を行政書士法人化し「さむらい行政書士法人」を設立
専門分野
外国人VISA・在留資格、外国人雇用・経営管理、永住・帰化申請
入管業務を専門とし、年間1000件以上の相談に対応











