永住権を持つ外国人向け|家族呼び寄せの方法・ビザ・必要書類を解説
永住権をお持ちの外国人の方の中には、
「家族は呼び寄せられる?」
「ビザの種類は?」
「手続きの方法は?」
「提出書類は?」
といった疑問をお持ちの方も多いでしょう。
この記事では、永住権も持つ外国人の方向けに、家族を呼び寄せる方法について詳しく解説します。
ぜひ、最後までお読みください。
永住権を持つ外国人が家族を呼び寄せるには?
ここでは、永住権を持つ外国人が家族を呼び寄せられる在留資格(ビザ)の種類について見ていきましょう。
在留資格について
在留資格とは、外国人の方が日本に滞在するための資格です。
活動内容によって、取得する在留資格は異なります。
在留資格を持つ外国人の家族を呼び寄せるには、家族も適切な在留資格を取得しなければなりません。
永住権保持者の方も例外はなく、呼び寄せる家族も適切な在留資格を取得する必要があります。
以下で、永住権保持者の家族の方が取得できる在留資格について説明します。
配偶者や子の場合
呼び寄せる家族が配偶者(夫または妻)や子どもの場合は、在留資格「永住者の配偶者等」が必要です。
「永住者の配偶者等」は、永住権を持つ外国人の家族(配偶者・子ども)が対象で、いわゆる身分系のビザに分類されます。
在留期間は、5年・3年・1年・6カ月のいずれかです。
「永住者の配偶者等」には、就労や就学に関する制限がありません。
取得すれば、日本人と同様に就労や就学ができます。
親や親戚の場合
現在、日本には永住者の親を呼び寄せるための在留資格は、存在しません。
前述した「永住者の配偶者等」の対象も夫・妻・子どものみで、親や親戚は対象外です。
例外として、以下のような特別な事情がある場合は、親を呼び寄せられる在留資格もあります。
- ● 本国に病気などで介護や介助の必要があり、身寄りのない老親がいる
- ● 高度専門職の外国人もしくは配偶者の7歳未満の子どもの養育、または妊娠中のサポートをするために来日する親がいる
親の呼び寄せは基本的に難しい
永住権保持者に限らず、親の呼び寄せは基本的に難しいのが現状です。
例えば、「高齢になった親と日本で一緒に暮らしたい」といった理由では、実際に呼び寄せるのは難しいと言えます。
特別な事情がある場合は申請できるビザもありますが、取得の難易度は高いため、入念な準備が必要です。
親のビザが認められる例
以下で、親の呼び寄せが認められる例について説明します。
短期滞在の観光ビザ
短期滞在の観光ビザとは、査証免除国以外の国や地域の方が日本に旅行などで滞在するための査証です。
滞在が90日以内で、一時的に親を呼び寄せる場合は、観光ビザを取得しましょう。
観光ビザでできる活動範囲は、以下のとおりです。
- ● 観光・レジャー
- ● 親族・友人・知人への訪問
- ● 保養・治療
- ● 商用(見学・視察・商談・会議への参加など)
- ● 講演会・説明会などへの参加
上記の範囲の中には、商用目的の活動も含まれますが、収入を伴う事業の運営や報酬を得る活動はできません。
観光ビザでの就労は、不法就労に該当するため、注意しましょう。
在留期間は、15日・30日・90日のいずれかが付与されます。
原則として、人道上のやむを得ない事情がない限り、期間の延長は認められません。
ビザの手続きは、申請者が居住する外国にある在外日本大使館・領事館で行います。
在留資格は出入国在留管理局の管轄ですが、短期滞在の観光ビザは外務省が管轄しています。
詳細などは、外務省のウェブサイトで確認しましょう。
医療滞在
医療滞在ビザとは、日本で治療を受けるための査証で、在留資格「特定活動」の医療滞在:告示25号に分類されます。
親が病気などで治療を必要としている場合は、医療滞在ビザを取得しましょう。
加えて、必要に応じて同伴者の同行も可能です。
ただし、同伴者の方ができる活動は、以下に限定されます。
- ● 入院中の身の回りの世話
- ● 入院前後の病院への送迎や付き添い
親族以外の方が同伴者として取得する場合は、治療を受ける方との関係性が慎重に審査されます。
医療滞在ビザでできる活動の範囲は、以下のとおりです。
- ● 医療機関での治療を受ける(出産を含む)
- ● 健康診断
- ● 人間ドック
- ● 温泉湯治などによる療養
在留期間は、90日・6カ月・1年のいずれかで、申請者の病態などを考慮して決定します。
滞在期間が90日以上になる場合は、入院が前提条件です。
医療滞在ビザを取得した外国人の方は、国民健康保険制度の被保険者となることができません。
入院費や治療費は、原則として全額自己負担のため、注意しましょう。
特定活動
特定活動ビザとは、法務大臣が個々の外国人について活動を指定する査証です。
活動内容によって、告示特定活動と告示外特定活動に分類されます。
前述した医療滞在ビザは、在留資格「特定活動」のうちの告示特定活動の1つです。
親を呼び寄せる目的に該当する種類には、老親扶養と呼ばれる告示外特定活動もあります。
告示外特定活動である老親扶養は、具体的な要件は定められていません。
ただし、申請するには、最低限以下の基準を満たす必要があります。
- ● 親の年齢が70歳以上である
- ● 母国に親の面倒をみる親族がいない
- ● 親が母国で1人で暮らしている
- ● 持病があるなど健康状態が悪い
- ● 親を扶養する者に一定以上の収入がある
老親扶養は特例措置であるため、申請はできても、許可されるケースは限定的です。
審査は非常に厳しく、許可がおりることがまれなビザと言えます。
家族滞在ビザ
家族滞在ビザとは、就労ビザで働く外国人の家族が日本で一緒に暮らすための査証です。
家族滞在ビザを取得できる就労ビザは、以下の表のとおりです。
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教授 |
芸術 |
宗教 |
報道 |
|
高度専門職 |
経営・管理 |
法律・会計業務 |
医療 |
|
研究 |
教育 |
技術・人文知識・国際業務 |
企業内転勤 |
|
介護 |
興行 |
技能 |
特定技能2号 |
|
文化活動 |
留学 |
ー |
ー |
在留期間は、5年を超えない範囲で法務大臣が個々に指定します。
家族が日本で一緒に暮らすための査証ですが、親は対象外です。
対象者は配偶者(夫・妻)と子どものみのため、注意しましょう。
家族呼び寄せのためのビザ申請について
ここでは、家族を呼び寄せるためのビザの手続きについて見ていきましょう。
【外国人の家族を日本に呼ぶ】ビザの申請要件とは
在留資格を持つ外国人の家族を日本に呼ぶためのビザの種類は、以下の表のとおりです。
|
ビザ |
対象者 |
条件 |
|---|---|---|
|
観光 |
・観光、親族訪問、商用目的で滞在する査証免除国以外の国籍者 ・孫の世話や出産のケアなどのために一時的に滞在する外国人の親 |
・日本に身元保証人・招へい者がいる ・身元保証人の資産がある |
|
医療滞在(短期) |
・治療を目的として短期滞在する者(90日以内) ※滞在が90日以内の短期間の場合は、上記の観光ビザが適用されます。 |
・日本に身元保証人・招へい者がいる ・身元保証人の資産がある |
|
医療滞在(長期) |
・治療を目的として滞在する者と同伴者 ・健康診断(人間ドックを含む)の受診者 |
・病院または診療所に入院して治療を受ける、または入院の前後に継続して治療を受ける ・90日以上の滞在である ・滞在費および治療費の支弁能力がある |
|
特定活動 |
個人的な事情に応じて滞在を許可される者 |
活動内容によって条件は異なります。 |
|
家族滞在 |
就労ビザで働く外国人が扶養する家族(配偶者と子ども) |
・法律上有効な家族関係がある ・日本で一緒に暮らせるだけの経済力がある ・配偶者と子どもが実際に扶養を受けている |
ビザ申請の流れ
ビザの種類によって手続きの流れは異なりますが、大まかな手順は種類に関係なく同じです。
以下で、基本的な手続きの流れについて解説します。
- ●1. 準備
ビザに関する情報を確認して、提出書類などの準備をします。
書類の種類によっては、発行までに時間がかかるものもあります。
時間にゆとりをもって、計画的な準備をしましょう。
- ●2. 在留資格認定証明書交付申請
手続きは、出入国在留管理局にて行います。
準備した書類を、居住予定地を管轄する出入国在留管理局に提出しましょう。
手数料は、かかりません。
窓口の受付時間は、平日9時〜12時・13時〜16時です。
手続きの種類によって、受付時間や曜日が設定されている場合があるので、注意しましょう。
- ●3. 審査
ビザの種類によって、審査にかかる期間は異なります。
標準処理期間は、1〜3カ月です。
- ●4. 在留資格の交付
審査で問題がなければ、在留資格が交付されます。
手続きに関して疑問や不安がある方は、以下の相談窓口も利用しましょう。
- ● 各地方出入国在留管理局
- ● 外国人在留総合インフォメーションセンター
問い合わせ方法は、以下の表のとおりです。
|
方法 |
概要 |
|---|---|
|
窓口 |
札幌・仙台・東京・横浜・名古屋・大阪・神戸・広島・高松・福岡・那覇 ※窓口によって、受付時間や対応言語は異なります。 |
|
電話 |
・電話:0570-013904(海外からかける場合:03-5796-7112) ・受付時間:平日8時30分〜17時15分 ・対応言語:日本語・英語・中国語・韓国語・スペイン語・ポルトガル語・ベトナム語・タガログ語・ネパール語・インドネシア語・タイ語・カンボジア語・ミャンマー語・モンゴル語・フランス語・シンハラ語・ウルドゥー語 |
上記以外にも、地方公共団体の相談窓口と連携したワンストップ型の相談センターもあります。
入国管理手続き・行政手続き・生活に関する相談や情報提供を行っているので、ぜひ利用してください。
- ● 外国人総合相談支援センター
|
住所 |
〒106-0021 東京都新宿区歌舞伎町2-44-1 東京都健康プラザ「ハイジア」11階しんじゅく多文化共生プラザ |
|---|---|
|
電話 |
03-3202-5535 03-5155-4039 |
|
対応言語 |
中国語・英語・ポルトガル語・スペイン語・インドネシア語・ベトナム語・タガログ語 |
- ● 外国人総合相談センター埼玉
|
住所 |
〒330-0074 埼玉県さいたま市浦和区北浦和5-6-5 埼玉県浦和合同庁舎3階 |
|---|---|
|
電話 |
048-833-3296 |
|
対応言語 |
英語・ポルトガル語・スペイン語・中国語・韓国語・タガログ語・タイ語・ベトナム語・インドネシア語・ネパール語・ロシア語・ウクライナ語 入国や在留手続きに関する相談は、月・水・金に行っています。 |
- ● 多文化共生総合相談ワンストップセンター
|
住所 |
〒430-0916 静岡県浜松市中区早馬町2-1 クリエート浜松4階 |
|---|---|
|
電話 |
053-458-1510(入国・在留手続きの相談と情報提供) 053-458-2170(生活などの相談と情報提供) |
|
対応言語 |
英語・ポルトガル語・スペイン語・中国語・タガログ語・ベトナム語・インドネシア語 |
ビザ申請に必要な書類
ビザの種類によって、提出書類は異なります。
申請するビザの種類に応じて、書類を集めましょう。
以下は、在留資格「永住者の配偶者等」の申請で必要な書類です。
- ● 在留資格認定証明書交付申請書
- ● 写真
上記の申請書に添付します。
規格外の写真を使用すると、撮影のやり直しを求められるため、注意しましょう。
- ● 返信用封筒
宛先を明記した定形封筒を用意しましょう。
簡易書留用の郵便切手を貼り付けてください。
- ● 配偶者(永住者)および申請者の国籍の機関から発行された結婚証明書
韓国籍の方で戸籍謄本が発行される場合は、お二方の婚姻が記載された外国機関が発行した戸籍謄本でもOKです。
日本の役所に届け出ている場合は、婚姻届出受理証明書も提出します。
- ● 日本での滞在費用を証明する以下の資料
- 1. 申請者の滞在費用を支弁する者の直近1年分の住民税の課税または非課税証明書、および納税証明書
- 2. 上記1.の資料を提出できない場合は、以下の資料を提出しましょう。
例えば、入国後や転居後間もない方などが当てはまります。
- ・1. 預貯金通帳のコピー
- ・2. 雇用予定証明書または採用内定通知書(日本の企業が発行したもの)
- ・3. 上記に準ずるもの
- ● 配偶者(永住者)の身元保証書
身元保証人の対象者は、申請者の配偶者(永住者)の方です。
- ● 配偶者(永住者)の世帯全員の記載がある住民票
マイナンバーの部分は、省略して提出してください。
- ・質問書
- ・ 夫婦間の交流が確認できる以下の資料
- 1. スナップ写真
夫婦で写っており、容姿がはっきりとわかるものを用意しましょう。
アプリなどで加工したものは、使用できません。
- 2. そのほか
例えば、SNSの記録や通話記録などを用意しましょう。
永住権保持者が家族を呼び寄せたい時は専門家に相談しよう
家族を呼び寄せるビザの申請は、要件がやや複雑で、取得の難易度も高めです。
特に、親を呼び寄せる目的でのビザ申請は、非常に難しいです。
申請をお考えの方は、行政書士などの専門家に相談・依頼するのをおすすめします。
ここでは、行政書士などによる代行サービスについて見ていきましょう。
ビザの申請は複雑で手間がかかる
ビザは自力での申請も可能ですが、想像以上に複雑で手間がかかります。
特に、申請のための準備には、時間も労力もかかります。
申請における負担を減らしたい方は、行政書士などの専門家に依頼するのがおすすめです。
行政書士などの専門家に依頼することで情報収集の手間がはぶける
ビザの申請では、情報収集が非常に重要です。
例えば、ビザを申請するには、以下のような情報を集めなければなりません。
- ● 取得要件
- ● 提出書類の種類
- ● 各種書類の作成方法・入手方法
- ● 手続きの方法
- ● 手続きの時期
- ● 費用
- ● 問い合わせ先
自力ですべての情報を集めるのは、非常に大変な作業です。
行政書士に依頼すれば、情報収集にかかる手間をはぶけるので、スムーズな申請の準備ができます。
ビザに関する最新情報を把握している
行政書士は、ビザに関する最新情報について把握しています。
ビザの情報は、インターネットなどを利用すれば、自力でも集められます。
ただし、インターネット上の情報は、間違っていたり、古くなっていたりするケースも多いです。
加えて、ビザの制度は、頻繁に変更される特徴があります。
間違った情報で準備をしてしまうと、申請が不許可となる可能性があります。
ビザ申請を成功させるには、最新の正しい情報を基に手続きをするのが重要です。
行政書士に依頼すれば、情報の不足による不許可のリスクを回避できるので、安心して申請に進めます。
ビザの申請経験が豊富な行政書士に依頼しよう
どの行政書士事務所に依頼をするかは、代行申請において重要なポイントです。
行政書士の業務は、多岐にわたります。
ビザ申請の代行サービスを提供していない事務所も多いため、注意が必要です。
代行の依頼をする場合は、必ずビザ申請の経験がある行政書士に依頼しましょう。
一度申請が却下されてから再申請するのは難易度が高い
ビザは、一度申請が却下された場合でも再申請が可能です。
ただし、再申請では、一度目よりも厳しい審査がされます。
再申請で許可を得るには、不許可となった理由を正確に把握し、確実に原因を解消しなければなりません。
ビザ申請の経験がある行政書士は、許可を得るためのポイントを熟知しています。
自力でも再申請は可能ですが、1度目以上に難易度は高いです。
再申請での許可率を上げたい方は、ビザ申請の経験が豊富な行政書士に依頼しましょう。
ビザ申請の難しい案件も経験豊富
ビザ申請の経験がある行政書士は、申請におけるノウハウを豊富にもっています。
申請をお考えの方の中には、前述した再申請や特殊な事情がある方もいるでしょう。
行政書士に依頼すれば、難しい案件でも依頼者の状況に応じたサポートが可能です。
過去の申請経験を基に適切な対応をしてくれるので、難しい案件でも安心して任せられます。
自力での申請が難しい状況にある方は、行政書士に依頼しましょう。
まとめ
この記事では、永住権での家族の呼び寄せについて解説しました。
永住者の配偶者(夫・妻)または子どもの方は、在留資格「永住者の配偶者等」を取得すれば、日本で一緒に暮らせます。
親を呼び寄せる場合は、別の方法を検討する必要があります。
現在の日本には、親を呼び寄せるための専用のビザはありません。
実際には、親を呼び寄せられるビザには、いくつかの種類があります。
目的と状況に応じて、適切なビザを取得してください。
家族を呼び寄せるビザは、制度も条件もやや複雑です。
スムーズに申請をしたい方は、行政書士などの専門家に相談することも検討しましょう。
プロフィール
2009年4月 行政書士個人事務所を開業
2012年8月 個人事務所を行政書士法人化し「さむらい行政書士法人」を設立
専門分野
外国人VISA・在留資格、外国人雇用・経営管理、永住・帰化申請
入管業務を専門とし、年間1000件以上の相談に対応











