どんな時に在留資格が取り消しになるのか?
想像してみてください。時間と労力をかけて取得した在留資格が、もし、「取り消し」になってしまったら…。よほどのことがない限り在留資格が取り消されることはありませんが、中には、残念ながら「取り消し」となってしまう人もいます。そこで今回は、“どういった場合に在留資格が取り消しになるのか?”という疑問にお答えしていきたいと思います。在留資格の取得を検討している方は、ぜひ参考にしてみてください。
どんな時に在留資格が取り消しになるの?
さっそく本題に参りましょう。出入国在留管理庁の公式サイトでは、在留資格が取り消しになってしまうケースが次のように定義されています。
1. 不正や虚偽の申告によって、不当に在留資格を得た場合
・その時は取得できたとしてもいずれバレる時が来ます。
・また、事実と反することは「虚偽」と見なされるため、申請者本人が故意に嘘をついたのかどうかは関係ありません。
2. 経歴詐称などを行い、本来の目的とは違う在留資格を得た場合
・例:「経営・管理ビザ」を取得したのに、実体がペーパーカンパニーだった…など
3. 正当な理由を除き、申請者が保有している在留資格に関わる活動を行っていなかった場合
4. 在留資格の変更などで中長期在留者となった人が、90日以内に法務大臣に住居届を行わなかった場合
5. 「日本人の配偶者等」または「永住者の配偶者等」の在留資格を持っている人が、配偶者としての活動を6カ月以上行っていない場合(正当な理由がある場合を除く)
・別居状態など
参考元:出入国在留管理庁の公式サイト
何となく想像がつきますよね。このように、虚偽の申告をする・本来の目的とは違った在留資格を得るなど、“それは不正じゃない?”と疑われたときに「取り消し」の対象となります。
在留資格が取り消しの対象になってしまった場合はどうすればいい?
そもそも不正をしなければいい話なのですが、残念ながら「取り消し」の対象となってしまった場合は、次のような手順で日本から出国しなければなりません。
手順1:入国管理局から意見を求められる
まず、入国管理局が「取り消し」と判断した場合は、取り消し対象となってしまった外国人から意見を聞く義務があります。その際、外国人が「取り消し」に対して意見を述べることができます。また、正当な理由があるのであれば証拠や資料を提出し、認められれば「取り消し」を撤回することも可能です。
手順2:30日以内に出国する
手順1で正当な理由があることを証明できた場合は幸いですが、意見の述べた上でやはり「取り消し」と判断された場合は、取り消しとなった日から30日間を上限として自主的に出国しなければなりません。30日間を超えてしまうと強制退去の対象となるので、早めに準備しましょう。
※不正や虚偽の申告等で不当に在留資格を得た場合は、30日間の猶予は与えられません。直ちに強制退去となります。
【まとめ】
なかなか厳しい内容でしたが、在留資格が取り消しになるということは相当やらかしてしまったケースが多いです。ただし、近年は在留資格の不正取得も増えているため、一概に「他人事」とは言えません。故意でなくても、雇用主から不正行為を勧められるケースもありますので、正しい知識を持って申請に臨みましょう。信頼できる専門家に依頼するのも一つの手ですよ。
この記事の監修者
プロフィール
2009年4月 行政書士個人事務所を開業
2012年8月 個人事務所を行政書士法人化し「さむらい行政書士法人」を設立
専門分野
外国人VISA・在留資格、外国人雇用・経営管理、永住・帰化申請
入管業務を専門とし、年間1000件以上の相談に対応