「定住告示(1号):ミャンマー難民の人」の在留資格の申請方法などを解説
ミャンマー難民のための在留資格について知りたい方の中には、
「定住告示とは?」
「ミャンマー難民のための在留資格は?」
「手続き方法は?」
といった疑問をお持ちの方も多いでしょう。
この記事では、ミャンマー難民の方の定住告示(1号)について詳しく解説します。
ぜひ、最後までお読みください。
定住告示とは
ここでは、定住告示について見ていきましょう。
定住告示について
以下で、定住告示について詳しく解説します。
いわゆる「定住者ビザ」と呼ばれているもの
「定住者ビザ」と呼ばれている、いわゆる身分系の査証です。
在留資格のタイプは、「定住者」に分類されます。
定住者ビザとは、法務大臣が特別な理由を考慮して、日本での居住を認める査証です。
詳細については後述するので、ぜひ参考にしてください。
定住者告示は第1号から第8号まである
定住者の告示は、以下の1号〜8号に分類されます。
- ・1号:難民
- ・2号:現在は削除
- ・3号:日系2世・3世
- ・4号:日系3世
- ・5号:定住者の配偶者
- ・6号:定住者の子ども
- ・7号:6歳未満の養子
- ・8号:中国在留邦人
ミャンマー難民の方は、1号に該当します。
1号の詳細については後述するので、ぜひ参考にしてください。
そのほかは「定住外告示」となる
上記の告示以外は、「定住外告示」に分類されます。
告示外は、告示で定める者には該当しないが、在留資格「定住者」が認められる者です。
例えば、以下のようなケースが挙げられます。
- ・認定難民
難民として認定されるケースです。
日本の難民認定率は低いため、非常にレアなケースと言えます。
- ・離婚や死別
日本人・永住者・特別永住者と離婚や死別をした後も、引き続き日本に在留を希望するケースです。
婚姻が事実上破綻しているケースも含みます。
- ・日本人の実子を監護・養育する
日本人と離婚や死別をした後に、夫婦間の子どもを監護・養育するケースです。
- ・特別養子の離縁
特別養子の離縁により「日本人の配偶者等」の在留資格に該当しなくなったケースです。
取得するには、経済的に独立できるだけの資産や技能が求められます。
- ・難民不認定処分後特定活動定住
難民の不認定処分を受けた後に、在留資格「特定活動」で1年の在留期間を付与された者で、「定住者」に切り替えるケースです。
定住告示(1号):ミャンマー難民の人について
法務省は、定住者の告示1号を以下のように定めています。
「インド・インドネシア・カンボジア・シンガポール・スリランカ・タイ・大韓民国・中華人民共和国・ネパール・パキスタン・バングラデシュ・東ティモール・フィリピン・ブータン・ブルネイ・ベトナム・マレーシア・ミャンマー・モルディブ・モンゴル・ラオス国内に一時滞在している者であって、国際連合難民高等弁務官事務所が国際的な保護の必要なものと認め、日本に対してその保護を推薦するもののうち、次のいずれかに該当する者」
・1. 日本社会への適応能力がある者であって、生活を営むに足りる職に就くことが見込まれ、その配偶者または子ども、父母もしくは未婚の兄弟姉妹
・2. 1号に掲げる地位を有する者として引き続き日本に在留する者が、上陸する直前まで一時滞在していた国に滞在する当該者の親族であって、親族間での相互扶助が可能である者
定住告示(2号)もミャンマー難民の在留資格となる
現在、2号は削除されています。
2号は、マレーシア国内に一時的に滞在しているミャンマー難民で、1号に該当する者と定められています。
ただし、前述したように、現在は削除されているため、注意しましょう。
定住者とはどのような在留資格?
ここでは、在留資格「定住告示」の概要について見ていきましょう。
定住者とは?
以下で、定住者について詳しく解説します。
概要
定住者とは、在留資格「定住者」を取得した外国人を指します。
定住者ビザとも呼ばれ、いわゆる身分系の査証です。
人道上の特別な理由がある場合に、取得が許可されます。
例えば、特定の国からの難民や日系の方などが対象です。
定住者ビザは、大きく分けて以下の2つに分類されます。
・1.告示定住者
告示によって、対象者が指定されるタイプです。
ミャンマー難民の方は、告示1号に該当します。
・2.告示外定住者
活動内容を個別に審査されるタイプです。
要件
取得するタイプによって、要件は異なります。
例えば、以下の要件が定められているケースが多いです。
- ・身分的要件
難民・日系人・日本人と結婚している配偶者や実子などが挙げられます。
家族関係などの身分を基礎として「定住者」を取得した方は、身分や事情の変更によって在留資格に影響があるため、注意しましょう。
・独立生計要件
日本で安定した生活が送れるだけの、経済力が求められます。
安定した職業に就ける知識や技能、または十分な資産を持っていると証明できなければなりません。
・素行要件
日本の法律を守れるかが重要なポイントです。
懲役刑などのような重い犯罪はもちろんですが、軽微な交通違反などにも注意を払う必要があります。
ミャンマー難民の場合は、告示の1号に該当していなければなりません。
具体的には、以下の要件をクリアする必要があります。
- ・日本社会への適応能力がある
- ・生活を営むに足りる職に就くことが見込まれる
- ・親族間で扶助が可能(親族の場合)
在留期間と更新の有無
在留期間は、5年・3年・1年・6カ月のいずれかです。
上記の期間に当てはまらない場合は、5年を超えない範囲で、法務大臣が個々に指定する期間が付与されます。
在留期間が過ぎた後も引き続き滞在したい場合は、更新の手続きが可能です。
ただし、必ず更新が許可されるわけではないため、注意しましょう。
更新が許可されるには、以下の条件をクリアしていなければなりません。
- ・行う予定の活動が在留資格に該当する
- ・法務省令で定める上陸許可基準に適合している
- ・現に有する在留資格に応じた活動を行っていた
- ・素行が不良でない
- ・独立の生計を営むに足りる資産・技能を有する
- ・雇用・労働条件が適正である
- ・納税義務などを果たしている
- ・入管法に定める届出などの義務を果たしている
就労制限がない
定住者の方は、就労制限がありません。
職種も自由で、好きな仕事に就けます。
例えば、ほかの就労系の査証では難しい単純労働にも従事できます。
さらに、雇用形態の制限もありません。
正社員・派遣社員・パート・アルバイトなど、いずれの雇用形態でも働けます。
ただし、身分や収入などの状況が変わった場合は、定住者に該当しなくなる可能性があります。
例えば、長期間の海外出張・単身赴任など日本から出国する予定がある場合や、仕事を辞めて収入がなくなった場合などは、注意が必要です。
永住者との違い
定住者と同じ身分系の査証には、「永住者」と呼ばれるタイプがあります。
永住者は、文字通り日本に永住できる資格です。
どちらも身分系の査証ですが、対象者の目的と範囲が異なります。
定住者は、人道上の特別な理由がある場合に認められる査証です。
一方、永住者は、一定期間日本に在留している外国人のうち、素行要件・収入要件・納税要件などを満たした方のみが申請できます。
定住者と永住者の共通点と相違点は、以下の表のとおりです。
|
共通点 |
相違点 |
|---|---|
|
・就労制限がない ・参政権がない ・在留カードの携帯義務 ・一時出国する際は再入国許可が必要 ・強制退去処分の可能性がある |
・定住者は在留期限がある ・永住者は在留期限がない |
短期滞在との違い
短期滞在ビザは、文字通り日本に短期間滞在するための査証です。
主に、観光・出張などの商用・家族訪問といった目的で発行されます。
あくまでも短期的な滞在が目的のため、原則として期間の更新は認められません。
一方、定住者ビザは長期的な滞在が可能で、更新も認められます。
定住告示(1号)の申請について
ここでは、申請方法について見ていきましょう。
申請の流れ
以下で、申請の流れについて詳しく解説します。
海外から申請する場合
海外からはじめて申請する場合の流れは、以下のとおりです。
・1.準備
必要書類の作成や収集などを行います。
取得するタイプによって、要件や必要書類が異なるため、注意しましょう。
必要書類については後述するので、ぜひ参考にしてください。
・2.申請
新しく在留資格を申請して日本への入国を希望する場合は、「在留資格認定証明書交付申請」を行います。
準備した書類を、出入国在留管理局へ提出してください。
・3.審査
提出した書類や申請内容を基に、審査が行われます。
審査にかかる期間については後述するので、ぜひ参考にしてください。
・4.在留資格の交付
審査で問題がなければ、在留資格「定住者」が交付されます。
日本にいる外国人の申請の場合
すでに別の査証で日本に滞在している場合の流れは、以下のとおりです。
・1.準備
必要書類の作成や収集を行います。
取得するタイプによって、要件や必要書類は異なります。
不備のないように、入念な準備を心がけましょう。
・2.申請
すでにほかの査証で日本に滞在している方が、定住者ビザに変更を希望する場合は、「在留資格変更許可申請」を行います。
マイナンバーカードをお持ちの方は、オンラインによる申請も可能です。
・3.審査
提出した書類や申請内容を基に、審査が行われます。
変更の審査にかかる期間は、2週間〜1カ月です。
・4.結果の通知
審査で問題がなければ、変更が許可されます。
必要書類
取得するタイプによって、必要書類は異なります。
以下は、すべてのタイプに共通する書類です。
- ・在留資格認定証明書交付申請書
- ・写真
- ・返信用封筒
上記以外の書類は、取得するタイプによって異なります。
以下で、代表例として日系3世の方の書類を紹介します。
|
種類 |
書類 |
|---|---|
|
市区町村の役所から発行してもらうもの |
・祖父母の戸籍謄本または除籍謄本 ・祖父母と両親の婚姻届受理証明書 ・本人の出生届出受理証明書 ・祖父母と両親の死亡届出受理証明書 ・日本における同居者の住民票 |
|
職業・収入を証明するもの |
・預貯金通帳残高証明書 ・雇用予定証明書または採用内定通知書 ・滞在費用支弁者の住民税の課税または非課税証明書および納税証明書(直近1年分) |
|
そのほか |
・身元保証書 ・申請者の犯罪経歴証明書 ・祖父母および両親の本国の機関から発行された結婚証明書 ・両親および申請者の本国の機関から発行された出生証明書 ・申請者の本国の機関から発行された認知に係る証明書 ・祖父母および両親が実在していたことを証明する公的な資料(パスポートや運転免許証など) ・申請者が本人であると証明する公的な資料(IDカードや運転免許証など) ・日本語能力を証明する資料(在留期間5年を希望する場合) |
書類について不安や疑問がある場合は、以下のインフォメーションセンターを利用しましょう。
|
名称 |
外国人在留総合インフォメーションセンター |
|---|---|
|
電話 |
0570-013904 03-5796-7112(海外からかける場合) |
|
メール |
info-tokyo@i.moj.go.jp |
|
受付時間 |
平日8:30〜17:15 |
申請でかかる費用と日程
申請でかかる費用は、以下のとおりです。
- ・新たに取得する場合:無料
- ・別の在留資格から変更する場合:6,000円
- ・期間を更新する場合:6,000円
「定住者」の申請処理にかかる日数は、以下の表のとおりです。
|
申請時期 |
在留資格認定証明書交付 |
変更 |
期間更新 |
|---|---|---|---|
|
令和6年4月〜6月 |
78.9日 |
35.9日 |
35.8日 |
|
令和6年7月〜9月 |
76.5日 |
29.8日 |
37日 |
|
令和6年10月 |
83.6日 |
39.3日 |
39.1日 |
|
令和6年11月 |
76.2日 |
43.3日 |
39.1日 |
|
令和6年12月 |
74.7日 |
42.7日 |
34.6日 |
申請で注意すること
申請で注意するポイントは、以下のとおりです。
書類を正しく記載し、揃えて提出しないといけない
在留資格の審査は、提出した書類を基に行います。
審査を通過するには、求められた書類を不備なく提出しなければなりません。
書類が不足していたり、記入のミスがあったりすると、不許可となる可能性が高まります。
申請書はもちろんのこと、添付書類にも間違いがないかを入念に確認しましょう。
加えて、事実に反する内容を記入した場合は、不許可になるだけではなく、罪に問われる可能性もあります。
申請の際は、必ず正直に申告するように注意してください。
収入や身分などが変わると在留資格に該当しない場合がある
「定住者」は、生計要件や身分要件を基礎に発行される査証です。
収入や身分などが変わると、「定住者」の要件に該当しなくなる可能性があります。
例えば、日本人と結婚して「定住者」を取得した方が離婚をした場合、「定住者」の在留資格は失効します。
加えて、仕事を辞めるなどして収入がなくなったり、転職で大幅に収入が下がったりする場合にも注意が必要です。
申請すれば必ず審査が通るとは限らない
在留資格は、申請をすれば必ず審査が通るとは限りません。
特に「定住者」の審査は厳しく、取得の難易度は高めです。
審査を通過するには、要件を満たし、必要書類を不備なく提出しなければなりません。
確実に取得するためにも、入念な準備をしてから申請に進みましょう。
定住者申請は再申請は通りにくいので要注意
1度不許可となった場合でも、再申請が可能です。
ただし、再申請は1度目のときよりも厳しく審査されます。
同じ内容で再申請をしても、結果が変わることはないでしょう。
再申請で許可を得るには、不許可となった原因を改善しなければなりません。
不許可となった理由は、申請をした出入国在留管理局に聞きに行けます。
ただし、理由を聞けるのは1度のみのため、聞き逃しがないように注意してください。
再申請は非常に難しいため、行政書士などの専門家に依頼するのがおすすめです。
専門の行政書士に依頼しよう
申請をお考えの方は、ビザ専門の行政書士に依頼しましょう。
「定住者」は、審査が厳しいのが特徴で、取得するのが難しいタイプの在留資格です。
自力でも申請は可能ですが、準備にはかなりの労力がかかります。
取得するには、制度や要件を正しく理解し、すべての必要書類をミスなくそろえなければなりません。
行政書士に依頼すれば、面倒な準備にかかる労力を軽減できるだけでなく、不許可となるミスも回避できます。
まとめ
この記事では、定住告示(1号)について解説しました。
定住告示(1号)は、ミャンマー難民の方向けの在留資格「定住者」です。
「定住者」は、人道上の特別な理由がある場合に認められます。
いわゆる身分系の査証で、就労制限はありません。
審査は厳しく、取得の難易度は高めです。
申請をお考えの方は、行政書士などの専門家に相談・依頼しましょう。
プロフィール
2009年4月 行政書士個人事務所を開業
2012年8月 個人事務所を行政書士法人化し「さむらい行政書士法人」を設立
専門分野
外国人VISA・在留資格、外国人雇用・経営管理、永住・帰化申請
入管業務を専門とし、年間1000件以上の相談に対応











