外国人が文化活動ビザを申請する際の流れや必要書類とは
文化活動ビザは、日本の伝統文化・技芸などを学習・研究する目的で取得する在留資格です。
文化活動ビザで認められる活動は「報酬を伴わない」ことが条件となります。同様の活動を行う場合でも、報酬を得て行う場合は芸術ビザ・教授ビザ・研究ビザなどの就労ビザを取得する必要があります。
本記事では、外国人の文化活動ビザ申請について、以下の点を中心に解説します。
- ・在留資格「文化活動」の概要
- ・文化活動ビザ申請手続きの必要書類・流れ
- ・文化活動ビザ更新手続きの必要書類・流れ
文化活動ビザの基本情報
まず、文化活動ビザ(在留資格「文化活動」)とはどのような活動目的に適合するビザか、文化活動ビザの基本情報をご説明します。
在留資格「文化活動」
在留資格「文化活動」は、以下の4つのいずれかにあてはまる活動が対象となります。
- ・収入を伴わない学術上の活動
- ・収入を伴わない芸術上の活動
- ・日本特有の文化や技芸について、専門的な研究を行う活動
- ・日本特有の文化や技芸を、専門家の指導を受けて習得する活動
「日本特有の文化や技芸」の例として、生け花、茶道、書道、そろばん、日本料理、日本舞踊、日本建築、日本画、邦楽、相撲、柔道、空手などが挙げられます。
該当する活動
文化活動にあてはまる4種類の活動それぞれの該当例としては、以下が挙げられます。
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活動の種類 |
該当する活動 |
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収入を伴わない学術上の活動 |
※日本滞在期間が90日を超える場合に限る 90日以下の場合は「短期滞在ビザ」を取得
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収入を伴わない芸術上の活動 |
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日本特有の文化や技芸について 専門的な研究を行う活動 |
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日本特有の文化や技芸を専門家の指導を受けて習得する活動 |
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在留期間
文化活動ビザの在留期間は、3か月・6か月・1年・3年のいずれかです。
3か月~3年のいずれの期間に該当するかは、出入国管理局が以下を考慮した上で総合的に判断して決定します。
- ・必要と考えられる研究期間または技芸の習得期間
- ・申請書に記入された「活動予定期間」や「希望する在留期間」
そのため、申請者の希望通りの在留期間の許可が得られるとは限らないことに注意しましょう。
いずれの期間による在留についても、要件を満たしていれば更新が可能です。
また、同様の活動について報酬を得ることになった場合は、活動内容・所属機関などに応じて、芸術ビザ・教育ビザ・研究ビザ・教授ビザ等への在留資格変更申請が必要となります。
報酬を伴わない活動である
文化活動ビザは就労ビザではないため、活動は「報酬を伴わない」ものでなければなりません。
文化活動ビザは就労ビザではない
入管法で定められた「収入を伴わない」(活動)とは、その活動を日本で行うことによって報酬や給料を得ることがないことを意味します。
「報酬」や「給料」は、調査や研究活動の費用を含みません。
つまり、日本での活動に必要な費用が派遣元の研究機関等から支払われている場合でも、その全額が調査や研究活動の費用に充てられている場合は、その金額は「報酬」や「給料」にはあたらないことになります。
一方で、たとえ研究費という名目で支給された金銭であっても、全額が研究のために消費されず、一部であっても研究以外の目的で消費される場合には「収入を伴う活動」と判断されます。
資格外活動許可を取得してアルバイトができる
文化活動ビザは、就労が認められていない在留資格であるため、アルバイト等で収入を得ることができません。
しかし、生活費やその他の必要な費用を賄う目的でアルバイト等を希望する場合は「資格外活動許可」を取得することによって、アルバイト等の就労が認められます。
資格外活動許可とは、在留資格で認められた活動に支障のない範囲で、他の収入を伴う事業を運営する活動または報酬を受ける活動を行う場合に得る必要がある許可をいいます。
なお、文化活動ビザの取得者が資格外活動許可を取得する場合、申請の際に、勤務場所や活動内容を特定する必要があることに注意が必要です(個別許可)。
また、資格外活動の内容は、滞在の目的となる活動に関連するものに限られます。
勤務先が変わる場合は、その都度資格外活動許可を取り直す必要があります。就労可能な時間数についても、申請の都度個別に決定されます。
「アルバイト」でイメージされることの多い、スーパーやコンビニの店員等の仕事は、個別許可の対象外となります。
文化活動ビザ申請に必要な書類一覧
本章では、文化活動ビザ申請に必要な書類についてご説明します。
必要書類
文化活動ビザ申請(在留資格認定証明書交付申請)にあたっては、以下の書類が必要となります。
1.在留資格認定証明書交付申請書
2.写真(縦4cm×横3cm)1枚
※申請前6か月以内に、無帽・無背景で正面から撮影されたもの
3.パスポートのIDページの写し
4.返信用封筒(簡易書留用)
※返信先住所を記載し、簡易書留料金分の切手を貼付したもの
5.日本での活動内容・期間・活動を行う機関の概要を示す資料
※申請人または受入れ機関が作成した文書、機関のHPの写しやパンフレット等
6.学術上または芸術上の業績を明らかにする資料(下記のいずれか)
- ・関係団体からの推薦状
- ・過去の活動に関する報道
- ・コンテスト入賞・入選等の実績
- ・過去の論文や作品等の目録
7.申請人の在留期間中の経費支払い能力を証明する文書
【申請人本人が支弁する場合】
次のいずれかの資料
- ・奨学金給付金額・給付期間を示す証明書
- ・本人名義の銀行等の預金残高証明書
【申請人以外の者が支弁する場合】
次のいずれかの資料
- ・住民税の課税/非課税証明書及び納税証明書(各1通)
- ・過去1年間の総所得及び納税状況が記載されたもの
- ・経費支弁者が外国にいる場合は当該支弁者名義の銀行等の預金残高証明書
【専門家の指導を受けて、日本特有の文化または技芸を習得する活動】についてのみ、上記に加えて以下の書類が必要となります。
- ・当該専門家の経歴及び業績を明らかにする資料(下記のいずれか)
免許などの写し
論文・作品集等
履歴書
追加で求められる可能性のある書類
入国後、以下のような事情が生じた場合には、追加書類の提出を求められます。
入国後住居地を定めたとき
文化活動の在留資格で日本に入国した外国人は、新規で入国した後に住居地を定めてから14日以内に、住居地の市区町村で出入国在留管理庁長官に対する住居地の届出を行う必要があります(入管法第19条の7第1項)。
届出に必要な書類は以下の通りです。
- ・届出書(法務省HPでダウンロード可能)
- ・在留カードまたは後日在留カードを交付する旨の記載を受けた旅券(いずれも届出時に提示する)
届出ができるのは、申請者本人(16歳以上の場合)または、以下のいずれかに該当する代理人です。
- ・本人が16歳に満たない場合、または疾病※1 その他の理由により自ら出頭できない場合:本人と同居する16歳以上の親族
- ・本人または前項の者から依頼※2 を受けた者、または本人の法定代理人
- ・本人の依頼を受けた、本人と同居する16歳以上の親族
※1 本人が「疾病」により出頭できない場合はその旨の診断書の持参が必要
※2 依頼を受けた代理人の場合は委任状の持参が必要
引っ越したとき
また、転居により住居地に変更があった場合も、新住居地に移転した日から14日以内に、転居後の住居地の市区町村において、住居地の届出を行わなければなりません(入管法第19条の9第1項)。
届出に必要な書類は、住居地届出書及び在留カード(届出時に提示)です。
届出ができる人は、前項の「入居後住居地を定めたとき」と同じです。
在留カードの住居地以外の項目に変更があったとき
在留カードの住居地以外の項目(氏名、国籍・地域等)に変更があった場合は、変更が生じた日から14日以内に、住居地を管理する地方入管局に」届出を行う必要があります。
必要となる書類は、以下の表の通りです。
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書類の種類 |
備考 |
|---|---|
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在留カード記載事項変更届出書 |
法務省HPでダウンロード可能 |
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写真1枚 |
規格を満たした写真を届出書に貼って提出 |
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記載事項に変更が生じたことを証明する資料 |
変更後の氏名が記載された旅券及び結婚証明書(日本人と結婚した場合は戸籍謄本)
在留カードの国籍・地域欄に記載されていた国籍・地域を離脱または放棄したことを証明する文書及び新たに国籍を取得した国の旅券
変更後の氏名等が記載された旅券及び出生証明書、氏名変更に係る判決書等 |
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在留カード漢字氏名表記申出書 |
漢字氏名の併記を希望する場合 |
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旅券または在留資格証明書 |
届出時に提示 提示できない場合はその理由を記載した理由書 |
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現に保有する在留カード |
届出時に提示 |
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身分証明書類 |
取次者(以下参照)が届出を行う場合 届出時に提示 |
届出ができる人は、前2項と同様の本人・代理人に加えて、以下の1~4のいずれかに該当する「取次者」が含まれます。
1.地方入管局長からの申請取次の承認を受けている次の者で、本人の依頼を受けたもの
- ・本人が経営している機関または雇用されている機関の職員
- ・本人が研修又は教育を受けている機関の職員
- ・外国人が技能、技術または知識を習得する活動の監理を行う団体の職員
- ・外国人の円滑な受け入れを図ることを目的とする公益法人の職員
2.地方入管局長に届け出た弁護士または行政書士で、届出人から依頼を受けたもの
3.本人の法定代理人(前2項に挙げた「同居の親族」の法定代理人を除く)※
※本人との関係を証明する資料(住民票等)の持参が必要
4.本人が16歳に満たない場合、または疾病その他の事由により自ら出頭できない場合の、親族または同居人もしくはこれに準ずる者で地方入管局長が適当と認めるもの
文化活動ビザ申請について
本章では、文化活動ビザの申請手続きの流れを解説します。
文化活動ビザ申請の流れ
文化活動ビザ申請は、以下の流れで行います。
なお、以下は、申請者本人が手続きを行う場合を想定しています。
1.入管局(外国人在留総合インフォメーションセンター)に申請手続きの相談をする
外国人在留総合インフォメーションセンターでは、窓口・電話・メールで在留資格に関する相談を受け付けています。
日本語以外にも、英語、中国語、ベトナム語など16か国語で対応しているので、日本語が話せない方も相談が可能です。
また、電話・メールでの相談は、日本国外からもできます。
入管局の担当者は、申請者の在留資格や在留状況を確認した上で、申請要件を満たす可能性があると判断した場合は、必要な書類について申請者に説明します。
2.在留資格認定証明書交付申請書及びその他の必要書類を作成・収集する
入管局で必要書類として教示される書類は「最低限」必要な書類です。
このため、審査を有利にするためには、教示を受けた書類以外にも様々な書類を作成・収集する必要があります。
一方で、書類の内容の整合性や、不利になる内容を記載していないか、書類の有効期間に余裕があるか等にも注意しなければなりません。
3.申請書類を提出する
申請書類提出は、入管局の窓口で直接行うか、在留申請オンラインシステムを利用して申請します。
もし申請が不許可になった場合、後述のように不許可理由の説明を受けて書類の内容を改める必要があるため、提出した書類の控えは必ずとっておきましょう。
4.入管局が提出書類に基づいて審査を行う
必要に応じて、追加書類の提出を求める場合があります。追加書類の提出には期限が提示されているので、必ず期限内に提出してください。
5.申請者に対して審査結果が通知される
【申請が許可された場合】
申請者は入管局で在留資格認定証明書または在留カードを受け取ることができます。
在留申請オンラインシステムを利用して申請した場合は、申請者はメールで在留資格認定証明書を受け取るか、郵送で在留カードを受け取ります。
日本にいる代理人(招聘機関など)が申請者の代わりに在留資格認定証明書の交付を受けた場合は、代理人が申請者に証明書を送付するか、メールを転送します。
【不許可になった場合】
申請者は、入管局で不許可理由の説明を日本語で1回のみ受けられます。
再申請を行う場合、不許可の原因となった書類の不備・不整合などを改める必要があります。
自身で申請を行って不許可になった場合、再申請の手続きについては行政書士などの専門家に相談・依頼することをおすすめします。
文化活動ビザ申請は自分でできる?
文化活動ビザの申請は、申請者が自分でできるのでは?とお考えの方もいると思います。
ここでは、文化活動ビザ申請の手続きを、行政書士などの専門家に依頼することをおすすめする理由をご説明します。
自分でも申請できるが専門家に依頼するのがおすすめ!
文化活動ビザは、入管局で説明を受けて申請者自身で申請手続きを行うことも可能です。
しかし、活動自体に報酬が発生しないことが要件となる一方で、審査の際に滞在費を支払う能力が重視されるという側面もあります。
また、滞在中に得る収入が文化活動ビザの活動に対する報酬ではなく、調査や研究の費用に充てられるものであることを証明できなければなりません。
自身で申請する場合、これらを証明する書類を、日本語訳を添付して準備するのは手間がかかるうえ、不備があれば申請が不許可になるおそれがあります。
さらに、意図する活動内容や、招聘される機関によっては、文化活動以外のビザが適合する可能性もあるでしょう。
書類不備や、活動内容等の不適合によって不許可になるリスクを減らすためには、申請手続きを行政書士などの専門家に依頼するのが得策といえるでしょう。
文化活動ビザの申請を行政書士に依頼するのがおすすめな理由
文化活動ビザの申請手続きは、「申請取次者」の資格を持つ行政書士に依頼するのが最もおすすめです。
申請取次者の資格を持つ行政書士は、外国人の在留資格取得・更新・変更などのビザ申請手続きの経験が豊富にあります。
また、頻繁に変更されるビザ関連の法制度についても、最新の動向をフォローしています。
文化活動ビザについても、申請者の個別の事情と最新の入管制度に照らして「どのような書類を作成・準備すれば申請が通りやすくなるか」を的確に判断できます。
前述のように、入管局が「この手続きにはこの書類が必要です」と教示してくれる書類は、申請のために必要最低限のものとなります。
実際には、許可を受ける可能性を上げるために、教示された必要書類以外の書類も作成または準備したほうがよいといえます。
文化活動ビザの場合でいえば、招聘機関が発行する招聘理由書などがこれにあたるでしょう。
申請取次資格のある行政書士に任せることで、適切な書類の作成や作成依頼を行ってくれます。
また、本人が書類を準備したり、入管局に赴く手間を大幅に節約できるのもメリットです。
文化活動ビザ更新について
ここでは、文化活動ビザで滞在している方のビザ更新手続きについてご説明します。
更新時に必要な書類
文化活動ビザの更新手続きには、以下の書類が必要です。
- ・在留期間更新申請書
- ・写真(縦4cm×横3cm)
- ・在留カード
- ・パスポート
- ・日本での具体的な活動内容、期間及び当該活動を行う機関の概要を証明する資料
- ・申請者の滞在期間の経費支弁能力を証明する資料
【申請者本人が経費を支弁する場合】
奨学金給付に関する証明書・本人名義の銀行預金残高証明書またはそれらに準ずる資料のいずれか
【申請者以外が経費を支弁する場合】
住民税の課税証明書及び納税証明書・経費支弁者名義の銀行預金残高証明書またはそれらに準ずる資料のいずれか
- ・前回の申請時以降に所属機関に変更があった場合:変更後の所属機関に関する資料
文化活動ビザ更新の流れ
文化活動ビザ更新手続きは、以下の流れで行います。
1.申請書と添付書類を、現在の居住地を管轄する入管局に提出する
2.審査が行われる
3.審査結果通知が届く
4.許可された場合は、許可通知所と在留カード・パスポートの原本などを持参の上、入管局の窓口で新しい在留カードを受け取る
まとめ
文化活動ビザ(在留資格「文化活動」)は、収入を伴わない学術・芸術上の活動、日本特有の文化または技芸について専門的な研究を行う活動、または専門家の指導を受けて修得する活動を行う外国人に対して認められる在留資格です。
いずれの場合も「収入を伴わない」ことが要件となりますが、学術上または芸術上の業績を明らかにする資料や、在留期間中の生活費・活動費の支払能力を証明する資料の提出が必要となります。
申請取次資格を持つ(ビザ申請を専門とする)行政書士に相談・依頼することで、業績や経費支弁能力、予定する活動が「収入を伴わないこと」を確実に証明できる書類を準備しつつ、申請者の労力を最小限にできます。
文化活動ビザ申請を検討されている方は、是非ビザ申請を専門とする行政書士にご相談ください。







