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永住者の配偶者のビザ|離婚した外国人は日本に滞在できる?手続きを紹介

永住権を持つ外国人の配偶者であった外国人が離婚した場合、離婚当時のビザの有効期限までは引き続き滞在することができます。

 

配偶者ビザで滞在していた人が離婚後も滞在を希望する場合は離婚から6カ月以内に新たな在留資格を取得する必要があります。

 

就労ビザへの変更が難しい状況であっても、一定の条件を満たせば離婚後定住者ビザへの変更が認められる可能性があります。

永住者と離婚した配偶者は滞在できる?

永住権を持つ外国人の配偶者であった方が離婚した場合、そのまま日本に滞在することは可能でしょうか。ここでは永住者の配偶者が引き続き日本滞在を希望する場合に行うべき手続きについて解説します。

離婚後も日本に滞在できる

永住権を持つ外国人と離婚した場合、在留資格にかかわらずビザの有効期限までは日本に滞在することができます。

 

ここで、その人自身が永住者である場合や帰化により日本国籍を取得した場合、及び就労/留学ビザで滞在している場合は在留資格が婚姻状況に左右されないので、離婚後もそのまま日本で生活や仕事を続けることが可能です。

 

これに対して在留資格が「永住者の配偶者等」であった人が離婚後も日本滞在を希望する場合には他の在留資格への変更が必要となります。

 

以下では在留資格が永住者の配偶者であった人が離婚後も日本滞在を希望する場合に必要な手続きや注意すべき点について解説します。

 

なお、ここで「離婚した」とは、日本国内で離婚が成立していること、すなわち当事者が日本国内の一自治体の役所で離婚届を提出し、その役所が離婚届を受理したこと(民法第765条)を意味します。

14日以内に離婚の届け出を行う必要がある

まず、離婚した日から14日以内に、以下のいずれかの方法によって法務大臣に対する離婚の届出(配偶者に関する届出)を行う必要があります。

 

①最寄りの地方出入国在留管理局への出頭

②東京出入国在留管理局への離婚届出書の郵送(在留カードの写しとともに)

③出入国在留管理局電子届出システム上での届出手続完了

 

これを怠った場合、入管法第19条の16第3号により20万円以下の罰金刑に処せられます。また、入国管理局において「在留状況不良」の取扱いとなり、他の在留資格への変更許可が認められなくなる可能性があります。

6カ月を超えると在留資格が取り消しになる

配偶者ビザで滞在していた人が「正当な理由なく配偶者としての活動を継続して6カ月以上行っていない場合」在留資格取消の対象となります(入管法第22条4の2の7)。離婚した日以降は入管法上の「配偶者としての活動」を行っていないことになります。

6カ月以内にほかの在留資格に変更する必要がある

就労ビザは取得要件が厳しい

永住者の配偶者ビザで在留していた外国人が離婚後も引き続き日本に滞在するためには、他の在留資格に変更する必要があります。

 

取得できる可能性があるビザの種別としてまず就労ビザ(技術・人文知識・国際業務」等の就労資格)があります。

 

しかし就労ビザの場合、学歴・業務の専門性・報酬などかなり厳しい取得要件が課されるため配偶者ビザで滞在していた外国人の多くにとっては取得が容易ではありません。

 

離婚後定住者ビザを取得できる可能性がある

就労ビザの取得が難しい場合は、配偶者ビザ在留者が離婚・死別した場合の救済措置として認められた「非告示定住者」(通称離婚後定住者)ビザへの資格変更を検討することになります。

 

この在留資格は、入管法第7条1項2号に基づく告示に該当する定住者(日系人とその配偶者・実子等)に含まれず、他の在留資格から変更する場合のみ認められたものです。

離婚後の定住者ビザに変更できるケース

永住者の配偶者ビザで在留していた方にとって、離婚後に就労ビザを取得することは通常容易ではない一方、ある程度の期間日本で生活していて経済的に自立できる見込みがあれば定住者ビザへの変更が認められる可能性があります。

 

ここでは永住者の配偶者ビザで在留していた方が離婚後に定住者ビザに変更することができるケースについて解説します。

引き続き日本に滞在する条件を満たしている

以下の(1)(2)の条件を満たしている場合には定住者ビザへの変更が認められる可能性があります。

 

(1)その人が独立して生計を営むに足りる資産または技能を有すること(独立生計要件)

 

業種や業務内容は問われないのですが、企業の正規従業員として勤務する等、安定した収入を得られる見込みがあることが求められます。

 

(2) 離婚するまでに概ね3年以上配偶者として在留していたこと

 

婚姻期間は原則として同居していた事実があることが必要となります。ただし別居期間があっても、生活費の支払いを受ける等の相互扶助の事実が認められれば婚姻期間として認められます。

 

(3) 日常生活に不自由しない程度の日本語能力を有し、日本での社会生活が可能であること

 

日本語能力試験等の資格を取得している必要はないのですが、日本語能力を証明できる資格があればその証明書の写しを申請書類に含めることができます。

 

(4) 納税等の公的義務を果たしていること

 

これらの要件を満たした上で、婚姻生活の実態や離婚に至った状況等を総合的に判断して認定が行われます。

離婚後の定住者ビザへの申請手続き

本章では、永住者の配偶者ビザで在留していた方が離婚後に定住者ビザを申請する場合の手続きについて解説します。

手続き・方法

定住者ビザへの変更申請は、必要書類一式を最寄りの出入国在留管理局に提出することにより行います。

 

なお、申請にあたっては身元保証書の提出が求められるため、日本国内に在住する身元保証人を立てる必要があります。

 

身元保証人の国籍は問われず、また保証義務は民法上の保証人の法的義務(債務弁済等)ではなく、定住者ビザ取得者の滞在費用と帰国費用の支払いに限定されます。

手続きの必要書類

申請にあたっては、一般的に以下の書類が必要となります。

[申請書類]

・在留資格変更許可申請書

・申請理由書

 

[本人確認及び在留資格証明のための書類]

・証明写真(4cm×3cm)

・在留カードの写し

・パスポートの写し

 

[婚姻・離婚の事実証明のための書類]

・前配偶者の戸籍謄本

・離婚届の受理証明書

・住民票

 

[独立生計要件を満たすことを証明する書類]

・身元保証書

・履歴事項全部証明書

・雇用契約書

・採用内定通知書

・労働条件通知書

・課税証明書

・給与明細の写し

・給与支払証明書

手続きにかかる期間

在留資格変更申請が受理されてから許可・不許可までにかかる期間は1カ月~1カ月半程度です。

 

なお、平成29(2017)年度から出入国在留管理庁のホームページで在留資格認定・変更申請の審査期間の平均日数を公表しています。

 

令和4年10~12月のデータによると、他資格から定住者への在留資格変更申請から通知までに要する期間は平均37.3日となっています。

手続きにおける注意点

手続きにおける注意点を2点挙げます。ビザを取得するためにも把握しておきましょう。

申請理由書の内容が審査を左右する

 

定住者ビザ取得が認められるためには、形式的に書類が揃っていることはもちろんですが、申請理由書に記載する内容つまり「なぜ離婚後も日本に滞在を続けることを希望するか」についての記載が重要となります。

 

説得力のある申請理由を日本語で記載することが求められるため、申請理由書の作成については専門家に依頼することをおすすめします。

 

追加資料の提出を求められる場合がある

 

申請がいったん受理された場合でも、就労状況や収入を証明する書類等、追加資料の提出を求められる場合があります。その場合は指定された期限までに必ず提出してください。

まとめ

永住権を持つ外国人の配偶者ビザで在留していた外国人が離婚した場合、ビザの有効期限までは滞在することができますが、有効期限後も引き続き滞在を希望する場合は就労ビザまたは離婚後定住者ビザへの資格変更が必要となります。

 

就労ビザと比較して資格が認められやすい離婚後定住者ビザへの変更を検討する場合は、約3年以上の国内での婚姻生活の事実や安定した収入の見込み等を証明する書類の収集や身元保証人依頼、申請理由書作成等が必要となります。

 

離婚後も引き続き日本に滞在したい方は、確実にビザを取得するために是非専門家にご相談ください。

 この記事の監修者

さむらい行政書士法人 代表 / 小島 健太郎

さむらい行政書士法人
公式サイト https://samurai-law.com

代表行政書士

小島 健太郎(こじま けんたろう)

 

プロフィール

2009年4月 行政書士個人事務所を開業
2012年8月 個人事務所を行政書士法人化し「さむらい行政書士法人」を設立

専門分野

外国人VISA・在留資格、外国人雇用・経営管理、永住・帰化申請
入管業務を専門とし、年間1000件以上の相談に対応

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