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永住者の配偶者が別居する時のビザはどうなる?申請時に注意するべきこと

永住者の配偶者が別居する時のビザは、正当な理由があれば配偶者ビザの許可がおりる可能性があります。

 

 しかし「正当な理由とは?」と疑問をお持ちの方も多いでしょう。

 

 今回は、どのような場合であれば永住者の配偶者が別居の場合に配偶者ビザの許可は下りるのか、申請時に注意するべきことなどをわかりやすく解説します。

永住者の配偶者が別居の場合のビザはどうなる?

永住者の配偶者が別居している場合、出入国在留管理庁(以下入管)が別居になった合理的な理由があると認めれば、配偶者ビザの許可が下りる可能性があります。

 

しかし、配偶者ビザは夫婦が婚姻生活を送るために許可されるものですので、別居することが妥当であると判断できるような具体的な理由が必要になります。

 

ここでは、入管が別居の場合でもビザ申請を認める事例を紹介しながら、永住者の配偶者ビザの更新についてみていきます。

配偶者ビザの許可はおりる

永住者の配偶者がビザの更新や変更を申請する場合、別居に合理性があれば配偶者ビザの許可は下りる可能性があります。

 

ただし、入管のビザ申請の審査では、原則的に夫婦が同居していなければなりません。

 

入管が夫婦の同居を審査する目的は、同居により婚姻関係の実態があるかどうかを判断し、偽装結婚を未然に防ぐためです。

 

夫婦の一方が海外在住であったり、扶養されているのに離れて暮らすなど、夫婦が一緒に住まない実態が明らかになれば、配偶者ビザが取り消される可能性もあります。

 

したがって、別居でも配偶者ビザの許可は下りる可能性はありますが、そのための審査は通常の要件より厳しくなることがあります。

ただし審査が厳しくなる可能性がある

配偶者ビザの審査要件である夫婦の同居は、夫婦の婚姻生活が継続しているのか否かを判断する際の基準でもあります。

 

配偶者ビザを更新する際には、前回の更新時から今回の更新時に至るまで、申請人は配偶者として婚姻生活を継続していることを入管で証明しなければなりません。

 

別居の場合は、扶養され離れて暮らしている夫婦でも婚姻生活が継続していることを認めてもらうために、一緒に住まない、あるいは一緒に住めない理由を説明する必要があります。

別居になった合理的な理由が必要になる

配偶者ビザを取得するためには夫婦の同居が要件となりますが、別居をしているからといって配偶者ビザが下りないわけではありません。

 

申請人の婚姻生活を継続する意思と別居になった正当な理由があれば、配偶者ビザの許可が下りる可能性があります。

 

判例では、週に1日しか同居していない外国人と日本人夫婦でも、現代の婚姻生活の多様化により婚姻関係の実態を認めて在留資格を許可した判決があります(京都地裁平成27年11月6日判決)。

 

別居になった合理的な理由が認められる場合とは、以下のようなケースです。

 

単身赴任の場合

日本人夫が仕事で県外に転勤命令が出たが、子どもの学校の関係で離れて暮らすようになり夫のみ単身赴任となったケースでは、外国人妻の別居の正当性が認められる可能性が高くなります。

 

親の介護の場合

日本人妻の母親を介護するために実家に在住、外国人夫が東京で単身赴任しているようなケースも別居に妥当性が認められやすいでしょう。

不許可になりやすい別居の理由

夫婦の別居に理由があるとはいえ、以下のようなケースでは別居の正当性が認められずに不許可になる可能性が高くなります。

 

離婚を前提とした別居

日本人の夫と外国人の妻が夫婦喧嘩をして家を出たまま別居が続いているケースは、今後の婚姻の継続性の有無が重要になります。

 

婚姻を継続する意思がなければ別居に正当性は認められませんが、夫婦喧嘩が一時的なものであり2人が婚姻生活の継続を望む場合には、別居に正当性が認められる可能性があります。

 

このような状況で配偶者ビザの更新をする際には、別居に至るまでの事情を詳しく入管で説明し理由書を提出する必要があるでしょう。

 

別居が数年続いている場合

日本人の夫は東京に在住しているものの、外国人の妻は何年も他県で離れて暮らしており、夫の扶養に入っているのに水商売をしているようなケースです。

 

夫の扶養に入っているのに、なぜ一緒に暮らさないのか不明ですし、何年も別居しながら水商売をしているのは、偽装結婚を疑われやすくなります。

 

この場合、入管の審査が厳しくなり、配偶者ビザの更新が許可されない可能性が高いでしょう。

別居の状態でビザ申請を行う場合の注意点

永住者の配偶者と別居の状態でビザ申請を行う場合に、いくつか注意点があります。

理由書に具体的な理由を書く

別居の状態で配偶者ビザを申請する場合は、離れて暮らすようになった経緯をできるだけ詳細に記載した申請理由書を提出することが必要です。

 

具体的には、

・別居に至るまでの経緯

・別居の開始期間

・別居期間中の夫婦の婚姻生活の状態

・別居期間中の生活費の詳細

 

理由書は、夫婦の別居には合理的な理由があることを入管審査官に理解してもらい申請を許可してもらうことが重要になります。

 

申請理由書に記載するべき内容は以下の通りです。

 

単身赴任の場合

夫が単身赴任となり、一緒に住めない具体的な理由を詳細に記載する必要があります。

 

具体的には、単身赴任となったのがいつからか、単身赴任についていけない理由、婚姻生活の継続の意思はあるのか、などを詳細に記載することが必要です。

 

申請理由書には、会社からの辞令のコピー、単身赴任についていけないことがわかる資料などを入管に提出しましょう。

 

親の介護の場合

親の介護のために別居している場合には、一緒に住めない理由を詳細に記載する必要があります。

 

たとえば、介護が必要となったのはいつからか、どの程度の介護が必要であるのか、婚姻生活の継続意思はあるのか、などです。

 

申請理由書には、介護関連の診断書や要介護認定書など、夫と離れて暮らさなければならないことがわかる資料を添付しましょう。

履歴や証拠を提出する

別居期間中の夫婦の婚姻生活の状態を理解してもらうために、夫婦間でコミュニケーションがしっかりとれていること、お互いの居住地を行き来していることを入管に証明する必要があります。

 

夫婦間の通信履歴

通話やLINEなど、夫婦間でコミュニケーションがとれていることを証明できる通信履歴を提出することをおすすめします。

 

別居期間中の生活費のやりとりを証明できる金融機関の履歴があれば提出しましょう。

 

婚姻の継続を証明する履歴

別居しているものの、夫婦の婚姻の継続を証明するために、お互いの居住地を行き来する往復の旅券、あるいは、良好な関係がわかる夫婦の写真を提出することも有益です。

本来は同居の義務があることを理解しておく

配偶者ビザの申請が許可されるのは、申請者が配偶者と同居している場合です。入管では、同居していることを婚姻生活の重要な根拠としています。

 

したがって、別居しながら配偶者ビザを申請する場合には、申請人は別居についての合理的な理由と、婚姻生活の実態について相当の立証をする必要があります。

 

一緒に暮らすことが金銭的または時間的に難しいときでも、どうにか同居できるような状況であれば、できるかぎり同居することが望ましいでしょう。

まとめ

永住者の配偶者と別居している場合でも、別居に合理性が認められれば配偶者ビザの申請が下りる可能性はあります。

 

ただし、配偶者ビザを取得するためにも、あるいは、長期の在留資格を取得するためにも、夫婦に同居義務がある以上は、別居はできる限り避けるべきです。

 

配偶者ビザの申請でお困りの際には、まずは専門家に相談することをおすすめします。

 この記事の監修者

さむらい行政書士法人 代表 / 小島 健太郎

さむらい行政書士法人
公式サイト https://samurai-law.com

代表行政書士

小島 健太郎(こじま けんたろう)

 

プロフィール

2009年4月 行政書士個人事務所を開業
2012年8月 個人事務所を行政書士法人化し「さむらい行政書士法人」を設立

専門分野

外国人VISA・在留資格、外国人雇用・経営管理、永住・帰化申請
入管業務を専門とし、年間1000件以上の相談に対応

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