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特定技能外国人は永住権を取得できる?権利の概要や要件を解説

特定技能外国人として日本に在留している人の中には、「いずれは永住権を取得して日本で暮らしたい」と考える人もいるかもしれません。しかし、特定技能から永住者としての在留資格に変更するには一定の条件が設けられています。

 

この記事では、永住権の概要を解説し、特定技能外国人が永住許可申請を行いたい場合どのようにすればよいのかお伝えします。

特定技能外国人は永住権を取得できる?

特定技能ビザで日本に在留し、一定の職に就いている場合、永住したいと考える人もいるでしょう。まずは、特定技能外国人は永住権を取得できるのかについて解説します。

永住権とはどんな権利?

永住権は、国籍を変えずに日本に長く住み続けることを認める在留資格です。そのため、永住権を取得する外国人はあくまで外国人として日本に滞在し、国籍の変更は行いません。

 

永住権を取得することで、在留期間の制限がなくなり、職業選択も自由になります。また、永住権は取得要件が非常に厳しい在留資格であるため、永住者であることは日本での生活において一定の信用を獲得することにつながります。

2号特定技能外国人なら取得可能

2022年6月現在、特定技能外国人は「2号」の場合のみ永住権の要件を満たせる可能性があります。

 

後述しますが、1号特定技能外国人は「国益適合要件」における就労期間の要件を満たせません。そのため、特定技能ビザから永住許可の取得を目指す場合、まずは特定技能2号への移行が必要となります。

 

特定技能1号・2号の違いについては、こちらのページをご覧ください。

特定技能外国人の永住権取得における要件

特定技能外国人が永住権を取得するためには、各種要件をクリアする必要があります。ここからは永住許可が得られる要件を見ていきましょう。

特定技能外国人の永住権取得の要件とは

特定技能から永住権へ在留資格を変更したい場合、以下の要件を満たす必要があります。

 

1.素行が善良であること(素行要件)

2.独立生計を営む資産又は技能があること(独立生計要件)

3.その者の永住が日本の利益となること(国益適合要件)

 

また、「身元保証人(連帯保証人)がいること」も条件の1つに挙げられます。それぞれ詳しく見ていきましょう。

素行が善良であること

永住権は、日本の法令を遵守して生活している外国人に与えられる在留資格です。そのため、日本での生活において少しでも素行不良があった外国人は永住権の取得が難しくなる可能性が高いといえます。

 

中には、駐車違反といった軽微な素行不良についても問題となるケースがあるため、永住権取得を目指している特定技能外国人は注意が必要です。

 

もちろん、素行が善良であることは全ての在留資格を持つ外国人に求められることです。特定技能外国人であれば、事前ガイダンスや生活オリエンテーションで学んだことをしっかり守ることでクリアできる要件といえるでしょう。

独立生計を営む資産又は技能があること

日本に永住する外国人は、自活していけるだけの収入や資産、あるいは日本で職を得るための技能を有していることが求められます。そのため、世帯年収が低すぎる場合や安定的な職に就くためのスキルがないと見なされる場合、永住権が取得できない可能性があります。

 

特定技能の在留資格を持つ外国人であれば、人手不足の業種において労働者に求められるスキルを有しているため、安定的に就労しやすいといえるでしょう。

 

なお、この要件は世帯単位で確認されるため、配偶者や子供などの被扶養者が独立している必要はありません。

その者の永住が日本の利益となること

当該外国人に対し永住権を認めることが、日本の利益となることも必要とされます。具体的には、以下の条件を全て満たすことが必要です。

 

ア 原則として引き続き10年以上本邦に在留していること。ただし,この期間のうち,就労資格(在留資格「技能実習」及び「特定技能1号」を除く。)又は居住資格をもって引き続き5年以上在留していることを要する。

イ 罰金刑や懲役刑などを受けていないこと。公的義務(納税,公的年金及び公的医療保険の保険料の納付並びに出入国管理及び難民認定法に定める届出等の義務)を適正に履行していること。

ウ 現に有している在留資格について,出入国管理及び難民認定法施行規則別表第2に規定されている最長の在留期間をもって在留していること。

エ 公衆衛生上の観点から有害となるおそれがないこと。

引用元:出入国在留管理庁|永住許可に関するガイドライン(令和元年5月31日改定)

 

日本で継続的に就労していることや、法律・社会ルールなど日本での生活に適合していることなどが求められます。

身元保証人がいること

永住者となるためには、日本国内にいる日本人または永住者の身元保証人(連帯保証人)が必要です。また、身元保証人にはある程度の収入や責任能力が求められます。

特例として永住権取得が認められる例

永住者となるためには原則10年以上の在留が求められますが、特例も存在しています。具体的には以下の通りです。

配偶者が受けられる特例

日本人や、日本で生活している永住者・特別永住者の配偶者の場合、実体を伴う婚姻生活を3年以上継続し、さらに引き続き1年以上日本に在留していれば、永住者となれる可能性があります。

 

また、上記のような外国人の実子の場合、日本に1年以上在留していることが特例適用の条件です。

定住者の在留資格を持っている場合の特例

既に「定住者」の在留資格を持ち、日本で5年以上継続して在留している場合、永住者としての在留が認められます。

難民が受けられる特例

難民の認定を受けて在留している外国人の場合、難民認定を受けてから5年以上継続して在留していれば永住者となれる可能性があります。

日本への貢献が認められる外国人の場合の特例

ノーベル賞をはじめ、国際社会において権威のある賞を受けた外国人や、日本政府から国民栄誉賞や勲章などを受けた外国人など、日本への貢献が認められる外国人は、5年以上日本に在留していれば永住許可が受けられます。

 

日本への貢献として認められる分野は多岐にわたり、外交や経済・産業、文化・芸術、教育、研究、スポーツなどが挙げられます。

 

詳しくは、出入国在留管理庁の「我が国への貢献があると認められる者への在留許可のガイドライン」をご覧ください。

外国人研究者・情報技術処理者に認められる特例

地域再生計画の区域内にある機関で、研究者・情報技術処理者(特定活動告示36号・37号)として活動している外国人は、その事業で日本に貢献していると認められる場合、永住許可を得るための在留実績が3年間に短縮されます。

高度専門職に従事する外国人に認められる特例

高度専門職省令に規定されているポイント計算により70点以上を有する外国人のうち、下記のいずれかの条件に該当する外国人は、3年以上日本に在留していれば永住者の申請が可能です。

 

・「高度人材外国人」として在留している

・永住許可申請日から3年前の時点のポイント計算を行った場合に70点以上と認められる

 

また、同規定で80点以上を有する外国人であれば、下記のいずれかの条件を満たす場合1年以上の在留で永住権が認められます。

 

・「高度人材外国人」として在留している

・永住許可申請日から3年前の時点のポイント計算を行った場合に80点以上と認められる

永住権の申請に関する情報

ここでは、永住権を申請する際の流れや注意点を解説します。

必要な書類と手続きの流れ

ここでは、特定技能外国人が永住権を申請する際の手続きについて解説します。

必要書類

永住許可申請に必要な書類は、現在どの在留資格で滞在しているかによって異なります。ここでは特定技能外国人が申請するケースを想定し、就労関係の在留資格から変更する場合の必要書類を紹介します。

 

1.永住許可申請書

2.写真(縦4cm×横3cm

3.理由書

4.身分関係を証明する次のいずれかの資料

※家族滞在から移行する人がいる場合に必要

・戸籍謄本(全部事項証明書)

・出生証明書

・婚姻証明書

・認知届の記載事項証明書

・上記に準ずるもの

5.申請人を含む家族全員(世帯)の住民票

6.申請人または申請人を扶養する方の職業を証明する次のいずれかの資料

・在職証明書(会社員等の場合)

・確定申告書控えの写し(自営業の場合)

・営業許可書の写し(自営業の場合、あれば)

・職業に係る説明書及びその立証資料(その他の職業)

7.直近(過去5年分)の申請人及び申請人を扶養する方の所得及び納税状況を証明する資料

・住民税の納付状況を証明する資料

・国税の納付状況を証明する資料

・その他

8.申請人及び申請人を扶養する方の公的年金及び公的医療保険の保険料の納付状況を証明する資料

・直近(過去2年間)の公的年金の保険料の納付状況を証明する資料

・直近(過去2年間)の公的医療保険の保険料の納付状況を証明する資料

・申請される方が申請時に社会保険適用事業所の事業主である場合の資料

9.申請人又は申請人を扶養する方の資産を証明する次のいずれかの資料

・預貯金通帳の写し

・不動産登記事項証明書

・上記に準ずるもの

10.申請人のパスポート(旅券)又は在留資格証明書

11.申請人の在留カード

12.身元保証に関する資料

・身元保証書

・身元保証人に係る次の資料

13.我が国への貢献に係る資料(あれば)

・表彰状、感謝状、叙勲書等の写し

・所属会社、大学、団体等の代表者が作成した推薦状

・その他、各分野において貢献があることに関する資料

14.身分を証する文書等

15.了解書

引用元:出入国在留管理庁|永住許可申請3

 

2021年10月1日より、永住許可申請においては「了解書」の提出が求められるようになりました。

申請の流れ

永住許可申請は以下の流れで行います。

 

1.必要書類の取り寄せ

2.申請書類の作成

3.申請手続き

4.結果の通知

5.入国管理局での手続き

6.外国人登録の変更手続き

 

永住許可申請の審査機関は4ヵ月といわれています。また、許可を受けたあと入国管理局で手続きを行う際、収入印紙で8,000円を納付する必要があります。

永住権に関する注意点

永住権は在留資格の一種であるため、許可を得たあとも更新が必要です。ただし、在留カードを更新するだけの手続きであるため、費用はかからず原則即日で交付されます。

 

「永住者」の在留カードは、交付日から7年ごとに更新となるため、忘れずに行いましょう。

まとめ

日本で永住者となるためには、一定の条件をクリアする必要があります。また、特定技能外国人の場合、1号では国益適合要件を満たせないため、永住者への移行を直接行うことはできません。

 

2022年6月現在、特定技能2号であれば永住権取得のための要件を満たし得るとされています。特定技能2号の申請や永住権の取得を目指す方は、ビザ申請に強い行政書士法人であるさむらい行政書士法人にぜひご相談ください。

 この記事の監修者

さむらい行政書士法人 代表 / 小島 健太郎

さむらい行政書士法人
公式サイト https://samurai-law.com

代表行政書士

小島 健太郎(こじま けんたろう)

 

プロフィール

2009年4月 行政書士個人事務所を開業
2012年8月 個人事務所を行政書士法人化し「さむらい行政書士法人」を設立

専門分野

外国人VISA・在留資格、外国人雇用・経営管理、永住・帰化申請
入管業務を専門とし、年間1000件以上の相談に対応

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「さむらい行政書士法人」は特定技能ビザなどの入管申請を専門とする行政書士法人です。特定技能ビザ申請のアウトソーシングや、特定技能支援計画の作成支援と支援計画の運用サポートも行っております。

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