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産業機械製造業における人手不足の現状と外国人雇用の概要

IoTやAI技術の革新により、産業機械に対する需要が高まっています。その一方で、日本の産業機械製造業における人手不足は深刻化している実情があります。産業機械製造業は、日本のインフラ設備やさまざま職業の生産性を向上させる根幹を担っていることから、国内だけでなく海外も視野に入れた人材確保が必要でしょう。

 

この記事では、産業機械製造業における人手不足の現状と課題を解説するとともに、特定技能の対象職種である産業機械製造分野の外国人雇用の概要について紹介します。

産業機械製造業における人手不足の現状と課題

ここでは、産業機械製造業界における人手不足の現状と課題について見ていきます。

人手不足の現状

日本の生産年齢人口が減少していることや、製造業の需要が高まっていることを背景に、産業機械製造業における労働力は不足しています。

 

法務省によると、2017年度で不足している産業機械製造業界の労働者数は1万2,000人と推測されています。2023年には約7万5,000人もの人手が足りなくなると算出されており、慢性的な人手不足が懸念されているのです。

 

また、2017年度における産業機械製造業の有効求人倍率は2.89倍と、全産業の平均1,49倍より高い結果となっています。業界に関連する職種(金属プレス工や金属溶接・溶断工など)の有効求人倍率も全産業の平均より上回っているのが実情です。

参考元:法務省「産業機械製造業分野における特定技能の在留資格に係る制度の運用に関する方針」

 

今後も需要拡大が見込まれている産業機械製造業は、現時点で不足している労働力を補うだけではなく、数年後・数十年後を見越した人材確保が必要となるでしょう。

人手不足の課題

産業機械製造業の人手不足の課題としては、未経験の人材を雇用しにくいことが挙げられます。

 

技術革新のスピードが速い産業機械製造業では、自社が求める一定の専門スキルを持った人材でないと「ついていけない」と判断するケースが多いでしょう。また、顧客のニーズに合わせて製品を作らなければならないことから、マニュアル化しにくい業務内容です。そのため人材育成が進まず、未経験の採用が難しいとされています。

 

この課題を解決するためには、2020年度から小学校でプログラミング教育が必修科目になったように、国を挙げて若い頃から人材育成に取り組む必要があります。

産業機械製造業の外国人雇用における概要

ここからは、産業機械製造業の外国人雇用における概要について解説します。

産業機械製造業の外国人雇用が該当する特定技能の種類

産業機械製造業では、在留資格「特定技能1号」に該当します。1号特定技能外国人は、産業機械製造業の職員として働く上で必要なスキルを有しているため、安心して業務を任せられるでしょう。

 

特定技能の詳細については、こちらのページをご覧ください。

受け入れ予定人数

産業機械製造業における特定技能外国人の受け入れ予定人数は、2019年からの5年間で5,250人です。

参考元:経済産業省「製造業における特定技能外国人材の受入れについて」

 

ただし、2022年2月末時点で受け入れ予定人数を上回ったため、「産業機械製造業」「素材系産業」「電気・電子情報関連産業」を統合し、人材の受け入れを継続することが閣議決定されています。

業務内容

産業機械製造業における1号特定技能外国人が従事できる業務は、以下の18区分です。

 

鋳造

工場板金

電気機器組立て

鍛造

めっき

プリント配線板製造

ダイカスト

仕上げ

プラスチック成形

機械加工

機械検査

塗装

金属プレス加工

機械保全

溶接

鉄工

電子機器組立て

工業包装

 

鋳造を例とする具体的な業務は、溶かした金属を型に流し込む作業を行い、製品を製造することが挙げられます。また、それに付随する業務として材料の調達や清掃作業なども任せられます。

求められる人材

産業機械製造業で求められる人材は、「技能実習2号を良好に修了した人(技能実習3号を修了した人)」あるいは「技能水準と日本語能力水準を満たした人」のうち、在留資格である「特定技能1号」を取得した外国人です。

 

ここでは、1号特定技能外国人が産業機械製造業で従事する際に必要な「技能水準」と「日本語能力水準」について解説します。

 

技能水準

産業機械製造業の場合「製造分野特定技能1号評価試験」に通過することで技能水準を満たしているとみなされます。本試験の概要は、以下の通りです。

 

実施団体

経済産業省(試験監督等は経済産業省が選定した機関)

URL

https://www.sswm.go.jp/exam_f/examination_index.html

試験内容

実施形式:CBT(コンピューター・ベースド・テスティング)ペーパーテスト方式、製作等作業試験方式

<学科試験>問題数は試験によって異なる、試験時間60分

試験科目:業務区分によって異なる

<実技試験>問題数は試験によって異なる、実技試験60分

試験科目:業務区分によって異なる

〇以下の業務区分のうち、希望するものを受験

鋳造、鍛造、ダイカスト、機械加工、金属プレス加工、鉄工、工場板金、めっき、仕上げ、機械検査、機械保全、電子機器組立て、電気機器組立て、プリント配線板製造、プラスチック成形、塗装、工業包装

合格基準

<学科試験>

65%以上

<実技試験>

60%以上

※製作等作業試験方式の場合:判定方法は試験区分より設定

受験料

2000円

※2022年5月25日時点

※参照元:特定技能外国人材制度(素形材・産業機械・電気電子情報関連製造業分野

 

日本語能力水準

産業機械製造業では、「国際交流基金日本語基礎テスト」あるいは「日本語能力試験(N4以上)」のどちらかの試験に通過することで日本語能力水準を満たしていることが証明できます。

 

それぞれの概要は、以下の通りです。

 

試験名

国際交流基金日本語基礎テスト(JFT-Basic)

実施団体

国際交流基金

URL

https://www.jpf.go.jp/jft-basic/

試験内容

全50問程度、試験時間60分

実施形式:CBT(コンピューター・ベースド・テスティング)方式

<4セクション>

・文字と語彙(約12問)

・会話と表現(約12問)

・聴解(約12問)

・読解(約12問)

合格基準

200点以上

受験料(国内受験の場合)

7,000円

※受験する国によって料金は異なります。

※2022年5月25日時点

※参照元:「国際交流基金日本語基礎テスト」

 

試験名

日本語能力試験

実施団体

国際交流基金、日本国際教育支援協会

URL

https://www.jlpt.jp/

試験内容

認定の目安:N1~N5(数字が小さいほど、難度が高い設定)

※産業機械製造業分野の場合は、N4以上必須

<N4の試験科目>

〇言語知識(文字・語彙)科目(25分)

項目:漢字読み・表記・文脈規定・言い換え類義・用法

〇言語知識(文法)・読解科目(55分)

項目:文の文法1(文法形式の判断)・文の文法2(文の組み立て)・文章の文法・内容理解(短文)・内容理解(中文)・情報検索

〇聴解(35分)

・課題理解・ポイント理解・発話表現・即時応答

合格基準

<N4の合格基準>

合格点:90点

得点区分別得点

・言語知識(文字・語彙・文法)・読解:38点(基準点)

・聴解:19点(基準点)

受験料(国内受験の場合)

6,500円

※受験する国によって料金は異なります。

※2022年5月25日時点

※参照元:「日本語能力試験」

 

産業機械製造業以外の特定産業分野については、こちらのページをご覧ください。

まとめ

産業機械製造業は今後ますます需要が拡大すると予想される反面、深刻な人手不足に陥っています。しかしながら、2022年2月末時点で産業機械製造業における特定技能外国人の数が受け入れ予定人数を満たしたことで、特定技能外国人からの人気が高い職種であることが窺えます。このまま継続して外国人の雇用を進めていけば、十分に人手の補填ができるでしょう。

 

自社で雇用している技能実習生や留学生が、産業機械製造業における特定技能ビザの取得を検討している場合は、この記事を参考にしてください。

 

さむらい行政書士法人では、豊富な経験と実績を有した専門の行政書士が特定技能ビザ申請のサービスを提供しています。また、同業者に特定技能ビザ申請や入管業務のノウハウを教えている事務所でもあるため、安心してお任せできます。ぜひお問い合わせください。

 この記事の監修者

さむらい行政書士法人 代表 / 小島 健太郎

さむらい行政書士法人
公式サイト https://samurai-law.com

代表行政書士

小島 健太郎(こじま けんたろう)

 

プロフィール

2009年4月 行政書士個人事務所を開業
2012年8月 個人事務所を行政書士法人化し「さむらい行政書士法人」を設立

専門分野

外国人VISA・在留資格、外国人雇用・経営管理、永住・帰化申請
入管業務を専門とし、年間1000件以上の相談に対応

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